2013年02月

2013年02月28日

膝関節(74)

変形性膝関節症

変形性膝関節症の危険因子である加齢について。

軟骨の変性破壊には様々な原因がありますが加齢も大きな要因であります。

すでにブログ関節軟骨の加齢変性で述べてあります。(是非、読んでね)

関節軟骨は約2% 程度の軟骨細胞と細胞外基質で構成されています。

細胞外基質は約20% のコラーゲン(ほとんどが況織灰蕁璽殴鵝砲如¬10% のプロテオグリカン、

そして約70% の水分からなっている。

プロテオグリカンは大きな抱水性機能を持っており水分を軟骨基質内に保持して
軟骨の粘弾性に大きく寄与しており、クッションの役目を果たしして非生理的な
力学的ストレスから関節軟骨を守っています。


コラーゲンの変性は3歳時から約90歳までは、ほぼ変化がないほど非常に安定している。
加齢変性によってコラーゲンの量が減ることはないし、安定し退行変性もあまりない。

しかしながら加齢によって、
細胞外基質の軟骨における水分とプロテオグリカンの体積は明らかに減少します。

結果的に加齢によって軟骨基質の脆弱化が進む結果となります。


一方の軟骨細胞はコラーゲンやプロテオグリカンを産生し、軟骨基質の代謝を行っています。

軟骨細胞は関節軟骨の基質代謝を担っている唯一の細胞なのです。

そして残念ながら細胞は加齢により老化します。


老化によって細胞は死んでしまうことがあらかじめプロミングされている。(という説)

 老化によりDNAが不安定になり、様々な分解酵素からDNAを保護する役目であるテロメアが短縮します。
 テロメアは細胞分裂のたびに短くなり、ある程度まで短くなると細胞は分裂不可能となって
 細胞死(アポトーシス)がおとずれる.

高齢者の軟骨細胞ではこのテロメアが短縮していることが報告されています。

軟骨細胞は老化とともに成長因子やサイトカインに対する反応が変化する。

 高齢者の軟骨細胞はインターロイキン―1(IL-1)を多く産生しておりこのIL-1 刺激によって、
 若年者の軟骨細胞に比べて多くのメタロプロテアーゼ(MMP)を産生する。
 MMPは軟骨基質の変性に関与するタンパク分解酵素なので変性破壊しやすくなる。

高齢者の関節軟骨は成長因子の産生は低下し、成長因子による基質代謝亢進などの反応も悪い。

関節軟骨には血管が存在しないため修復細胞が動員されないためにいったん損傷されると、
自己修復能力のきわめて乏しい組織であるために加齢によってその傾向は高まります。



touyou8syok9 at 19:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年02月21日

膝関節(73)

変形性膝関節症

さて危険因子の加齢による骨・軟骨の変化に進む前に、

これまで一次性変形性膝関節症の危険因子について様々述べてきましたが、
簡単に述べてしまえば、
多数の危険因子が重なりそれらが複合して膝関節の軟骨の摩耗・破壊につながり、
変形がグレード気ら垢泙膿聞圓靴討います。

繰り返すところも多いですが臨床あるいは変形の進行予防などを含め、もう少し述べてみます。

膝関節は大腿脛骨関節(内側コンパーメント、外側コンパーメント)、膝蓋大腿関節に分類され、
変形性膝関節症の罹患部位によって、内側型、外側型、膝蓋型に分類されています。

その中でも内側型変形性膝関節症の発症率が日本のみならず世界的にも高いとされています。

仮に初期変形性座関節症になってしまったら、

 初期はFTAが増大するがまだ180°未満。
 
 膝は内反位を呈する。
 
 当然、進行していけば180°以上になります。
 画像診断でなく誰が見ても内反位と理解できるようになります。
 内反膝が形成されていくこととなります。
 当然O脚になって進行するし、O脚の人は悪化しやすいですね。

 内反位になると内側側副靱帯の緊張が減弱し外側の関節周囲は緊張する。
 関節関節裂隙の内側の幅は狭くなっていき、外側の幅は広がる。
 不安定になり必然と歩行時の横ブレが大きくなる。

 内反位になると回旋中心軸も外側変位が助長されます。
 回旋中心軸の外側変位は内側コンパートメントの可動性を増大させ、
 内側半月や軟骨組織に対する剪断力を増大させることになる。

 進行すれば下肢の機能軸が内方・前方に変化していく。
 
 膝関節の伸展力低下により屈曲拘縮になるが、この状態は伸展に加えて屈曲制限を起こす。

 歩行時には足部は外旋しtoe-outになっていく。股関節は内旋制限を起こしていく。

 脛骨と大腿骨の位置異常が大きくなっていく。

 また骨盤後傾により股関節の伸展力の低下がおこる。

 可動域に変化は膝関節のみならず股関節の内旋制限をおこし伸展・外転・内転力の低下を起こす。

そして長い年月を要し加齢とともにグレード垢泙膿聞圓靴討い。

変形性膝関節の治療は、保存療法と手術による観血的治療に大別される。

変形性膝関節症の進行は緩徐であり、あくまでも日本の一地域であるが
28年間におよぶ長期縦断疫学調査により、約30年間の経過で手術に至るのは、
10%以下であったと報告されている。(大森)

 グレード機銑兇老敕拱儼狙膝関節症とされています。
 グレード掘銑垢禄電拱儼狙膝関節症とされています。
 グレード靴牢慇疥隙は閉鎖。
 グレード犬砲いてはで骨棘は著明・硬化像は著明、関節輪郭の変形も著明であり
 関節荷重面の摩耗あるいは欠損が5ミリ未満である。
 グレード垢忙蠅辰討牢慇甓拿徒未遼猝廚△襪い老臑擦5ミリ以上となりますので
 グレード垢泙膿聞圓垢譴弌∧儼舛箸いΔ茲蠅發爐靴軫鵬という言葉がふさわしい。

 多くの症例ではグレード靴泙任任箸匹泙辰討い泙后
 グレード犬△襪い廊垢泙膿聞圓垢譴仗郵関節置換術適応とされています。

重要なことは多くの症例はグレード兇泙燭廊靴砲箸匹泙蝓
変形性膝関節症においてグレードの掘↓犬某聞圓垢襪里狼だといわれています。
しかも、非常に長い年月を要し手術を要するには10%に満たないという事です。

どうでしょうか?

一次性変形性膝関節症の進行を予防することはできないのでしょうか?


しかし現状において近年は非常に早い段階で手術に至る傾向にあります。

 手術にいたるまでにはたして適切な保存療法を実施されているのか?
 保存療法を飛び越えて手術を実施しているのか?
 その手術方法にしても様々な方法がありますが、最近は人工関節置換術が主流になっています。
 これは患者の様々な都合によるためなのか?
 あるいは手術する側の様々な都合によるためなのか?

本当に保存療法は効果がないのでしょうか?



touyou8syok9 at 21:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年02月14日

膝関節(72)

変形性膝関節症

<掘箍嫉茱▲薀ぅ瓮鵐箸諒儔
 
 ○大腿骨の彎曲度
  
   大腿骨は男性はわずかな内彎、女性は外彎を呈しているとされ性差を認める。
   加齢とともに内彎の減少と外彎傾向が進むとされています。
 
 ○下肢荷重通過点
   
   男女ともに脛骨近位関節面の内側前方を通過する。
 
 ○FTA
   
   膝関節は男女ともに生理的外反を呈する。
   女性に外反傾向が強く性差を認める。(FTAは男性 約178° 女性 約176° )

   初期変形性膝関節症においてFTAが180°未満において大腿骨はおよそ内彎を呈している。
   
   加齢とともに大腿骨の外彎が進めば大腿骨軸に対する大腿骨遠位関節面の
   内反が進み脛骨の変位が無くても下肢の機能軸が内方に変位してズレを生じる。
   つまり、
   下肢荷重通過点はますます内方に移動する。

   膝関節内側面への繰り返し機械的負荷によるストレスの増大となって、
   内側コンパーメントにおける関節軟骨の磨耗変性を引き起こすこととなる。

   これらは一次性変形性膝関節症において内側型が多い大きな理由になる。

<検簓┫慇畛抻機構の加齢変化

  高齢者の関節可動域は、ほとんどすべての関節において減少します。
  これは、関節周囲組織の硬直性の増加や滑液粘度の低下といった組織学的な変化が
  一次的要因として考えられています。

  そのほかに、靱帯の緊張バランスが崩れることによって生じる関節の回転中心軸の
  形成不全といった運動学的な変化も関節可動域を減少させる原因となり得る。

<后箍知陲砲茲觧兩の変化

  老人の円背姿勢(胸椎後弯の増強および骨盤の後傾)は膝屈曲拘縮を来たし、
  膝関節の伸展力の低下により膝関節屈曲拘縮を呈する。
  
  同様に股関節筋伸筋力の低下も引き起こし膝関節屈曲拘縮が強くなる。

  膝関節は屈曲・内反・内旋位になり伸展力が低下していく。

  興味がある事として、
  老人の姿勢変化においては膝蓋大腿関節に骨棘の原因になるが、
  内側コンパーメントの変化は認められなかった。


一次性変形性膝関節症の初発は50歳代と言われています。50歳代はまだまだ行動的な年齢です。

そして、

症状で初期、中期(進行期)、末期の変形性膝関節症へと進行していきます。

X線上でグレード0からグレード5へと進行していきます。

考えてみれば加齢による筋肉の変化、下肢アライメントの変化、姿勢の変化、支持機構の変化は、
初期変形性膝関節症が発生してしまった場合にはむしろ変形(特に内側コンパーメント)などの
変形を避けようとしている自然の摂理のように思われるのですがいかがでしょうか?






touyou8syok9 at 19:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年02月07日

膝関節(71)

変形性膝関節症

変形性膝関節症の危険因子には加齢があります。

加齢は避けようがありませんが、変形性膝関節症にとって加齢変化は危険因子でもあるし、

反面傷害された膝関節にとって必要な事実でもあるように思います。


大きく二つに分けて考えてみます。

1、骨、あるいは軟骨が加齢によってどうなるのか?

2、骨、軟骨以外は加齢によってどうなるのか?

3、その他

話の流れとして2、の骨、軟骨以外の加齢に伴う変化について

<機箒敍量および筋力の加齢変化

○筋肉の量は加齢とともに減少する。

 筋量の減少をもたらす主要な因子は、筋線維の減少と筋線維萎縮とされている。
 Lexellらは15〜83歳の男性の筋量について、以下のように述べています。
 24歳で外側広筋の中央部の断面積はピークに達する。
 その後徐々に減少し、50歳から減少率が増大していく。
 20歳代の筋断面積に比べ60歳で18%、80歳で40%減少すると述べている。
 筋線維数についても同様の推移を示している。
 この加齢に伴う筋断面積の減少は筋力の低下と類似している。
 さらに筋繊維は加齢に伴い遅筋線維よりも速筋線維に選択的に萎縮が起こる。

 筋肉量の減少は当然筋力低下につながることは容易に理解できます。
 特に男性に比較して女性は筋肉量がもともと少ないので筋力の低下は著しい。

○結果、下肢筋力の低下による膝関節伸展力の低下がおこる。

 二本足歩行において、膝伸展筋力が低下すれば歩行周期における踵接地時において
 膝関節における関節軟骨に加わる衝撃が増大し、軟骨損傷を招きやすいとされている。

 反面、速筋線維が選択的に委縮することはスピードや筋力の出力は衰え易くなるため
 関節軟骨に対する衝撃は低下し、軟骨損傷は招きづらくなる。
 

<供箍嫉莇攘欧硫知霾儔

  膝関節の伸展筋である大腿四頭筋においては、大腿直筋は二関節筋に相当します。
  他の構成筋である内側広筋、外側広筋、中間広筋は単関節筋になっています。
  
  大腿四頭筋の拮抗筋として膝屈筋である、ハムストリングスを構成する筋である
  大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋は全て二関節筋になります。

  二関節筋あるいは多関節筋、は、主にコンセットリック収縮により大きな収縮力を持ち、
  関節を動かす役割を持っている。すなわちモビライザーとして働く。

  単関節はエキセントニック収縮により、関節運動をコントロールしかつ安定させる役割を持っている。
  すなわちスタビライザーとして働く。


  重力位においては、下肢筋群の活動パターンは、加齢の変化とともに二関節筋が優位の
  筋活動になるといわれています。

  膝関節の筋活動においては、単関節筋に代わって二関節であるハムストリングスと大腿直筋が
  動作中に持続的活動を示すようになり、筋放電量も増加するという特徴を示します。
  これら拮抗二関節筋ペアの筋活動の増加は、一つの関節に対して拮抗筋を同時収縮させることによって、
  関節の剛性を高めようとする反応であると指摘されています。

  すなわち加齢によって、
  膝関節の内側・外側広筋・中間広筋の活動が衰え、膝関節のコントロールおよび安定性が衰えてくる。

  反面、大腿直筋およびハムストリングが持続的に活動し、膝関節の剛性を高めようとする。


いかがでしょうか?

加齢は避けられないですが変形性膝関節症のような傷害関節にとっては、

加齢は誠に膝関節に優しく合理的になっていると思いませんか?


2、についてもう少し続けます。



touyou8syok9 at 20:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症