2017年09月

2017年09月21日

腰痛(25)

腰痛症

特異的腰痛の問題

腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄などのいろいろと問題を書いてきました。

いかがでしたでしょうか?

画像診断は必要ですが、画像診断は画像診断として参考にしてください。

でも、それらにこだわりすぎても仕方が無いですね。

 例えば腰椎椎間板が脱出した場合(ヘルニア直後の場合)

 外傷で椎間板が脱出したのか?その時の疼痛は非常に強いでしょう。

 単純なぎっくり腰においてもヘルニアの可能性があるといわれる由縁です。

 でもその腰痛は慢性化はない場合が多いですね。

 MRIをすぐに撮影するわけではないので本当の所はわからないのが現実ですね。

 実際は、強い腰痛が消失あるいは寛解して落ちつき長期間の時間経過後に

 再度強い腰痛が出現した場合あるいは日常生活は続けれるが腰痛に苦痛を感じるt期間が

 長期に続くと不信に思いMRIを撮影するというのが現状だと思います。

 長期にわたる腰痛がすでに存在しているヘルニアに日常生活に加わる外力により

 炎症を何度も引きおこすのが原因なのか?

 加齢による退行性変化に加え日常生活による外力により脱出したのか?

 本当に腰痛がヘルニアが原因かどうか?疑わしいのが現状だと思います。

 何度も述べているように腰痛とヘルニア槐との関連性は極めて曖昧です。

 グレーゾーンといっても過言ではない?

 ヘルニアが存在すれば、存在する人よりもわずかな姿勢の違いとわずかな外力で炎症が

 出現したり炎症が治まったりし易いので疼痛が出現したり、沈静化したり繰り返し易いでしょう。

 したがってこの場合の方が、腰痛は慢性化し易いかも?

 その意味ではヘルニアが原因と言えば原因でしょうが?

 ヘルニアの存在がむしろわずかな外力によって炎症により疼痛が引きおこされるのでは?

 臨床では遙かにこのケース、この状態が多いかも?


ヘルニアの状態はあくまでも撮影時の結果です。

ひょっとしたら、腰痛を全く感じない時からヘルニアが存在したかも?しれません?

いつのまにか骨折が存在するようにいつのまにかヘルニアも存在します。

そして今後、ヘルニアが吸収されるのか?あるいはヘルニア槐がもっと大きくなるのか?

誰にも分からないのです。

そのために当時の画像診断はCDにコピーして必ず自宅で保存しておいてください。

疼痛が強く症状が増悪した場合、あるいは疼痛が減弱し症状が緩和した場合に

年数が経過し症状が変化した場合に本当にヘルニアが悪化しているか?

画像に変化が確認できるのか?

予後の参考になると思います。


画像診断の結果は結果として受け止め、今どうするのか? どうすべきか?その方が重要です。

画像診断の結果はそのためにも知る必要はあります。


臨床においては、以下の点をヘルニアの画像診断と症状が一致するかを必ず確認する。

一致すればヘルニア由来の症状の可能性は大きいですが一致しなければ可能性は低い。

★腰痛のレッドフラッグの有無を確認

 すでにレ線やMRIの画像診断が行われているので必要無いかもしれませんが、

 異常な疼痛が発生した場合や長期間続く腰痛にはやはり確認が必要です。

★次にMRIなどの画像診断と現在の症状の比較

  以下の点が一致するならば画像診断によるヘルニアが原因が非常に大きいです。

  一致しなければ、画像診断によるヘルニアが原因ではない可能性が大きい。

  慢性的な疼痛やシビレより以下の点は必ず確認してください。

  
 1,感覚麻痺の有無を確認

   神経支配の表在感覚検査を確認。

    知覚領域の触覚、痛覚の消失あるいは減弱を調べる。(健側と病側との比較)

    ヘルニアであれば触覚、痛覚の消失あるいは減弱が有ります。

     脛骨稜の内側がL4、外側がL5

     母趾と第2趾の間はL5固有領域

     外果と足底はS1の知覚領域

     簡単には坐位にて足背の母趾から第5趾までルーレットで調べる。

      母趾内科側がL4、足背がL5、第5趾外果側がS1支配

    深部感覚である関節覚を調べる。
    
     神経線維は脊髄後索を通るので、関節覚の障害は後索の障害を知る指標になる。

     深部感覚は、関節がどの位置にあるか、どういう方向に動いたかを伝える。
                 
     関節覚には位置感覚と受動運動感覚がある。

     関節覚は四肢末端のものほど侵されやすいので足の母趾が最も侵されやすい

     基本的には受動運動感覚を調べる。

     足趾を足背側、足底に動かせ、理解できるかどうか?調べる。

     検者は、必ず趾を側面からつかむようにして動かす。

     理解できなければヘルニアを疑う。

 2,腱反射を確認(亢進しているか?減弱しているか?) ※少しコツが必要ですが・・・・・

   腱反射の亢進は、反射の中枢よりも上の部位に傷害があることを示す。

   腱反射の減弱または欠如は、一般に反射弓に傷害があることを示します。
  
   ヘルニアの場合は減弱するか?欠如するか?を調べます。

   膝蓋腱反射:中枢L2〜4

   アキレス腱反射:中枢L5 S1、2

   臨床で簡易にヘルニアを調べるのは、

      膝蓋腱反射の減弱あるいは消失は神経根レベルでL4の傷害

      アキレス腱反射の減弱あるいは消失は神経根レベルでS1の傷害

      神経根L5レベルの反射は無し。
        
  3,病的反射を確認

   バビンスキー反射:最も信頼できる徴候 

               求心路はL5~S1、遠心路はL4,5

   バビンスキー反射が存在すれば錐体路の障害になります。

   ※錐体路とは、中枢神経系(脳と脊髄)にある神経伝導路(伝導路)のひとつです。

    正常であれば存在しない反射ですので反射を少しでも確認すれば陽性となります。

    脳と脊髄の神経伝導路の障害を疑う。

    陽性であればしかるべき病院を紹介する。

 4,運動麻痺あるいは筋力の低下を調べる。

   次回に




touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2017年09月07日

腰痛(24)

腰痛症

特異的腰痛の問題

いろいろ述べてきましたが、腰椎脊椎板ヘルニアを代表とした特異的腰痛も本当の原因は?です。


一般の腰痛の病因に関しては既に、

患者さんの症状とレントゲン所見はあまり相関せず、約85%の人が原因を特定できない
 
と論旨されています。

つまり多くの腰痛症の原因は不明。

要は、レントゲン背骨の形態変化を原因を指摘する。・・・・という説明には、

特別な科学的根拠がないことが既に多くの人が理解されているようです。

従来まで原因と考えられていた骨の変化による腰痛は解剖学的、構造的な欠陥が原因という

盲目的な指摘は、実際には痛みを引き起こすとは限らないことが(一部にはおこす場合もあるが)、

様々な報告から判明しているという事実が非常に多いという事実です。


それでは、MRIなどの画像診断による腰椎椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄において

一体どのくらいの頻度で見つかるのでしょうか?

椎間板ヘルニアが本当に腰痛の原因となるかどうかを調べる研究(1995年 Boos)では

以下のように報告されています。

「痛みのある椎間板ヘルニアの患者のグループ」と「腰痛のないグループ」において、

それぞれの職業内容・年齢・性差・生活習慣などの条件を同一にしたうえで、MRIを比較した結果、

腰痛のないグループの76%にヘルニアが見つかり、85%に椎間板の変性が認められました。

つまり正常な人たちの7割以上にヘルニアがあるという事実。


この論文が出される以前にも、MRIによる腰痛群と無症状群を比較するという実験は

複数の研究者らによって行われており、いずれの研究においても3〜8割の「無症状ヘルニア」や

「無症状の変性椎間板」が見つかっています。


このため1994年に発表されたアメリカの腰痛ガイドラインでは、

※変形性脊椎症が単なる退行性変化であるのと同じように、変性椎間板、椎間板ヘルニア※

もまた単なる老化のサインに過ぎず、腰痛の原因としては見当違いの所見かもしれない・・・・と

論旨されています。


特異的腰痛の代表である腰椎ヘルニアでさえも症状とMRIとの相関性は不明?

事実としてヘルニアというMRI画像診断は存在するが、腰痛を含む症状との

因果関係は不明ということです。


更にさらに1998年、Wittenburgらは比較試験を厳密に行うことで、

※MRI上のヘルニアと神経症状のあいだには関係がない※を証明し、MRIのみでは

診断できないと結論づけています。


重要なことは、

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄などの診断に際しては、

臨床所見すなわち患者さんの訴える痛みやしびれの強さ、場所、範囲そして

知覚異常の有無・範囲、筋力低下の有無、腱反射の異常、日常生活における動作の評価など

をきめ細かく精査し、そのうえでMRIと患者さんの症状を照合させ判断する必要があります。

しかしながら今まで述べたように症状とMRIの関係を冷静に突き詰めていくと、

完全に一致することは極めて少ないのが現状のように思われます。


しかしながら現状の臨床ではいまだにMRIに頼った診断が続いています。

当然画像診断と症状が一致する場合も存在しますので画像診断が価値が

全く無いということではありません。

その場合は当然観血的な方法が必要でしょうが、その場ようなケースはむしろ

非常に稀なケースが多いようです。


しかも臨床で困ってしまうのはMRIなどの画像診断で見せつけらると、その画像は

無理なく患者の脳にインプットされます。

そして、今おこっている様々の症状がヘルニアが神経根に起因されている・・・と説明されます。

これは強烈に患者さんの脳内にインプットされます。

そのような事例は腰痛などの症状の軽減に対して大きな障害になっています。


画像診断は事実は事実として存在するという理解のみで良いと思います。

腰痛などその他の症状と因果関係あるいは相関関係はそれほど多くは無い。


いろいろ述べましたが、特異的腰痛の問題点は理解していただきたいと思います。






touyou8syok9 at 21:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛