2012年12月

2012年12月27日

膝関節(66)

変形性膝関節

一次性変形性膝関節症の危険因子としてO脚、X脚、偏平足などがあげられています。

そして下肢のアライメントを述べていきました。

重要な指標として、

膝脛骨角(FTA)、下肢機能軸(Mikulicz線)、Q角、回内足と回外足、扁平足・凹足(ハイアーチ)

これらは、膝関節と股関節との関係および膝関節と足関節との関連になります。


結局は下肢の運動連鎖が重要になります。

下肢の運動連鎖で重要で有名なのは、toe-in歩行、 toe-out歩行です。

立脚相にてtoe-inは進行方向に対して足部の趾先は内側を向き、逆にtoe-outは外側を向いた歩行です。


toe-in歩行においては足部が回外位になります。

足部が回外すると距骨下関節を通じて下腿は外旋、膝関節は外方を向き膝内反になります。
(knee−out toe-in )

大腿骨は外旋し、大腿骨に対しては相対的に脛骨の内旋が生じます。

toe-in歩行では、小趾方向に体重がかかりやすくなり、同時に股関節は内旋位になります。
つまり股関節の剛性が高まり、結果として下肢の支持性が向上しますが、対側の歩幅は小さくなります。
小趾方向に体重がかかりやすくなり、母趾での蹴り出しが行いにくくなります。
つまりtoe-outと比較すると蹴り出しは不利になってしまいます。

距骨下関節内反し、第2中足骨底胼胝、、第4,5中足骨底胼胝、軽度の外反母趾を呈しやすい。
ハイアーチになりやすいとされています。


反対にtoe-outの歩行の足部は回内位

足部が回内すると距骨下関節を通じて下腿は内旋、膝は内方を向き膝外反となる。
(knee−in  toe-out )

大腿骨は内旋し、大腿骨に対して脛骨の相対的な外旋が生じます。

toe-out歩行では、母趾方向に体重がかかりやすくなり、同時に股関節は外旋位になります。
すると股関節の剛性が低下し、結果として下肢の安定性は低下しますが、対側の歩幅は大きくなります。
つまり運動性は向上し、足部の「てこ」としての働きも作用しやすい状態になります。
母趾方向に体重がかかりやすくなるため、強い蹴り出しが行いやすくなります。

距骨下関節外反し、第2中足骨底胼胝、足部および下腿筋群の疲労、内側縦アーチ底部の疼痛、
外反母趾の変形など、偏平足になりやすいとされています。


偏平足が変形性膝関節症の危険因子となるよく書かれているのですが、
変形性膝関節症の人には明らかにハイアーチの人のほうが多いように思うのですが、
これは私だけでしょうか?


人間は二歩足歩行の動物です。日常の歩行にかかわらず「走る」あるいは「跳ぶ」などの基本動作の他に
「捻る」などの動作が加わります。

単純な膝関節の疾患が、慢性化しかつ悪化していくケースは、決して一つの原因によるものでは無いことは

誰もが知っているし理解も納得もしているはずです。

特に障害の多くは、機能的あるいは形態的な異常から局所に様々なストレスが加わり、

炎症をおこし、その後慢性化していきます。

結局は膝関節のみではなく下肢の運動連鎖が重要になります。

以上は主たる下肢のアライメントです。


膝関節に影響を与えるのは決してこれだけではありません。

変形性膝関節症を単に膝関節のみの疾患として診ることはできません。

今年はここまで。



今年の文字は「金」でした。

今年のオリンピックの日本のメダルの数が多く獲得できたのは誠に喜ばしい事でした。
特に「金メダル」を獲得された人は特に素晴らしく多くの人々に感動を与えました。

このような「金」ならば良いのですが、世間が不景気のためか?
反対に「金=かね」にまつわる多くの痛ましい事件も多く発生しました。

一生懸命働いて人々に喜んでもらい結果的に「金=お金」をいただいたなら良いのですが、
不景気だからといって「金=かね」のために働くのは醜いですね。

治療家としてそのような行為は避けたいと思っています。

来年もよろしくお願いいたします。





touyou8syok9 at 21:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2012年12月20日

膝関節(65)

変形性膝関節

膝関節の影響をあたえる下肢のアライメント

今回は

扁平足と凹足(ハイアーチ)

 普通、扁平足は足の縦アーチの低下が著しい足であり、逆に凹足はアーチの高すぎる足をいう。

足部のアーチの働きは、歩行時やランニングやジャンプにおける荷重時の衝撃の緩和および

体重移動に重要です。

足アーチには適度な柔らかさと沈み具合の必要性があります。

扁平足は骨の安定性に乏しいため、筋がそのバランスをとるために緊張しなければならず、

筋腱はオーバーユースに陥りやすい。

また偏平足は衝撃吸収に乏しいため、足部の疲労骨折やアキレス腱炎、脛骨過労性骨膜炎等の

障害を生じやすい。


一方、

凹足は足部の柔軟性に乏しく接地面積も小さくなるため、ショックアブソーバーとしては不適切であり、

足底筋膜炎、足背部痛を生じやすいとされています。


1、偏平足

足の縦アーチには「内側縦アーチ」と「外側縦アーチ」があります。

 足を内側から見たときに「土踏まず」と言う地面に接地しない部分がありますが、
 これを「内側縦アーチ」といいます。
 
 縦アーチ(土踏まず)の高さは、中足部の舟状骨の位置によって決定される。

 通常、偏平足というとこの内側縦アーチが低い場合をいう。

 内側アーチは踵骨・距骨・舟状骨・内側楔状骨・第1中足骨からなっており、

 舟状骨を頂点として他のアーチ(外側縦・横)に比べて高く、

 また足部の柔軟性や固定性を歩行相で絶妙にコントロールしている。

 外観上からは分からないが、外側にも内側よりやや低めの「外側縦アーチ」が形成されています

 外側縦アーチは踵骨・立方骨・第5中足骨からなり、
 下腿三頭筋を効率よく作用させるため強固な構造となっています。

この偏平足には固い偏平足と柔軟な偏平足がある。

柔軟な扁平足は、頻繁にみられる扁平足のタイプです。

内側縦アーチは、非荷重では正常に見えますが、体重負荷により過度に低下する。

前足部内反のタイプにみられる。

固い偏平足は非荷重でも高さが低下している。

後足部内反のタイプにみられる。

前回に述べたように、柔軟な偏平足・固い偏平足ともに立位では後足部外反がみられます。


2、凹足・・ハイアーチ

縦アーチが異常に高くなってしまった足です。

足幅も広くなり足長の短縮を招く。

ハイアーチでは強固な足となり、接地面積も狭くなり歩行時の衝撃緩和が不十分となります。

ハイアーチにも前方型と後側型の二つのタイプがあります。

○前方型ハイアーチ(柔軟なタイプ)

   後脛骨筋と腓骨筋の拘縮→中足骨が低下させアーチを持ち上げてしまう。

   骨間筋の弱化→足趾伸筋の働きが強くなり基節骨の過伸展を招き、二次的に中足骨頭が低下
   
   前脛骨筋の弱化→代償として長趾伸筋が働き基節骨の過伸展を招き、
               足底筋群とのバランスが崩れアーチが挙上してしまう。

  非荷重ではアーチは高いが、荷重時にはわずかに低くなる。

○後側型のハイアーチ(剛直なタイプ)

  下腿三頭筋の弱化→足底固有筋との筋バランスが崩れ足を短縮させ、
               足関節背筋群の牽引によって足部を底屈させ縦アーチを挙上させてしまう。

  非荷重・荷重時ともにアーチは高い。

どちらのタイプも前足部外反を伴います。


その他に足の横アーチは内外側の縦アーチの間に存在します。

横アーチには、中足骨レベル・楔状骨レベル・後足部レベルの三つアーチ存在します。

中足骨レベルは中足骨、楔状骨レベルは中足部、後足部レベルは後足部の固定性・柔軟性に関与。

中足骨レベルの横アーチは足趾の水平面上の配列を整える。

開張足はMP関節部に形成されている横アーチが扁平化した状態です。

決定因子は、後足部・前足部の構造的な変化や、それに伴う前脛骨筋の機能低下や関節可動域などの

機能的な病変とされている。









touyou8syok9 at 19:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2012年12月13日

膝関節(64)

変形性膝関節症

膝のアライメントに影響を与える回内足と回外足


回内足と回外足

○回内足は立位において、踵骨あるいは内果が内側に過度に傾いた足を示します。

 実際の見かけ上は後足部は外反を呈しています。

○回外足は逆に、踵骨あるいは内果が外側に傾いた足です。

 実際の見かけ上の後足部は内反を呈しています。
 

立位において外見上後足部外反がみられる場合。

 1、構造的後足部内反による見かけ上の変位による。

   構造的後足部内反は95%以上の人口を占めるといわれています。

 2、構造的前足部内反による見かけ上の変位による。

 3、骨盤の前屈や下肢内旋による機能的変化


以上は後足部のアライメントですが、実際に膝関節に影響を与えるのは、

○後足部の関節は、距腿関節と距骨下関節の二つで構成されています。

  距腿関節は内・外に各5°ずつの傾斜しか動きませんが、距骨下関節は回内に20°、

  回外に10°と大きな運動を起こします構造的な後足部回内を伴っている場合が多い。

  →O脚の人に多クみられる。

歩行やランニングの際、距骨下関節は軽度回外位で接地し、荷重につれて回内位となり(約8°)

再び回外位となって蹴り出しを行い、衝撃の吸収と重心の移動に重要な役割を果たしています。

距骨下関節の回内に伴い、下腿の内旋や膝の外反が起こるため、

距骨下関節の過度な回内は下肢全体のねじれの動きを強め、下腿や膝障害を生じる原因となる。


このような変位をした足は、踵骨の接地面が傾斜しているために、抗重力で地面に接地する際は、

後足部に見せかけ上の外反を起こすことになります。

つまり、歩行時には後足部の回内方向への運動が、通常の8°から最大16°と倍になります。

これに伴って、脛骨の内旋運動は大きくなってしまいます。

歩行やランニングなどの際の過度な回内は、脛骨の内旋運動や膝外反の応力が助長されて働き、

膝へのストレスを増加させるため、膝の障害を引き起こす原因となるのは明白です。


次回は関連した扁平足・凹足(ハイアーチ)





touyou8syok9 at 20:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2012年12月06日

膝関節(63)

変形性膝関節症

膝のアライメント

3、Q角:上前腸骨棘と膝蓋骨中央を結んだ線(大腿四頭筋腱長軸)
      膝蓋骨中央から脛骨粗面上縁中央(膝蓋腱軸)を結んだ線のなす角度。

このQ角が大きいほど、膝伸展筋力や荷重ストレスにより膝蓋骨を外方に牽引する力が生じ、

膝蓋骨の外方不安定性が大きくなります。

したがって、膝蓋骨脱臼、亜脱臼の原因としてよく知られています。

Q角は女性で18°〜20° 男性で13°〜15°が正常。  20°以下で正常、平均14°とされています。

このQ角が大きくなると、

 ○膝蓋骨が外側に牽引され膝蓋―大腿関節面の異常な圧迫力が発生しします。

 ○膝関節の最も基本運動となる下肢伸展機構におけるて大腿四頭筋―膝蓋骨―脛骨粗面と

  連なっている体重支持に重要となる下肢伸展機能の効率が低下しします。

 ○伸展機構の低下はすなわち衝撃吸収機能としての働きが低下する。

これは膝関節を構成する膝蓋大腿関節(大腿骨膝蓋面)と大腿脛骨関節(大腿骨脛骨面)における

関節軟骨にとって非常に不利なストレスがかかることは容易に想像できます。


さて、下肢のアライメントとしてO脚やX脚は前額面上での下肢の二次元な彎曲です。

前回のFTAが減少(176°から減少)し膝外反亢進の場合にもQ角は増大します。

したがってX脚の場合も膝蓋骨の脱臼につながりやすい事で有名です。


本来Q角は、脚の三次元的な下肢の捻じれを評価することになります。

膝のアライメントとしてQ角が大きくなるのは、膝の外旋変位があります。

一つは、

 大腿の過内捻です。:大腿骨前捻角が増大(正常値10〜30°)し膝蓋骨内方による。

 外見上では、

 膝蓋骨が内方に寄った「やぶにらみの膝蓋骨」( Squinting patellae)が有名です。
        
 下肢のねじれに特徴的な肢位であるいわゆる「とんび脚」(股関節内旋角の増大)が有名です。

 大腿骨頸部前捻が大きいほど股関節内旋角が大きい。

もう一つに

 下腿の過外捻の場合があります

このように膝が内方に寄るKnee inのアライメントを呈するにはKnee in toe outが有名です

これらの場合はともにQ角が大きくなります。


このようにQ角が大きく下肢の捻じれが大きくなると膝の中心が内側を向き

膝屈伸運動時の作用軸は捻じれてしまい、足先を前方に向けて屈伸すると両膝は内方に

寄りぶつかるため歩行時あるいは走行時の脚の動きは足が外側にはみ出てしまいます。

その他にも膝のQ角の増大する場合はあります。

特に足部の回内、足部のアーチ異常などは重要です。


このように、膝関節のアライメントは膝関節のみでは解決しないですね。

これは何も膝関節のみに限ったことではありません。

なかなか難しいですが、どのような関節疾患であって膝関節のみ、肩関節のみ、などと

単純に割り切れる場合の方があるかに少ないことは、臨床家では当たり前の事なのですが、

医療の現場では意外と忘れられています。

特に慢性化しやすい膝関節の障害である変形性膝関節症で膝関節のみを治療あるいは

手術してそれで終わりということはありえないですね。注意したいですね。


もう少しアライメントについて述べてみます。




touyou8syok9 at 21:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症