2013年04月

2013年04月25日

膝関節(82)

変形性膝関節症

変形性膝関節症の疼痛の強さとX線上での進行の程度は一致しない。

その多くの理由は軟骨、骨以外の結合組織の問題があると思います。

疼痛は、膝関節の変形の有無にかかわらず(グレード0、1)において進行に影響する。

どのような関節にかかわらず疼痛は「生体の警告系」として重要な役割を果たします。

まして変形性膝関節症の既往症があればなおさらです。

したがって、疼痛を早期に除去することは予防、進行の予防にも必要です。

膝関節の疼痛としてまず単純に考えられるのは、

筋(肉)痛

 筋肉の痛覚は、筋線維を包む結合組織、細動脈の周りおよび筋肉と腱の結合部にみられる。

 傷害された一部の筋肉の筋肉痛と全身の筋肉痛とがあります。

 ぜひ覚えてほしい疼痛には、遅発性筋痛(DOMS)と呼ばれる疼痛症状があります。

 健康な人ならば通常、運動後数時間から1〜2日後に痛みが生じて、1週間程度で
 自然に消滅する筋(肉)痛とされています

 これは運動により筋線維にミクロの損傷ができ、それに伴い一連の炎症反応が起こることで
 疼痛を感じる。

 DOMSの本態は、筋と結合組織の損傷後の炎症反応に伴う現象。と言われています。

 筋線維には痛覚は無いが筋膜には非常に多く存在している。
 筋線維の微細損傷の修復時にみられる炎症過程で発痛物質が発生し、
 これが筋膜を刺激して痛みが起こるといわれています。

 DOMSは筋(肉)の伸張性収縮によって引き起こされます。
 筋(肉)が短縮する動作のみの等尺性や短縮性収縮運動では引き起こされません。
 山登りでの下りや下り坂走行などで引き起こされる場合が多い。

 この筋(肉)痛は筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する収縮時に引き起こされますので、
 大腿部、および下腿部の前面にある四頭筋あるいは前脛骨筋等は引き起こされやすい。
 
 特に筋長が最大限に伸びた時に伸張負荷が加わると、DOMSが生じやすく、筋力低下、
 腫脹も顕著になります。

疼痛の基本は本質的には侵害感覚に基づく感覚であるといえます。

しかし変形性膝関節症をすでに罹患されている人ならば、強い運動量を実施していなくても、
階段の昇降時、特に降りる際には引き起こされる可能性は充分にあります。

すでに述べたように疼痛は、本質的には侵害感覚に基づく感覚であるといえます。

遅発性筋痛は組織損傷に基づくものであると思われるが、痛み感覚は、必ずしも物理的、
 
機械的侵害刺激のみてなく、化学的刺激によっても発生します。


DOMSの本態は、筋と結合組織の損傷後の炎症反応に伴う現象。である。

是非覚えておいてください。

そして変形性膝関節症の既往症があれば、遅発性筋痛が長期に残存する可能性は高い。






touyou8syok9 at 19:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年04月18日

膝関節(81)

変形性膝関節症

疼痛に関しては、アッサリと済まし次に進むつもりだったのですが・・・・・・

今回は少し痛みについて巷で話題になった最近の新聞から

変形性膝関節症に限らず関節の疼痛は重要だと思いますのでもう少しお付き合い願います。


最近(2013年3月24日)、マスコミにおいては一流?と言われている・・・・

大手新聞社の朝刊の一面のトップに「腰痛2800万人 8割原因不明…心の悲鳴かも」という記事が

掲載されました。

何のことはない。記事の趣旨は、厚労省研究班によるデータ解析の結果を紹介するもので、

この記事のみでは物足りなくさすがに、まずいと思ったのか?

関連学会は「安静よりも運動を」 「ストレスは大敵」といった腰痛の診療指針をまとめた。

という内容の記事を付け加えている。

この記事の内容はすでに、2012年12月30日付で日本経済新聞社には

「腰痛にストレス関与 安静、有効と限らず。学会が診療指針」という記事を出している。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG3000L_Q2A231C1CR8000/

また同日の産経新聞社にも「大半の腰痛、ストレスから 初指針、画像検査不要も・・」と

腰痛に対する学会のガイドラインが掲載されています。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/121231/bdy12123115380001-n1.htm


記事においては腰痛症の85%が原因不明と言われており、椎間板ヘルニアは5%程度、

その他画像で診断できる圧迫骨折などが9%程度、およそ1%が腫瘍など病状が

深刻なものと言われています。


日経・産経新聞の記事元は「腰痛診断ガイドライン2012」(南江堂)と思われます。

もしお時間があればお読みください。


驚くべきことは!! 

このような腰痛の診療指針は初という・・・・・・・・・・事実です。

厚生労働省の国民生活基礎調査によると一位が「肩凝り」、二位が「腰痛」になっています。

その二位の腰痛症の診療指針が日本整形外科学会と日本腰痛学会の両学会の専門家が

まとめたガイドラインが初めてという。

巷ではありふれた腰痛症がいかに経験的な治療であったり、手術であったりということ。

各関節における「疼痛」の対応が無頓着だったということです。


もう一度国際疼痛学会による定義において、「痛覚」とは?

「実際の、あるいは組織の傷害の危険性のある、あるいはそのような傷害に関連した
 
 不快な感覚と感情的経験」 とされています。 まとめれば、

 1、実際の組織の傷害、あるいは組織の傷害の危険性。
 2、傷害に関連した不快な感覚。
 3、感情的経験と定義されています。

以上の3つです。

3、の感情的経験(脳における刺激あるいは記憶など)はストレスに相当するのは当然ですね。

新聞では運動などを進めていますが・・・・・・・、

間違った運動は 1、実際の組織の傷害、あるいは組織の傷害の危険性。につながります。

2、は自律神経系など

前回説明した膝関節を含め関節の痛覚の認知を思い出してください。

関節そのものあるいは周囲の何かしらの組織の傷害がおこり、

1、炎症、浮腫、痛覚メディエーターの産出
2、末梢神経での侵害シグナルの伝達
3、脊髄での侵害シグナルの処理
4、脳での侵害シグナルの処理
5、痛覚の認知
という過程で求心性に伝えられていきます。

これら1〜5でのどの部位をターゲットとして治療を行うかが治療の眼目になるでしょう。



変形性膝関節症を専門医に紹介するガイドラインをすでに簡単に紹介しました。


話のついでに腰痛症で知ってほしいこと。

腰痛症に以下のような症状があったり既往症があれば専門医に紹介しましょう。

腰痛の赤旗徴候(レッドフラッグ)

 一般的なレッドフラッグ:1ヶ月以上続く腰痛、夜間の安静時痛がある。痛みで夜も寝むれない。

  乳癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌の既往は最も骨転移が多い。→腫瘍による腰痛

  癌をみつけるレッドフラッグ:年齢50歳以上、癌の既往、説明のつかない体重減少、
     
                   夜間の安静時痛 

 化膿性脊椎炎に対するレッドフラッグ:静脈注射の乱用・尿路感染・皮膚感染、脊椎の打痛、
 
                         発熱・悪寒、免疫抑制状態

 圧迫骨折に対するレッドフラッグ:年齢70歳以上、外傷の既往、ステロイド使用

 身体所見では

 馬尾神経圧迫症状、特に肛門周囲の膀胱障害(尿閉、頻尿)、下肢のひどい神経症状、

 肛門括約筋の弛緩などに注意する。

以上を考慮し腰痛症の保存療法を続ける。





touyou8syok9 at 21:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年04月11日

膝関節(80)

変形性膝関節症

痛覚には1、体性の痛覚 2、臓性の痛覚  3、神経性の痛覚 があります。

1、体性の痛覚は体幹、四肢、頭部に由来する。

  浅い部の痛覚は皮膚

  深部の痛覚は結合組織、筋、骨、関節

2、臓性の痛覚は身体の臓器から発生し、自律神経によって伝えられます。

3、神経性の痛覚は神経そのものの傷害によって引き起こされる。
 
  その他に神経性の痛覚は体性あるいは自律神経系にも関係しています。


変形性膝関節が「痛い」という痛覚は1、体性の痛覚および3、神経性の痛覚になります。


そして痛覚の認知は、

膝関節そのものあるいは周囲の何かしらの組織の傷害がおこり、

1、炎症、浮腫、痛覚メディエーターの産出

2、末梢神経での侵害シグナルの伝達

3、脊髄での侵害シグナルの処理

4、脳での侵害シグナルの処理

5、痛覚の認知

という過程で求心性に伝えられていきます。


その他に、忘れてはいけない重要な感覚には膝関節に限らず各関節には、固有感覚という

関節の位置を知る位置感覚、関節の移動を認識する運動覚などがあります。

これらは特別に意識されずに無意識のもとで判断処理されています。

膝関節からの情報はもとより、他の関節あるいは四肢や体幹の肢位、足底からの情報、

視覚、平衡感覚などが統合された機能のことです。

運動性と柔軟性にすぐれており、しかも安定性を備えた高感度の装置です。

これらを統合して抑制や作動するのが中枢神経系になるのですが、その情報処理のために、

情報の主入出力部位として、関節そのものの構造が多くの部分を担っています。

関節内部周囲の、滑膜・関節包・靭帯・半月板の一部・脂肪体・筋・腱および皮膚には

様々な神経受容器が存在しているのです。

これら情報の蓄積と即時経時的応答が、フィードバックして関節周囲筋に送られます。

これらの情報収集機能により、円滑な連続性のある動作を対行させ、

外力に反応して身体を防御しさらに関節の保護機構として、生理的範囲での荷重分散作用や、

日生理的範囲での自己チャック機能も備えています。


これらの最初のチェック機能として「痛覚」の存在は非常に重要な項目になることは、

それがたとえ膝関節の変形が存在しようと、存在していなくても、

痛覚の存在は無意識下で狂い生理的範囲を逸脱してしまう結果になります。


早く痛みを除去することは

変形性膝関節の予防・進行の防止に必要不可欠になることは、自明の理になります。


touyou8syok9 at 20:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年04月05日

膝関節(79)

変形性膝関節症

変形性膝関節症において疼痛は悪化の原因となる。

変形性膝関節症の進行の予防には疼痛をまず除去が必要です。

当たり前と言ったら全く当たり前のことですね。


膝関節は人体最大の関節であり、表在性の関節であり、最も複雑な関節であり

人体で最も大きい関節腔をもっている関節であります。

したがって関節に対する「痛い」という感覚は様々に表現されます。


私たちが一般に「痛みの感覚」というと単純に「痛い!!」という感覚ですが

国際疼痛学会による定義において、「痛覚」とは?

「実際の、あるいは組織の傷害の危険性のある、あるいはそのような傷害に関連した
 
 不快な感覚と感情的経験」 とされています。

単純に「痛い」という感覚だけではなく様々な感覚を含んでいることが理解されます。


つまり膝関節の症状としての「痛み」は、単純に関節の圧痛、動作痛、自発痛などだけではなく、

関節のこわばり感、はりついた感覚、なんとなく重たい感覚などの違和感として感じられる感覚も

痛覚としてとらえて間違いではないと思います。


疼痛の感受性として

 皮膚(表皮・真皮)・・・・・感受性が高い。
 皮下組織・・・・・・・・・・・・あまり高くない。
 筋膜・・・・・・・・・・・・・・・・非常に感受性が高い。
 筋組織・・・・・・・・・・・・・・あまり痛くない。
 骨膜・・・・・・・・・・・・・・・・感受性が強い。
 骨組織・骨髄・・・・・・・・・無痛。

皮膚、筋膜・骨膜のほか・関節包の線維膜それら続く靭帯や腱などが疼痛の感受性が高い。


これを膝関節の組織に置き換えてみると、

膝関節周囲の表層の皮膚は非常に感受性が高く、皮下組織は低く、筋膜は感受性が高い。

筋組織(俗にいう筋そのもの)は低く、骨膜は感受性が強い。

膝関節の関節腔の内部構成としての関節包の線維膜、関節包靭帯・副靭帯、脂肪ヒダ、滑膜には

自由終末である神経線維が広く分布しています。

つまり関節腔内における滑膜・脂肪体・関節包は非常に感受性が高い。

十字靭帯の付着部では軽度・中の感受性があるが体部には感受性がありません。

半月板においては内縁においては軽度の感受性低く、関節包近傍になると感受性が少し高くなります。


痛みの感覚は、侵害感覚であり、物理的、機械的侵害刺激のみてなく、

炎症、浮腫、痛覚メディエーターの産出による化学的刺激によっても発生する。

このブログですでにのべている関節はなぜ痛む? 関節受容器などをお読みください。



touyou8syok9 at 21:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症