2014年01月

2014年01月30日

膝関節(120)

変形性膝関節症

変形性膝関節症においては、画像診断で明らかに変形が確認され変形進行の程度によって

グレードによる弁別もできるので診断には困ることは無いでしょう。

また、変形進行のグレードが高ければ画像診断しなくても診断には困らないでしょう。

(関節自体の詳細な部分の診断には画像診断は当然に必要です。)


一方、症状として膝関節には何の外傷もなく痛む?・・・・・・・いつまでも治らない。

繰り返される疼痛、炎症、浮腫、関節可動域の減少、慢性化し、うつ的症状をおこしてしまう。

このような症状が繰り返されることは、変形性膝関節症の変形のグレードの程度にかかわらず

おこりませんか?(変形のグレードが高いほどむしろ疼痛、炎症などは少ないように思いますが)

膝関節に限らず肩、手、指など様々な関節でもこのような問題はおこりませんか?


これらの症状は、痛みの悪循環?あるいは神経系における増幅機構としての慢性疼痛

あるいは難治性疼痛?あるいは、遷延性の術後痛?として複合性局所疼痛症候群(CRPS)?

などとしてご存知の方も多いとは思います。


前回の続きとして臨床の方針としては、

皮膚・表皮から筋膜までの結合織に何らかの問題があると考えられる。

皮膚や結合織の麻痺や反射障害(自律神経系)に対して治療の必要が生じる。


関節における結合織の障害を理解するためには、以下の概念が必要です。

特別講習会にて、反射性交感神経性疼痛反射(Sympathetic pain reflex)について

小林先生に、ご教示していただきました。(きわめて簡略化して述べます)


反射性交感神経性疼痛反射の概念として

1、反射性交感神経性ジフトロフィー(CRPSタイプ気吠類されるRSDの肩手症候群など)

2、自律神経中枢の障害(認知症や脳卒中の脳血管障害、うつなど)
   
   中大脳動脈領域(エリヤ4)と前頭領域(エリア6)およびその経路の損傷によりおこる
   自律神経機能障害による末梢の血管動態の混乱など

3、リンパ循環器系の静脈系ポンプ作用
   
   リンパ球血中減少による免疫作用の障害による腫脹や発赤、蒼白、運動制限、疼痛など

以上の三つ概念がある。


このような三つの概念が複合して、関節の皮膚や結合織には様々な症状がおこりえる。


このような概念である疾患としては複合性局所疼痛症候群(CRPS)が有名です。

臨床に携わる一人として少しは理解していました。(つもりでした。)


ちなみに、

CRPS診療用診断基準(国際疼痛研究学会、2005)を抜粋

  1、きっかけとなった外傷や疾病に不釣り合いな持続性の痛みがある
  
  2、以下の4項目のうち、3つ以上の項目で1つ以上の自覚的徴候がある
     1、感覚異常:自発痛、痛覚過敏
     2、血管運動異常:血管拡張、血管収縮、皮膚温の左右差、皮膚色の変化
     3、浮腫・発汗異常:浮腫、多汗、発汗低下
     4、運動異常・萎縮性変化:筋力低下、振戦、ジストニア、協調運動障害、
        爪・毛の変化、皮膚萎縮、関節拘縮、軟部組織変化

   3、診察時において、上記の項目のうち、2つ以上の項目で1つ以上の他覚的所見がある
     
   4.、上記の症状や徴候をよりうまく説明できる他の診断がない

CRPS臨床用判定指標(CRPS研究会、2008)を抜粋
   
  自覚的症状(病気のいずれかの時期に、以下の自覚的症状のうち2項目以上該当すること)

    1、皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化
    2、関節可動域制限
    3、持続性ないし不釣り合いな痛み、しびれたような針で刺すような痛み、または知覚過敏
    4、発汗の亢進ないしは低下
    5、.浮腫

  他覚的所見(診察時において、以下の他覚的所見の項目を2項目以上該当すること)

    1、皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化
    2、関節可動域制限
    3、異痛症(触刺激または熱刺激)ないしは痛覚過敏(ピンプリック)
    4、発汗の亢進ないしは低下
    5、浮腫


いかがでしょう?

関節に繰り返される自覚的・他覚的所見である疼痛、炎症、浮腫、関節可動域の減少に

反射性交感神経性疼痛反射の概念に対して必然的に対応せざるを得ない。

変形性膝関節症を単に軟骨・骨あるいは筋・筋膜などの運動器系の疾患としてとらえるだけでなく、

皮膚や結合組織の障害としてもとらえ、反射性交感神経性疼痛反射にも対応せざるを得ない。

・・・・・・・・・・・・・・・と思うのは私だけでしょうか?


特別講習会では、以上のような学理とそれに対応する実際の実技をお教えいただきました。

実際2名の患者様に対しても皮膚、結合織の自律神経反射を利用した治療法により

明らかな症状の改善も多角的(私達)、自覚的(患者様)ともに確認せていただきました。


せっかく先生に教えていただいたことを、私の不勉強、未消化のためにどこまで皆さんに

正確にお伝えできたか?非常に不安です。 どうぞお許しください。

次回、簡単にまとめてみます。




touyou8syok9 at 19:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2014年01月23日

膝関節(119)

変形性膝関節症

変形性膝関節症という慢性疾患?の特徴として

一度消失、減少した膝関節の疼痛、炎症、浮腫が比較的早い時期に現れる傾向があります。

それは、変形性膝関節症には、様々な危険険因子が関連するためだと単純に思っていました。

それはそれで真実なのですが、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最近、お世話になっている触圧覚刺激法研究会にて、日頃苦労している臨床のなかで

非常に興味のある方法をご教示していただきました。

先生には、肩関節周囲炎を一つの例として挙げられ教えていただきました。

(知識・臨床ともに少ない私が私なりに解釈して各種の関節に応用させていただいています。
 したがって私の解釈の違いにより間違っているいるところもあるかもしれません。
 そこは先生には何の責任はありません。私のブログとしてその場合はお許しください。)

肩関節周囲炎の症状として

 腫脹・発赤・委縮・蒼白・チアノーゼなどの要は血流の変化
 肩や手の鋭い痛み、夜間痛など
 その部分には障害が無いのにもかかわらず外傷後に末梢部に起こる骨萎縮を
 交感神経の関与とする臨床がある。
 肩関節における疼痛に伴う症候群で心筋梗塞、脳卒中による運動障害なのだが、
 中大脳動脈領域(エリヤ4)と前頭領域(エリア6)およびその経路の損傷により
 (膝関節の中枢側の神経終末は I 層の先端と V から VI 層、VII 層の背側部に終末)
 おこる自律神経機能障害により、痛みや血管循環系、リンパに障害がおこる。
 その他にも片手症候群、ガン患者の疼痛やリンパ胸郭清術後の浮腫と疼痛障害がおこる。

 そして、慢性化して肩の障害が無いにもかかわらず、痛みが出たり、肩関節周囲全体の
 外側の皮膚が硬くぶ厚くごわごわになり、関節は動かすと動くのだけど痛みが非常に強い。


このような症状の場合にも、私たちは通常は骨・筋の運動器系の障害として捉えるのだが、
(当然、肩関節や膝関節における変形性膝関節症に限らず様々な関節に起こり得る。)

そしてなかなか改善せずに慢性化する場合には、 うつ的症状に陥ってしまう。

これらを皮膚・筋・関節包の短縮と硬結という概念でとらえると

 1、皮膚の短縮と硬結、局所熱感、発赤
 2、筋膜の短縮、筋膜硬結
 3、筋スパズム、筋短縮、筋硬結
 4、関節包・・筋組織と結合織でできているこれは少し話がちがってきます。

1〜4を分けて臨床に臨む。

 2、3はすでに述べています。
 4の関節包は筋組織と結合織でできているのでまた別の機会に。
 
1、に対する臨床的が問題となり、どのように対処できるかが必要となる。


通常、関節周囲の何らかの損傷は、必ず血管収縮をおこし

数時間後には修復機転促進のために血管拡張を起こす。

循環が良くなり熱感や発赤が収拾していき疼痛などでは改善していく

ところが・・・・・・・・・・・・、

何らかの原因で正常な交感神経反射の閉鎖が起こらずに(血管拡張が起こらない)

交感神経刺激状態が続くと血管収縮状態の継続により組織の阻血状態がおこり疼痛は、

再び疼痛刺激によって交感神経刺激反射を増強し悪循環となる。

これらが早いか遅いかで重症になるかどうかが決まる。

このような状況が皮膚・表皮や結合織で起こってしまう。

何の外傷もなく痛む・・・・・・そしていつまでも治まらない。繰り返しおこす。あるいはひどくなる。

そのような関節の症状に対応する必要が生じる。


臨床の方針としては、

皮膚・表皮から筋膜までの結合織に何らかの問題があると考えられる。

皮膚や結合織の麻痺や反射障害(自律神経系)に対して治療の必要が生じる。

長くなったので次回に



touyou8syok9 at 21:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2014年01月16日

膝関節(118)

変形性膝関節の治療として、おおざっぱに分けると、

 1、膝関節そのものを問題として臨床のターゲットとする。

 2、膝関節を含め、隣接した連動関節の問題などを臨床のターゲットとする。
 
 3、危険因子などを問題として包括的に臨床のターゲットとする。

誠におおざっぱですね。

1、膝関節そのものを問題として臨床のターゲットとする。

   ○骨格系に対して骨、軟骨など

   膝関節を構成する脛骨、膝蓋骨、および軟骨、半月板に対して直接的アプローチすることは
   非常に難しいですね。

   変形性膝関節症においては軟骨や骨を治療のターゲットにすることには少し無理があります。

   この考えは、結局は最終的に手術という選択になります。

   膝関節の人工関節置換術による手術は伝家の宝刀であり最後切り札です。

   そして、手術をなるべく避けるために各種のリハビリという方法を取ることとなるのです。

   加えてリハビリは手術後も必要不可欠な手段となります。


  ○筋系に対して筋、筋膜など

   膝関節周囲の筋に対して直接的にアプローチ

   筋スパズム、筋緊張、筋硬結など除去が可能です。
   触圧覚刺激法、筋膜リリース、トリガーポイント療法など様々な手技治療法があります。
   ブログの筋・筋膜の治療を参照にしてください。

   運動療法も当てはまるのですが、運動療法だけでは効果はありません。

   筋スパズム、筋緊張、筋硬結などが強く残存しているにもかかわらず、運動療法しても
   何の効果も無いばかりか反対に悪化してしまいます。

   運動療法は、必ず治療と並行して膝の状態を観察している治療者から直接に指導してもらい
   お続けください。

  ○循環系の血管・リンパには
 
   膝関節周囲の触圧覚劇法におけるマイスナー刺激 深層リンパ・浅層リンパマッサージ等の手技
   メドマーなどの機器の利用。
   ブログを参考にしてください

  ○神経器系に対して

   膝関節は主に大腿神経、坐骨神経、閉鎖神経が影響しますので、
   末梢神経系においては腰神経叢、仙骨神経叢、陰部神経叢が関与するので
   Th12、 L1、2、3,4、 S1、2、3など

   ○感覚系に対するアプローチ

   機械的受容器に対しての触圧覚刺激法による適刺激
   筋紡錘に対しての刺激PNF法など

  ○上皮組織に対して

   皮膚に対してのテーピングなど
   皮膚に対する触圧覚刺激法の適刺激


これらの方法とアイシングを適時併用することで一般的な膝関節の主な症状である疼痛、
炎症、浮腫などに対処できるのですが、・・・・・・・・・・

変形性膝関節症という慢性疾患?の特徴として

一度消失、減少した膝関節の疼痛、炎症、浮腫が比較的早い時期に現れる傾向があります。

それは、変形性膝関節症には、様々な気危険因子が関連するためだと単純に思っていました。

それはそれで真実なのですが、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最近、講習会で非常に興味のある方法をご教示していただきました。

長くなるので次回に、


touyou8syok9 at 21:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2014年01月09日

膝関節(117)

変形性膝関節症

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。


膝関節に限らず関節の治療を考える際には

どうしても骨・軟骨・筋肉などを中心に考えてしまいますね。

年の初めに一度原点に戻ってみます。


膝関節を構成する組織としては、

 上皮組織・・・・・・・・・・・・体表の器官の表面、または内面を覆う皮膚、粘膜

 支持組織(結合組織)・・・・・・・・・身体支柱および細胞間の隙間を埋めたりする組織。
      骨、軟骨、靱帯、腱のような強靱なものから皮下脂肪まで幅広い組織

      結合組織・・・・疎性結合組織、密性結合組織、細網組織、脂肪組織など
               血液、リンパ、骨、軟骨は特殊結合組織と呼ばれています。
      骨組織・・・・身体を支える骨格系を作る。
      軟骨組織・・骨とともに骨格系をつくる。(硝子軟骨、線維軟骨、弾性軟骨)

 液状組織・・・・・・・・・・・・血液、リンパ(結合組織としてまとめる場合もある。)

 筋組織・・・・・・・・・・・・・・横紋筋(骨格筋)

 神経組織・・・・・・・・・・・・脳、脊髄、末梢神経などを構成する組織。
              各種の刺激や興奮を伝え、情報処理の働きをします。

組織が集まって独立した働きをする器官となります。


膝関節に関連する器官系をまとめると、

運動器系

 骨格系・・・・・・・骨と軟骨(半月板を含む)からなり、関節を連結する。

 筋系・・・・・・・・・身体の運動を行う。

膝関節はこの運動器官系に相当しています。

したがって

膝関節に限らず関節の治療は、骨格系と筋系のみを考える傾向が強くなってしまいます。

しかし、膝関節に限らず各種の関節には、様々な器官が関連しています。

 循環器系・・・・・・※血管系の血管(動脈・静脈・毛細血管) 、
           ※リンパ系のリンパ節・リンパ管

 神経器系・・・・・・中枢神経(脳、脊髄)と末梢神経からなる。(神経組織)

           末梢神経は解剖的には脳神経、※脊髄神経
 
           ※機能的には感覚神経(求心性)、運動神経(遠心性)および

           ※自律神経(交感神経、副交感神経)
 
  感覚系・・・・・視覚、臭覚、平衡、味覚、聴覚の各器官

          ※一般感覚(皮膚感覚・深部感覚)

          ※その他には皮膚や筋・腱などの感覚受容器からなる。(神経組織)

このような器官が関連していることは明白です。


膝関節に限らず各種の関節には骨や筋の組織のみが存在しているだけではありません。

筋、骨を含め※印の器官系を特に考慮しながら治療する必要があります。


加えて変形性膝関節症の原因には様々な危険因子が関連しています。


変形性膝関節症の臨床にはモチロン骨格系・筋系は重要ですが、もっと幅広く考えましょう。



touyou8syok9 at 21:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症