2014年11月

2014年11月27日

膝関節(162)

変形性膝関節症

足部について


 後足部の過剰な回内運動の予防は重要です。

 それは結局、偏平足の予防にもつながります。


過剰回内は脛骨を過剰に内旋してしまい、過剰な下肢の内旋してしまう。

足関節は底屈位になり、正常な背屈運動の障害になる。

その結果歩行において内側のアーチは平坦になり、第1中足骨が床から持ち上げられる

第1中足骨は母趾とは反対側に反りかえり横に広がりってしまう。

当然床からの反床力は通常より増強される結果となる。

相対的に母趾は外反して外反母趾になってしまう。

横アーチも崩れて開帳足の危険性が高まる。


これらの状態を創ってしまうと・・・・・悪循環を繰り返し


内側縦アーチ低下が下腿内旋運動を増強し、膝関節アライメント異常を引き起こし、

膝関節不安定性によりIR thrust を助長し、内側膝関節に退行性変化を及ぼすことで

変形性膝関節症を発症または進行させる危険性を増大させる。


過剰回内は、様々な障害を引き起こします。

 荷重を支えるのにアーチ構造を利用できないために足の内在筋の筋力低下がおき、

 足の外来筋に頼ることになり、足裏が疲れたりバランスがとりづらくなる 。

 その結果、土踏まずの減少、或いは消失

 足の外転(骨配列変形)から外反母趾を誘発する 。
 
 中足骨の疼痛、第2〜4中足骨の足底の角質化。

 足底の筋肉が伸張したままなので足底筋膜炎となる(踵の疼痛) 。

 過剰回内から前脛骨筋・後脛骨筋などの外来筋や腱の過剰な負担により、

 足の疲れはモチロンだが、ひどくなるとシンスプリントを引き起こす。

 大転子滑膜炎、脛骨遠位の疲労骨折、腸脛靭帯摩擦症候群

 そして問題にしている、

 膝関節内側へのストレス増加し内側膝関節に退行性変化を及ぼすことで

 変形性膝関節症を発症または進行させる危険性を増大させる。



後足部の過剰回内の予防は重要。

すでに述べたように、

構造的に距骨下関節(後足部)の内反は人口の95%以上に見られるとされています。

内反の程度の差はあるかもしれないがほぼ構造的な後足部内反を持っている。

歩行などの抗重力時で地面に付く際は、後足部の回内方向への運動は通常は8度。

(踵接地から立脚中期(平足)まで距骨下関節では軽度回外位から平均8度の回内する)

それが、内反の人は(ほほほとんどの人)回内の角度が8度〜最大倍の16度になってしまう。

つまり過剰な回内がおこり易い環境にあるという事です。

過剰な回内運動を繰り返すリスクは、ほぼ全ての人が持っている。

脛骨が内旋方向に大きく回旋しやすく、膝関節内側部において大腿骨に対して

運動が大きくなり易いという事です。

これは内側型変形性膝関節症にとって非常に厄介な問題です。



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2014年11月25日

膝関節(161)

変形性膝関節症


足部について

足部において内側型変形性膝関節症の発症の予防あるいは進行の停止、低下するには

構造的な変位の問題は仕方がないが、足部の機能的な問題として

 1、歩行時の後足部の過剰な回内運動の予防は、距骨下関節外反の予防に繋がる

 2、歩行時の過剰な後足部の回内運動の予防は、扁平足の予防につながる。

結果的に、内反モーメントを減少することができ、内側型変形性膝関節症に効果的。


足部において内側型変形性膝関節症の予防に必要な事は、

1、過剰な後足部の回内運動の予防

  運動連鎖によると、

   距骨下関節回内(外反)すると足関節底屈し膝関節屈曲・外転(外反)・内旋する

   つづいて股関節屈曲・内転・内旋し骨盤前傾・前方回旋する。

   体幹は同側への体幹側屈・回旋する。

 内側型変形性膝関節症においてみられる内反膝は、

 内側型変形性膝関節症の進行・増悪のリスクを高める。

 内側型変形性膝関節症の運動鎖的の病態は、

  コアの筋力の低下や加齢による脊柱後弯により骨盤が後傾し股関節伸展・外転・外旋

  結果的に大殿筋や中殿筋の筋の短縮いよる機能不全が起こる。

  その結果、胸腰筋膜や腸脛靭帯連結による荷重依存が起こる。

  腸脛靭帯による牽引力で脛骨外方偏移が起こり連鎖的に膝屈曲する。

  本来、股関節外旋のため下降性連鎖的に踵骨回外になるのだが、

  それでは倒れてしまうため、歩行時の荷重時に足底面を接床させようとして

  代償的に踵骨が回内して下腿が内旋してしまう。

  踵骨回内しても下腿外旋に行く回旋ベクトルは働かない。

  股関節の外旋に対し下腿が内旋しているため膝には多大なストレスが加わる。
 
  下腿内旋によりscrew home movmentは破綻する事となり

  加えて腸脛靭帯による牽引で脛骨が外方偏移しているため床反力が膝内方を通る。

  それにより更に内側型変形性膝関節症が進行する結果となる。

このように過剰回内には、内側型変形性膝関節症にとって誠に不都合です。


適度の踵接地からの回内は必要なのですが、過剰回内は非常に不都合な状態なのです。


偏平足にも、影響をあたえることとなります




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2014年11月17日

膝関節(160)

変形性膝関節症

足部について

足部は細部に至ると本当に難しいですね。(私が理解していないだけかも?)

臨床的には、おおざっぱと言われればそれまでですが、

 後足部の回内・回外運動と前足部の回外・回内運動の機能

 たわむ足アーチの機能(特に内側縦アーチ)

 転がる足としての機能

加えて足部→膝→股関節→腰などの運動連鎖を考慮することで更に

臨床に役立つと思います。


本来の変形性膝関節症から離れてきたようですので、再び本来のお話に戻します。


日本人に多い内側型変形性膝関節症の発症や進行の予防には、

膝関節内反モーメントの増大を防ぎ、できるだけ減少させることが重要です。


さて内側型変形性膝関節症を立位で観察すると、

 1、膝関節内反が多い。

 2、距骨下関節外反が生じている。

 3、扁平足を伴っていることが多い。


1、は膝関節内側にメカニカルストレスが直接増大するので当然といえば当然です。

そして膝関節内反モーメントを減少させるための方法はすでに述べました。


2、については構造的に後足部の内反は95%の人にみられる。

 そして後足部外反は稀。

 ところが、立位においては見かけ上

 後足部内反による代償性の変位によって後足部外反(見かけ上)がみられる。

 あるいは前足部内反による代償性の変位によって後足部外反(見かけ上)がみられる。

 立位の後足部の外反は、土踏まずの消失(見かけ上)がみられます。

 その場合には、立位では脛骨が内旋方向に変位してしまいます。

 歩行時には、距骨下関節機能亢進のため脛骨は内旋方向に大きく回旋して、

 膝関節内側で大腿骨に対する運動が大きくなってしまいます。

 これは、内側型変形性膝関節症にとって誠に都合が悪い。

3、については一般に言われている荷重ストレスのクッション性の低下は当然です。

 加えて、足部おける扁平足では立脚中期から前遊脚期において内側縦アーチが崩れ、

 後足部の外反と脛骨の内旋による内旋動揺が起こるとしており、

 膝関節内側に剪断力が生じることで内側型変形性膝関節症 を増悪させます。

 つまり内側縦アーチの低下によって下腿内旋運動を増強し、膝関節アライメント異常を引き起こし

 膝関節不安定性により内旋動揺 が助長され、メカニカルストレスが増大し膝関節の内側に

 退行性変化を及ぼすことで 内側型変形性膝関節症を発症、増悪進行する危険性が推察される。


足部において内側型変形性膝関節症の発症の予防あるいは進行の停止、低下するには

構造的な変位の問題は仕方がないが、足部の機能的な問題として

距骨下関節外反の予防・・・・・・・過剰な後足部の回内運動の予防

扁平足の予防・・・・・・・・・・・・・・・内側足弓、外側足弓、横足弓の機能

この周辺の問題を解決していく必要があると思っています。




touyou8syok9 at 18:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 変形性膝関節症 | 足部について

2014年11月06日

膝関節(158)

変形性膝関節症

足部について

アーチの話が出てきたので足底筋膜(足底腱膜)について

足底筋膜炎に悩んでおられる方も多いのでは?

知ってるようで知らない足底筋膜。

いつものように解剖から。


足の筋膜として、下腿筋膜の移行したもの。

足の背側には、背側筋膜および足背骨間筋膜がある。

 前者は浅葉にあたり伸筋腱を覆い末端は趾にいき足底腱膜に移行する。

 後者は深葉にあたり、短趾伸筋および骨間筋を覆う。


足の底側面にも、浅・深葉の筋膜があります。

浅葉を足底腱膜と呼んでいます。

 足底腱膜は足底の全表面を覆い、内側および外側部は薄く母趾球および少趾球を覆うが、

 中央部は厚く踵骨隆起の内側および外側結節から始まり次第に薄くなって前方に広がり、

 末端は5束に分かれて足趾に付着している。縦走線維で強靭。

 5つの遠位の5束は中足趾節関節で分かれ、その関節の内側面と外側面に付着して

 この遠位の分岐点を長短屈筋腱が通り抜け第1〜第5趾に至る。

 足底筋膜の深層は趾の基節骨底をお互いに横に結ぶ横束を作っている。

 横束は横走線維と呼ばれ強靭な縦走線維を結びつける役割をしているとされています。
 
深葉は深足底筋膜と呼んでいます。

 中足骨から骨間筋の上に張っている。


解剖学では浅葉を足底腱膜、深葉を深足底筋膜として区別しているのですね。

一般には、浅・深葉の筋膜を含めて足底筋膜と呼んでいます。


足底筋膜は下腿筋膜の筋膜の続きになっています。

足底腱膜の機能は今でも不明瞭とされています。

おそらく、縦アーチの支持として作用されていると考えられています。


足底腱膜は足趾の伸展で堅固になります。

それは前遠位の束が近位趾節骨に付着しているため近位趾節骨の伸展が

足底腱膜の緊張を増大させるためです。

荷重立位においては縦アーチの頂点である距骨にかかり、体重負荷は踵骨と

中足骨頭に張力がかかっています。

弓が縦アーチ、弦が足底腱膜に相当しています。

荷重のクッションとしての役目ある。


歩行立脚相において踵接地から踵離地において中足趾節関節が伸展され

足底腱膜が伸長され、アーチが巻き上げられ拳上して足を強固なテコとして

機能させるウインドラスの巻き上げ機構として知られています。

また巻き上げられたアーチは戻ろうとする力も生み出されるので、

その力で踏返し動作を容易にするので推進力を生み出すとも言われています。

バネの役目ですね。





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膝関節(159)

変形性膝関節症

足部について

足底筋(腱)膜

機能的には、

縦アーチの支持として作用すると言われているが、機能はいまだに不明とされています。


今回は、歩行立脚相におけるウインドラスの巻き上げ機構をもうすこし観察すると、

踵接地から足底接地まで

   股関節:屈曲位(約25度)から伸展運動に移行し屈曲約20度まで伸展する。
   膝関節:最大伸展位(約180度)から屈曲していく(約160度まで)。
   距腿関節:ほぼ中間位やや背屈位(伸展位)から底屈していく。
   距骨下関節:回外位から回内運動に移行し最大回内位になる。
   横足根関節:回内
   足根中節関節:遅れて回外
   中足趾節関節には荷重はない。
   足底荷重は踵外側、踵中央、第5〜第1中足骨に荷重がかかる。
  
 踵接地から足底接地までの荷重時にはアーチが崩れ、足底筋膜は反床力を受け
 
 接地面積を大きくすると同時に接地時の衝撃緩和に働く(トラス機構)。

 足底筋膜における張力は踵および足先から足底中心部に向かって働いています
 
 この張力が足底筋膜がクッションの役目を果たしているといわれる。

足底接地から踵離地

    股関節:屈曲をつづけ最大伸展位(伸展10度)に移行していく。
    膝関節:約160度から伸展運動に変化し最大伸展位(180度)に移行。
    距腿関節:底屈運動から伸展運動に変化し最大伸展位に移行底屈していく。
    距骨下関節:最大回内位から回外運動に移行していく
    横足根関節:回外
    足根中節関節:回内
    中足趾節関節は伸展していきます。
    
    足底荷重は、踵外側、踵中央は踵離地で終わる。
            踵離地の手前から急速に中足骨に荷重がかかっていく。

伸展していく中足趾節関節、最大伸展していく距腿関節によって

足底筋膜の張力は踵および足先から中心部に向かうとともに踵からは下腿の

近位部に方向に向かっての張力が働きます。

踵離地からし足尖離地まで

  股関節:最大伸展位から屈曲していく。
  膝関節:最大伸展位から急速に屈曲ししていく。
  距腿関節:最大背屈位から急速に底屈していきおよそ最大底屈位になる。
  距骨下関節:回外運動をつづけ、およそ最大回外位(約4度)近くになる。
  横足根関節:回外
  足根中節関節:回内
  中足趾節関節は更に伸展(背屈)をつづけ最大伸展して趾先が離れます。
  足底荷重は、中足骨から中足趾節関節、趾骨最終的に母趾にかかる。

最大伸展する中足趾節関節、最大伸展する距骨下関節によって

足底筋膜の張力は足先から踵方向に働き、加えて踵からは下腿の近位に

向かっての張力のみが働く。

これらの張力、伸展力が推進力が働くとされています。


次に、解剖学的には、

 足底にある筋はすべて、厚く丈夫な表在性の筋膜から生じた足底筋(腱)膜に覆われている。

 筋膜(fascia):筋肉や内臓などの組織の外側を覆う膜状の結合組織。

          筋膜は骨、内臓器官、血管、神経など身体のあらゆる構成要素を包み込み、

          それぞれの場所に適正に位置するよう支えています。


 足底筋膜は足の筋膜として、下腿筋膜の移行したもの。

では下腿筋膜は?

下腿筋膜

 下腿を包む筋膜

 脛骨内側面で筋を欠如している部分ではこれを欠く。

 上方は膝関節を包んで大腿筋膜に、下方は足の筋膜に続く。

 <前下腿筋間中隔>

   前下腿と外側下腿筋の間
 
 <後下腿筋間中隔>

   外側下腿筋と後下腿筋の間
   
   下腿の後面で、下腿筋膜は浅葉と深葉に分かれる
   
    浅葉は下腿三頭筋を被い、深葉は深部の屈筋群を被う。
    ゆえに、、下腿三頭筋および踵骨腱(アキレス腱)は筋膜の袋に含まれ、
    腱の縁で筋膜の両葉はお互いに癒合する。
   
    伸側では、内・外両果の上で筋膜は強まり上伸筋支帯になる。
    また、内・外両果からそれぞれ足背を斜めに超えて交叉したのち反対側にいく
    線維がある。これを下上伸筋支帯といい、長趾伸筋、長母指伸筋、前脛骨筋の腱を被う。
    内果と踵骨との間に張るものを屈筋支帯といい、後脛骨筋と長趾屈筋を被う

    上腓骨筋支帯 は外果から踵骨に張るもので長腓骨筋および短腓骨筋の腱を被う

    下腓骨筋支帯は踵骨の外側面から始まり、後下方に向かい踵骨の腓骨筋滑車を超えて
    その下につくもので、2部に分かれ 長腓骨筋と短腓骨筋とが別々にここを通る。


下腿筋膜の上部には大腿筋膜、殿筋膜、腸骨膜が存在しています

これらは体幹の浅筋膜の移行したもので、表面を覆うのみではなく深部にも特異な分化がみられる。


知っているようで知らない足底筋膜。

足底のアーチの問題。

 この問題は、まだお話していませんが足の内在筋の問題も含みます。

足底の筋膜を含め足底→下腿→大腿→殿部→体幹の筋膜の問題

 この問題は、足の外来筋の問題も含みます。

足部は本当にむつかしいです。厄介ですね。



touyou8syok9 at 20:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 変形性膝関節症 | 足部について