2013年03月

2013年03月28日

膝関節(78)

変形性膝関節症

変形性膝関節症の症状である疼痛の強さとX線画像での進行程度は平行一致しない。

しかし、臨床において整形外科あるいは私どものような治療院に通院するきっかけは

なんといっても主訴として膝関節における疼痛があるからだと思います。

初期症状として関節の疾患では疼痛は主訴になりやすいですね。

変形性膝関節症も例外ではありません。

次に当たり前といったら当たり前なのですが、

変形性膝関節症の疼痛とX線上のグレード(Kellgren-Lawrence分類)の進行において、

初回グレード0とグレード気僚鎮播な検討で疼痛が進行に影響するか?について調べると

 進行した者の有症率は有意差をもって高く、進行をすると症状を持つ傾向にあるが、
 年齢が高くなるとその傾向は無くなる。

 症状の有無の次の7年後の進行への影響を見ると、若年においては有意な差を認める。

したがって、疼痛は悪化の要因となる。と結論づけられる。


膝関節の疼痛が急性であろうと慢性であろうと、疼痛が弱くても強くても、

膝関節のX線上で関節の形態がグレード0の正常であろうと、グレード気任△辰討

疼痛をいち早く察知しいち早く処置しすることは臨床では非常に重要です。

変形性膝関節症の予防、進行の予防の第一歩であることには間違いありません。

幸いにも?

膝関節は表在性の関節であるので疼痛に対しては過敏な関節です。

疼痛の強さと関節の変形進行程度は一致はしませんが、明らかに

あなたの膝関節の状態・状況の変化を知らせてくれるのです。

疼痛の発生は変形性膝関節症の予防、進行の予防における

本当に有効かつ重要なシグナルになるのです。

そして変形性膝関節症の進行は長期にわたりますので、
最初に撮影していただいた立位X線像はモチロンのこと撮影していただく度に患者本人である
ご自身で必ず保管しておくことは必要です。


さて、いよいよ変形性膝関節症の臨床に移るのですが、

まず変形性膝関節症の専門医に任せるガイドラインを述べておきます。
 
 1、高度の変形や拘縮を有する場合。
 2、若年者の2次性関節症の場合。
 3、繰り返す水腫や炎症が寛解しない場合 。
 4、手術療法の選択に苦慮する場合 。
 5、保存療法が有効でなく、その原因が不明な場合 。

以上の5点が挙げられています。

この事柄は必ず頭において臨床をすることは必要です。


touyou8syok9 at 20:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年03月21日

膝関節(77)

変形性膝関節症

変形性膝関節症の症状と画像診断。

<症状の進行分類>

 変形性膝関節症の症状は初期、中期(進行期)、末期へと進行していきます。

 初期には関節のこわばり感、歩き始めや立ち上がりなどの動作初期に疼痛が生じます。
 特に膝関節内側に疼痛を生じ、しばらく歩き始めると軽快あるいは消失する。
 また椅子からの立ち上がり、階段昇降などの動作でも痛みを生じます。

 中期になると正座や階段の昇降が困難となり、
 病状が進行するにつれて歩くはじめだけではなく、歩行時の疼痛を伴うようになり、
 歩行距離は徐々に減少する。

 多くは内反膝変形を呈し、歩行時の外側方動揺性を認める。
 内側関節裂隙に圧痛を呈し、病状の進行とともに炎症を伴い、
 関節は腫脹し関節液が貯留すると膝蓋跳動が陽性となる。
 大腿四頭筋は委縮し、関節可動域が制限されるようになる。

 末期になると、安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、歩行が困難になります。
 夜間痛を訴えたり、骨軟骨片の遊離体が関節内で嵌頓し引っかかり感や
 ロッキング症状等を訴える場合もあります。

<画像診断での進行分類>

Kellgren-Lawrenceの分類、グレード0から犬裡誼奮に分類されています。

 グレード0:正常
 グレード機У燭錣靴い錣困な骨棘
 グレード供明確な骨棘、関節列隙の狭小化の可能性
 グレード掘中程度の骨棘、関節列隙の狭小化が明確、硬化像中程度、
 グレード検著明な骨棘、関節列隙の狭小化が中程度、硬化像著明、関節輪郭の変形明確

 グレード彊幣紊変形性膝関節症として診断されています。

その他にすでに述べた腰野分類があり、グレード0から垢裡驚奮に分類されています。

X線の画像診断としては腰野分類が理解しやすいがグレード検↓垢惑鵬に近い。


一般に臨床においては、Kellgren-Lawrence分類が用いられているようです


臨床で重要なことは、症状である疼痛と画像診断は平行して一致しない。という事実です。

 グレード0でも20%近くに痛みを感じる。

 グレード薫幣紊砲いても30%程度に疼痛を持たない者がいる。

 そして若年において症候性の膝関節症がX線上の膝関節症を上まわる傾向がある。

 逆に、80歳以上の高齢者においてはX線上の膝関節症が症候上の膝関節症の者に少なくなる。


したがって、立位単純X線写真において参考とするべきことは、

 骨棘形成、関節裂隙の極小化、軟骨下骨の硬化像の有無や程度を調べ、
 嚢腫形成や関節遊離体などの有無を調べさらなる進行の程度を調べることとなります。


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2013年03月15日

膝関節(76)

変形性膝関節症

危険因子である加齢における変化は今回で最後にいたします。


○固有感覚の変化

 様々な機能が加齢により低下するように、固有感覚も加齢により低下します。

 固有感覚は加齢だけでなく様々な要因、条件によって低下します。

 ただその他の要因、条件によっては改善もすることが知られています。


固有感覚は加齢によって明らかに低下します。

固有感覚とは?

以前にこのブログにおいても関節受容器としてお伝えしています。(是非読んでね)

固有感覚とは、Sherington (1948)のよると

 関節・筋・腱・関連深部組織から発せられる神経性入力を意味しています。

神経入力の受容器には、3種類があります。
 1、外部環境からの情報に関連する受容器(exteroceptor)
 2、内臓器官活動からの情報に関連する受容器(interoceptor)
 3、空間での身体位置からの情報に関連する受容器(propirricepyor)

関節に関連する受容器は特に1、と2、に含まれるものであり、

皮膚・皮下・筋・腱・関節内部組織に存在している機能をもつ神経終末を意味します。


受容器の働きは?

 受容器や受容器近接細胞の力学的変形を感知する知覚終末であり、

 静的・動的状態、均衡・不均衡、生力学応力、歪などに関する情報を、神経系伝達信号に
 変換する求心性の神経入力装置として働いている。

 物理的な圧縮・張力などの応力を特殊な神経系信号に変換するセンサーの役目。

これらは特別に意識されずに無意識のもとで判断処理されています。

膝関節からの情報はもとより、他の関節あるいは四肢や体幹の肢位、足底からの情報、

視覚、平衡感覚などが統合された機能に影響を与えます。


四肢・体幹の運動と状況変化に対して、固有感覚である運動覚・位置覚などの
情報収集センターの役をして、その情報を中枢へ伝達します。

これら情報の蓄積と即時経時的応答が、フィードバック、フィードファード的対応として
関節周囲筋に送られる。

これらの情報収集機能により、円滑な連続性のある所動作を対行させ、
外力に反応して身体を防御しさらに関節の保護機構として、生理的範囲での荷重分散作用や、
日常の生理的範囲での疼痛信号などによる自己チャック機能も備えテいることになる。

膝関節内部周囲の、滑膜・関節包・靭帯・半月板の一部・脂肪体・腱・筋に限らず

皮下組織・皮膚などにも様々な神経受容器が存在しています。

そして、膝関節周囲の筋は、情報の入出力器官であるとともに、関節の運動・安定・保護のための

動力源にもなっています。

特に膝関節は人体最大の関節であり、加えて関節腔も人体最大であり、最も複雑な関節でもあります。

したがって膝関節からの情報は非常に重要です。


加齢によって固有感覚は低下します。一方ではその他の機能も加齢によって低下します。

加齢は本当に変形性膝関節症の危険因子になるのでしょうか?


さて様々な変形性膝関節症の危険因子を述べていきましたが、一方でよく考察すれば

危険因子の一つ一つは変形性膝関節症の進行を防ぐヒントになるとは思いませんか?

もう一度よく読んでいただきたいと思います。

変形性膝関節症においてグレードの掘↓犬某聞圓垢襪里狼だといわれています。
しかも、非常に長い年月を要し手術を要するには10%に満たないという事です。

それに反して手術件数は年々増加し、しかも実施される年齢も年々若年化しています。

本当に保存療法は効果がないのでしょうか?

患者側、保存療法をする側、手術する側にとって何も矛盾を感じないのでしょうか?



touyou8syok9 at 08:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年03月07日

膝関節(75)

変形性膝関節症

骨の加齢による変化

骨の成長は軟骨で形が作られ、軟骨のままで成長する一方で、軟骨の一部分に骨核という

軟骨が骨に代わる部分ができ、その部分が成長していきます。

長管骨における長軸方向における骨成長は骨端部成長軟骨の増殖・成熟・石灰化という

軟骨内骨化に依存しています。

ちなみに関節軟骨の構造を表面から簡単にのべますと、

 関節面から表層部分(輝板・浅層)→関節軟骨の実質(中間層と深層)→tidemark→

 石灰化軟骨(石灰化層)・軟骨下骨→骨髄に分類されていきます。


骨吸収と骨形成はある一定の統制のとれた連鎖反応として観察されこの過程をリモデリングと呼んでいます

骨のリモデリングはハーバース管面、骨梁(海綿骨)骨面、内骨面で行われ骨吸収面に、

新生骨が添加されると同時に生体に応じたミネラルの血中への動員という生命維持のための

現象として考えられています。

一方、

横軸方向の成長は外骨膜の骨成長と内骨膜の骨吸収によって達成する。

成長期において外骨面の骨成長は内骨面の骨吸収を上回るために骨は相似形を保ちつつ

骨量は増加していきます。この現象をモデリングと呼んでいます。

発育期はこのモデリングが旺盛に行われますが、加齢とともにリモデングが優位となる。


骨量は20歳代になっても増量しつづけ30歳代にて最大骨量になる。

その後は加齢に伴い減少していく。

男性は徐々に減少するが女性は閉経後に数年間は著明に減少し、その後徐々に減少する。

特に減少は長管骨の皮質よりも脊椎の海綿骨の方が著明に減少する。


男女の差

●加齢に伴う骨梁(海綿骨)
 
 男女による減少量の差はない

 女性では骨形成の低下よりも骨吸収の増加が著明なので主として骨梁が穿孔されることにより
 骨梁の連結性が失われる。
 男性では骨吸収の増加よりも骨形成の低下が著明なため主として骨梁幅が減少する。

 内骨膜面での骨吸収は男女ほぼ同程度なのですが、外骨面での骨形成は
 男性よりも女性の方が少なく、加齢に伴う皮質骨量の減少は男性よりも女性の方が大きい。

●骨皮質の量

 加齢による内骨面での骨吸収は男女ほぼ同程度。

 外骨面での骨形成は男性よりも女性の方が少ないために、加齢に伴う骨皮質量の減少は
 男性よりも女性の方が大きくなる


海綿質と骨皮質の両者の量を含めた骨量の減少は女性の方が高い。

以上簡単に述べていますが加齢とともに骨量・骨皮質の量の減少は明らかのようです。

このことはむしろ人の加齢に伴う血液中のカルシウム濃度の低下に対する適応です。

高齢者においては腎臓や消化器官からのカルシウム吸収が十分でないために、

骨からカルシウムを補給する必要があり血中カルシウム濃度の正常化のために仕方がないことです。


加齢の変化は骨粗鬆症には関係しますが、変形性膝関節症には直接あまり関係がありません。

骨粗鬆症との関連性については今のところ一定の見解はないようです。

円背に対しても内反や膝関節屈曲拘縮や筋力に対しての影響が大きいとの見解のようです。


ちなみに骨にカルシウムを強引に沈着させようというビスフォスフォネートなどの薬剤が、

骨粗鬆症の治療薬として多くの人たちに用いられていますが、これらの使用は

骨だけではなく動脈硬化巣へのカルシウムの沈着を促進し、却って生命の危険を引き起こす

ことがあるので注意が必要だとされています。



touyou8syok9 at 21:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症