2014年02月

2014年02月27日

膝関節(124)

変形性膝関節症

運動療法

大腿四頭筋の筋力強化が非常に有名ですね。

紹介されている多くは、大腿四頭筋の筋力強化です。

そして構成筋群の2関節筋である大腿直筋が主体となっているようです。

変形性膝関節症の運動療法として常識で、何をいまさらという人も多いでしょう。

しかしどうでしょう? 疑問も多いです。

加えて、構成筋群の単関節筋である内側広筋もしばしば紹介されています。


もともとは、人工関節置換術後にみられるエクステンション・ラグ(extension lag)の問題において

内側広筋の運動の重要性が問われています。

エクステンション・ラグとは、他動の伸展可動域と自動の伸展可動域の差。

要は膝関節が他動的には完全伸展できるのにもかかわらず、自動運動では

完全伸展できない状態に陥ってしまう状態です。

原因は大腿四頭筋の構成筋の一つである内側広筋の筋力不足とされています。

何度も言っているように、膝関節の本来の機能は伸展です。

では、内側広筋の運動療法は人工関節置換術などの手術を行った人だけが必要なのか?

変形性膝関節症の人には、大腿直筋よりむしろ内側広筋の運動療法が重要です。

日本人に多い内側型変形性膝関節症においては特に重要です。


大腿四頭筋は文字通り4つの筋群で構成されています。

 4頭からなり、共同の腱は膝蓋骨を種子骨として包み、更に下方に進んで
 膝蓋靭帯となって、脛骨粗面に付着する。
 大腿伸筋のほとんどをなす強大な筋で、3個の単関節性の広筋と1個の二関節性の直筋から
 できている。
 全体として下腿を伸ばし、大腿直筋のみは大腿を上方に挙げる働きがある。

大腿四頭筋の構成筋

 1、大腿直筋:大腿神経(L2〜L4)・・・・二関節筋
   大腿の挙筋、起立の姿勢では骨盤の屈筋

 2、内側広筋:大腿神経(L2、L3)・・・・・単関節筋
   下腿の伸筋、内側膝蓋支帯の張筋、

 3、中間広筋:大腿神経(L2〜L4)・・・・単関節筋
   下腿の伸筋、内側膝蓋靭帯の張筋、

 4、外側広筋:大腿神経(L3、L4)・・・・単関節筋
   大腿を外転する。

 5、膝関節筋、大腿神経(L3、L4)
     中間広筋の一部がわかれたもので、これに被われている。
     膝蓋上嚢に停止している
     膝を伸ばしたさいに、陥凹(recessus)を引く。
     膝蓋上嚢は大腿骨顆部と膝蓋骨をつなぐ滑液包であり、
     膝蓋大腿関節の滑動性の効率化に役立っている。

 5、は中間広筋の延長として考えられてます。
 あまり問題されないようですが、膝関節の可動域(屈曲障害)に非常に重要です。

 5を含めて大腿四頭筋になっています。

構成筋が主に働く角度

 1、大腿直筋は、屈曲位の最終域から0度まで主に働きます。

 2、外側広筋は、その際に安定した働きができるように働いています。

 3、中間広筋は、およそ90度屈曲位から0度までが主に働きます。

 4、内側広筋は、およそ屈曲位5度から0度で主に働きます。

筋力の強化という点では大腿直筋、外側広筋、中間広筋はセットとして考えても良いでしょう。

大腿四頭筋の運動療法を単に伸展力の強化という目的であれば単純ですね。

内側広筋の運動療法は不要ですね。

実際に、完全伸展不全は内側広筋が原因では無いという報告もあるようです。


ではなぜ、内側広筋の筋力強化が重要なのでしょうか?

また大腿直筋においては、筋力強化よりもっと他に重要なポイントがあるのでは?

前回に述べたように、運動療法は筋力強化のみが目的ではありません。



touyou8syok9 at 21:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2014年02月20日

膝関節(123)

変形性膝関節症

運動療法について、

変形性膝関節症の保存療法として主な療法を述べると

 薬物療法・・・・内服薬、外用薬(湿布など)、坐薬、関節内注射など
 物理療法・・・・各種の手技療法、温熱療法、冷却療法(アイシング)など
 装具療法・・・・膝関節の機能装具、サポーター、足底板、杖など

主なところは、前回までに述べてきました。

これらの方法は、一部を除けば他人任せ、あなた任せの療法ですね。

もう一つ、保存療法には非常に重要な療法があります。

それが運動療法・・・リハビリテーション

この運動療法は、ご自身が積極的に継続的に行動することができます。


一般的には、運動療法の主な目的は筋力強化になっています。

したがって変形性膝関節症の運動療法の代名詞といえば、膝関節を支える周囲の筋の

代表的筋である大腿四頭筋の筋力強化が多く紹介されています。

モチロン必要ではありますが、それのみであれば非常にイビツな療法になってしまいます。

運動療法の目的はそれだけでは決してありません。

運動療法の目的は、変形性膝関節症における危険因子とされている、

加齢、筋肉の衰え、姿勢・O脚などを含めたアライメント不良、、歩容などすべてに影響を与える

重要な療法として実施する必要があります。

「筋力強化」という言葉に決して惑わされてはイケマセン!!


運動療法の目的を簡単にまとめると、

  血管を増やす。

  神経を増やす。

  持続力のある筋肉を増やす。

  本来の身体能力を取り戻す。


変形性膝関節症の運動療法の目的

 狂ってしまった膝関節の機能を回復させる。あるいは膝関節を自然な機能に戻す。

 加えて、人体における機能が自然に発揮できる調和のある身体を創る。

 基本的にこのような考えが必要だと思っています。


無理なダイエットにより身体を壊している人が多くみられるように、

無理な運動療法で身体を壊している人は非常に多くみられます。

注意が必要です。


次回からは具体的に




touyou8syok9 at 20:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2014年02月13日

膝関節(122)

変形性膝関節症

仮に、変形性膝関節症を単純に膝関節そのものを障害の問題としてとらえても、

臨床においては非常に多くのターゲットがあることがご理解できると思います。

変形性膝関節症の保存療法における非常に大切な項目だと思っています。


さて話を戻しまして、変形性膝関節症の一般的な療法として、

 消炎鎮痛剤の内服薬および湿布剤、ローション剤、
 関節内注射として、ヒアルロン酸の注入、ステロイド剤の注入
 関節水腫においては、関節穿刺による診断および治療
 膝関節に対する装具療法(サポーター、テーピングなども含む)

以上を順に紹介しました。

さて、膝関節の装具療法の主な目的は膝関節の運動制限でした。

変形性膝関節症の主な装具療法のもう一つよく利用されている方法として、

楔状足底板(靴のインソール)が行われています。

 これは変形性膝関節症で最も多い内側型に対して、靴底に内側よりも外側を高くするように
 傾斜を付けた楔状の足底板を(ラテラルウェッジインソール)を装着して下肢アライメントの矯正し、
 膝関節の内側に対する負荷を軽減して疼痛の軽減効果を目的としたものです。

この方法が多く使用されているようですが、どうでしょう?

 あまり効果があるような感覚は無いな〜〜と思うのは私だけでしょうか?

 なぜでしょうか? (あくまで私感として)

 おそらく、足部には非常に多くの関節から構成されており、その動きは複雑であるし、

 歩行時などの荷重位は様々な力学的影響を受けることとなります。

 足底板が単純な楔状の形だけでは足部アーチの形状の変化やリスフラン、ショパール
 
 関節などを含めた足部の各関節の動き、多くの連動関節との動きなどに悪影響を及ぼすのでは?

 その結果、それほど思ったほどの効果を得ることができないのでは?と思っています。

 足の外側が高く内側に向かっての傾斜の角度のみを考慮にした楔状足底板1枚を

 靴の下敷きとして挿入して終わりではあまりにも単純すぎるように思います。

 各人に合った本当にきちんとした足底板が作成されれば効果があるとは思っています。

 もちろん楔状足底板で疼痛の軽減などの効果がある方はその方法をお続けください。

 (効果のある人は踵骨に回内を強制することのみで効果の現れる人だと思っています。)

 
変形性膝関節症の治療においてアメリカにおいては、2013年から厳しい年になっています。

すなわち、

変形性膝関節症に対して上記のラテラルウェッジインソールは疼痛にたいして有効ではない。
(2013年、Matthew.J.Parkes)と厳しく伝えられています。

またヒアルロン酸注射の推奨度が、AAOSの変形性膝関節症のガイドラインにおいて
2009年では、その方法は「決定的では無い」 となっていたのですが、ついに4年後の
2013年版AAOSのガイドラインでは、「推奨しない」 とされてしまいました。

ただしアメリカ(FDA)でのお話ですので、足底板でもヒアルロン酸の関節内注射においても

現状で明らかに効果のある方は主治医の先生にお任せしてお続けください。
 


touyou8syok9 at 21:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2014年02月06日

膝関節(121)

変形性膝関節症

膝関節そのものを障害の問題として臨床のターゲットとする場合。

まとめてみると

 ○骨格系に対して骨、軟骨などの障害として
 ○筋系の障害として
      筋そのもの
      筋緊張、筋硬結、筋膜など
 ○循環系の血管・リンパの障害として
 ○神経器系の障害として
 ○感覚系の障害として
 ○上皮組織(皮膚膜)の障害として
 ○結合織の障害として
   結合織は、支持組織であるので骨格系・筋系も含まれていますが、手技において
   臨床で分けるために皮膚の上層部から皮下組織までとご理解ください。 

前回は、臨床的には、この皮膚や結合織の障害として反射性交感神経性疼痛反射にも

対応せざるを得ない。という意味をお話ししました。


膝関節のみならず、関節の周囲の筋緊張や筋硬結などが緩和しているにも関わらず、

いつまでも疼痛や浮腫などが残ったり違和感など繰り返されたりする場合には、

臨床上、皮膚や結合織の麻痺や反射障害(自律神経系)に対して治療の必要が生じる。


特別講習会にて小林考誌先生ご考案の結合織ストレッチ法をご教示していただきました。

この方法は触圧覚刺激法のマイスナー刺激とストレッチが混合したような手技であり、

皮膚上層と結合織の自律神経を正常化させ、リンパの正常化、浮腫の消失、筋緊張の低下、

違和感や疼痛の消失を目的とした手技として使用されます。

実際、先生には約2年前から折に触れ教えて頂いていたのですが、私の理解不足のため

臨床にはそれほど重要視していませんでした。

ところが、平成25年7月の特別講習会にて、その理論および臨床実技を会員の患者さんに

して頂いてからは、臨床において欠かせない手技となってしまいました。

簡略して以下に紹介します。

実例1、 リンパ節切除による腹部、体幹および下肢の浮腫および違和感
      股関節・膝関節・足関節痛および屈曲・伸展障害

 リンパ廓清によるリンパの循環障害による浮腫ですが、問題を三つに分けると、
  (1)腹腔内圧の問題からくる浮腫の問題
  (2)体幹の筋からくる浮腫の問題
    腎臓から尿細管からの間で筋の圧迫により静脈圧が上がるのを下げる。
  (3)下肢の浮腫から来る問題

 この全ての問題に対して私たちが対処できる方法を教えて頂きました。が
 今回のブログでは(3)に対応する問題だけ簡単に
  下肢における屈側(屈筋)と伸張(伸筋)に対して結合織ストレッチ法を行う。
  表層の皮膚(硬くなっている)の自律神経系の正常化されリンパ循環が改善され、
  下肢の表層の硬さが緩む。
  下肢の表層が緩むと次に、皮下組織に対して結合織ストレッチ法を加える。
  更に自律神経系が正常化し、リンパ循環が改善して緊張が減少する。
  下肢における各関節の屈曲、伸展の改善。違和感の改善。膝関節の屈曲・伸展の改善。

実例2、 骨高原骨折後、平成24年11月に膝関節人工関節置換手術後の愁訴。
      平成25年7月14日の状況。
      膝関節が完全伸展できない。膝関節屈曲は80度程度、下肢全体の浮腫。
      膝関節の浮腫は非常に大きい。
      手術痕のケロイドも非常に醜く、赤茶色が強くテカテカしている。
      膝関節の夜間痛も有り、歩行痛なども強い。

結合織ストレッチでどこまで改善できるか?興味深々でした。

この手技のみで膝関節浮腫の減少、瘢痕化したケロイドの赤茶色の減少、ほぼ完全伸展、
屈曲110度まで改善。

驚きました。

その後、その他の手技を加えて終了。


少し宣伝ぽく感じられた方のおられるでしょうが、膝関節の限らず各種の関節には

様々な障害が重なっており、臨床にはそれぞれに対応する必要性があります。

変形性膝関節症のような長期にわたる疾患においてはなおさらその必要性が存在します。

注意しなければならない点だと思います。

ご理解していただけると思います。


touyou8syok9 at 21:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症