2016年06月

2016年06月23日

膝関節(232)

変形性膝関節症

ヒアルロン酸は、変形性膝関節症の治療では常套手段の治療なのですが・・・・・

なぜか? よく質問されます。 きっと不安なのでしょう。

臨牀では、必要性があるからヒアルロン酸を関節腔内に注入するのです。

お医者様は効果があると思って、当たり前に日常実施しているのですが・・・・・・・・・・・・

不安があれば、直接お医者様にお聞きになれば良いと思うのですが・・・・・・・


まずは知ることですね。そして考えましょう。


ヒアルロン酸  商品名:アルツ、アダントなど

 分子式:(C14H20NNaO11)n
 分子量:平均分子量 50万〜120万

ちなみに、商品名:スベニールというヒアルロン酸の製剤があります。

この製剤はアルツを高分子にした製剤です。

 分子式:(C14H20NNaO11)n
 分子量:平均分子量150万〜390万分子量
 アルツよりも高分子量になっています。

諸説ありますが、両者の効果の差は大差が無いということで落ちついているようです。

したがってどちらを選択して使用するかは、お医者様次第です。


まず、ヒアルロン酸が存在している滑液について。復習をかねて

関節腔内には絶えず滑液が存在しています。

膝関節の関節腔内には最も多くの滑液が含まれ通常は、2〜3、5mL

滑液は、滑膜毛細血管から漏出した血漿成分が滑膜細胞間を通過し、滑膜細胞から

分泌されるヒアルロン酸とともに作られる。

 滑液内固形成分:血球成分(単球、マコロフアージ、リンパ球、好中球など)、結晶

 滑液内液性成分:ヒアルロン酸、タンパク質、脂質、電解質、糖類など

滑液の最も重要な働き。

 関節軟骨に栄養分を供給し、代謝物質を除去する。

 栄養供給は、基本的に滑液が関節軟骨内に振盪することで行われる。

 関節軟骨の栄養に関わるのは血漿成分。

 軟骨細胞かららの代謝産物は滑液を通して滑膜・滑膜周囲組織の毛細血管や

 リンパ球から吸収されます。

 したがって、滑膜毛細血管、リンパ管と周囲の組織液との間で行われる物質交換が

 関節軟骨の栄養に対して重要になる

 このような滑液による関節軟骨の栄養供給、ならびに代謝物質の運搬は、

 関節運動によって促進される。


次に滑液に含まれるヒアルロン酸。

ヒアルロン酸は特徴的です

 ヒアルロン酸の濃度0,3〜0,4%

 分水量は約65万〜1100万といわれています。(商品名:アルツとほぼ同じ)

 関節が病的になると濃度、分子量ともに減少されます。

 変形性関節症で0,1〜0,2% リウマチで0,15以下

 分子量は140万〜210万に減少するとされています

 加齢によっても滑液中のヒアルロン酸濃度は低下します

 また、関節の不動によってヒアルロン酸の含有量は低下する。

 これが、変形性膝関節症の治療の常套手段になっている大きな理由。

滑液のヒアルロン酸の働き

 ヒアルロン酸は、グリコサミノグリカンの一種で、保水性が高く生体のさまざまな結合組織に

 存在する。

 滑液はヒアルロン酸に存在に由来する粘性を保ち関節の潤滑液として働く。

 病的にヒアルロン酸の含有量が低下すると骨同士の直接的な接触が起こり、摩擦抵抗が増し、

 骨表面が摩耗されていく。

 ヒアルロン酸含有量の低下は、変形性関節症やリウマチでみられる。

 関節運動時に、関節が「すれる、きしむ」ような感覚を覚えるのは、その影響が大きい。

これらが、変形性膝関節症の治療の常套手段になっている大きな理由。

従って、外部からヒアルロン酸を関節内に注入ます。


アルツの商品説明の効能をメーカーサイドから抜粋します。

1)関節組織浸透性

 (兩軟骨や滑膜の深部まで浸透する。

2)関節軟骨に対する作用

 ‘霍と親和性を有し、軟骨表面を被覆、保護する。

 軟骨の変性変化を抑制する。

 F霍破壊に関与する軟骨からの活性酸素、マトリックスメタロプロテアーゼ−1、3及び13の
   産生を抑制する。

 て霍マトリックスからのプロテオグリカンの遊出を抑制し、軟骨代謝を改善する。

 ゴ慇疇霍の変性変化を抑制し、軟骨下骨の修復を促進する。

3)滑膜に対する作用

 ヽ衙貂挧Δ忘醉僂掘滑膜の炎症及び変性変化を抑制する。

 滑膜細胞に作用し、IL-1βの産生を抑制し軟骨の変性変化を抑制する。

 コラーゲンで誘発した実験的関節炎モデルにおいて、滑膜の炎症を抑制する。

4)関節液に対する作用

 ヽ衙貂挧Δ忘醉僂掘高分子ヒアルロン酸の合成を促進する。

 病的関節液のヒアルロン酸濃度及び分子量を高め、曳糸性等を改善する。

 4慇甕嫦罎離灰鵐疋蹈ぅ船4硫酸及びコンドロイチン6硫酸、ヒアルロン酸濃度を改善する

5)疼痛抑制作用

 ー存嚇関節疼痛モデルにおいてブラジキニン単独及びブラジキニンとPGE2併用による
   発痛作用を抑制する。

 尿酸塩結晶による関節疼痛モデルにおいて、発痛作用を抑制する。

 1蠑廟疼痛増強物質であるPGE2の産生等を抑制し、疼痛を抑制する。

6)関節拘縮改善作用

 ∞Г泌Ь笋隆屬諒理的なバリアとして働き、腱の癒着を防止する。

 ⊆存嚇関節拘縮モデルの関節可動域を改善する

副作用

 いくら人体に存在する物といっても、所謂ニワトリの鶏冠から抽出され精製された薬剤です。

 分子量などは同じですが、全く同一ではありませんので、副作用は皆無ではありませんが、

 一般の薬物に共通する副作用で特に目立った副作用は見当たりません。

http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/380003_3999408A1171_1_06
から、抜粋
 
更に、詳しく知りたい人は以下のURLを参照してください。

URL:http://www.kaken.co.jp/medical/if/artz_201602if.pdf


誠に、素晴らしい薬効です。 加えて薬剤の副作用も気にするほどでは無い。

では?なぜみなさんは疑問に思ったり、不安になるのでしょうか?



touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2016年06月09日

膝関節(231)

変形性膝関節症

関節穿刺後はどうすれば良いの?

 当日はお風呂は禁止です。・・・・・と医師から忠告されます。

 これは、感染の予防のためです。・・・・・が本当は、


臨牀で重要なのは、穿刺の前日に入浴し膝周囲の皮膚をシッカリと石ケンで洗い流す。

特に、皮膚の皺をシッカリと伸ばして清潔にすることが重要です。

細菌感染は皮膚に付着した細菌が、注射針に附着し無菌状態の関節腔に入り込み

栄養豊富な滑液で増殖することによって引きおこされるからです。

注射針を抜いた際あるいは後に、針穴から細菌が入り込むのは稀とされています。

したがって、入浴にはそれほど神経質になる必要は無いと言われています。

ただ、傷ついた部位の毛穴などからも感染する場合も稀にありますので

万一の安全のために当日の入浴を禁止しています。

それほど感染症が危険であるのという意味を表しているのです。

関節穿刺は、細菌感染のリスクはどうしても避けられないという事です。

穿刺は避けれるならば避けたいのですがどうしても必要な場合も存在するのです。


したがって、変形性膝関節症のように急速に水腫が形成されなければ、

関節穿刺される前に入浴し膝関節周囲の皮膚を清潔にしてから穿刺してください。


関節穿刺して単なる水腫であったなら、わずか2〜3日で急速に関節跳動が現れるほど

水腫が形成されることはあまり考えられません。

前回述べたように、水腫は滑膜の炎症によるものです。

膝関節の専門医ならば軽い水腫程度では滅多に関節穿刺は行いません。

仮に短時間に出現するなら、再度関節穿刺し関節液の検査および化学的検査が必要でしょう。

次の点には注意してください。

 1、滑膜の炎症を引きおこす炎症性疾患の可能性。

 2、関節穿刺での細菌感染の疑い。

   免疫性の疾患、糖尿病(糖尿病予備群)などの既往症の人は要注意。

 3、外傷などによる血腫

   脆弱な骨(変形性膝関節症のグレードの高い人は要注意です。)

 4、その他


それでは、本題の関節穿刺後はどうするのか?

変形性膝関節症では、ゆっくりとある程度の期間を経過し水腫が形成されます。

水腫の形成で関節包の内層の滑膜、線維膜、靱帯など軟部組織は

ある程度の期間をゆっくり伸長し緊張し関節が不安定になってしまいます。

水腫が形成後も膝関節はモチロン不安定です。

そして関節腔の内圧の上昇するほど疼痛がおこり、膝周囲軟部組織もされに緊張し

反面、神経反射によって内側広筋などは筋萎縮し膝関節が更に不安定になります。

関節穿刺後は、スグに関節液は体外に排出され内圧が減少し疼痛も減少します。

このとき軟部組織もスグに正常に戻ってくれれば良いのですが・・・・・・・・

反面、周囲の軟部組織は弛緩してしまいます。

膝関節の水腫が消失しても依然膝関節の不安定な状態は続きます。

水腫が消失しても膝関節そのものに物理的なストレスが更に大きくなります。

(関節液がむしろ膝関節構成体のクッションの役目になっており、クッションがなくったため)

関節穿刺して、滅菌ガーゼを貼り付けるだけでは甘い。


これらを防ぐには固定ですね。

それも、圧迫固定が良いです。

テーピングはダメです。・・・・・・・皮膚がカブレ感染の原因になりますので。

そこで、お薦めするのがジョーンズ包帯です。

この包帯の方法は過去何度も述べています。

関節の安定化に加え、腫脹の防止や疼痛の防止にも有効ですので是非応用してください。

何度も言いますが、関節穿刺後が治療に重要です。

関節穿刺を行わなければならないほど、膝関節の状態が悪いと思ってください。

関節穿刺後は、必ずジョーンズ包帯を実施してください。

特に、何度も何度も水腫を形成し関節穿刺されている方は必須です。

ご家庭でも可能な方法です治療と並行し膝関節が安定するまで実施してください。


ヒアルロン酸は?

今では変形性膝関節症の治療では常套手段の治療ですが・・・・・

なぜか? よく質問されます。

次回に

touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2016年06月02日

膝関節(230)

変形性膝関節症

ではなぜ何度も何度も関節液が貯まるの?


関節腔の内層には滑膜が存在しています

この滑膜から栄養の存在する滑液を分泌し関節軟骨に栄養を与えながら、また

老廃物などを含んだ不必要な滑液を吸収して、関節腔外に排出しています。

このように関節包内の滑膜は一定量の滑液をバランスを取りながら新陳代謝を行っています。

つまり、関節腔内の代謝が正常であるならば、

  正常:必要な滑液の分泌量=不必要な滑液の排出量・・・・・常に関節液は一定量

何らかの原因でこのバランスが崩れる 

  異常:必要な滑液の分泌量<不必要な滑液の排出量・・・・・・・・・となると

      長期間の日数が経過すると徐々に関節腔に貯まります。


前回の、感染や骨折や靱帯損傷などの血腫ならば短期間それも急速に異常な関節液が

貯まってしまいます。・・・・・・・・・・・急速に短期間で関節跳動が観察される。


しかし本来、変形性膝関節症などでは、急速に貯まることは滅多にありません。

必要な滑液の分泌量<不必要な滑液の排出量になる原因は・・・・・・・・

この滑膜の炎症によるためです。

変形性膝関節症は非炎症性の疾患とされていますが、水腫の原因は明らかに

滑膜の炎症によるものです。

変形性膝関節症が必ず関節水腫が出現するとは限っていません。

滑膜の炎症により滑液が過剰に分泌され、炎症物質などが含まれた滑液が多量に貯まり

滑膜の処理能力以上になり吸収されなくなり関節腔内に貯まっていくのです。

では、なぜ滑膜に炎症が起こるのか?

これは、多種多彩です。

変形性膝関節症がなぜ起こるかの原因全てになります。

加齢や関節運動の不調和などの機械的刺激などの力学的ストレスや膝関節包内に

遊離した軟骨や骨の劣化や摩耗でできたゴミや欠片が刺激となり軽度の滑膜炎を起こします。

炎症による血管拡張や血管透過性亢進させ更に炎症を発現させることとなります

単なる物理的刺激によって始まった滑膜の炎症はブラジニキニンやサイトカイン、ヒスタミンなどの

発痛物質や炎症メディエ−ター蛋白分解酵素など,を発生させ更に疼痛や炎症や関節軟骨破壊を

進行させます。

このように炎症が進むと滑膜から多くの滑液が分泌して水腫に進行していきます。

関節包内に多量の関節液貯まり出すと、関節が不安定になり加えて関節包内の内圧が

上昇し疼痛も強くなり、更に炎症が進行するという悪循環に陥ります。

最終的に膝蓋跳動が観察されて水腫が形成されてしまうという結果に至ります。

こうなると、一度は関節穿刺した方が良いでしょう。


でも何度も何度も関節穿刺するのは問題です。

関節穿刺は治療ではありません。

  ただ水腫がひどく、あまりに痛む場合は関節穿刺を行えば痛みはズット楽になりますよ。

  そして不要な物質が一気に排除されます。

  その意味では素晴らしい手段です。

  何を目的に関節穿刺をするのかを、よく考えてください。

関節穿刺してからが治療の始まりですよ。

したがって何度も何度も関節穿刺するのは問題です。

間違わないように。



touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症