2012年05月

2012年05月31日

膝関節(39)

大腿四頭筋


大腿四頭筋と歩行

立脚相は正常歩行の60%を占め(両足が床に接地している両脚支持期は25%)

遊脚相は40%を占めています。


踵接地期から立脚期がはじまります。

 大腿四頭筋が収縮し、膝が屈曲していくにつれて減速していきます。

 踵接地期では大腿四頭筋はショックを吸収するために最大限の収縮をします。

 立脚期が始まる踵接地から、大腿四頭筋が収縮し膝を伸展させることになります。

 踵接地期および足底接地期においては足はしっかりと床につき、身体が足を乗り越える。

 身体が体重負荷を超えるにつれて、膝はやや屈曲してショックを吸収することとなる。
 
 立脚期が進むにつれて膝は徐々に屈曲していく。

 そして、膝は全伸展となる。

 立脚中期においては身体上昇するのを減少させる膝屈曲(約15度)を減速させるのに弛緩する。

 膝の屈曲60度まで達すると、大腿四頭筋はそれ以上の屈曲を減速していく。

 立脚中期においては軽度の膝屈曲があり、大腿四頭筋の等尺性収縮が起こっています。

 そして、踵離地でやや屈曲し始め足指離地(踏切期)の後も膝は屈曲しており、

 そのまま下腿は遊脚期に入る。

 膝は遊脚期の間はずっと屈曲しています。

 踵接地前に再び伸展します。

遊脚相の開始は腸腰筋と大腿四頭筋が収縮します。

 腸腰筋は大腿四頭筋とともに遊脚相での前方移動を開始するために収縮します。


このように大腿四頭筋が重要な働きを持つことは理解できます。

そして大腿四頭筋が膝関節のアクセルであり、抑制するのがハムストリングとされているのですが


touyou8syok9 at 21:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2012年05月24日

膝関節(38)

大腿四頭筋

前回は、膝関節筋の癒着によって膝関節が拘縮した場合の膝関節の可動域は、

どのようになっているのでしょうか?・・・・・と問いましたが、

少し復習してみますと、

中間広筋は膝関節筋・膝蓋上包と一緒に考えると理解しやすい。

結局、前回の質問の意味は、膝蓋上包による癒着が起こった場合どうなるのでしょうか?

という意味ですね。


また、膝蓋上包の癒着とは、

結局は膝関節筋と中間広筋が癒着してしまうということですね。

膝関節の可動域はどのようになるのでしょうか?


ここは、重要ですので、もう一度述べますが

構造では、中間広筋の深層筋が膝関節筋であり、その間に膝蓋上包が存在し、

二重膜のような構造になっています。

伸展位においては膝蓋上包は近位に引き込まれており二重膜構造となっています。

そして、屈曲するに従って膝蓋骨は転がり・滑り運動によって下方に引っ張りこまれます。

屈曲するにしたがってこの二重構造が減少していき90度から100度屈曲で一重構造になり、

その後は更に膝蓋骨が下方に引き込まれて膝関節屈曲が可能な構造になっています。


そしてこの膝蓋上包は関節腔と連絡している滑液包でもあるのです。


さて前回には、

中間広筋が膝関節の運動に主に働くのは0度〜90度の範囲で働くと前回説明しました。


詳しく述べると膝関節が伸展位から屈曲位に移行する場合、

0度〜30度は膝蓋靭帯で可能です。

40度〜60度、および

60度から90度・100度までは中間広筋の深層筋と膝関節筋の二重構造のおかげで可能

100度以上の屈曲は中間広筋・膝関節筋の影響を受けることなく、膝蓋骨が更に

下方に引き込まれる転がり・滑り運動により可能になります。


30度までは膝蓋靭帯によって可能ですので、

たとえ中間広筋と膝関節筋の癒着により二重構造が消失しても可能になります。

そして中間広筋と膝関節筋の二重構造は90度・100度屈曲してしまうと単膜構造移り、

膝蓋骨は滑り・転がり運動を続け更に下方に引き込まれ屈曲が可能となっています。

つまりこの30度から90度・100度の範囲において中間広筋と膝関節筋が癒着してしまうと、

二重構造が消失し、膝蓋骨が下方に引っ張り込まれる転がり・滑り運動ができなくなってしまい、

膝関節屈曲が不可能になるのです。


もし中間広筋と膝関節筋とが癒着すると、拘縮がおこります。


この癒着が、膝蓋骨に近い部位でおこると30度程度までしか屈曲できない。

膝蓋骨に遠い部位でおこれば90度程度まで屈曲可能になります。

癒着の位置によって拘縮位置が変化します。


癒着は主に中間広筋と膝関節筋などの高度の炎症や二重構造になっている滑液包である

膝蓋上包の炎症、付属する腱の炎症によるタンパク質変性とカルシウム沈着などによる

骨化による癒着とされています。

この癒着による拘縮は強直ですので、保存療法は無効。

したがって、癒着しない予防が重要になります。


touyou8syok9 at 21:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2012年05月17日

膝関節(37)

大腿四頭筋

膝関節の伸展機構は大腿四頭筋がつかさどっていることは誰もが知っています。

そして、構成している4つの筋肉の主な作用も知られています。

しかし、伸展作用(膝関節の最終屈曲位から完全伸展位まで)の各筋肉の作用は?

可動範囲における各筋肉の働きは知っていましたか?


膝関節の可動範囲を考えるとき

 1、大腿直筋は、屈曲位の最終域から0度まで主に働きます。

 2、外側広筋は、その際に安定した働きができるように働いています。

 3、中間広筋は、およそ90度屈曲位から0度までが主に働きます。

 4、内側広筋は、およそ屈曲位5度から0度で主に働きます。

このように構成されている4つの筋肉がお互いに助け合いながら正常可動域で協調して

膝関節の伸展作用(最終屈曲位から0度の伸展位まで)を行っているのです。


各4つの筋肉のを個別にターゲットとしてエクササイズ実施する場合に、

このことを知っていると非常に便利ですね。


特に膝関節に関節水腫が発生した場合、大腿四頭筋の内側広筋の筋活動に対して、

反射的に神経の抑制回路が働き、筋委縮が引き起こされます。

膝関節の関節腔内の関節液の量が急速に10cc〜20cc増加するとでこの抑制回路が働くとされ、

関節液の量が多くなるほど内側広筋→外側広筋→大腿直筋の順に抑制を受けます。

 これは膝関節が自然に治癒しようとして膝関節の動かさないでおこうする結果なのです。

 膝関節の水腫が多くなると関節包等に存在する神経受容器によって立脚位における

 膝関節・股関節の屈曲の角度を増加させ膝関節の運動を低下させることにより

 大腿四頭筋の活動を抑制させているのです。

 その代わりに大腿四頭筋の拮抗筋である大腿後側にあるハムストリングスの筋活動が高まります。


つまり大腿四頭筋の筋萎縮による筋力低下は膝関節に備わった自然治癒力の結果なのですが

多量の関節液(20cc以上)による水腫がいつまでも消失しない状態が長期間続いたり、

いつまでも疼痛や炎症が残存しわずかな関節液(10cc前後)の浸出の消退を繰り返したり、

単純な疼痛反射も加わり筋委縮が助長され間違った歩行につながったり、膝の屈曲拘縮等による

膝関節の機能障害を引き起こすことは容易に想像できます。

日常の臨床において、このような膝関節の機能障害は非常に多くみられます。


それでは、前回の膝関節筋の癒着によって膝関節が拘縮した場合の膝関節の可動域は

どのようになっているのでしょうか?


touyou8syok9 at 20:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2012年05月10日

膝関節(36)

大腿四頭筋

4、中間広筋

この中間広筋と一部である膝関節筋および膝蓋上包はワンセットとして考えて欲しい。

つまり膝関節筋は中間広筋の深層筋でその間の空間に膝蓋上包が存在している。

・・・・・・・・・・・と考えると便利だと思います。

このことは、膝関節の屈曲ー伸展運動において重要な構成をしています。

少し説明します。

○膝関節筋:中間広筋の一部がわかれたもので、これに被われています。

        中間広筋の深部から起始している線維群で膝関節包の上陥没である
        膝蓋上包に停止する。

この起始(中間広筋)と停止(膝関節包の上陥没である膝蓋上包)の関係が重要になっています。

○膝蓋上包:膝蓋骨の上方、大腿四頭筋の下に存在する滑液包です。

 この膝蓋上包は膝関節関節腔と交通している滑液包です。

この滑液包は臨床に非常に重要です。
 
 この滑液包は大腿四頭筋と大腿骨の間で長く延長できる袋になっています。

 また内側広筋の線維がこの膝蓋上包に直接付着しています。

 膝関節伸展時、この膝関節筋が収縮することによって、膝蓋上包は上方に引っ張られ、

 延長し二重の膜(中間広筋と膝関節筋)のような構成になり、

 屈曲していくと膝蓋骨が下方に滑り込み徐々に一つの膜(中間広筋)へと変わっていきます。

 また滑液包という役目では、

 膝関節の前方部に存在している滑液包で関節腔と交通している滑液包です。

 一方

 膝関節の後方部に存在する滑液包で関節腔と交通している滑液包には

 ○膝窩筋下陥凹:関節の後壁と膝窩筋の間
 ○腓腹筋の内側腱下包:腓腹筋の内側頭と大腿骨の内側上顆の間
 ○腓腹半膜様筋包:腓腹筋の外側頭と半膜用筋
   腓腹筋脛側頭包と腓側半膜様筋包とが一緒になったもの
  
 以上の3種類があります。

関節腔内での滑液(関節液)の潤滑において

 膝関節の屈曲時、

 滑液包(関節包)の後方は弛緩するが、膝蓋上包は大腿四頭筋により圧迫され

 (膝関節筋は弛緩し)押しつぶされます。→滑液は後方に移動する。

 膝関節の伸展時、

 膝蓋上方は上方にひかれ延長する(膝関節筋は緊張)が、滑液包(関節包)の後方は、

 腓腹筋により圧迫され、押しつぶされます。→滑液は前方に移動する。

 このようにして、滑液は関節腔内を絶えず循環しています。

臨床において

もし、この中であるいは周囲において高度の炎症が発生した場合は、

膝蓋上包、筋あるいは腱などが高度の炎症によって筋性化骨あるいは骨棘などの骨化が起こっしまいます。

つまり膝関節筋が癒着してしまうわけです。

そうなってしまうと、膝関節の屈曲ー伸展機構に重要な障害を起こしてしまいます。

拘縮の問題ですね。

もう少し述べてみます。

touyou8syok9 at 20:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節