2013年12月

2013年12月26日

膝関節(116)

変形性膝関節症

前回までは膝関節の矢上面での運動である屈曲・伸展のみを述べました。

屈曲位拘縮は膝関節の矢上面での変形ですね。

膝関節の前額面での変形も存在します。

前額面での変形では内反変形が典型例になります。

実際には、膝関節は屈曲すれば脛骨が内旋し伸展すれば外旋しますので、

膝関節に荷重面での変化も存在します。

したがって下肢アライメントの指標として

 ○大腿骨の彎曲度・・・大腿骨の各断面楕円中心のデータ群を近位、遠位に二分し、
              それぞれの最小二乗直線を近位解剖軸、遠位解剖軸として決定
              3D解析になります。人工関節置換術に必要とされています。
              単純にアライメントとしては、加齢とともに内湾が減少して、
              外彎傾向になります。
              
 ○下肢荷重通過点・・・膝関節の荷重面での変化

 ○FTA・・・・・・・・・・・・・膝関節の前額面での変形

 ○Q角・・・・・・・・・・・・・大腿四頭筋と膝蓋骨靭帯のそれぞれの力のベクトル方向

が参考となります。


変形性膝関節症は内側変形型が多く、膝が内反位に変形していきます。

膝関節は屈曲・内反・内旋位になるほど伸展力が低下していきます。

そして膝関節の屈曲位拘縮とともに内反位を呈していきます。


変形性膝関節症の危険因子にO脚がありました。

O脚は膝関節が見かけでは内反を呈しています。(内反変形ではありません)

従ってO脚を改善する事も必要になります。

グレードの高い(掘銑検貌眤Ψ進儼狙膝関節症は膝関節が明らかに

内反変形によってO脚を呈しています。

こうなってしまうとO脚を改善することはできません。

その他にも、くる病、Blount病などが起因のO脚は治りません。


改善できるO脚はあくまでも姿勢によるO脚です。

膝関節がしっかりと伸展することは内反の予防つまりO脚の予防にもなります。

加えて姿勢としてのO脚の改善も変形性膝関節症の予防、進行の防止に必要です。

膝関節の内反モーメントの増大につながるので予防・進行の防止に重要な項目になります。

ただ、姿勢O脚の改善は膝関節のみならず、股関節、足関節、骨盤、体幹などの問題を

多く含んでいます。

変形性膝関節症の危険因子は多くありますので、一つ一つ改善する必要があります。

まずは、できるところから一つ一つ改善していきましょう。

O脚については、長くなりますのでいづれ述べていきます。


今年は今日で最終回になります。

膝関節の項目がダラダラと長くなっていますが、この項目には各種の関節に対して

応用が可能な項目を述べているつもりです。

至らない箇所も多いと思いますがお読みになっていただいた皆様にお礼申し上げます。

今年もありがとうございました。



今年の漢字は「輪」という事です。

健康の維持にも非常に重要ですね。

一つ一つが連なって「輪」となったときに健康が得られます。

関節の痛みも同じですね。

一つのことのみだけでは決して克服できるものではありません。

筋膜だけ、筋肉だけ、骨だけ、軟骨だけ、腱だけ、姿勢だけ・・・・・・・・・・・・・

全てが繋がり「輪」となってスムーズに回っていくと時間とともに回復していきます。

慢性化するほど治療のみ(治療サイド)では「輪」となって回らないこともあります。

本人の精神力、治療者間の協力、家族の協力、、社会(会社や地域)の協力や理解、

親類縁者・・・・等など、より大きな「輪」が必要になってこそ回復する場合も多いのです。

来年も大きな「輪」となって健康に暮らしましょう。


平成26年が皆さんにとって幸多い年でありますように!!

良いお年をお迎えください。





touyou8syok9 at 20:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年12月19日

膝関節(115)

変形性膝関節症

膝関節の拘縮の予防・進行の防止は非常に需要です。

皆さんは、変形性膝関節症に罹患したから膝関節が拘縮した・・・・と思っています。

確かに、変形性膝関節症のグレードが高くなるにつれ拘縮の程度も進行します。

変形性膝関節症においてはステージが高くなり進行すると関節裂隙がなくなってしまいます。

その状態の最悪がCyriax の end-feel 分類であるbone-to-boneである状態になります。

つまり進行してしまえば膝関節を他動的に伸ばそうとしても伸ばせない、曲げようとしても
 
一定角度からは骨がぶつかって曲げれない状態になってしまいます。

これは、軟骨が消失して骨棘の出現、関節裂隙が消失して最終的に骨と骨の問題に

着目した結果です。

その結果が、骨切術や人工骨頭置換術の手術となってしまうのです。


仮に膝関節の変形のグレードが高くない初期にも膝関節の屈曲位拘縮が起これば・・・・

立位においては、拘縮側の下肢短縮がおこり、骨盤が傾斜します。

歩行においては、屈曲位のまま接地を迎え、立脚中期での完全伸展が得られません。

すなわち、double knee action が欠如するために、膝関節への力学的ストレスが増大します。

※double knee actionとは二重膝作用いい、重心の上下移動を少なくする作用。

当然、膝関節に対する負担が大きくなり直接関節にダメージを与える結果となります。

これは変形性膝関節症に進行する第一歩に通じます。


視点を変えると、膝関節の屈曲拘縮は姿勢にも大きな変化を与えます。

通常、身体重心線は股関節の後方に膝関節のやや前を通過します。

膝関節屈曲位により身体重心線が膝関節の後方に移動します。

このことも重要です。


変形性膝関節症の危険因子には加齢がありました。

加齢による脊柱の変化は、胸椎後弯部の変化が先行し頸椎や腰椎に影響を及ぼします。

この変化を脊柱で代償できない場合に下肢で代償することとなります。


脊柱の後弯は骨盤後傾にを引き起こします。

これら骨盤後傾には二つのタイプがあります。


初期の高齢者は、上部の身体重心位置が股関節よりも後方に位置します。

これは加齢による胸椎の後弯増加を脊柱部で代償するためです。

骨盤の後傾は大腰筋の筋力低下と関連するためこの後弯姿勢が多くなります。

この姿勢は身体重心位置が後方に変位して重心線が股関節の後方に位置します。

そのことにより、大殿筋の筋力低下により骨盤後傾が更に助長されます。


もう一つの骨盤後傾のタイプには上部身体重心線が股関節の前方のある高齢者。

年齢が更に高齢になると、脊柱での代償が不十分になり、股関節、膝関節にまで

代償が及ぶ姿勢になります。(以前にのべた手長サルの姿勢)

この姿勢は、腸腰筋や大腿四頭筋、大腿二頭筋の筋活動の増加がみられます。

膝関節においては大腿筋膜張筋、大腿四頭筋の筋活動が増加する。


上部の身体重心線、姿勢としての重心線も膝関節の後方を通過します。


両タイプともに重心線は膝関節の後方を通過することとなります。


結局、膝関節屈曲拘縮は、これら危険因子の助長、姿勢の悪化の助長に繋がります。


あなたの膝関節を、もう一度チェクしてください。

あなたの膝関節は完全に伸展することができますか?

完全に伸びない膝関節は早期に治療しましょう!!

加えて早期に脊柱後弯、骨盤後傾姿勢の改善が期待できるならば、股関節周囲筋の強化、

骨盤後傾の減少、脊柱アライメントの改善は必要不可欠となります。

おいおい述べていきます。

まずは、膝関節を注意して観察してください。




touyou8syok9 at 21:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年12月12日

膝関節(114)

変形性膝関節症

話を元に戻しまして、

膝関節の拘縮を予防するには

 膝関節の症状において留意するポイントは3点

 1、浮腫のコントロール

 2、疼痛のコントロール

 3、安静や良肢位による固定など関節の不動をコントロール

 4、その他

治療のテーピングは、1,2、3のどれにでも使用できますので非常に便利です。

浮腫に対しては局所の軽い圧迫の効果があり、また疼痛の減少が認められます。

次に関節を不動にせずに、加えて可動域の拡大にも役立ちます。


変形性膝関節症の患側の膝関節の周囲の皮膚の状態をよくよく観察してください。

テーピングを直接貼る部位は皮膚です。

患側と健側の熱感はどうか? わずかな熱感の差です。

患側と健側の浮腫、腫れはどうか?皮膚の皺はどうか?

本当に軽く触れてください。

皆さんが想像している転倒などで起こるような患側のみの膝関節の状態であれば、

だれが観察してもわかるような明確な腫れや熱感なのですが、

変形性膝関節症の浮腫、腫れ、熱感は、すでに述べている様々な危険因子が重なって発症する

わずかな浮腫、腫れ熱感であり、その結果がわずかな皺の有無につながります。

知らず知らずの間にわずかな衝撃によって症状が進行していきます。

患側の膝関節しか観察していれば、見逃します。

何度の述べていますが、必ず!! 

患側と健側の膝関節を軽く触れて比較してください。

そして、様々な手技による治療を行った後に治療のテーピングを行ってください。

但し、いくら最近のテーピングの糊が良くなったというものの、皮膚のカブレという

問題もありますので、痒みがでればスグに外してください。

また、テープの貼る方向などを患者様に教えてあげれば自宅療法としても役立ちます。


テーピングは変形性膝関節症に大いに活用できる方法です。


膝関節の拘縮の始まりはシッカリと十分に完全伸展位ができない状態です。

変形性膝関節症(膝OA)を形成し易い膝関節ともいえます。

あるいは

変形性膝関節症(膝OA)の末期へ進行し易い膝関節になるのです。

立位ではどうですか?

自然な状態で立った状態でも十分に膝が伸びていますか?

膝が曲がった状態で、立っていませんか?

仰臥位ではどうですか?

仰向けに寝た自然な状態で膝が十分伸びていますか?

膝の裏が床に着いていますか?

膝関節が曲がtった状態で、床面から離れていませんか?

よ〜〜〜〜〜く観察してください。


もし、

1、自然体でシッカリと伸びていない人。

2、自動的に力を入れれば伸びる人。

3、自動的に力を入れても伸びない人。

4、他動的ならば痛みなく伸びる人。

5、他動的ならば少し痛むが伸びる人。

6、他動的では疼痛で伸びない人。

7、他動的でも疼痛はないが、伸びない人

程度は様々でしょう。

痛みがあろうとなかろうとも他動的に完全に骨と骨とがぶつかって伸びない人は、

膝関節の関節裂隙は、ほぼ消失している人ですね。


1から順に拘縮の症状が重い状態です。

たとえ現在、膝関節の疼痛が消失されている人でも

膝関節の完全伸展ができない人は、治療・施術を開始しすべきです。

そして、それ以前あるいは途中にも必ず膝関節の浮腫、腫れ、熱感、皺の減少が

存在しています。


早く見つけて治療を行ってください。





touyou8syok9 at 20:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2013年12月05日

膝関節(113)

変形性膝関節症

テーピングの際にテープが直接付着する部位は?

関節周囲の皮膚になります。

皮膚に対しての効果を期待しています。

従来は、

関節運動に関しては、各種のテーピングであれ、各種の手技であれ

軟骨、骨、靭帯などの支持組織や、骨格筋などの筋組織、あるいは神経組織をターゲットとして

アプローチされていました。

今回は、皮膚という人体で最大の大きな臓器に注目していただくために

すこし著書を紹介し、皮膚が関節の運動に影響するという重要な事実を皆さんに

知っていただきたいと思います。


皮膚は単に身体を包んでいる保護膜だけでなく表皮から様々な情報の信号を発信して、

単に(膝)関節に対してのみならず身体に大きな影響を及ぼしています。

皮膚は考える 傳田光洋著 (岩波科学ライブラリー112)

  1、皮膚は最も大きな臓器・・・・・約3圈 頁召約1,4圈肝臓1,2〜2圈
     皮膚バリアとして
  2、皮膚は電池のような働きをする。
  3、情報伝達物質を生み出す。
     免疫や内分泌系に影響を与える。
  4、センサーとして働いている。
     外部刺激のセンサーとして、痛みのセンサーとしてなど
  5、皮膚は脳である。
     脳と同じ受容体をもつ、精神を司るなど
  6、身体の健康、こころの健康も皮膚から。

 と様々な観点から著書で説明されています。

これらの項目のなかで、2、3、4、5、6の皮膚の働きを期待して様々な手技が実施されています。

系統別・治療手技の展開(協同医書出版社)

 皮膚と軟部組織の解剖・生理学的基礎(小林考誌)のなかで

 皮膚刺激が運動器へ及ぼす機能として
  皮膚抑制に関しては、0scarsonが、外受容器である皮膚受容器からの刺激が
  運動ニューロンを抑制する理論として、屈曲反射求心線維flexor reflex afferents と
  呼ばれる中の閾値の低い皮膚神経や関節Low threshold cutaneous and joint受容器の
  線維への刺激は、α運動神経を抑制しγ運動神経を促通すると報告している
  これは、皮膚求心系刺激下位運動中枢を介し上行し下オリーブ核あるいは
  小脳外側核である歯状核を経て、脳幹網様体を介して赤核網様体脊髄路を下行し
  α運動ニュウロンを抑制する仕組みである。
  外界からの皮膚刺激が、運動修正機能として働いていることなる。

 皮膚と関節の関係
  Brooksらが、多くの細胞が皮膚入力を受け(65%)、一部は関節の動き(20%) に応じるものが
  あり、これは錐体路や非錐体路で差異がなく約半数の細胞は感覚刺激の種類に
  特異性の高い受容野を持ち、残りはかなり広い受容野を持つものであったと報告している。
  津山は、深部感覚に皮膚感覚が大きく関与し、皮膚感覚は、関節覚の50% 以上に関与して
  いると報告してい る。

 皮膚と筋の関係
  akata と Miyamotoは、筋収縮を引き起こす皮質部位にある細胞は、
  収縮で引き伸ばされた側の皮膚や関節の伸長によって興奮を受けるもの。
  Asanumaらは、逆に収縮する側の皮膚からの入力を受けるものが存在すると報告している。

 皮膚感覚の局在性
  Strick とPrestonが、皮質刺激で起こる筋収縮と末梢体性感覚入力の関係は、
  両者はほぼ同じ体部位に一致すると報告している。

つまり皮膚は外受容器であり、外部環境に関する情報を提供する役割を果たしており、
標的である皮膚受容器に刺激を与え、期待する反応を導くことができる。

その特定部位に皮膚感覚適刺激を与えることにより関節に正常な位置の情報を送り込むという
触圧覚刺激法の概念を立てられ各関節に対する手技の方法を著書のなかで紹介されています。

これらは、皮膚の固有感覚を利用された触圧覚刺激法という手技になっております。

一方、この著書の中でも外受容器に分類される皮膚感覚に適刺激を与えて治療に結びつける方法
として、RoodやPNF法などに分類される手技のプログラム中に一部報告されている。

一方、テーピング法としては、

田中らのスパイラルテーピングは、皮膚表面に反応を見出し、この部位にスパイラルテーピングを
行い、より正常に近い皮膚の緊張状態を保つ作用を働かせる目的でを行う。
このことにより筋肉層まで刺激を与えることができるとしている。

キネシオテーピング法においても皮膚の固有感覚を利用していると述べられています。

この2種のテーピングに関しては私は利用していませんので、詳しくは関連本あるいは
主催されている各研究会のHPを参照にしてください。


私が、関節運動に直接テーピングに応用できる文献として参考にさせていただいているが、

皮膚運動学−機能と治療の考え方 福井勉著(三輪出店)

この本のなかでは、皮膚運動の原則として5つの原則を述べられています。

1、皺ができると、更に皺が深くなる運動は抑制される。
  伸張された皮膚の部位は、さらなる伸張方向への運動は抑制される。

その他の4つの原則の詳しくは本に譲ります。が、

著書の中でもテーピングの具体例や手技としての臨床例も多く紹介されていますので、
興味のある方は是非お読みください。


まだまだ、皮膚と関節運動に関しては未知の部分がまだまだ多くこれからの発展発達し、
今後私たちの臨床に大いに役立ち、患者さんの福音になることは明らかだと思います

今回は本紹介になっていますが、臨床に参考になると思っています。

詳しくは、是非各本を購買され一読され応用されることをお勧めします。



touyou8syok9 at 19:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症