2016年08月

2016年08月18日

膝関節(237)

変形性膝関節症

サプリメントでグルコサミンやコンドロイチンは効果がありますか?

この質問も多いですね。

関節軟骨の構成物であるグルコサミンやコンドロイチンをサプリメントで補給する。

食品で足りない成分をサプリメントで補給することは特別悪いことでもありません。

むしろ多いに推薦しますが、それですり減った関節軟骨が増えるのとは別問題です。


まず簡単に要点のみ復習

 硝子軟骨の主要成分は、コラーゲン況拭□┘廛蹈謄グリカンと水分

 軟骨の分解は、況織灰蕁璽殴鵑諒解とそれに伴っているプロテオグリカンの喪失によって
 起こります。

 硝子軟骨の損傷は、

 最表層でコラーゲン繊維がせん断力をはじめとする力学的ストレスとともに、

 中間層におけるコラゲナーゼなどの分解酵素などの働きによるコラーゲン繊維が退行変性で

 深層からtidemarkおよび石灰化層における力学的ストレスなどによる剥離していく。

 プロテオグリカン(ムコ多糖体)は、

  軟骨の表層では少なく、中層・深層の軟骨細胞の周囲に多く含まれています。

  中間層は、関節軟骨全層の約四分の三を占めています。

  中間層の軟骨基質は不規則(縦横)に走っているコラーゲン線維網とプロテオグリカンや
 
  多くの水分からなっています。  

  表層のコラーゲン線維が損傷すれば、コラーゲンの柔軟性の低下がおこり、

  荷重緩衝作用の低下を招きます。

  柔軟性・粘弾力の低下によって軟骨細胞には異常な刺激が与えられます。

  これらの異常な刺激によって蛋白分解酵素などが出現し破壊される。

※プロテオグリカンは、糖側鎖として巨大なグリコサミノグリカンを有するたんぱく質の総称
 プロテオグリカンは、コラーゲンやヒアルロン酸とマトリックスを作ることで身体組織や皮膚組織を
 維持している。
 プロテオグリカンは関節軟骨の主成分としても存在している。
 代表は、ヒアルロン酸とコンドロイチン

以上が複雑に絡み合って、損傷し摩耗し硝子軟骨が消失します。


話を戻して、

失った関節軟骨(硝子軟骨)を取り戻す。・・・・・・・この場合はサプリメントで

この考えは、もう捨てましょう!!

残念ながら一度消失した硝子軟骨が再生することはありません。

この考えにこだわると、現状では変形性膝関節症(膝OA)を克服できません。


軟骨成分であるサプリメントでグルコサミンやコンドロイチンをいくら口から接取しても

消失した硝子軟骨は再生しません。

ちなみにテレビの番組で面白いたとえ話しをされていたお医者様がいました。

「軟骨の成分」を飲用して、「軟骨が増える」というならば・・・・・・・・・・、

「髪の毛」食べれば、「髪の毛」がふさふさになることと同じで・・・・・・・・・、

はげの人に、髪の毛を食べれば髪の毛が増えるのと同じ理論で全くナンセンス!!。

と一刀両断されていました。

冷静に考えれば誰でもわかることですね。


「髪の毛を食べても, 消失した髪の毛は戻らないでしょう!!」・・・当たり前。

「軟骨成分をいくら食べても、消失した軟骨は戻らない!!」・・・・・・当たり前。

確かに、 そうですね。

髪の毛の成分を口にしたとして毛は、 生えて来きませんよね。

其れと同じ様に軟骨の成分を胃・腸で消化したとしても軟骨にはならないという事です。

この本来の意味するところは、

軟骨成分のコラーゲンやコンドロイチンなどを多量に飲用しても結局は胃腸などで吸収され

全てアミノ酸の分子にまでに分解されます

その分解されたアミノ酸分子が再び各種のタンパク質に合成されるのです。

食べ物は吸収され分解され再び各種様々な有効成分に合成され

したがって、

服用した軟骨成分の全が都合良く再びコラーゲンなどに再生するわけではありません。

まして、関節軟骨には血流もわずかで修復に軟骨成分が都合良く、

一度消失した膝関節の硝子軟骨のみに上手に集まるわけでも無い。(ドラッグデリバリー)

また、軟骨を栄養する滑液にそれらの成分が特別多く補給されることも無いでしょう。

一度変性した硝子軟骨は、再び硝子軟骨になることはない。

・・・・・・・・・・と言う事は常識なのです。


全くその通りで、誰もが考えれば単純に理解できる事実です。

冷静に考えれば、誰でも理解できるのですが・・・・・・・・

この種の商品のコマーシャルが、大企業から小さな企業の広告が

それこそ大新聞やテレビなどでなどに毎日毎日多く宣伝されているのです。


おそらく

栄養サプリメントとしては主にグルコサミン、コンドロイチンをこれだけ宣伝する

根拠はアメリカにおける一つの論文なのでしょうが、

その効果は、硝子軟骨の再生あるいは修復とはなんの関係もありません。

その論文の概要を簡略に紹介します。

軽度から中程度の変形性膝関節症212人に対して

 ○硫酸経口グルコサミンを一日1500咾裡廓間の長期間の服用群106人
 プラセボ群106人の無作為化二重盲検プラセボ対照試を実施した。

 関節軟骨の減少が3年間の長期間の服用で関節裂隙

  プラセボ群は 0、31mm減少。
  グルコンサン服用した人は、0,06mm減少。

  グルコサミン服用は明らかに減少が少ない。

 そして、症状のスコアにおいては

   プラセボ群は、9,8%わずかに悪化
   服用群は24、3%が改善した

○コンドロイチンにおいては、痛みの評価がプラセボ群よりも50%改善した。

※ただし、この論文は鎮痛剤や非ステロイド剤と一緒に与えられた結果ですので、
 留意すべきだと注釈もつけられています。

サプリメントの会社は特に上記のグルコサミンの論文を金科玉条にしているようです。

ただし、

傷つき、あるいは消失した硝子軟骨が再生し修復されたという記載はありません。

この論文においては、進行の遅延効果は確かに認められているようです。

ただし、その他アメリカの論文においては

過大評価をするべきではない。等など・・・・・・・・という論文もあります。

賛否両論の論文が多いので、所詮真実は闇の中という状況なのです。


そして日本の論文には、残念なことに効果を認めるという論文はないようです。

そのためか正直な(口の悪い?)医師は、軟骨サプリメントについては、

効果があると思った人は服用すればよいし、

効果がないと思う人は服用しなくても良いといっています。


もうこのようなことに踊らされるのは止めましょう。

3年間は、もっと違う観点から有意義な時間と費用を費やしましょう。

3年間、もっと本当にすべきことがあるでしょう。

無駄な費用と無駄な時間を投資するのはやめましょう。


反面当たり前ですが、サプリメントとして足らない栄養として服用するのには問題ないでしょう。

栄養分として、軟骨成分を多く含んでいる食品を毎日食べれば良いのです。

極めて常識的なことです

キチントした食事は重要なことは当たり前です。

健康に毎日過ごすには、食事、睡眠、排便・排尿は基本の基本です。

「快食、快眠、快便」と昔からいうではありませんか。


どうしても軟骨成分を接取したい人には、毎日の食事に


1、コラーゲンを多く含む食事

  基本的にはタンパク質系の食事

  牛すじ肉、鶏肉、豚足、手羽先、魚のアラ、皮付きの魚、アワビ、サバ、サンマ

  フカヒレ、ドジョウ、アナゴなど

2、プロテオグリカン(ムコ多糖体)を含む食品

  ネバネバとした食品に多く含まれる。

  濃いゼラチン性の物質で、人体の関節や眼球、動脈に多く含まれている。

  吸水性と保水性がきわめて高く、水分や栄養素をシッカリ蓄える。

  豚足、フカヒレ、ぬめりのある海藻類、ウナギ、魚の煮こごり、貝類

  長いも、納豆、ナメコ、オクラなど

  
3,その他、
 
  骨・腱・靭帯などを構成している栄養成分の一つとしてプロリンが含まれている食品を

  一品加えて調理して接取すれば良いでしょう。

  プロリンはコラーゲンなどに多く含まれている非必須アミノ酸です。

  このプロリンは保湿性・保水性なども非常にもすぐれた効果を発揮します。

  このプロリンはゼラチンに多く含まれている成分です。

  魚介類に多く含まれています。代表的な魚介類はなんとイカなのです。

  タンパクであるプロリンの含有量 (五訂日本食品標準成分表) 、

  イカ、マグロ、カツオ、牛肉ではイカが一番含有量が多い 。

  加えて、

  筋肉の筋原線維はアクチンとミオシンというタンパク質のでできていますので、

  アクチンとミオシンの主成分であるロイシン、イソロイシン、バリンというアミノ酸を含んだ

  食品や栄養補助食品を補給することで、筋の修復あるいは補強に役立ちます。

  そして、

   食品として必須アミノ酸(体内では合成できないアミノ酸)を接取しましょう。

  必須アミノ酸:イソロイシン、バリン、フエニルアラニン、リジン、ロイシン、トリピトフアン

         ヒスチジン、メチオニン、スレオニンの9種類

  アミノ酸はスポーツの現場あるいは医療の現場において利用されています。

  ただし、これもアミノ酸を取ればそれで終わりではありません。

  あくまで目的のための一つの手段にしかすぎません。

  たとえば、

 筋の修復あるいは補強のためにいくらアミノ酸を接取しても運動しなければ

 その効果はなく、ただの過剰摂取につながるだけです。

 ちなみに

 加工されたイカ(例えば干しイカなど)はプロリンのほかにも多数の必須アミノ酸も多く含み、

 低脂肪・高タンパク質であり、加えて食べる時に多くの咀嚼が必要とします。

 このようにイカは価格も安いし、美味しいく料理のレパートリーも豊富です。

 毎日食べる健康食として非常に有効だと思っています。
 
 だからといって、イカのみを毎日食べる人はいないでしょう。

 まんべんなく多くの食品を食べてください。


栄養サプリメントのみで硝子軟骨の治療になる?なんて思えません。

普段毎日食べている食品の栄養を調べtれば、味気のない栄養サプリメントよりも、美味しく、

軟骨・骨・靭帯・筋に有効な食品だけでなく総合的に良い食品が見つかります。


食事の基本は満遍なく色とりどりの野菜、魚介類、肉類などを美味しく調理し、

楽しく、ゆっくり味わいながら、良く咀嚼し、感謝して腹八分目でいただきましょう。


消失した軟骨にターゲットをしぼるな!!

変形性膝関節症を克服するために必要な大前提です。





touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2016年08月04日

膝関節(236)

変形性膝関節症

どのような薬物療法にもメリットとデメリットは存在します。

某週刊誌のように、お薬のことが続きますがしばらくおつきあいください。

臨床で日常茶飯事に使われて気にもしない胃腸薬でさえ注意が必要です。


変形性膝関節症を含め疼痛に使われる鎮痛、抗炎症剤(NSAIDs)は、

胃腸を障害します。

 ※261人の患者を対象に実施した発症頻度の検討では、63%の患者に潰瘍や胃炎といった
 胃粘膜傷害が発現していることが判明。
 自覚症状がない188例でも58%に傷害が見つかった。
 薬剤別の発現率は、ジクロフェナク投与患者(36例)では83%。
 胃に比較的やさしいと言われ最もよく使われるロキソプロフェン(94例)でも58%。
 メロキシカムとエドトラク(42例)という新しいNSAIDsでも55%に上った。。(奈良県立医大)

それ故に、臨床では、必ず胃炎・胃潰瘍に対する治療薬も併用されています。

クスリの副作用がハッキリしているのでその予防のために服薬するのです。

皆さんも必ずセットで服薬されているはずです。


でも本当は!!

長期間の服用では胃腸よりも腎臓の方がより深刻なのです。

腎臓病には残念ですが特別に有効な予防薬も治療薬もありません。

長期服用にはさらなる注意が必要です。罹患してしまえば非常に深刻です。

鎮痛、抗炎症剤(NSAIDs)には血行障害も有名です。

短期間の用であれば多いに利用すべきですが長期服用は避けるべきです。


さてそのハッキリとした潰瘍の副作用のため服用する胃腸薬ですが・・・・・・

 現在の主流は防御因子増強剤。(商品名:セルベック、ムスコタなど)

 胃粘液などの防御因子を増強することで胃腸粘膜保護作用をもつ薬です。

 胃粘膜の組織修復や血流改善作用にも効果があるので頻繁に服用されています。

  上記の防御因子増強剤より作用が弱く、副作用は無いとされている薬もあります。

  防御因子増強剤の配合剤(商品名:マーズレン、アルサルシンなど)です。

臨床では鎮痛、抗炎症剤(NSAIDs)と防御因子増強剤はセットにもなっています。

 ※ところが、胃粘膜傷害を防ぐため、防御因子増強薬は96%に投与されていたが、
  62%の患者に傷害があり、同薬は傷害発生を防ぐには不十分であることが示された。
  そこで、抗炎症剤(NSAIDs)副作用防止には、H2ブロッカーの使用が推奨されています。
  (奈良県立医大)

  抗炎症剤(NSAIDs)の副作用防止のための胃腸剤が役に立たない。

  わざわざ服薬する意味がない・・・・・ということですね

  そこで、H2ブロッカーを服用しよう。・・・・・ということです。


H2ブロッカー(商品名:ガスター、タガメット、アルタットなど)

 粘膜にある胃壁細胞の「ヒスタミンH2受容体」に拮抗することで酸分泌を抑えます。

 OTC薬にも認められ数年になり頻繁に使用され有名な薬になりました。

 よく知られている副作用は、H2受容体拮抗薬は心筋の受容体にも影響を与えるため、
 不整脈等の心臓の異常を起こすことがあります。
 したがって、心臓病の患者が摂取することは禁忌とされています。

 あまり知られていませんが 長期服用においては、肝代謝酵素への影響による
 他の薬物代謝の変化や胃酸分泌低下の結果としての感染症などにむしろ注意が必要。


プロトンポンプ阻害剤(PPI)(商品名:タケプロン、オメプラール、パリエットなど)

 酸分泌を行う最終段階である「プロトンポンプ」を特異的に阻害することで酸分泌を抑えます。

 最強の胃酸分泌抑制薬になり、難治性の胃潰瘍などに使用されます。

 胃酸を抑える作用の強さは上記のH2ブロッカー剤よりも遙かに強く、速効性には劣る。
 持続性が大きく1日1回の服薬で良い。
 投与日数の制限があり、長期には向かない。

 臨床では、難治性の胃潰瘍や逆流性食道炎第1選択薬として使われています。また、
 ヘリコバクター・ピロリ菌のお薬である抗生物質であるクラリスロマイシン(商品名:クラリスなど)と
 アモキシシリン(商品名:サワシリンなど)と共に除菌補助薬としても用いられる。

 副作用:小腸の炎症、
      PPIを服用している人ではそうでない人と比べ、
      認知症になる危険性が1,4倍も高い。
 
新しい薬:タケキャブ(一般名:ボノプラザン)が登場しています

 カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)」と呼ばれる新しい胃酸分泌抑制薬、

 副作用:胃酸分泌の抑制により、酸性状態で可溶化するカルシウムの吸収が低下する。
       したがって骨粗鬆症には注意喚起されています。


どういうわけか? 胃腸薬を飲用しているので安心するという人が多い。

以上のように胃腸薬なら全く害はないという考えは禁物です。

お薬とはそのような物なのです。

「なんの役にも立たない事」を「毒にも薬にもならない」と比喩します。

薬効が強ければ強いほど身体には毒です。・・・・・・・・・が

その毒を上回る薬効を期待して薬は使うのです。

服薬を抑制するのでは無く、ご自身に必要なお薬を有効に服薬することが必要です。

変形性膝関節症のように長期に罹患する疾患にはよくありがちなのですが、

漫然と服薬を続けられている人が多すぎます。

服薬が必要か?より強力な薬が必要か?反対に作用の穏やかな薬で良いのか?

あるいは、服薬回数を減らすのか?中止して良いのか?

ご自身の膝関節の状態、身体の状態をお医者様に的確に告げてください

お伝えしなければお医者も分かりません。

お医者様の適切な処方をお受けください。


その他の薬も述べたいのですが、変形性膝関節症では二次的な薬ですので

必要なときに述べたいと思います。

touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症