2012年01月

2012年01月26日

膝関節(24)

膝関節の屈筋

前回は大腿後側に位置する後大腿筋(屈筋)を述べました。

今回は下腿後側に位置している後下腿筋(屈筋)です。

○浅層

 下腿三頭筋(内・外腓腹筋、ひらめ筋)

 足底筋

 膝窩筋

○深層

 長趾屈筋

 後脛骨筋

 長母趾屈筋

 これらの深層の筋は足関節を底屈する筋群になります。

浅層の筋群が膝関節の屈筋になります。

浅層の筋群においても膝関節屈筋の主たる筋は下腿三頭筋の腓腹筋になります。

○下腿三頭筋
 
 1、腓腹筋
    
    起始:内側頭は大腿骨の内側上顆、
        外側頭は大腿骨の外側上顆からおこり、
        前者は外側下方へ、後者は内側方へ斜めに下り、ともに合して幅の広い厚い腱となる。
        ひらめ筋腱と融合して踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起につく。

     作用:足を底側方に屈し、踵をあげ、膝関節を曲げる。
         足を固定するときは、下腿および大腿を後方へひく。
 2、ひらめ筋
 
    起始:脛骨後面のひらめ筋線、脛骨の内側縁、腓骨頭、
        および腓骨と脛骨との間に張るひらめ筋腱弓からおこる。
  
    停止:強大な広い終腱は、腓腹筋の腱とともに踵骨腱(アキレス腱)につく。

    作用:足を底側方に屈し踵をあげ、足を固定するときは下腿を後方にひく。

 ○足底筋

   起始:大腿骨の外側上顆、膝関節包ことに弓状膝窩靭帯からおこり間もなく腱となり、
       薄い腱は腓腹筋とひらめ筋との間を下行する。

   停止:踵骨の内側につき、あるいは踵骨腱(アキレス腱)にいたる。
       なお、下腿筋膜・足底筋膜にもつく。

 ○膝窩筋

   起始:大腿骨の外側顆、外側側副靭帯および膝関節包からおこり、下内側方にゆく。

   停止:脛骨の後面で、ひらめ筋線より上方につく。

   作用:膝関節を屈し、下腿を内方に回転する。

以上が膝関節屈筋である大腿後側の筋と下腿後側の筋です。

さて、膝関節の屈筋は以上のように多く存在します。

膝関節の強力な屈筋は、前回述べた後大腿筋である。

半膜様筋と大腿二頭筋の長頭・短頭になります。

膝関節の弱い屈筋として、

縫工筋・・・・大腿後側
薄筋・・・・・大腿後側
腓腹筋・・後下腿筋
膝窩筋・・・・後下腿筋

大腿二頭筋短頭と膝窩筋以外の屈筋は2関節筋になっています。

膝関節の屈曲力の強さは、腓腹筋の微小な活動を除外すると股関節の肢位に影響されます。

膝の屈曲力は、股関節が屈曲位あるほどより強力になります。

特に強力な屈筋である半膜様筋と大腿二頭筋は、股関節の屈曲でより強力になる

また膝の自動屈曲は、股関節が屈曲位にあるときに最も可動域が大きくなり、最も強力になります。

屈筋は、伸展機構と比べるとかなり弱い。

後大腿筋の全仕事能は膝伸筋の42キログラムに対して15キログラムに過ぎないとされています。

膝関節の基本機能は伸展機構にあると何度も述べています。

したがって膝関節は拮抗筋である屈筋の活動と協調することとなります。


面白いのは、
もしも、立位の姿勢において膝関節が屈曲位にあれば、体重の荷重が脚と足に加わる。
このような時、ハムストリングスと腓腹筋の筋群は膝関節の伸筋として作用する。



touyou8syok9 at 21:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2012年01月19日

膝関節(23)

膝関節の基本は伸展機構でした。

大腿四頭筋によって膝関節を伸展され、膝蓋骨は、伸展力を支えあるいは支点にもなっています。

さて膝関節を伸展させる筋はすでに述べたように前面に位置する大腿四頭筋です。

伸展の反対の屈曲の筋は、

膝関節の後方の筋である大腿後部および下腿後部の筋になります。

これらの筋は後方で膝関節を超えて走行し、膝関節を屈曲させ、なおかつ回旋の補助をすることとなります。

膝関節の運動の基本は伸展作用であり、当然その反対の屈曲作用も含まれます。

大腿の後側の筋群をまとめてハムストリング筋群(ハムストリングス)と一般に呼ばれておりますが、

外側と内側の筋群に分けます。

外側の筋群は、大腿二頭筋(大腿二頭筋長頭、大腿二頭筋短頭)

内側の筋群は、半腱様筋、半膜様筋

これらの筋群は、大腿二頭筋短頭を除けば、2関節を超えているので、膝関節と股関節に影響を与えます。

後大腿筋(屈筋)

○大腿二頭筋
 
 大腿後側(屈)側の外側部を占める。
 
 起始:
  
  長頭:坐骨結節の後面(半膜様筋とともに)
 
  短頭:大腿骨の粗線外側唇の下方二分の一からおこり
 
  両頭は合して共同の腱となり、膝窩の外側下方に進む。

 停止:腓骨頭、下腿腱膜

 作用:下腿を屈し、かつ外側方に捻転する。

○半腱様筋

 大腿二頭筋長頭起始の内側にある細い筋で膝窩の内側に走る。

 起始:坐骨結節の内側面から起こる。その下半は細い腱となり下内側方に向かう

 停止:脛骨粗面に沿い薄筋付着部の後下方につき、また下腿筋膜につづく。
    
   この筋は脛骨を取り巻いて扇状の腱に終わり、縫工筋および薄筋の腱とともに鵞足を作る。

 作用:下腿を屈し、かつ内側方にまわす。

    大腿を固定固定するときは骨盤を起立させる。

○半膜様筋

 半腱様筋に被われていて、上半は広い腱膜で、中ごろから筋腹となって、下内側方に走る。

 起始:坐骨結節

 停止:脛骨の内側顆、斜膝窩靭帯、下腿筋膜、

 半膜様筋は前記鵞足に被われていて、いわゆる深鵞足を作る。

 作用:下腿を屈し、かつ内側にまわす。





touyou8syok9 at 19:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2012年01月12日

膝関節(22)

膝蓋骨周囲の障害

特に膝蓋大腿関節の膝関節伸展機構に関係した障害を述べます。

○ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)

 膝関節の伸展機構に過度の張力が繰り返されて発生するオーバーユース症候群。

 ジャンプを頻回に繰り返すスポーツに多く発生するのでこの名がある。

 膝蓋骨底や膝蓋骨尖部周辺部に疼痛を訴えるが、膝蓋骨尖部が多い。

○シンディング・ランセン・ジョハンソン病

 膝蓋骨尖部に石灰化を認め、疼痛を訴える。

 膝蓋骨尖部に限局性の圧痛および運動痛がある。

 10歳前後の男性に多くみられる。

 ジャンパー膝の若年型と考えられている。

○オスグッド・シュラッター病

 脛骨粗面部に発症する代表的な骨端炎

 10歳代前半のスポーツを盛んに行う少年に多発する。

 脛骨粗面部に疼痛、腫脹、圧痛がある。

 脛骨粗面部に膨隆を認めることが多い。

 X線像において、脛骨粗面部の骨端核の乱れや分節化などが認められる。

 骨単核の乱れは二次骨化核への牽引力による裂離損傷が主な原因とされています

 脛骨粗面に骨端核が存在する時期(約10歳から15歳)に反復する大腿四頭筋の牽引刺激が

 引き金となって発症する。

 つまり骨の長軸成長と軟部組織の伸長があっていないことが基本となり、それに反復する

 大腿四頭筋の牽引刺激が引き金となる。

○滑膜ヒダ障害(タナ障害)

 膝関節関節包における膝蓋内側滑膜ヒダの問題になります。

 膝関節の伸展機構に直接関係はありませんが、内側膝蓋大腿関節間におこる障害です。

 解剖学においては関節包の内層には滑膜が存在しています。

 膝関節前面の関節包は、膝蓋骨後面と両顆関節面を被っています。

 滑膜には脂肪のつまったは関節腔内へ飛び出す突起、すなわち滑膜ヒダと滑膜絨毛がみられます。

 膝関節内には、膝蓋骨の下端から大腿骨の顆間窩に向かって滑膜のヒダが前後に走っており

 これを膝蓋下滑膜ヒダと呼んでいます。

 加わえて、このヒダから内外両側に向かって内部に膝蓋下脂肪体という脂肪組織を含んだ

 滑膜のヒダがのびて関節腔のすきまを満たすようになっています。

 この滑膜ヒダは膝蓋骨の上・下・内・外に存在し得るが、このうち膝蓋内側滑膜ヒダが

 内側膝蓋大腿関節間にインピジメントされ疼痛をきたした場合を滑膜ヒダ障害と呼ぶ。

 膝蓋骨内側部に疼痛があり、膝関節屈伸時に引っかかる感じを訴えます。

 立ち上がる動作や歩行時に有痛性のクリックを認める。

○膝蓋下脂肪体炎
 
 膝関節前面の滑膜と線維膜の間に埋め込まれている脂肪を膝蓋下脂肪体という。

 この脂肪体は外傷などによって、炎症をおこす場合もあり、

 最初に述べた膝蓋靭帯の疼痛との鑑別が必要な場合があります。

 膝関節の屈曲して疼痛が増悪する場合は膝蓋靭帯、屈曲して疼痛が消失あるいは軽減すれば

 膝蓋下脂肪体と簡易判別します。



touyou8syok9 at 21:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節