2016年07月

2016年07月21日

膝関節(235)

変形性膝関節症

お薬についても患者さんから、時折尋ねられます。

変形性膝関節症に特別な効果があるお薬があるわけではありません。

内服薬と外用薬が主流になります。

 様々な種類がありますがいずれの場合も消炎鎮痛剤が主体になります。

 変形性膝関節症に限らず、腰痛などの関節痛にも頻繁に使用されます。

この際ですので、内服薬を簡単に要点のみ述べてみます

主な鎮痛消炎剤


★非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs):現在の鎮痛消炎剤の代表薬です。

 炎症や発熱を引き起こすプロスタグランジン(PG)という物質の生合成を抑制します。

 要は、発痛物質と炎症メディエ−ターであるプロスタグランジンの生成を抑制して
 
 痛みと炎症物質発生を抑制します。

 薬理作用は、プロスタグランジン(PG)の合成酵素「シクロオキシゲナーゼ(COX)」を阻害する。

  COXの種類と役割

  COX−1:胃粘膜保護作用、腎臓の血流の維持、血小板凝集抑制作用などの
         ホメオタシスに重要な役割を果たす。

         したがってCOX−1を阻害する非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)は、

         胃腸障害、腎障害に特に注意する必要があります。

  COX−2:炎症や外傷による刺激によって誘導されPGの産生を促進し、
         細動脈を拡張し、熱感や発赤を生きさせる。

         胃潰瘍などの副作用は、COX−1を阻害のため起こるため、

         COX−2だけを阻害する薬剤は、副作用が少ないの薬剤として

         注目されましたが反面、血栓傾向が高まったり、心筋梗塞や脳卒中などを

         増加させる可能性が高まります。

         お薬は、「両刃の刃」の良い見本です。作用があれば副作用は必ず存在します。

  COX−3:COX−1の変種でアセトアミノフェンによる中枢作用に関与する。


1、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の酸性の薬

 〇代表薬はロキソニン

  化学構造的には、プロピオン酸系に分類されます。
  解熱、鎮痛、消炎作用を均等にもち、比較的副作用の少ない系統です。
  したがって使用しやすいので最も頻繁に使われてる内服薬です。

  その他には、ニフラン、ナイキサン、ミナルフェン 
 
 〇ボルタレン、

  化学構造的には、アリール酢酸系に分類されます。
  この系統は効果が強い反面、副作用にも注意が必要とされています。

  その他クリノリル、レリフェン

 〇インダシン、 インテバン、インフリー、ランツジール

  化学構造的には、アリール酢酸系に分類されます。
  この系統は効果が強い反面、副作用ひ注意が必要。
 
 〇ポンタール

  化学構造的には、フェナム酸系に分類されます。
  胃腸障害などの副作用は少ないほうです。
  とくに、解熱効果が高いです。

 〇モービック

  化学構造的には、オキシカム系に分類されます。
  この系統は効果が長く持続する反面、副作用にも注意が必要です。
  炎症反応に関与するCOX−2をより強く阻害します(COX−2選択薬)。

  その他、ロルカム、フルカム
  

2、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs):塩基性の薬

  酸性の薬に比較すると、抗炎症作用は劣ります。

  「プロスタグランジン」を抑える作用が弱く、全般的に効果は弱いです。
  
  反面、胃腸障害や血液障害などの副作用は少なくなります

 〇代表薬 ソランタール、ペントイル、アナロック


3、アセチルサリチル酸(アスピリン、バファリンなど)

  世界で初めて人工合成された医薬品です。

  本来は、NSAIDsの代表的な薬剤です。

  リウマチ、頭痛、歯痛、外傷、手術後の痛み、発熱などのに対して頻繁に使われます。

  COX剤の特徴である血栓の発現を抑制する方向にする作用を利用しています。

  低用量において抗血小板薬として脳梗塞や心筋梗塞の治療に多用されています
  (バファリン81mg、バイアスピリン等)。
  

★ピリン系解熱鎮痛剤(スルピリン、ミグレニン、SG顆粒など)

  血管を拡張させる作用があります。
 
  アレルギーや血液の副作用がでやすいので、最近はあまり使われません。


★非ピリン系解熱鎮痛薬

 抗炎症作用は弱いので、急性期の炎症期にはあまり使用されませんが、炎症が落ちつき

 慢性期には頻用されます。

 昔ながらの鎮痛剤です。解熱鎮痛剤として有名です。

 皆さんは風邪薬の成分としてご存じかもしれません。

 脳の脳幹にある体温調節中枢に作用することで、発熱に対して解熱作用を発揮します。

 また痛覚中枢の興奮を抑制し痛みに対する閾値を低下させ鎮痛作用が発揮されます。

1,アセトアミノフェン、カロナール

 安全性の高い解熱鎮痛薬です。アニリン系薬剤

 NSAIDsと呼ばれる一般的な鎮痛薬とは作用機序が違います。

 中枢でのPGの生合成を阻害することで鎮痛効果と解熱効果を発揮します。

 末梢での抗炎症作用を持ちませんのでNSAIDs剤には分類されません。

 しかも脳にだけ作用して体の各部位(器官)に作用しないため、胃障害の副作用がありません。
 
 NSAIDsに比べ、効果はゆるやかですが、副作用が少なく長期の使用も比較的安全です。
 
 このため、WHO方式3段階疼痛治療法の第1段階に位置づけられています。
 
 海外ではむしろNSAIDよりも各種疼痛の基本薬として広く用いられています。
  
 炎症をともなう激しい痛みには不向きかもしれませんが、軽度から中等度の広範な痛みに

 適用可能なので非常に使用しやすいので慢性的な疼痛にはむしろ主流になります。

 最初の炎症期にNSAID系の薬剤を使用し、その後この系統の薬剤が投与されます。

 また日本では、小児の解熱剤の第1選択薬になっています。

 アセトアミノフェンに、エテンザミドと、カフェインを加えたACE(エーシーイー)処方によって

 製造される事も多いです。(A:アセトアミノフェン、C:カフェイン、E:エテンザミドの略です)


★オピオイド系鎮痛薬(コデイン、トラマール、ワントラム、トラムセット、モルヒネなど)

 オピオイドは、痛みの抑制系に働くオピオイド受容体と結合する薬の総称です。

 普段用いるアセトアミノフェンや前項のロキソニン(NSAIDs)の系統とは作用機序が違います。

 大脳皮質や視床に存在する受容体を刺激することで、侵害刺激伝達が直接抑制され、

 鎮痛作用を発揮します。

 一般的な鎮痛薬がWHO方式の3段階疼痛治療法で第1段階に位置づけられるのに対し、

 オピオイド鎮痛薬は第2段階もしくは第3段階に相当します。

 たとえば、コデインは弱オピオイドとして第2段階に位置づけられるので、アセトアミノフェンなどで

 効果不十分な場合に次のステップとして処方されるわけです。


その他も多種多様な薬剤が存在しますが、内服薬は医師の処方が必要です。

変形性膝関節症の疼痛の程度を含め、血圧などの脳血管障害、内臓疾患などの各々の

既往症を含め、お医者様が熟知されてから使用されています。

薬剤は、必ずメリットとリスクがありますので主症状の症状の経過はモチロンですが、

その他の身体の経過を含めて必ずお医者様に報告してください。


外用薬は貼り薬、塗り薬が主流

 様々な種類があります。

その他には、

 骨粗鬆症のお薬

 血行改善薬

 筋弛緩剤

 ビタミン剤など







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2016年07月14日

膝関節(234)

変形性膝関節症

ヒアルロン酸が理解できたでしょうか?

その薬理効果は素晴しいですね。

果たしてそんなに効果がアルのでしょうか?

メーカーサイドの薬理効果は少し疑問が残ります。(否定はしていませんので)


ヒアルロン酸はヒアルロン酸です。

ヒアルロン酸そのものの効果は以下の2点です。

 粘性を保ち関節の潤滑液として働く。
 
 保水性が高い。

以上の効果は多いに利用すべきでしょう。


関節腔内にはヒアルロン酸以外に多くの血漿成分が含まれています。

ヒアルロン酸を関節腔に注入した結果、それに伴って相乗的・付随的な効果によって

メーカサイドが述べている薬理作用は確かにアルでしょう。

したがって今まで述べているように効果があれば続けられれば良いでしょう。


私が思っているヒアルロン酸に対しての最も大きな疑問点があります。(あくまで私感です)

 二足歩行の動物に対しての効果はどうでしょうか?

 メーカーサイドの薬理効果は、二足歩行の動物ではありません。

 多くはウサギやモルモットなどの四本足歩行の動物に対する薬理効果です。

 二歩足歩行をする荷重関節である膝関節に対する効果ではありません。

 そしてその動物の年齢も不明です。

 加えて壮年期以降に発症する変形性膝関節症に対しての効果はどうでしょう?

 メスかオスかの性別も無名です。加えて年齢不明、閉経後かどうかも不明です。

 全くブラックホールになっています。

 変形性膝関節症に対しての基準である出発点が正しいかどうかがも不明です。

 前提が間違っていれば結果も間違っている可能性が大きいでしょう。

 以上が私が思っている大きな問題点です。

 モチロン、メーカーサイドが提示している薬理作用は正しいでしょう。

 厚生省も認め、変形性膝関節症に対して主流となている治療法です。

 ただ二本足歩行をする人間に対して、鵜呑みにして盲信するのはどうでしょうか?

 
難しい問題でしょうが、1週間間隔で5回で効果が認めなければ中止すべきです。

効果がなければ、血漿などを分泌する滑膜をイツまでも傷つける行為は避けるべきです。

また、効果が認められて長期に続ける場合でも、二本足歩行の性質を考えれば

ヒアルロン酸の関節腔内への注射と並行して、様々な治療は必要不可欠です。

この点は、肝に置いて欲しいのです。


3回に分けてヒアルロン酸について述べました。

決してヒアルロン酸を否定しているわけではありません。

ただ、これだけに頼るのは避けていただきたい。

お薬は上手に活用利用する事が重要です。

お薬とその他の方法を併用し変形性膝関節症の進行を予防して欲しいのです。

ステージ気らそれ以上のステージには進行させないで欲しいのです。







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2016年07月07日

膝関節(233)

変形性膝関節症

ヒアルロン酸が理解できたでしょうか?

その薬理効果は素晴しいですね。 変形性膝関節症が治癒してしまいそうですね

加えて薬剤の副作用も気にするほどでは無い。

それほどの症状の改善が見込めるならば、なぜ患者さんは不安なのでしょうか?

本当にリスクは無いのでしょうか?

ヒアルロン酸そのものには目立ったリスクは無いようです。・・・・・・が、

注意すべきリスクは、関節穿刺と同様で、感染のリスクです。

 ※本剤は関節内に投与するので、厳重な無菌的操作のもとに行うこと。

 ※本剤は粘稠なため、18〜20G程度の太めの注射針を用いて注射筒に吸引し、

  22〜23G程度の注射針を用いて投与することが望ましい。・・・・・・となっていますが

ただ、ヒアルロン酸は粘度がありますので注入時間の短縮のため関節穿刺の場合よりも

注射針のゲージ(太さ)が太くなる傾向があります。

(穿刺の場合は21Gが一般的ですので、本来は更に細い針を使用するはずなのですが)

因みに、ゲージの数値が小さいほど、針は太くなります。

およそ、皆さんが採血や輸血する場合の注射針の太さになっています。


1回投与量、投与間隔および投与回数については、

 ※1週に1回、1アンプル(2.5mL)を4〜5回投与することが適当と判断された。

 ※1週間ごとに連続5回膝関節腔内に投与するが、症状により投与回数を適宜増減する。

 ※症状の改善が認められない場合は、5回を限度として投与を中止すること。

※は添付の注意書きの抜粋


そこで皆さんができること。

 感染のリスクに対しては、

 感染予防のため注射する日はまず前もって膝関節周囲を必ず清潔にしておいてください。

 これは、関節穿刺と違って1週間間隔ですので実行し易いですね。

 そして、お医者様もヒアルロン酸の効果が認めなければ中止されるでしょう。

 漫然と1週間ごとに注射されることはないでしょう。

 症状の改善が認められれば、2週間〜4週間に1回のペースになるでしょう。

ヒアルロン酸の効果を感じられたなら、このように継続されれば良いでしょう。

効果が認められないなら、5回で中止すべきです。

 いくら鋭利な注射針でも創傷をつくっている事には変わりはありません。

 滑膜1週間間隔で何度も傷つけるリスクの方が危険です。
 
 創傷が治癒するにはかなりの日数かかります。(参照 軟部組織の治癒過程)

メリットとリスクの天秤はご自身でお考えください。


これは、どのような薬でも同じで、リスクとメリットをよく考えることですね。

最近、某週刊誌でお薬のデメリットが書かれています。

そのデメリットは、確かに事実は事実です。(もともとお薬は毒です。)

でもメリットもあるのです。

そのメリットを上手に利用し上手にコントロールするのがお医者様の役目ですね。

お医者様と患者様との意思疎通が上手に行われないと悲劇です。

お医者様に、伝えることは伝えなくてはお医者様も理解できません。

そして症状が改善すればお医者様に感謝も伝えましょう。

変形性膝関節症のように長期に渡る疾患は、お互いに良い関係が必要です。


ヒアルロン酸については、もう少し考えたいところが有ります。



touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症