2016年10月

2016年10月27日

膝関節(242)

変形性膝関節症

膝関節の手術について

変形性膝関節症は基本的に特別に急いで手術の必要性があるわけではありません。

手術を行う。あるいは行わないのは患者本人の意思決定。

手術を行うのは整形の専門医師。

したがって両者の意思疎通が非常に重要になるのは言うまでもアリマセン。


現状の症状と変形のステージ、変形の進行のスピードはどうか?

将来的にどのようになるのか?

現状では何を求めるのか? 将来はどのようになるのか? どのようになりたいのか?

様々な観点はら考察する必要があります。

したがって更に患者さん個人のビジョンが必要となるわけです。

手術の種類は、すでに述べた手術方式からの選択になると思います。

 1、関節鏡下手術

 2、高位脛骨骨切り術(THO手術)

 3,単顆人工膝関節置換術(UKA)

 4,全人工膝関節置換術(TKA)

全人工膝関節置換術(TKA) 、最終手段の方法です。

様々な利点と欠点を主治医とご相談して決定してください。


セカンドオピニオンを行うのも一つの方法ですが・・・・・・・・・私感として

手術に積極的な医師が紹介する医師は概ね手術を進められ、しかも同じ手術方式を推進します。

反対に

手術を否的な医師が紹介される医師は、手術に否定的です。

本当に中立的な医師を紹介する場合は、比較的稀です。

理由は分かりますよね。

本当の意味でのセカンドオピニオンは非常に難しいです。


一度、主治医の先生に、

もし私(患者さん)の膝関節の状態が、先生の奥さまあるいはお母様だったら、

「手術を進められますか?」「あるいはどのような手術方式を進めますか?」・・・・・・

とお尋ねください。


どちらにしても、手術は前回述べたようにバーター取引です。

今、手に入れたい必要なこと、今手放して良い物、これだけではダメです。

将来に必要になること、将来に必要でないもの。これもお考えください。

どの方法が最善なのかを決定してください。


手術には当然メリットとデメリットが伴います。

多くの場合はメリットのみが強調される傾向があります。

最大のメリットは痛みからの解放という除痛効果です。
 
さすがに最近では比較的デメリットも説明されています。

デメリットの多くは手術そのものの危険性について述べられています。

 血栓症、細菌感染、神経障害、人工物に対するアレルギーなど、

手術後においては、

 脱臼、膝関節の完全屈曲が無理(正座不可能)、人工物の弛みや摩耗や破損など


よく人工関節は15年〜20年ほど大丈夫というお話を聞きます。

確かに人工関節そのものは15〜20年は大丈夫でしょう。

前回述べた日本の追跡調査でわずか6ヶ月、アメリカの追跡調査で6年です。

15年〜20年大丈夫というエビデンスは見当たらない。(勉強不足の私はまだ見ていない)


実際、

全人工膝関節置換術(TKA) の症例の増加に伴い、再置換を必要とする症例が増加しています。

感染はもとより、関節の緩み、インプラントの破損、プリエチレンの摩耗、人工関節近位部の骨折など

があります。

当然二度目の手術となると、手術は更に困難になります。


あるいは膝関節の機能正常というわけには行きません。

確かに膝関節機能である意識状で行われる伸展・屈曲の機能は一見正常です。

関節が人工物ですので本来存在している関節の周囲の感覚受容器はアリマセン。

膝関節の動きをコントロールするべき自動制御といわれる神経受容器がアリマセン。

また手術の種類によっては靱帯がアリマセン。

意識外でおこなわれる膝関節の機能は非常に低下してしまっています。

人工物は確かに何時までもタモ千都づけられます。

周囲の自分自身の本来の骨、筋、靱帯はた果たして耐えることができるか?


手術選択の意思決定はあくまで患者さん自身が行うものであります。

痛みに耐えきれない状態の膝関節の人工関節膝全置換術の効果は劇的です。

その後のご自身の生活サイクルを十分考えられ決定するようにお願いいたします。


いずれにしろ、

変形性膝関節症(膝OA)に対しての人膝関節全置換術の緊急性はほぼ無いでしょう。

手術を実施するまでの時間は、非常に多くの時間があるはずなのです。

手術を実施した後においても前回述べたように、、リハビリテーションおよび

自宅でのホームリハビリも実施しなければ機能低下は起こっていきます。


膝関節が軽症の時期から、治療および運動などにより予防することが重要です。

何度もいいますが、膝関節は疼痛が強く早期に現れますので、初期にキチンと対処すれば

変形性膝関節症(膝OA)の進行の予防は可能だと思っています。







touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症

2016年10月13日

膝関節(241)

変形性膝関節症

医師に手術を勧められました。・・・・・・迷っています。

これも時折、質問されます。

手術を実際に行えない私に聞かれても困る場合も多いのですが・・・・・・・・

アドバイスはします。

しかし、手術を行うのも、行わないのも、最終的には患者自身の決定です。

手術を行うには行うなりの理由があるハズです。


患者さん自身の膝関節の変形のステージの程度と自覚症状の兼ね合いで

今まで述べた手術法が数種類アリマスので最適な手術方法を選択すべきです。

ところが現実的には、治療サイド、患者サイドの都合および様々な理由で

最も多く日常的に実施されているのが全人工膝関節置換術(TKA) です。

この手術方法は最終手段の方法です。 まさしく伝家の宝刀です。

どのような手術にも必ずリスクがあります。

手術して膝関節が元の状態になるわけではありません。

どのような手術でも、バーター取引になります。

ご自身の膝関節を人工膝関節と取引する理由は?

除痛効果です。「疼痛からの解放」・・・・・・・・これが最も大きな理由でもあり最大の利点です。


少し古い資料で大変恐縮ですが(約10年前)・・・・・・

劇的ともいえる除痛効果を発揮する人工膝関節なのですが、一方、

日常生活においてはまだまだ不十分な側面が明らかになっています。

2005年、Pynsentは1458人の人工関節膝関節全置換術後の患者を4.5年間追跡調査を

実施したが、その結果は12項目の日常生活からなるオックスフオード・スコア が

平均して69%から29%にまで40ポイント改善いただけであり、

同じ条件での人工関節股関節置換術では50ポイントの改善がみられたのに比較し、

膝関節全置換術では日常生活の改善率が低く、約30%が未達成であった。


Nobeleは同じく2005年、人工関節置換術後の患者243例について1年後について、

どのような日常生活について不自由を覚えているかについて、性、年齢を一致させた257人の

健常者と比較しています。・・・・・・・・・・・・・その結果は、

しゃがむ動作や膝立ち動作から庭仕事・ダンスに至る多くの日常動作が回復しなかった。


これらは海外の統計です。

私の推測ですがまだまだ座敷生活の多い日本の日常生活においては

不便さの改善という点でにおいては、更に厳しい傾向になると思います。

(私が知らないだけかもしれないが日本においては長期追跡調査報告は極端に少ない。)

好意的な報告の一例

 手術後理学療法を約1年間継続した女性9例、男性3例、手術時年齢は平均75歳

 除痛や関節変形の改善、膝関節筋力の増強、運動能力、歩行速度の向上が確認できた。

 膝関節屈曲可動域以外は、術前に比べ、術後1年で改善を認めた。)

中立的な報告の一例

 手術退院後外来理学療法施行ケース(施行群)68膝と非施行ケース(非施行群)85膝を対象に、

 退院時の関節可動域と、退院後3ヶ月、退院後6ヶ月の関節可動域を測定。平均75歳

 手術後に理学療法を行わない場合は、

 手術後に獲得した可動域が、在宅の生活の中で、疼痛または他要因によって、

 術術後に獲得した関節可動域が退院後に低下しているのが現状。

 膝の関節運動を行わないことにより修復段階の筋や軟部組織に伸張性の低下や癒着、

 瘢痕化を生じることにより関節可動域の低下につながる。

 手術後の理学的療法や適切なホームプログラムの指導、患者様への意識付けの

 重要性および長期追跡調査の重要性を説いています。


2005年に発表されたPynsentとNobeleの追跡調査は、短い期間の追跡調査でありますが

身近な日常生活においての非常にまれな貴重な報告だともいえるでしょう。


もう一度お断りしておきます。

PynsentとNobeleの追跡調査においても日常生活は確かに改善しているのです。

日本の少ない追跡調査においても手術後の改善は認めておりますが、

付け加えてそれだけでは機能低下(わずか約6ヶ月で)が進行するので適切な理学療法および

家庭でのプログラムの重要性を説いております。


どちらの調査においても手術すればそれで終了・・・・・・・とは行かないという現実がアリマス。

要は、膝の人工関節全置換術に対してあまりに過大な期待は禁物という事です。

人工関節が万能というわけにはいかないのです。

関節周囲にメスをいれ切り刻み継ぎ足した人工物が神の造った物にかなうわけがあり得ません。

反面、それらの方法・行為が」必要な場合もあるのは否めない事実でもあります。


以上が、手術はバーター取引という理由です。何かと取引するのです。

あなたは、何と取引しますか?

伝家の宝刀は最後に使うべきでしょう。最終手段です。


次回も手術に関して。手術の項目は最終にしようとと思っています。



touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 膝関節 | 変形性膝関節症