2012年09月

2012年09月27日

膝関節(54)

膝関節における主な損傷として、側副靭帯、十字靭帯、半月板の損傷を述べましたが、

これらは、膝関節を構成する一つの関節である大腿脛骨関節における主な損傷・障害です。

膝関節には、もう一つの関節である膝蓋大腿関節が存在しています。

この関節における主要な靭帯は膝蓋靭帯です。

この靭帯が直接損傷することは、まずありませんが関連した障害は多い。


大腿脛骨関節における側副靭帯・十字靭帯、半月板の役割は膝関節の安定および支持性が

主体な作用であり、膝関節の伸展機構においては運動の誘導という作用を持っています。


一方の大腿膝蓋関節における膝蓋靭帯は、明らかに膝関節の伸展運動にかかわっています。

膝蓋大腿関節の純粋な機構(単純に)である大腿四頭筋腱ー膝蓋骨ー膝蓋靭帯ー脛骨粗面という

一連の膝伸展機構に大きな役割をもっており、直接伸展力が加わり障害は多く遭遇します。


すでに述べていますので、簡単に。

1、膝蓋靭帯に関する障害

 ○ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)
   膝蓋骨の上縁か下縁に圧痛
 ○シンディング・ランセン・ジョハンソン病
   ジャンパー膝の若年型と考えられている。
 ○オスグッド・シュラッター病
    脛骨粗面部に発症する代表的な骨端炎
    10歳代前半のスポーツを盛んに行う少年に多い
    脛骨粗面に圧痛
    オスグッド・シュラッター病のほとんどのケースには大腿筋膜張筋の拘縮が
    合併しているとされている。

2、膝蓋骨(種子骨)に関する損傷

  大腿四頭筋腱と膝蓋腱の間で伸展機構に組み込まれた、膝蓋骨(種子骨)の損傷は機能的には、
  膝蓋靭帯損傷あるいは障害と同様です。
   ○膝蓋骨脱臼・亜脱臼
   ○膝蓋骨骨折
   ○膝蓋軟骨軟化症


3、、関節包の問題
 
 ○滑膜ヒダ障害(タナ障害)
   膝蓋内側滑膜ヒダは、膝蓋骨の上・下・内・外に存在し得るが、このうち膝蓋内側滑膜ヒダが
   内側膝蓋大腿関節間にインピジメントされ疼痛をきたした場合を滑膜ヒダ障害と呼ぶ。
   膝蓋骨内側部に疼痛があり、膝関節屈伸時に引っかかる感じを訴えます。
   立ち上がる動作や歩行時に有痛性のクリックを認める。
   膝蓋骨内側に圧痛が存在する。

 ○膝蓋下脂肪体炎
   多くは外傷性。
   膝蓋靭帯の疼痛との鑑別が必要
   膝関節の屈曲して疼痛が増悪する場合は膝蓋靭帯、屈曲して疼痛が消失あるいは軽減すれば
   膝蓋下脂肪体と簡易判別する。


その他

 ○腸脛靭帯炎
   大腿骨外側上顆の2、3センチ近位で腸脛靭帯を圧迫しながら屈曲位から伸展させていくと、
   疼痛もために伸展できない。

 ○鵞足筋炎、鵞足滑液包炎
   脛骨内側顆、
   鵞足筋(縫工筋、薄筋、半腱様筋)の脛骨付着部に圧痛。
 
 ○ベーカー嚢胞
   膝後方にて両側ハムストリング筋群の間で腫瘍を触れる。
   リウマチ、変形性膝関節症などで多く発症するが、膝伸展筋である大腿四頭筋の拮抗筋である
   ハムストリング筋との関連であえてここで紹介しました。



touyou8syok9 at 20:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2012年09月20日

膝関節(53)

膝関節

○半月板損傷

 靭帯損傷につづき、比較的多い損傷です。

内側半月と外側半月の違いを簡単に。

 内側半月:形はC型、
        前方から後方まで関節包に付着している。
        内側側副靭帯に付着している。
        屈曲伸展時に6mm程度前後に移動する。
        下腿内旋時には半月板は前進する。
        下腿外旋時には半月板は後退する。
        損傷の形態は、縦断裂が多いとされています。

 外側半月:形はO型、
        前方2分の1まで関節包に付着している。
        外側側副靭帯と線維性の結合はない。
        屈曲伸展時に12mm程度前後に移動する。
        下腿内旋時には半月板は後退する。
        下腿外旋時には半月板は前進する。
        軸回旋も内側半月よりも自由な動きが可能。
        損傷の形態は、横断裂が多いとされています。

半月板損傷はサッカーやバスケットなどのスポーツ外傷によるものが多い。
また中高年者においては、変性を基盤として発生されるとされています。

前十字靭帯損傷と合併することも多いとされています。
したがって、靭帯の不安定性の有無を確認することは不可欠になります。
また他の靭帯あるいは軟骨損傷の合併も多く発生されているいわれます。

半月板は血行に乏しく関節包由来の血行により栄養をうけるが、中心部には全く血行がない。


したがって損傷がわずかの場合は保存療法として、ギプス固定、装具固定。

半月板付着部外側三分の一には血行が存在するため、この部位での損傷は半月板縫合術。

それ以外では、半月板切除術になります。

MRIによる半月板損傷の分類。

 グレード機半月板内の点状高信号
 グレード供半月板内の線上高信号
 グレード掘半月板表面に達する高信号

最終的に手術かどうかあるいは手術方式の決定も関節鏡視下での診断になっています。

主に、関節鏡視下での半月板縫合術あるいは半月板切除術が行われる。



理学的徒手検査

マックマレーテスト:膝関節最大屈曲し、膝を伸展させながら下腿に内旋外旋を加える。
            外旋時、内側関節裂隙にクリックを感じれば内側半月板損傷、
            内旋時、外側関節裂隙にクリックを感じれば外側半月板損傷を疑う。
            膝関節が最大屈曲に近い状態でクリックがあれば半月板後角、
            90°に近い場合は半月板中節の断裂を疑う。
        という有名な徒手検査です。、

   実際有力な理学的検査なのでしょうが、陽性ならばハッキリ損傷がわかるのですが、
   感度はあまりよくないように思います。

※そこで、検査器具がない私たち柔道整復師の場合には関節裂隙の圧痛があれば陽性とし、
  半月板損傷を疑い医師に託しMRIなどの精検を薦める方が患者のためです。
  関節裂隙を前方から後方にたどれば、半月板前角・中節・後角を触れる。
  半月板損傷においては、この部位に圧痛が出現します。

※側副靭帯損傷においては関節裂隙よりもむしろ靭帯の骨付着部に圧痛が出現する場合が多い。
  変形性膝関節症でもこの部位に圧痛が存在しますが、
  病歴や受傷機転などの問診にて区別は可能でしょう。

ということで、膝関節は最初に述べたように体表に近い関節ですので、
触診は重要であり熟知することは非常に臨床では有用になりますので、何度も練習しましょう。
診断が重要になります。

この半月板損傷も疑えば、ただちに医師に託しましょう。

しかしながら手術後あるいは長期による装具固定後における疼痛の軽減や機能回復においては、
柔道整復師の施術者レベルでも充分に対処、対応ができ効果も大きく期待できる疾患です。

くれぐれも焦らず、自信をもって診断し、疑えば医師に託しその後の施術にシッカリと対応しましょう。



touyou8syok9 at 21:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2012年09月13日

膝関節(52)

膝関節の靭帯損傷

十字靭帯損傷

○前十字靭帯損傷:比較的頻度は高い。
            膝外反・下腿外旋強要により受傷しやすい。
            ジャンプからの着地、急停止や方向転換などによる、脛骨に
            前方ストレスが加わり発症する。

 この靱帯は大腿骨に対して下腿の前方移動、内旋、膝関節外反、過伸展を制動している。
 そのほかに屈曲・伸展における運動軌跡の誘導に重要となる。

 前十字靭帯が損傷すると、
 屈曲30°から完全伸展する際に、脛骨外側顆が内側側副靭帯付近を中心に、内旋するように
 前方に亜脱臼する。
 この動きには、弾発現象を伴い著しい不安感を伴う。
 
 膝関節伸展位から屈曲する場合にはこの逆のメカニズムが起きる。

 この損傷による不安定を動的前外側回旋不安定性と呼んでいる。

 理学的徒手検査:前方引き出し検査、ラックマンテスト
           
           N―テスト:背臥位、膝関節60度屈曲位
                  母指にて腓骨頭を前方に押し出し、下腿に内旋力、膝関節外反力を
                  加えながら膝を伸展させる。
                  断裂があれば、膝関節20度付近で脛骨外側顆が前方に亜脱臼。
        pivot shift test:下腿遠位部を把握、膝関節軽度屈曲位とする。
                  断裂があれば、この状態で前方に亜脱臼した状態になる。
                  下腿に内旋力と外反力を加えながら屈曲していく。
                  膝関節30度付近で亜脱臼していた脛骨外側顆が整復されるのが
                  触知される。

この靭帯は治癒能力がきわめて低く、自然に修復されることは稀だとされています。

近年、新鮮損傷における十字靭帯(前十字靭帯も)を治癒に導ける保存療法として、
動的制動能力に優れた膝装具による保護的早期運動療法が靭帯修復に有効だという
臨床報告もあります。
但し残念ながらまだまだごく一部の病院で実施されているにすぎないようです。
そのため現状の臨床では、保温療法ではなく手術療法が主流になっています。

従って関節鏡視下靭帯再腱術が主な治療になります。

剥離骨折にも注意が必要です。


○後十字靭帯損傷:コンタクトスポーツやダッシュボード損傷が有名です。
            脛骨に後方ストレスが加わり発症する。
            前十字靭帯の2倍の強度があるとされています。
            前十字靭帯損傷より頻度は少ないとされていますが、
            私のような柔道整復師の臨床レベルにおいてはより多く遭遇する感が強い。
                   
            側副靭帯や後外側機構の損傷を伴うことも多く、機能障害を残しやすく注意。
            特に、膝窩筋複合体などを損傷すると、歩行や走行などの荷重時に、
            膝関節内反動揺や脛骨外旋動揺が増大する後外側回旋不安定性が発生する。
            
脛骨付着剥離骨折を伴いやすいので注意。

動揺性が軽ければ保存療法である装具固定が実施される。

 理学的徒手検査:後方引き出しテスト、ザギング兆候、グラビィティーテスト、

            後外側回旋不安定テスト・・背臥位、膝関節90°屈曲位にて脛骨上端を把握し、
                            後外側方向への動揺性を診る。
                            腓骨頭が後外側に偏移すれば陽性。
            reversed jerk test・・・・・背臥位、膝関節45°以上屈曲させ、下腿を外旋させる。
                           この時、脛骨外側顆は後外側に亜脱臼。
                           ここで、膝関節に外反力を加えながら徐々に
                           伸展させる。
                           完全伸展位になる直前に整復されれば陽性。


※膝関節の靭帯損傷においては、不安定性の有無が重要であり、合併症にも注意が必要。
 理学的徒手検査は重要になります。
 
十字靭帯の前方・後方引き出しによる不安定性のテストは有名すので実施されますが、
前外側回旋不安定性および後外側回旋の不安定性の確認テストも必要ですので、
必ず実施するように注意することが必要です。

膝関節の靭帯損傷においては、私を含め施術者レベルでは、診断能力が最も重要です。
損傷を疑えば、医師に託し、レ線やMRIによる確実な診断そして年齢や日常生活における仕事や
スポーツ等の支障を考慮され、手術になるケースが非常に多い疾患になります。

しかしながら手術後あるいは長期による装具固定後における疼痛の軽減や機能回復においては、
柔道整復師の施術者レベルでも充分に対処、対応ができ効果も大きく期待できる疾患です。

くれぐれも焦らず、自信をもって診断し、疑えば医師に託しその後の施術にシッカリと対応しましょう。


touyou8syok9 at 19:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 

2012年09月06日

膝関節(51)

膝関節の靭帯損傷

側副靭帯損傷

○内側側副靭帯損傷:膝靭帯損傷で最も頻度が多い。
              外反・外旋の強要でおこる。
              単独損傷の場合は、重症でも保存的治療。

  理学的徒手検査:外反ストレステスト

 <損傷のグレードの分類>

  外反動揺の検査は膝関節0°と30°屈曲位で行い、0°においても動揺性を認める場合は、
  内側側副靭帯のみならず前十字靭帯などの複合損傷が疑われる。

  グレード機ΑΑΠ議砲里澆覇依匹鮗┐気覆
  グレード供ΑΑ伸展位では動揺を認めない30°屈曲位にて軽度の動揺を示す
  グレード掘ΑΑ伸展位で不安定、30°屈曲位にて著名な動揺を示す

  前十字靭帯などの複合靭帯損傷では靭帯修復・再腱術となる。

         
○外側側副靭帯損傷:頻度は最も低いとされています。
              膝関節の内反の強要でおこる。
              膝窩筋腱や弓状靭帯、膝窩腓骨靭帯とともに後外側構成体を
              構成している靭帯です。

  外側側副靭帯は、全可動域で内反を抑制しており、伸展から60°の範囲で外旋も制御している。

  膝窩筋・腱などの後外側構成体は下腿の外旋を制御し、外側側副靭帯についで内反ストレスを
  制御している。

  したがって、後外側構成体を含めた複合靭帯損傷が起これば下腿外旋テストも陽性になる。
  
  この場合には、後十字靭帯の損傷と同様に後外側回旋不安定性が発生する場合がある。
 
 理学的徒手検査:内反ストレステスト

  内反動揺の検査は膝関節0°と30°屈曲位で行い、0°においても動揺性を認める場合は、
  外側側副靭帯のみならず腸脛靭帯や後外側構成体を含めた複合靭帯損傷が疑われる。

  関節動揺が強い場合は靭帯修復・再腱術が行われる。
  
  後外側不安定性の理学的徒手検査は、後十字靭帯の損傷にて、

  
※膝関節の靭帯損傷においては、不安定性の有無が重要であり、合併症にも注意が必要。
 理学的徒手検査は重要になります。
 側副靭帯の損傷における有名な外反・内反ストレステストですが、
 必ず膝関節伸展位および30°屈曲位において検査する。

十字靭帯損傷は次回に。





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