2014年04月

2014年04月24日

膝関節(132)

変形性膝関節症

運動療法について

膝関節の保存療法において自宅で行える簡単な方法として以下の方法が多く紹介されています。


 1、仰臥位にて膝関節伸展位にて足首を背屈させ脚を上げ5〜7秒間保持する。

 2、上記と同様だが (内側広筋に負荷をかけるため?)より足を外側にひねった状態で行う。

 3、膝関節の下に枕などを置いて、足関節背屈させ枕をつぶすように踵と殿部を支店にして
   下腿を下方(足関節の方向)に伸ばすように行う。

以上の3種類の方法は伸展下肢挙上(SLR )と簡単なセッティングによる方法です。

これらの方法を行う注意点として2点

 ○上げない側の脚の膝は90°位曲げておくこと。
 ○両手を背中下部に差しこんで背骨に自然な無理のないカーブを保つ。
 
 この二点を守らないと、膝関節の悪い人は骨盤周りも歪んでいることが多く
 腰を傷める危険性がある。加えて腰痛も持っている人も多いので必ず守ってください。

2、の方法は内側広筋の斜走線維に対して、少し工夫がみられますが・・・・・・・・・・・・


変形性膝関節症の内側広筋斜走線維に対して効果的な運動療法としては不満が残ります。


エクステンションラグにおける内側広筋の効果的な運動療法としては、荷重刺激による

筋機能の維持が重要とされています。

つまり可能な限りにおいては、

閉運動連鎖(Closed Kinetic Chain:CKC)による運動訓練が必要とされています。

開運動連鎖(Open Kinetic Chai::OKC)での運動訓練においても、もう少し効果的な方法を

詳しくは次回に紹介します。・・・・・・引っ張るついでに、


エクステンションラグにおける内側広筋の効果的な運動療法として

なぜ?閉運動連鎖(Closed Kinetic Chain:CKC)での運動が良いのか?

その違いについて簡単に、

1、開運動連鎖(Open Kinetic Chain:OKC)での運動

    重垂バンドやサイベックスなどを利用した運動です。

    免荷状態で、等張性、等尺性、等速性の筋収縮によって実施します。。
  
    目的とした個々の筋群を効率よく強化する方法ですので、一部のアスリートなどの
    パフォーマンスの向上に適している。

    反面、

    力学的ストレスが集中した部位に加わり易い。

    共同筋との連動性に関する向上が乏しい。

    障害を持った関節は危険であり膝関節のように股関節、足関節と連動する膝関節にとって、 
    身体活動の中での考えると不利な運動になりやすい。

2、閉運動連鎖(Closed Kinetic Chain:CKC)での運動

   スクワット運動などが一般的に行われている。

   荷重した状態で実施する訓練系。

   四肢遠位端が床や対物と接し抵抗を受け常に密接な接触を保ち閉じた系になっているため

   閉鎖運動連鎖と称されています。

   運動連鎖中の遠位関節が外部抵抗(壁、床面など)に打ち勝つ全ての状態での
   運動となっています。

   基本的には、足底を接地した状態で行なわれます。

   股関節や足関節の動きをともなうことが基本とされていますので、下肢全体の協調した

   筋収縮が促される方法です。

   身体運動のほとんどが筋群の協調した活動であることを考慮すれば、

   CKCでトレーニングを行うことは、より有効な下肢の筋収縮が行えるといえます。

   反面、

   筋の最大収縮を発生させることは困難とされています。

   CKCでの運動は前十字靭帯再建術後の運動療法などでは近年重要視されています。

   これは、CKCとレーニングの長所ほかに、足底や膝関節の周囲に存在するメカノレセプター
   (各種の感覚受容器)による神経運動機能訓練という側面も大きく寄与している。

   このブログの感覚受容器についてお読みください。

   正常な運動あるいは予想運動、事故防止等にはこの感覚受容器を無視できません。

筋の収縮様式

1、等張性収縮(アイソトニック・コントラクション)を利用した方法。

   筋の長さが変化する収縮で外部に対して仕事を行う収縮。
   
   錘やゴムチューブを利用した方法。

   負荷、回数や頻度を容易に変化でき自宅療法としても一般的に行われます。

   この収縮には筋が行う仕事によって短縮性収縮と伸張性収縮がある。
   
    短縮性(コンセン トリック)収縮:筋が能動的に行う収縮
  
    伸張性(エキセン トリック)収縮:筋が外力によって受動的に伸張される収縮

2、等尺性収縮(アイソメトリック・コントラクション)を利用した方法。

   筋の長さを変えずに筋力と外力(反作用)が釣り合っての収縮。

   関節運動に問題のある場合によく利用されます。
  
   関節の受傷後あるいは固定の最中に実施されます。

   抵抗の調節は困難ですが回数や頻度を随時に変化できる利点です。

   この方法も自宅療法として行われます。

3、等速性収縮(アイソキネティック・コントラクション)を利用した方法

  筋の長さを一定の速度で収縮。

  動作の速度を一定に定めることで関節の角度による最大収縮を発揮できる。

  サイベックなどの高価な専門機器が必要で、リハビリ専門の一部の病院や
  研究機関などの極めて特殊な環境のみで可能で一般的ではありません。

自宅療法においては1、あるいは2の方法で行うのが一般的。


変形性膝関節症などの傷害した関節には総合的に考えて、

等尺性収縮を利用した閉運動連鎖(Closed Kinetic Chain:CKC)での運動が有効です。



touyou8syok9 at 21:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2014年04月17日

膝関節(131)

変形性膝関節症

運動療法について

変形性膝関節症に対して大腿四頭筋の運動療法は局所的にも重要な療法です。

<目的>

 弱化した筋、硬く緊張し短縮してしまった筋を回復させる目的で行う。

 1、弱化した筋が関節に与える影響。

   関節の安定性が悪くなる。(関節の一部が不安定になる。)

   関節の一部に不均衡な力が加わり、関節軟骨の変性が促進され、不良姿勢をもたらし、

   過緊張および圧迫が加わる領域を作り出します。

   筋収縮による循環が十分に機能しないために、血管系・リンパ系のポンプ作用が低下する。

   関節の回復に悪影響を与えます。

 2、反対の短縮し緊張して硬くなってしまった筋が関節に与える影響。

   膝関節の周囲の筋膜、関節包、靭帯付着部を伸張させ、関節の内圧あるいは外圧を

   増加させ、軟骨に不均等な圧力をかけ、炎症や疼痛をひきおこす要因になる。

   筋肉間を走行する神経・血管を圧迫することも十分考えられ結合組織の内圧を上昇させ

   各部位への栄養障害に加えて神経障害による疼痛などの要因となる。

   加えて関節腔内、関節周囲の正常なポンプ作用が作用しないために循環障害が悪化する。

   その結果、多くの酸素とエネルギーを消耗し、多くの乳酸老廃物を含有する滑液が増量し、

   関節状態の改善に悪環境を作り出す。


運動療法は筋力強化ではなく、血管、神経などを増やし筋の働きを回復させ、

本来持ち備えている関節運動および身体能力を回復させるという概念が必要です。

ガンガンと筋力強化し筋の超回復を目指すのは、一部のアスリートの人達だけですね。

変形性膝関節症のような障害をお持ちの人達がするべきことではありません。

これらは常に頭に入れておきましょう。


前置きが長かったですが、いよいよ方法に移ります。

自宅療法が可能な方法を主体に具体的に述べていきます。

1、膝関節最終伸展域での内側広筋の収縮を促進させる。

  下肢挙上練習(SLR )や大腿四頭筋セッティング等の簡単な方法で行う。

  膝関節を伸展域に保つことは、関節の適合性を高めるのみでなく、

  膝蓋骨を内側に牽引することにより変形性膝関節症の大部分である内反変形を防ぎ、

  加えて外側支持機構の過緊張を防ぐことにつながります。

内側広筋斜走線維に対する運動療法というべきかもしれません。

運動療法を行う前にまず以下を行う。

 拮抗筋である内側ハムストリングと内側腓腹筋、外側の大腿筋膜張筋、外側広筋の、

 あるいは大腿直筋緊張を下げる必要があります。

 ストレッチ方法として内側ハムストリングや内側の腓腹筋群にたいしては内側関節面を離開する。

 緊張し硬くなってしまった結合織の内圧などを減少させた後に筋膜を直接徒手的に伸張したり、

 硬結部に横断的マッサージなどを施行する。

※これらの方法は必ず治療者サイドの手助けが入ります。

  緊張や硬くなった筋が緩んだことを確認後、自宅で可能なストレッチ本人に指導する。

  単純なハムストリングス、大腿直筋のストレッチングの方法は様々なHPに記載されています。

  参考にされて行っても良いですが、必ず治療していただいている人の指導していただき、

  その後に許可をいただいてから自宅で行ってください。

  (ブログのストレッチングについて、お読みください)


※運動療法を自宅で実施され悪化する最も多く見られるパターンは以下の2点

★この短縮した筋、あるいは緊張して硬くなってしまった筋を無視して、無理なストレッチの実施、

  或いは弱化した筋のみに着眼して運動療法を行ってしまう場合。

  短縮して緊張、硬くなってしまった筋を無理にストレッチして可動域の拡大を図らない。

  短縮して緊張、硬くくなってしまった筋の柔軟性を回復させないまま、ストレッチや

  筋力強化を行うと炎症、変形などの増悪を招く結果となるので注意してください。

  また可動域の改善は、治療を含め全ての結果です。

  そのため今回は最初に、弱化した筋、短縮して緊張して固くなった筋が関節に与える影響を

  説明しています。よくお読みください。

★次に多いのが、オーバワークになってしまう場合。

  調子に乗ってオーバーワークになる場合。

  炎症や可動域を無視して行っている場合。

  オーバーワークの原因は早く効果を得たいという心の焦りが多いようです。

  治療を含めて運動療法による効果を焦らない。

  回復には時間が必要です。

  結合組織が修復するには、おおまかに6週間〜8週間の期間が必要です。

  修復された結合組織が正常に回復するにはそれ以上の期間が必要になります。

  (ブログの筋・軟部組織の治癒過程に詳しく述べています。)

  スグに治る、スグに回復することはありえません。

  何も変形性膝関節症に限ったことではありません。

  焦らずに治療を含め運動療法を継続することが疾病の克服には必要です。


2、その後に内側広筋を選択的に筋収縮を促すために大腿四頭筋のセッティングを行います。

  外側広筋よりも内側広筋斜線維の方をより強く収縮させるような選択的なトレーニングが

  重要となってきます。


長くなったので次回に



touyou8syok9 at 21:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2014年04月10日

膝関節(130)

変形性膝関節症

運動療法

変形性膝関節症は、炎症性疾患ではない・・・・・・?と言われているのですが、

治療に際しては、常套手段として非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服、シップ剤などは

当たり前のように行われています。

これらの薬理作用は既に述べたように炎症や発熱、疼痛を引き起こすプロスタグランジン(PG)

という物質の生合成に必要なシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素の活性を低下させ、

結果的にプロスタグランジンの産生を抑制して鎮痛・消炎作用を発揮します。


したがって変形性膝関節症において、

膝関節、関節周囲には様々なメカニカルストレスによって炎症が引きおここされている・・・・・・と

考えることは当然だと思っています。

したがって、実際の運動療法を行うにあたっては


※膝関節に、炎症所見があるかどうかを必ず評価する。

  変形があろうがなかろうが炎症所見があれば、あるいは疑えばその対応は必ず行う。

  これまで何度も述べているように、

  罹患した膝関節周囲のわずかな熱感 浮腫、皺の比較は充分におこなってください。

  変形性膝関節症の初期であろうとも、変形が有無にかかわらず。

  関節周囲にこれらも所見が見られれば、様々なメカニカルストレスによって、関節周囲の筋、

  あるいは腱周囲の付着の炎症、筋膜下、腱したなどの滑液包の炎症による浮腫などがおこります。

  進行すれば膝関節軟骨の破壊による微細骨片による関節包の滑膜炎、軟骨下骨の骨髄内の

  血管のうっ血などがおこれば関節腔内に水腫が発症するでしょうし、

  たとえ水腫が減少しても進行すれば明らかな骨棘、明らかな変形による拘縮が存在していきます。

  また一般的な拘縮の防止は

   浮腫のコントロール

   疼痛のコントロール

   安静や良肢位による固定など関節の不動をコントロール

  もう一度思い出してください。


話を戻してエクステンションラグがおこる理由から運動療法を行うために、

1、神経学的抑制回路が形成されている場合。

   疼痛や水腫などによって反射性の抑制が起こります。

   炎症や疼痛あるいは浮腫、水腫に対してすでに述べている基本的な処置をおこないながら、

   痛みのでない範囲の可動域を確保しながら痛みの出ない回数で、痛みの出ない負荷量内で

   運動療法を行います。

2、拮抗筋であるハムストリングの収縮または短縮が認められる場合

   短縮に対しては、ストレッチ。これはご自身でも可能ですね。

   同時収縮に対しては、膝関節伸展でハムストリングスの同時収縮がおこてしまいます。

   ご自身があるいは、施術者が座位でハムストリングスを触診し、収縮の程度を

   フィードバックしながら、膝伸展を繰り返して行う必要があります。

   ご自身では少し難しいかもしれませんので、指導してもらいながら実行してください。

3、大腿四頭筋筋力低下が認められる場合

4、筋原線維等の廃用性変化が認められる場合

5、膝関節の筋力低下

上記の3以下からいよいよエクステンションラグに対する内側広筋の運動療法が必要になります。


前置きが長かったのですが、次回に効果的な内側広筋の運動療法を述べてみます。



touyou8syok9 at 20:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2014年04月03日

膝関節(129)

変形性膝関節症

運動療法

エクステンションラグがなぜおこるのか?

外傷あるいは手術後の炎症による膝関節の血腫や水腫、疼痛などの出現により

以下の理由等でおこるとされています。

以下の理由とは、

1、神経学的抑制回路が形成される。

  関節水腫などが認められる場合、

  膝関節伸展に伴い関節内圧が上昇、関節包が伸張され、関節内受容器または知覚神経が興奮し、

  脊髄反射によって大腿四頭筋筋活動の抑制が起こる。
 
  また疼痛が認められる場合にも、屈曲反射によって大腿四頭筋筋活動が抑制される。

  特に内側広筋においては、滑液が10〜20cc増加すると反射がひきおこるとされ、

  関節液が多いほどその筋活動の抑制は高まり、外側広筋や大腿直筋が同程度の抑制を

  受けるにはさらに多くの量が必要。(井原)

  反対にハムストリングの筋の活動性が高まる。

2、拮抗筋であるハムストリングの収縮または短縮
 
  大腿四頭筋の拮抗筋であるハムストリングの筋活動が高まってしまうと、

  膝関節伸展時にハムストリングが同時収縮し易しく膝関節に抵抗がかかり歩行中なfど

  膝関節が完全伸展困難になりやすい。

  長期に続けばハムストリングは短縮に陥りやすい。端座位での膝関節伸展は困難となる。

  歩行においては、ハムストリング歩行になりやすい。

3、大腿四頭筋筋力低下

  膝関節完全伸展位では伸展筋である大腿四頭筋の大腿直筋が短縮位となり、

  長さ−張力の関係から伸展力が充分に発揮できる筋力が小さくなる。

  また、端座位において膝関節を伸展していくほど、下腿の重心が膝関節から遠のいていき、

  より大きな膝関節伸展筋力が必要となる。

  拮抗筋であるハムストリングの収縮力の増大により膝関節の軽度屈曲位による

  運動の長期活動はハムストリングの短縮につながりより屈曲位拘縮になる。

  同時に大腿直筋の短縮にもつながる

  そして結果的に

4、筋原線維等の廃用性変化

  不動・廃用によって筋線維の変化がもたらされ、筋力低下が生じる。

  不動が続くと筋の弾性力と筋長の減少が起こる。

以上がエクステンションラグがおこる原因だと考えられています。

5、膝関節の筋力低下

  総合的に大腿四頭筋の筋力低下がおこり筋委縮、関節拘縮がおこる。


膝関節腔内の水腫や疼痛が大きな原因だと考えられていますが、

変形性膝関節症においては膝関節に発生するメカニカルストレスによる関節腔内における

炎症、疼痛や関節腔内の滑液増量による内圧の増加、あるいは膝関節周囲に存在する

筋下・筋膜下・靭帯に存在する滑液包などの滑液増加により関節包の肥厚や浮腫なども

発症し、順次1〜4最終的に5に移行する可能性があることはきわめて自然?・・・・・・

と思っています。

そして、

変形性膝関節症の初期には内側広筋にエクステンションラグがおこるのは当然でしょう。

自動的に完全伸展ができない状態が続けば・・・・・・・・・・・・・

膝関節のが屈曲位拘縮に陥ってしまうことは当たり前ではないでしょうか?


運動療法を行う上で、1〜4を必ず考慮して行う必要があります。

変形性膝関節症の運動療法が単純に大腿四頭筋の筋力強化というわけではありません。

どのように思われるでしょうか?



touyou8syok9 at 21:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症