2018年04月

2018年04月27日

腰痛(43)

特異的腰痛の問題


腰痛や、ヘルニア、脊柱管狭窄症などの予防や治療において腹筋のエクササイズが

推奨されているようです。

各部個別の腹筋エクササイズは難しいですね。


今回は注目されている、腹横筋について

浅腹筋である腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋の作用は体幹の運動が主な作用。

脊柱の剛性や安定性を高めるためるため脊柱体幹筋群などと共同しながら

グローバル筋として大きな力に対抗し体幹の保護や体幹の運動に大きく作用しています。


一方腹横筋は、体幹の運動にはむしろ補助的に働いています。

腹横筋は、腹圧をかけ腹腔を狭くする働きが主な作用でウエストを狭くする。

肋骨を動かして呼吸にも関連します。

腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋は体幹の運動が主な作用で腹圧は従です。

腹横筋は、浅腹筋でありながら少し趣が違っています。

腹横筋の解剖をもう一度観察します

腹横筋:内腹斜筋に被われ、最も深い層をなす。

     起始:第6〜第12肋骨軟骨の内面、胸腰筋膜、腸骨稜の内唇、鼠径靱帯の外側
         から起こり、筋束は前方に横走する。
     付着:外側に向かって凸弓形をなす半月線を境として、腱膜に移行し、
         腹直筋鞘につく
      作用:下位6肋骨を下に引き、腹圧を高める

小さい筋というよりは長く細い筋束が集まった筋です。

注目するのは、胸腰筋膜、肋骨内面、骨盤を取り巻て筒状になり腹筋の深内面に存在します。

腹横筋が収縮すると腹圧が高まり腹腔が狭くなり胸腰筋膜や前方の筋膜が緊張します。

胸腰筋膜が緊張すると、当然腰椎、脊柱の剛性も高くなります。

この胸腰筋膜が重要なポイントになります。


胸腰筋膜は、深層の体幹筋を覆う筋膜です。

胸腰筋膜は、腹横筋の起始部の中において、唯一能動的な変化を受ける部分です。

腹横筋が両側性に緊張すると同時に、後方の腰部の深部多裂筋が等尺性に収縮することによって

胸腰筋膜が収縮することができる。

胸腰筋膜の後層は脊柱起立筋群を含んでいるので、脊柱起立筋群の収縮も胸腰筋膜の緊張にも

影響を与えます。

腹横筋は、内腹斜筋と共同して胸腰筋膜を緊張させます。

外腹斜筋は胸腰筋膜の起始を持っていませんので影響はアリマセン。

深部多裂筋は小さい筋で筋紡錘などが多く存在し脊椎分節間の運動や位置変化の

情報を中枢神経に伝えることができる。

したがってこれらの小筋は、大きな力は発揮できないものの、分節間の微妙な位置関係の

変化をコントロールする機能を有しているのです。

真の動的な安定性を保つには、個々の分節的のコントロールを高めることが重要で

腰椎、骨盤の安定性を高めるためにローカル筋へのアプローチが重要になる。


腹横筋が収縮するとこのように解剖学的位置から胸腰筋膜が収縮し

体幹に位置している深部多裂筋と同様に働き、脊柱の分節的運動に関与します。

つまり腹横筋は、ローカル筋として働いていることになります。


腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋がグローバル筋として機能的に働き、

腹横筋がローカル筋として機能的に働くことによって、腰部、体幹を保護する

コルセットの役目を果たすことが可能になります。


腹筋の個々の筋のエクササイズは難しいとしても一つのユニットとして筋力トレーニングは

比較的容易なために、腹筋のエクササイズが必要ということになります。

しかし、非常に残念ですが現実的には・・・・・・・・・・

腹筋運動で腰を傷めたという話は非常に多く危険も伴っているようようです。

これは、以上を理解していないことが理由では?・・・・・・・・と思っています。


腹筋を鍛える。腹筋のエクササイズというと・・・・・・・腹部をシックスパックにする?

格闘技などで、どうしても腹部内臓を防御する必要のあるスポーツ以外、一般人

まして腰部に障害を持つ人がワザワザ無理に腹筋を鍛える必要はあるのか?

エクササイズとは人間本来の身体能力の回復のために行う訓練です。

多くの腹筋のエクササイズは本来の目的からかけ離れて違っているのでは?

多くの疑問?・・・・・・・・・に思うのは私だけでしょうか?


腹部の筋は前腹筋の他にもありましたね。次回に





touyou8syok9 at 22:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2018年04月19日

腰痛(42)

特異的腰痛の問題

腰痛や、ヘルニア、脊柱管狭窄症などの予防や治療において腹筋のエクササイズが

推奨されているようです。

単に腹筋のエクササイズをしても無効に終わりやすい? ナンセンス?

この意味は、解剖学的に個々の腹筋のトレーニング、エクササイズが困難という以外にも

様々な理由が有ります。

後側の腹筋の説明に移る前にもう少し復習も混ぜながら皆さんが知ってるようで、以外と知らない

腹筋のお話をつづけます。


★前腹筋・・・・・・腹直筋、錐体筋

★斜走筋・・・・・・外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋


前腹筋、斜走筋は浅層にある浅腹筋群は前および側腹の壁の基礎になります。

腹筋の深層には、腰方形筋、大腰筋、小腰筋があり後腹筋(深腹筋)に相当します。


浅腹筋の作用

  内腹斜筋

   片側が収縮すると体幹を側屈し、同側の脊柱と胸郭を回旋する。

   両側の筋が収縮すると、腹腔を圧縮して、体幹の屈曲を補助する。

  外腹斜筋

   片側が収縮すると体幹を側屈し、脊柱と胸郭の反対側へ回旋する。

   両側の筋が収縮すると、腹腔を圧縮して、体幹の屈曲を補助する。

  腹直筋

   主に体幹の屈曲をおこなうが、その他の筋とともに腹腔を圧縮する補助。

  腹横筋

   筒状になっていますので、筋収縮がおこると、腹腔の直径が減少します。

   主に腹圧をかけると収縮し腹腔が狭くなります。

   「腹を引き込む」という動作で、腰椎前彎を増強させます。


浅腹筋は基本的にはどんな運動の時にも一緒に働きます。

  前屈は腹直筋・・・・・胸郭を骨盤に近づける体幹の屈曲。

  側屈は、同側の外腹斜筋、内腹斜筋が共同筋として働いている。

        同側の胸郭を骨盤を近づける体幹の側屈。

  側方回旋は同側の内腹斜筋と反対側の外腹斜筋が拮抗筋として働いている。

  腹横筋は、主に腹圧をかけるときに収縮し腹腔を狭くする。

         両側が働きウエストが狭くなる。
  
  前、側腹筋は、腹腔にも作用を及ぼし、収縮すると腹腔内圧が上昇しますが、

  その際には、横隔膜とともに骨盤底の筋と共に働く必要がある。

  強制的な呼気は、特に腹直筋を収縮することで可能。


屈曲、側屈に関しては、腰椎の運動というよりは、脊柱全体の運動ですね。

特に、胸郭を骨盤に近づというけるために脊柱全体が屈曲しています。

腹横筋以外の浅腹筋は、機能的にはグローバル筋の様式ですね。


各部個別の筋の作用から、個々の腹筋のエクササイズは非常に難しいです。

前回述べた解剖の組織学的にも難しく、作用的にも非常に難しいですね。

ただし、腹横筋以外の浅腹筋は、機能的にもグローバル筋ですので、

腹筋群を一つのユニットとしてとらえるとエクササイズとしての筋トレーニングは

比較的容易で可能なように思われますが・・・・・・・・・・・・・・


さて最近は特に腹横筋の機能が注目されていますね。

なぜでしょう?

ここに注目すべき報告があります。(理学療法科学22(1):1−6 2007より)

腹横筋が働くと

 1,腹横筋が求心性(短縮性)収縮し、前方の筋膜が緊張する。

 2,腹横筋の筋厚が増加する。・・・収縮を示唆している

 3,腹横筋が腰部えお包み込むため、ウエストが細くなる。・・・・・コルセットの作用

 4,外腹斜筋、内腹斜筋の筋厚があまり変化しない。

 5,腹横筋の収縮によりコルセット作用がみられる場合には、前腹壁の後方への

   (背側)への動きが観察される。

 6,対称性パターンがみられる

ところが、腹横筋の機能が不十分であり、その他の浅筋群がはたらくと

 1,腹横筋、外腹斜筋、内腹斜筋がすべてが肥厚する。

   すべてが急激に肥厚する場合多い。

 2,腹横筋の収縮が診られるが、短縮せず、前方の筋膜が収縮しない。

 3,腹横筋が腰部を包まず、ウエストの狭小化がみられず、拡大する。

 4,非対称性パターンがみられる。

腹横筋が正しく収縮すると、深部で腹横筋の緊張がゆっくりと高まる。

ところが内腹斜筋、外腹斜筋が代償的に収縮すると腹壁のみられる。


以上のような報告により、まず腹横筋をキチント作用させてという条件付きですね。


腰痛や腰椎ヘルニアなどの治療、予防に必要なのは、

腹横筋の機能が発揮されることで、腹腔内圧が上昇し腹腔内が狭まりウエストが狭小し

腰痛予防としての腰の筋によるコルセット機能が発揮させる。・・・・・・・・ということですね。


腹横筋の主なエクササイズがドローインということになっています。

このエクササイズも簡単にできそうですが実際には非常に難しいです。

このドローインが正確におこなわれ骨盤後傾が実施された状態が完成し、

(難しいのは骨盤後傾したような状態に見えるのですが、脊椎や骨盤をなるべく動かさないようにして
 腹壁を引く行為ですね。)
 
その後に様々な腹筋のエクササイズを実施しなければ効果がない。

更には、ドローインとならんでブレーシングも必要とされています。

ドローインは簡単に言えば、腹横筋の活動性を再教育して高める。

ブレーシングは、浅筋筋である内腹斜筋、外腹斜、筋腹横筋、全ての活動性を

高めることにより日常生活における脊柱の安定性を高める。

ブレーシングの実施に最も必要なのは、ボクシングなどの格闘技をおこなう人でしょうが、

日常生活においては、過度な収縮力は必要でなく、通常呼吸での軽い等尺運動で

腹壁を硬くする程度で良いとされています

ややこしいですね。

まず自己流は無理?・・・・・・・と思っています。


エクササイズの詳しい説明は専門家に任せるとして、もう少し腹横筋について。

腹横筋は解剖学的には浅腹筋ですが・・・・・・

機能的には、グローバル筋です。

これがますます腰痛などの予防、治療に有効だと言われる理由の一つです。

次回に、




touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2018年04月11日

腰痛(41)

特異的腰痛の問題

坐位における腰の負担は立位以上です。

体幹を安定させて上半身を支えるには腹腔内圧が充分に働く必要があります。

坐位においては立位以上に腹腔内圧が充分に働く必要性が生じます。

腹腔とは、上は横隔膜と下は骨盤、腹壁の前後を腹直筋、腹横筋、腹斜筋および

脊柱あるいは腸腰筋などで囲まれた楕円状の空間です。

この空間の内圧を高めるため上記の筋が充分に働く必要があります。


どうして個別の腹筋のエクササイズは難しいのでしょうか?


腹部の筋、筋膜をおおまかにのべてみます。(南山堂 日本人体解剖学より抜粋)

面白くないですが解剖の復習です。(整形の大部分の基礎は解剖学です)

知ってるようで知らない腹筋です。


腹部の筋

★前腹筋 

 1,腹直筋

    起始:第5〜7肋軟骨。、剣状突起、肋剣靱帯から下方にはしる。
    停止:恥骨結合前面、恥骨結節の上縁
    作用:胸郭の前壁を引き下げる。
        胸郭を固定すると、骨盤の前部を引き上げ同時に脊柱を曲げて
        腹圧を加える。

 2,錐体筋

    起始:恥骨上縁からおこり上方に走り次第に細くなる
    付着:腹直筋鞘、白線の下
    作用:白線を緊張し、腹直筋の作用を助ける。

★斜走筋 

 3,外腹斜筋

     起始:第5肋骨〜第12肋骨の外面からおこり、筋束はほぼ並行に走り
         腹直筋の外側縁に近いところで腱膜に移行する。
     付着:腸骨稜の外唇の前半、鼠径靱帯、白線
     作用:胸郭を引き下げ、脊柱を前方および同側に曲げる。
         胸郭を固定すると、骨盤を引き上げ腹圧を加える。

 4,内腹斜:外腹斜筋に被われ、筋線維の方向は外腹斜筋と逆に走る。

     起始:鼠径靱帯、腸骨稜の中間線、胸腰筋膜の深葉からおこり
         前方に向かって扇状に広がる
         大部分は下外側方から内側上方似向かい、腹直筋鞘の外縁の近くで
         腱膜となり、2枚に分かれて腹直筋鞘の、前葉・後葉に入る。
     付着:下位肋骨の下縁、腹直筋鞘、白線
     作用:外腹斜筋と同じ

 5,腹横筋:内腹斜筋に被われ、最も深い層をなす。

     起始:第6〜第12肋骨軟骨の内面、胸腰筋膜、腸骨稜の内唇、鼠径靱帯の外側
         から起こり、筋束は前方に横走する。
     付着:外側に向かって凸弓形をなす半月線を境として、腱膜に移行し、
         腹直筋鞘につく
     作用:下位6肋骨を下に引き、腹圧を高める


皆さんがよくご存じ?・・・・・の腹部の筋に共通する役割は簡単にまとめると?

 〇腹圧を加える作用

  これが最も重要で、体幹を安定させて上半身を支えるに必要不可欠。

  坐位においては、立位よりより更に充分な腹圧の必要性が生じます。

 〇胸郭あるいは肋骨を引き下げる。

 〇胸郭が固定した場合に脊柱を曲げる(屈曲)

  決して腰椎の屈曲ではなく、胸郭が骨盤の恥骨に近づきその結果脊柱が屈曲する。

 〇その他には、内臓を守る。内臓を安定させるなど。

 
再度、筋の起始と付着部を再度お読みください。

何か? 気づきませんか?

そこで先に進みます


腹筋の腱膜

1,白線

  左右に両側の縦横に走る腹筋腱膜の腱線維が前腹壁の正中線で合してできる。

  上方は剣状突起からおこり、下方に向かって広くなり、臍より下方に至ると、

  再び狭くなり、恥骨結合の上縁に付く。

2,腹直筋鞘

  外腹斜筋・内腹斜筋および腹横筋の腱あるいは腱膜は、腹直筋を鞘状に包む。

  腹直筋鞘は前葉と後葉からなる。

  弓状線の上方では外腹斜筋の腱膜は前面に、

  内腹斜筋の腱膜は腹直筋の外側で2葉になり、うち前葉は腹直筋の前面を被い

  後葉はその後面に、

  腹横筋の腱膜は後面に加わるので腹直筋鞘の前面と後面と強さは同様

  弓状線よりも下方では、3筋の腱膜は全て腹直筋の前面を被い、

  後面はわずかに横筋筋膜および腹膜に被われるのみで固有の後葉を持たない。

  ※弓状線:内腹斜筋の腱膜のうち、その後葉臍の下約5センチのところで凹む線をもって
         終わる所


腹部の筋膜

1,浅腹筋膜

   皮下にあり外腹斜筋と腹直筋との表面を被う筋膜

   臍より上方では薄く胸筋筋膜に連なる

   後方は胸腰筋膜に、内方は白線に、下方は鼠径靱帯


2,横筋筋膜

   腹横筋の内面を多う筋膜で上部は横隔膜の下部を被い横隔筋膜という

   後部は腰方形筋の内面にゆき、大・小腰筋を被う腰筋膜となる

   横筋膜の下方は腸骨稜および鼠径靱帯に付着する。


いかがでしょうか? 何か気づきました?

骨に筋の起始、付着がハッキリと固定しているのは腹直筋のみですね。

その他の筋は、起始は肋骨とハッキリしているのですが、付着がハッキリしない。

付着が常に動き移動する細くて長い紐のような形状の腱線維あるいは筋・筋膜なのです。

常にユラユラと動いている腱線維・筋・筋膜に付着するので、根無し草のような筋ですね。

この状態で個々の筋をエクササイズするのは非常に困難です。

筋の起始部、付着部が固定されてこそ筋の力が発揮できます。

片方がユラユラと移動すればいくらパワーを入れても力が伝達できない。

おへそを引っ込めた状態で腹筋を鍛えるというのは、逃げる付着部を減らしし

力を逃がさなくしてなるべく力を伝えるためなのですが。

お臍を引っ込めた状態にしても元々が伝える部位がへっこんだだけだけです。

つまりお臍を引っ込めた状態で、更に腹圧が充分に高まっていないと意味がないです。

この腹圧が重要なのですが、腹圧を高めるには腹筋が充分に働いていないと無理ですね。

つまり単に腹筋のエクササイズをしても無効に終わりやすい。

各部の腹筋を鍛えるのは確かに非常に難しいと思われます。


以上は、前部の腹筋ですね。

腹部の筋は後方にも上にもあります。次回に。




touyou8syok9 at 22:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛