2012年10月
2012年10月25日
膝関節(58)
変形性膝関節症
一次性変形性膝関節症の予防あるいは解消できないのでしょうか?
変形性膝関節症の90%は一次性の変形性膝関節症です。
したがって発症の原因というよりも危険因子として
加齢、女性、筋肉の衰え、肥満、膝関節への負担の大きいスポーツ習慣、O脚や偏平足など、
足に合わない靴およびハイヒールなどがあげられています。
この危険因子をどう思われますか?
加齢と女性以外の危険因子は防止が可能だと思いませんか?
しかも、加齢・女性という危険因子においても少し疑問があります。
一度、平日のスポーツセンターやジムに行ってみてください。
70歳代から80歳前半の女性の人数がなんと多いことか!!
しかも彼女たちの多くは、お弁当持参で午前中から夕方の4時前後まで、水泳からエアロバイク、
マシーントレーニング、エアロビクスなどと一日数種類のメニューをこなし、週3回はジムに
通っておららえる人が非常に多い。
むしろ、身体に負担がかかり過ぎて関節は大丈夫か?とこちらが心配するほどです。
一度覗いてみてください。
平日のジムの参加人数は60歳代の女性を含めれば大半を占めていると思います。
本当に危険因子?かと思ってしまいます。
一方、膝関節の関節そのものに危険因子という因子を当てはめるならば、
確かに膝関節は股関節などと比較して力学的にも不利な状況下で働いています。
○膝関節は股関節のような単関節ではない。
大腿脛骨関節と膝蓋大腿関節の二つの体系化した複合関節である。
膝関節は構造的には顆状関節に分類され、機能的には蝶番関節とされています。
○膝関節は股関節の球状関節のように適合性の良い関節ではなく、
各関節表面の形態は一致していないために関節としての整合性は高くない
膝関節の大腿骨表面は凸状で、脛骨上関節面および膝蓋骨後面は、ほぼ扁平。
○膝関節は分厚い関節包壁や筋肉に包まれた股関節とは異なっている。
表在性の関節であり、筋肉は関節の移行部で終末の腱に移行している。
○膝関節は同じ荷重関節ではある股関節に比べて筋肉の付着部が関節運動の中心軸に近いため、
運動の力学的効率と安定化機構が劣っている。
STEINDLER,A、によると
「人体中、膝関節ほどその運動が高度な負荷を受ける関節は無く、また、最も酷使されやすい関節である。
力学的なストレスにさらされつつ、なお自由に安全機構を保持する関節の構築は、
自然の器用さをもても至難の業であった。」・・・・・・・・・・・と述べられています。
そのためにも膝関節は複雑な構造になっているのです。
それが、自然の器用さという事でしょう。
人工関節置換術の手術までに至る保存療法は、この自然の器用さを上手に利用し生かすこと。
それが変形性膝関節症の予防・解消につながると思います。
一次性変形性膝関節症の予防あるいは解消できないのでしょうか?
変形性膝関節症の90%は一次性の変形性膝関節症です。
したがって発症の原因というよりも危険因子として
加齢、女性、筋肉の衰え、肥満、膝関節への負担の大きいスポーツ習慣、O脚や偏平足など、
足に合わない靴およびハイヒールなどがあげられています。
この危険因子をどう思われますか?
加齢と女性以外の危険因子は防止が可能だと思いませんか?
しかも、加齢・女性という危険因子においても少し疑問があります。
一度、平日のスポーツセンターやジムに行ってみてください。
70歳代から80歳前半の女性の人数がなんと多いことか!!
しかも彼女たちの多くは、お弁当持参で午前中から夕方の4時前後まで、水泳からエアロバイク、
マシーントレーニング、エアロビクスなどと一日数種類のメニューをこなし、週3回はジムに
通っておららえる人が非常に多い。
むしろ、身体に負担がかかり過ぎて関節は大丈夫か?とこちらが心配するほどです。
一度覗いてみてください。
平日のジムの参加人数は60歳代の女性を含めれば大半を占めていると思います。
本当に危険因子?かと思ってしまいます。
一方、膝関節の関節そのものに危険因子という因子を当てはめるならば、
確かに膝関節は股関節などと比較して力学的にも不利な状況下で働いています。
○膝関節は股関節のような単関節ではない。
大腿脛骨関節と膝蓋大腿関節の二つの体系化した複合関節である。
膝関節は構造的には顆状関節に分類され、機能的には蝶番関節とされています。
○膝関節は股関節の球状関節のように適合性の良い関節ではなく、
各関節表面の形態は一致していないために関節としての整合性は高くない
膝関節の大腿骨表面は凸状で、脛骨上関節面および膝蓋骨後面は、ほぼ扁平。
○膝関節は分厚い関節包壁や筋肉に包まれた股関節とは異なっている。
表在性の関節であり、筋肉は関節の移行部で終末の腱に移行している。
○膝関節は同じ荷重関節ではある股関節に比べて筋肉の付着部が関節運動の中心軸に近いため、
運動の力学的効率と安定化機構が劣っている。
STEINDLER,A、によると
「人体中、膝関節ほどその運動が高度な負荷を受ける関節は無く、また、最も酷使されやすい関節である。
力学的なストレスにさらされつつ、なお自由に安全機構を保持する関節の構築は、
自然の器用さをもても至難の業であった。」・・・・・・・・・・・と述べられています。
そのためにも膝関節は複雑な構造になっているのです。
それが、自然の器用さという事でしょう。
人工関節置換術の手術までに至る保存療法は、この自然の器用さを上手に利用し生かすこと。
それが変形性膝関節症の予防・解消につながると思います。
2012年10月18日
膝関節(57)
変形性膝関節症
不思議、疑問な点
変形性膝関節症の約90%は、一次性(原発性)の変形性膝関節症
一次性変形性膝関節症は約50〜60歳代で初発。
人工関節全置換術の手術は60〜70歳が主流
一方の変形性股関節症は変形性膝関節症と違って一次性(原発性)が約20%。
変形性股関節症約80%は、二次性(続発性)が原因です。
人工関節全置換術の手術の年齢は60歳代以上が主流になり、
年齢的には変形性膝関節症より少し若い年代で実施されているようです。
変形性股関節症の二次性(続発性)の原因は、
生まれつき股関節の骨盤側の形が小さい臼蓋形成不全、発育性股関節脱臼
(先天性股関節脱臼)、大腿骨すべり症、ペルテス病などの小児の股関節の病気、
その他には二次性の変形性膝関節症と同じように、骨折や脱臼などの外傷、リウマチ、
痛風や化膿性関節炎などの炎症、その他の原因によって生じるものがあります。
このように股関節症全体の約80%は、発育性股関節脱臼の後遺症や股関節の形成不全といった
子供の時の病気や発育障害の後遺症が主なものとされています。
変形性股関節症の病期の分類
1、前股関節症
2、初期股関節症
3、進行期股関節症
4、末期股関節症
ほぼ、膝OAと同じように進行します。
変形性股関節症の手術の種類
1、関節温存手術
自分の骨を使用して変形した関節を改善する手術です。
うまくいけば一生持たすことができます。
不幸にも再び痛みがでてくれば、その時点で人工関節手術が可能です。
○骨盤骨回転骨切り術(RAO)
骨盤側の骨を切って回転させて臼蓋が大腿骨を包み込める大きさにする手術。
変形が前・初期で関節裂隙が十分残存し、臼蓋形成不全がそれほどひどくなく、
大腿骨頭が円形の場合に行われます。
○骨盤骨骨切り術
骨盤の骨を切って移動させ、臼蓋のあ発育不全を矯正する方法。
キアリ法とソルター法があります。
キアリ法
30歳〜40歳代の股関節OAの初期に多く用いられる。
骨盤骨回転骨切り術では対応できない場合に用いられる。
骨盤進行した例では、骨盤骨切り術に大腿骨骨切り術の併用。
進行期、末期にも可能ですが、50歳以上では人工関節置換術が一般的
ソルター法
思春期以前に行われる場合が多い。
大腿骨切りと骨盤骨切り(ソルター手術)の同時手術が行われる場合が多い
小児整形の充実した病院でのしっかりとした術前、術後管理が必要。
2、人工股関節置換術(THA)
入院期間も短期で術後の管理も容易なため現在では主流になっています。
変形性股関節症の手術では60歳代の手術は人工股関節置換術が主流とはいっても、
それまでの年齢、進行の程度においては、変形性の原因が二次性(続発性)のために、
年齢や変形の程度やによってさまざま種類の手術が選択されています。
しかしそれでも、60歳以上の手術は、人工股関節置換術(THA)が主流になっています。
2010年の手術件数のデータによると、
人工関節手術の部位の内訳では膝関節が約60%、股関節が37%、肘関節1%、肩関節1%、
その他1%となっています。そして、
変形性膝関節症の人工関節置換術(TKA)の手術件数は、約6万千件におよび、
その他の手術方法は1割にも満たない。
医療費が少なくて済むが、長期入院や術後管理の難しい高位脛骨骨切り術(HTO)は、
年間700件に満たないとも言われています。
変形性股関節症における人工股関節置換術(THK)の手術件数は、約4万4千件、
人工関節置換術以外の手術方法は一割にも満たない。
ここでもう一度、不思議だと思いませんか?
変形性股関節症全体の約80%は二次性が原因で主に発育性股関節脱臼の後遺症や
股関節の形成不全といった子供の時の病気や発育障害の後遺症が主なものとされています。
そのような状態の関節状態から徐々に進行して思春期、少年期、思春期、青年期、成人し壮年期、
中年期にいたりながら60代頃からそろそろ全置換術の手術を考えるというのが一般的です。
不幸にして50歳以前に手術しなければならない場合もあるでしょが、データにも示されているように
その件数は、はるかに少ないようです。
二次性の変形性股関節症においても、非常に長い年月を経過して初めて手術という段階にいたります
一方、変形性膝関節症の90%は、一次性の変形ですので早くて壮年期の50歳代が初発です。
手術にいたるまでは、膝関節も股関節も保存療法が主体です。
一方は50歳代から、一方は生後の発育不全から、徐々に変形して悪化し不幸にも手術。
変形性膝関節に関しては、それほどに保存療法は効果がないのでしょうか?
不思議だし、疑問だし、なにか釈然としないのは私だけでしょうか?
不思議、疑問な点
変形性膝関節症の約90%は、一次性(原発性)の変形性膝関節症
一次性変形性膝関節症は約50〜60歳代で初発。
人工関節全置換術の手術は60〜70歳が主流
一方の変形性股関節症は変形性膝関節症と違って一次性(原発性)が約20%。
変形性股関節症約80%は、二次性(続発性)が原因です。
人工関節全置換術の手術の年齢は60歳代以上が主流になり、
年齢的には変形性膝関節症より少し若い年代で実施されているようです。
変形性股関節症の二次性(続発性)の原因は、
生まれつき股関節の骨盤側の形が小さい臼蓋形成不全、発育性股関節脱臼
(先天性股関節脱臼)、大腿骨すべり症、ペルテス病などの小児の股関節の病気、
その他には二次性の変形性膝関節症と同じように、骨折や脱臼などの外傷、リウマチ、
痛風や化膿性関節炎などの炎症、その他の原因によって生じるものがあります。
このように股関節症全体の約80%は、発育性股関節脱臼の後遺症や股関節の形成不全といった
子供の時の病気や発育障害の後遺症が主なものとされています。
変形性股関節症の病期の分類
1、前股関節症
2、初期股関節症
3、進行期股関節症
4、末期股関節症
ほぼ、膝OAと同じように進行します。
変形性股関節症の手術の種類
1、関節温存手術
自分の骨を使用して変形した関節を改善する手術です。
うまくいけば一生持たすことができます。
不幸にも再び痛みがでてくれば、その時点で人工関節手術が可能です。
○骨盤骨回転骨切り術(RAO)
骨盤側の骨を切って回転させて臼蓋が大腿骨を包み込める大きさにする手術。
変形が前・初期で関節裂隙が十分残存し、臼蓋形成不全がそれほどひどくなく、
大腿骨頭が円形の場合に行われます。
○骨盤骨骨切り術
骨盤の骨を切って移動させ、臼蓋のあ発育不全を矯正する方法。
キアリ法とソルター法があります。
キアリ法
30歳〜40歳代の股関節OAの初期に多く用いられる。
骨盤骨回転骨切り術では対応できない場合に用いられる。
骨盤進行した例では、骨盤骨切り術に大腿骨骨切り術の併用。
進行期、末期にも可能ですが、50歳以上では人工関節置換術が一般的
ソルター法
思春期以前に行われる場合が多い。
大腿骨切りと骨盤骨切り(ソルター手術)の同時手術が行われる場合が多い
小児整形の充実した病院でのしっかりとした術前、術後管理が必要。
2、人工股関節置換術(THA)
入院期間も短期で術後の管理も容易なため現在では主流になっています。
変形性股関節症の手術では60歳代の手術は人工股関節置換術が主流とはいっても、
それまでの年齢、進行の程度においては、変形性の原因が二次性(続発性)のために、
年齢や変形の程度やによってさまざま種類の手術が選択されています。
しかしそれでも、60歳以上の手術は、人工股関節置換術(THA)が主流になっています。
2010年の手術件数のデータによると、
人工関節手術の部位の内訳では膝関節が約60%、股関節が37%、肘関節1%、肩関節1%、
その他1%となっています。そして、
変形性膝関節症の人工関節置換術(TKA)の手術件数は、約6万千件におよび、
その他の手術方法は1割にも満たない。
医療費が少なくて済むが、長期入院や術後管理の難しい高位脛骨骨切り術(HTO)は、
年間700件に満たないとも言われています。
変形性股関節症における人工股関節置換術(THK)の手術件数は、約4万4千件、
人工関節置換術以外の手術方法は一割にも満たない。
ここでもう一度、不思議だと思いませんか?
変形性股関節症全体の約80%は二次性が原因で主に発育性股関節脱臼の後遺症や
股関節の形成不全といった子供の時の病気や発育障害の後遺症が主なものとされています。
そのような状態の関節状態から徐々に進行して思春期、少年期、思春期、青年期、成人し壮年期、
中年期にいたりながら60代頃からそろそろ全置換術の手術を考えるというのが一般的です。
不幸にして50歳以前に手術しなければならない場合もあるでしょが、データにも示されているように
その件数は、はるかに少ないようです。
二次性の変形性股関節症においても、非常に長い年月を経過して初めて手術という段階にいたります
一方、変形性膝関節症の90%は、一次性の変形ですので早くて壮年期の50歳代が初発です。
手術にいたるまでは、膝関節も股関節も保存療法が主体です。
一方は50歳代から、一方は生後の発育不全から、徐々に変形して悪化し不幸にも手術。
変形性膝関節に関しては、それほどに保存療法は効果がないのでしょうか?
不思議だし、疑問だし、なにか釈然としないのは私だけでしょうか?
2012年10月11日
膝関節(56)
変形性膝関節症
ところで、変形性膝関節症についていつも不思議に思うことがあります。
約90%以上が一次性(原発性)の変形性膝関節症ということは、
多くは既往症が無い場合が非常に多いという事です。
もう一度言いますね。
変形性膝関節症の約90%は一次性(原発性)が原因とされています。
二次性(続発性)が原因である場合は残りわずか約10%になります。
変形性膝関節症の進行の具合は
正常→初期→中期→進行期・末期と進行します。
二次性の場合は
正常→外傷などの既往症→正常ではない膝関節(場合によっては関節鏡などの手術などの実施)→
傷ついた膝関節あるいは不完全な膝関節→進行して中期・進行期・末期と進行。
治療の基本は保存療法が基本で効果が認められない場合は最終的に手術。
基本的に疼痛の程度と変形の程度は一致しない場合が多いが、
画像診断においても変形が著しい場合は可動域の減少等による日常生活の不便
あるいは夜間痛などの自発痛が激し我慢できないための睡眠障害など
最終的に手術、特に人工関節置換術の実施を考える。
手術の決定は最終的には患者の希望による。
手術の種類
○関節鏡視下手術
変形性膝関節症の初期における剥離しかかった軟骨を形成したり
合併症である半月板変性の断裂部の切除などに行われる。
半月板切除・縫合術、側副靭帯・十字靭帯縫合術、骨棘の除去、シェービングなど
○高位脛骨骨切り術(HTO)
膝の変形が中等度で内側に限定され比較的若年者(40〜50歳)に行われる。
変形性膝関節症においては、初期から中期の変形の場合に、O脚を
矯正する目的で行われます。
長期の入院やリハビリが大変なため徐々に減少しています。
特に、関西地方は実施する病院は無くなりつつあります。
○人工膝関節置換術(TKR)
中期から末期の高齢者の変形性膝関節症の基本的な手術
歩行訓練などのリハビリも術後2〜3日目から実施でき、
術後の入院期間も短く約3週間で退院できます。
様々な手術があるが現状においてほほ人工関節置換術が実施されています。
高齢者の定義が難しいのですが、最近は手術の年齢が徐々に下がっており、
60歳代で手術されています。
前置きが長かったですが、本題の不思議な点、疑問
仮に、60歳代で置換術を行う人は一体どのような人なのでしょうか?
二次性(続発性)の変形性膝関節症なら一応理解できます。
もともと外傷など既往症がある場合や、関節鏡の手術の既往症などもあったり、
術後にも青年期過ぎまでスポーツチームなどに所属したり過度なスポーツなどの実施、
場合よっては子育てが落ち着いた壮年期、中年期を経ても過度なスポーツを実施されておられる
人たちも近年非常に多くなっています。
このような人達は二次性の原因に加えて加齢による退行性の変形などの一次性の原因も加わり膝関節の変形のスピードも速く進行し中期・末期になってしまった人でしょう。
そのような人達は、
膝関節の変形が画像上でも確認できる末期の人も多いでしょう。
当然関節の可動域も減少して日常生活に相当の不便を感じるたり、
あるいは夜間痛など疼痛がおさまらず苦痛を感じたりするでしょう。
またこのような人達は将来も軽い運動程度は行いたい人が多いために、
できる限り早期に手術を希望されます。
できれば避けたい手術ですが、60歳代でも仕方がない場合もあるでしょう。
しかし、もう一度繰り返しますが、
約90%の人は一次性(原発性)の変形性膝関節症なのです。
そして、一次性変形性膝関節症は約50〜60歳代で初発するともいわれています。
確かに近年は特に中高年者や高齢者の活動性が高まっている状況にありますが、
どうして60〜70歳代で手術という選択になるのでしょうか?
仮に50歳という若い?年齢で不幸にも初発して、わずか10年でそれほど進行するのでしょうか?
どれほど膝関節に負担のかかるお仕事あるいはスポーツをしているのでしょうか?
保存療法はそれほど効果がないのでしょうか?
変形性関節症の代表疾患には、
変形性膝関節症ともう一つに変形性股関節症があります。
変形性膝関節症と違って変形性股関節症の約80%は二次性(続発性)が原因です。
変形性股関節症も人工関節置換術が主流で、手術の年齢も60歳代以上が主流になり、
年齢的には変形性膝関節症より少し若い程度です。
変形性膝関節症と変形性股関節症を比較して、不思議とは思いませんか?
ところで、変形性膝関節症についていつも不思議に思うことがあります。
約90%以上が一次性(原発性)の変形性膝関節症ということは、
多くは既往症が無い場合が非常に多いという事です。
もう一度言いますね。
変形性膝関節症の約90%は一次性(原発性)が原因とされています。
二次性(続発性)が原因である場合は残りわずか約10%になります。
変形性膝関節症の進行の具合は
正常→初期→中期→進行期・末期と進行します。
二次性の場合は
正常→外傷などの既往症→正常ではない膝関節(場合によっては関節鏡などの手術などの実施)→
傷ついた膝関節あるいは不完全な膝関節→進行して中期・進行期・末期と進行。
治療の基本は保存療法が基本で効果が認められない場合は最終的に手術。
基本的に疼痛の程度と変形の程度は一致しない場合が多いが、
画像診断においても変形が著しい場合は可動域の減少等による日常生活の不便
あるいは夜間痛などの自発痛が激し我慢できないための睡眠障害など
最終的に手術、特に人工関節置換術の実施を考える。
手術の決定は最終的には患者の希望による。
手術の種類
○関節鏡視下手術
変形性膝関節症の初期における剥離しかかった軟骨を形成したり
合併症である半月板変性の断裂部の切除などに行われる。
半月板切除・縫合術、側副靭帯・十字靭帯縫合術、骨棘の除去、シェービングなど
○高位脛骨骨切り術(HTO)
膝の変形が中等度で内側に限定され比較的若年者(40〜50歳)に行われる。
変形性膝関節症においては、初期から中期の変形の場合に、O脚を
矯正する目的で行われます。
長期の入院やリハビリが大変なため徐々に減少しています。
特に、関西地方は実施する病院は無くなりつつあります。
○人工膝関節置換術(TKR)
中期から末期の高齢者の変形性膝関節症の基本的な手術
歩行訓練などのリハビリも術後2〜3日目から実施でき、
術後の入院期間も短く約3週間で退院できます。
様々な手術があるが現状においてほほ人工関節置換術が実施されています。
高齢者の定義が難しいのですが、最近は手術の年齢が徐々に下がっており、
60歳代で手術されています。
前置きが長かったですが、本題の不思議な点、疑問
仮に、60歳代で置換術を行う人は一体どのような人なのでしょうか?
二次性(続発性)の変形性膝関節症なら一応理解できます。
もともと外傷など既往症がある場合や、関節鏡の手術の既往症などもあったり、
術後にも青年期過ぎまでスポーツチームなどに所属したり過度なスポーツなどの実施、
場合よっては子育てが落ち着いた壮年期、中年期を経ても過度なスポーツを実施されておられる
人たちも近年非常に多くなっています。
このような人達は二次性の原因に加えて加齢による退行性の変形などの一次性の原因も加わり膝関節の変形のスピードも速く進行し中期・末期になってしまった人でしょう。
そのような人達は、
膝関節の変形が画像上でも確認できる末期の人も多いでしょう。
当然関節の可動域も減少して日常生活に相当の不便を感じるたり、
あるいは夜間痛など疼痛がおさまらず苦痛を感じたりするでしょう。
またこのような人達は将来も軽い運動程度は行いたい人が多いために、
できる限り早期に手術を希望されます。
できれば避けたい手術ですが、60歳代でも仕方がない場合もあるでしょう。
しかし、もう一度繰り返しますが、
約90%の人は一次性(原発性)の変形性膝関節症なのです。
そして、一次性変形性膝関節症は約50〜60歳代で初発するともいわれています。
確かに近年は特に中高年者や高齢者の活動性が高まっている状況にありますが、
どうして60〜70歳代で手術という選択になるのでしょうか?
仮に50歳という若い?年齢で不幸にも初発して、わずか10年でそれほど進行するのでしょうか?
どれほど膝関節に負担のかかるお仕事あるいはスポーツをしているのでしょうか?
保存療法はそれほど効果がないのでしょうか?
変形性関節症の代表疾患には、
変形性膝関節症ともう一つに変形性股関節症があります。
変形性膝関節症と違って変形性股関節症の約80%は二次性(続発性)が原因です。
変形性股関節症も人工関節置換術が主流で、手術の年齢も60歳代以上が主流になり、
年齢的には変形性膝関節症より少し若い程度です。
変形性膝関節症と変形性股関節症を比較して、不思議とは思いませんか?
2012年10月04日
膝関節(55)
変形性膝関節症
いままで膝関節について基礎的な事柄を述べてきました。
今回からは、少し趣をかえて変形性膝関節症について
では変形性膝関節症とはどのような疾患か?と問われるとどうもあいまいです。
どのような病名でも○○症という疾患名のつく場合はあいまいな場合あるいは総称が多いですね。
敢えて言えば、
膝関節を構成する軟骨が摩耗し関節炎や骨性の変形をきたし、
膝関節部に疼痛および関節可動域の減少を伴う疾患。・・・・・・・でしょうか?
変形性膝関節症には
原因がはっきりしない加齢に伴う一次性の変形性膝関節症と
何らかの原因で生じる二次性の変形性膝関節症があります。
そして約90%が一次性の変形性膝関節症と言われています。
男性と女性の比率は様々な統計がありますが多くて女性が男性の1,5〜2倍とされています。
(年齢や地域によって様々な差があるようです。)
女性の高齢者に多いために女性ホルモンのエストロゲンの減少が原因とも言われていますが、
はっきりとした原因はまだ解明されていないようです。
遺伝的にアスポリンというタンパク質の産生能の高い人では、この物質が軟骨細胞の増加を
抑制するために、発症要因の1つとして考えられています。
しかし変形性膝関節症には相関性がみられたが、変形性股関節症についての相関性には
結論が得られなかったとされています。
同じ軟骨性の疾患である変形性股関節では、欧州では明らかに一次性の変形性股関節症が
多く発症するのですが、日本では二次性の変形性股関節症が多く発症します。
つまりアスポリンが原因であれば明らかに一次性変形性股関節症が多く発生するという相関性が
認められるべきだが日本人では認められなかった。
結論としては、アスポリンは変形性膝関節症に対する影響は世界的なものでありながら、
その影響の大きさには人種差があることがわかりました。
アスポリンは変形性膝関節症発症の一つの要因(相関性がある)であることは確かなようですが、
まだまだ研究段階の域であるようです。
一般的には、
一次性膝関節症の危険因子として、
加齢、女性、筋肉の衰え、肥満、膝関節への負担の大きいスポーツ習慣、O脚や偏平足、
足に合わない靴およびハイヒールなど
要は、加齢、膝関節への負担の大きい姿勢あるいは下肢の変形、体重でしょうか?
二次性膝関節症の原因には、
骨折、脱臼、十字靱帯損傷や半月板損傷などの外傷に起因するものや、
リウマチ、痛風、関節炎などの炎症、関節の変形などによって生じるものがあります。
変形性膝関節症の90%がハッキリとした原因ががわからず、既往症もハッキリとしない
危険因子に基づいた一次性の変形性の関節疾患ということは、事実として判明しているようです。
ところでいつも、変形性膝関節症について不思議に思うことがあります。
いままで膝関節について基礎的な事柄を述べてきました。
今回からは、少し趣をかえて変形性膝関節症について
では変形性膝関節症とはどのような疾患か?と問われるとどうもあいまいです。
どのような病名でも○○症という疾患名のつく場合はあいまいな場合あるいは総称が多いですね。
敢えて言えば、
膝関節を構成する軟骨が摩耗し関節炎や骨性の変形をきたし、
膝関節部に疼痛および関節可動域の減少を伴う疾患。・・・・・・・でしょうか?
変形性膝関節症には
原因がはっきりしない加齢に伴う一次性の変形性膝関節症と
何らかの原因で生じる二次性の変形性膝関節症があります。
そして約90%が一次性の変形性膝関節症と言われています。
男性と女性の比率は様々な統計がありますが多くて女性が男性の1,5〜2倍とされています。
(年齢や地域によって様々な差があるようです。)
女性の高齢者に多いために女性ホルモンのエストロゲンの減少が原因とも言われていますが、
はっきりとした原因はまだ解明されていないようです。
遺伝的にアスポリンというタンパク質の産生能の高い人では、この物質が軟骨細胞の増加を
抑制するために、発症要因の1つとして考えられています。
しかし変形性膝関節症には相関性がみられたが、変形性股関節症についての相関性には
結論が得られなかったとされています。
同じ軟骨性の疾患である変形性股関節では、欧州では明らかに一次性の変形性股関節症が
多く発症するのですが、日本では二次性の変形性股関節症が多く発症します。
つまりアスポリンが原因であれば明らかに一次性変形性股関節症が多く発生するという相関性が
認められるべきだが日本人では認められなかった。
結論としては、アスポリンは変形性膝関節症に対する影響は世界的なものでありながら、
その影響の大きさには人種差があることがわかりました。
アスポリンは変形性膝関節症発症の一つの要因(相関性がある)であることは確かなようですが、
まだまだ研究段階の域であるようです。
一般的には、
一次性膝関節症の危険因子として、
加齢、女性、筋肉の衰え、肥満、膝関節への負担の大きいスポーツ習慣、O脚や偏平足、
足に合わない靴およびハイヒールなど
要は、加齢、膝関節への負担の大きい姿勢あるいは下肢の変形、体重でしょうか?
二次性膝関節症の原因には、
骨折、脱臼、十字靱帯損傷や半月板損傷などの外傷に起因するものや、
リウマチ、痛風、関節炎などの炎症、関節の変形などによって生じるものがあります。
変形性膝関節症の90%がハッキリとした原因ががわからず、既往症もハッキリとしない
危険因子に基づいた一次性の変形性の関節疾患ということは、事実として判明しているようです。
ところでいつも、変形性膝関節症について不思議に思うことがあります。