2012年08月

2012年08月30日

膝関節(50)

膝関節の主な靭帯の作用を簡単に少しまとめてみます。

○側副靭帯

 側副靭帯は内反・外反の制限。
 
 伸展位においては内反・外反運動は全く不可能。

 屈曲位においては、測定ができないほどわずかに可能。

○十字靭帯

 十字靭帯は、前方・後方への制限

 この運動は、屈曲位でのみでしか測定できないが、できてもわずか。

 屈曲位において前方引き出し・後方引き出しは不可能。

脛骨の過伸展は、内側側副靭帯、前十字靭帯、後部線維帯によって制限されている。


膝関節は屈曲動作で内旋、伸展動作で外旋の自動回旋ができる。

これらは膝関節面の内側と外側の非対称性による

膝関節伸展位において

 仮に、側副靭帯のみであれば膝の内旋は少し可能。
 仮に、十字靭帯のみであれば膝の外旋は少し可能。

したがって、

伸展位においては、側副靭帯と十字靭帯の共同作用のため軸回旋は不可能。

 脛骨の外旋は、両側の側副靭帯・後十字靭帯によって制動される。
 
 脛骨の内旋は、前十字靭帯・後十字靭帯により制動される。
 実際は、脛骨の回旋域は内旋域・外旋域を含め10°存在している。

膝関節屈曲位においては、軸回旋運動が可能になる。

 十字靭帯は軽度屈曲位において回旋を制限している。

屈曲位20°〜60°において側副靭帯は弛緩し、脛骨の内旋・外旋が可能になる。

 外旋は、内側側副靭帯と後十字靭帯が緊張、および内側半月によって制動される。

 内旋は、主に前十字靭帯とわずかに後十字靭帯の緊張により制動される。

60°屈曲位において回旋域が30°となり最大となる

90°まで屈曲してしまうと、脛骨の回旋は可能ですが、可動域は減少し20°程度。


特に60°屈曲位において外反・外旋が強要されると、内側側副靭帯にはかなり強い緊張がかかる。

もしこの時、内側側副靭帯が断裂すると、外旋は前十字靭帯によって制御できなくなり、

外旋が増加し、回旋域が55°となる。

そして更に、外旋が強要されると、前十字靭帯の断裂も起こりうる。

このように膝関節には外反→屈曲→脛骨外旋による受傷機転が多く遭遇する。


<受傷時の膝の肢位によって靭帯の損傷を予想>

 ○膝軽度屈曲位、外反・外旋位・・・・・内側側副靭帯、前十字靭帯

 ○膝軽度屈曲位、内反・内旋位・・・・・外側側副靭帯、後十字靭帯

 ○膝過伸展位・・・・・・・前・後十字靭帯
 
 ○膝を深く屈曲位での後方押し込み位・・・後十字靭帯

 ○前十字靭帯損傷時は内側側副靭帯を疑う。





touyou8syok9 at 19:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2012年08月09日

膝関節(49)

十字靭帯は大腿骨に対する脛骨の前後の滑動を制限していると同時に、回旋も制限している。

前十字靭帯は初めの15度〜20°の屈曲と外旋でゆるみがある。

更に回旋すると靭帯は外側大腿顆の内側の周りを取り巻いているので、緊張が高まることとなる。

前十字靭帯は2本の平行な帯でできている。

後外側帯と前内側帯と呼ばれる二つの線維束からなる。

この二つの線維束は起始(およそ脛骨の内側顆)停止(およそ大腿骨の外側顆)の関係から

捻じれた線維配列となっている。

全可動域を通してそれぞれの帯の一部が弛緩して他の部分が緊張しているが、

すべての動きにおいて緊張し続けている部分も存在する。

前内側帯は70°屈曲から全屈曲まで緊張していて、膝屈曲90°での前方移動に対する抵抗の

85%を占めている。

後外側帯は全伸展および屈曲のはじめ40°〜50°で緊張しており、

40°〜50°の屈曲では両帯が弛緩し、この屈曲の時点で前方への歪が最大になる。

両方の帯は回旋を制限している。

後十字靭帯も類似の配列をもっている。前外側帯、後内側帯が存在している。

前十字靭帯よりも強靭であり、屈曲位において緊張は増大し、伸展位においても緊張するが、

前十字靭帯と比較するとその緊張度は低い。

このように膝関節が屈曲位でも伸展位でも、十字靭帯は緊張しているが、

屈曲の初期においては前十字靭帯の緊張は少し減少する。



touyou8syok9 at 21:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2012年08月02日

膝関節(48)

十字靭帯
 
 大腿骨および脛骨の相対する関節面は、関節腔内を上下に走る強い2靱帯によって固く結ばれる。

 これらはほぼ十字形に交わり、全体として膝十字靱帯と呼ばれ、

 その前方のものを前十字靱帯、後方のものは後十字靱帯と呼ばれる。


前十字靭帯

 脛骨の前顆間区の内側部から起こり、後上外側方に上り大腿骨外側顆の内側面につく。

 大腿骨に対して脛骨が前方へすべり出るのを防いでいる。


後十字靭帯

 脛骨の後顆間区の外側部から起こり、外側半月から線維を受けながら前上内側方に上り、
 
 前十字靭帯の後側をとおって大腿骨内側顆の内面前部につく。

 後十字靱帯の方が垂直に近い走行を示す。

実際の膝関節の屈曲―伸展時

 側副靭帯は屈曲20°で緩み、内側外側の動きが可能になり、大腿顆に対して脛骨の回旋が

 膝関節の屈曲ー伸展の際可能になる。

 屈曲と伸展の際、大腿骨に対して脛骨の回旋があり、屈曲において特に最終段階から

 徐々に脛骨の内旋を伴う。

 再伸展においては、全伸展に達するまで大腿顆に対しては脛骨の外旋を伴う。

 大腿顆の関節面は前後径より長い、このことは、脛骨が外顆よりも内顆のより長い道筋を

 滑動することを意味している。

 脛骨が両顆部への滑動の最終段階まで達するときに、内側は全体が使われないので、

 さらなる動きが起こるが、これは回旋方式のみ可能で、限界がある。

このように膝伸展での外旋と膝屈曲での内旋である。


十字靭帯は膝関節の前方・後方の引き出し運動の制限のみだけでなく屈曲ー伸展に関して

回旋運動にも影響を与えている。





touyou8syok9 at 21:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節