2019年01月

2019年01月25日

腰痛(63)

特異的腰痛の問題

腰部椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄に、一見関係ないようですが臨床におけるヒントに

必ずなると確診しています。

腕神経叢のつづき

<鎖骨上部>

鎖骨上部では、前枝の3つの主幹である上神経幹(C5とC6)、中神経幹(C7)、

下神経幹(C8とTh1)がつくられる。

<鎖骨下部>

鎖骨下部にて、これらの3幹は、各々前・後の2枝に分かれる。

そして後枝は、上・中・下3本合して後神経束を作りそのまま延長して橈骨神経となる。

前枝のうち、上・中は合して外側神経束となり下位の1本はそのまま内側神経束になる。

ついで外側神経束、内側神経束は各々分かれて2枝になり、このようにできた4枝のうち、

中央は正中神経をつくり、外側神経束の他の1枝すなわち外側枝は筋皮神経、

内側神経束の他の1枝すなわち内側枝はさらに分かれて尺骨神経、内側上腕皮神経

内側前腕皮神経となる。

このように鎖骨下部にて3つの外・内側・後側の神経束を作っている。

 外側神経束は、上および中神経幹の前枝から出来ている。

 内側神経束は、下神経幹の前枝から出来ている。

 後神経束は、上、中、下神経幹の後枝から出来ています。

したがって、腕神経叢から出て行く末梢神経の皮膚の知覚神経の支配領域は、

神経根の支配する皮節と呼ばれている知覚領域とは少し異なる事となります。


鎖骨下部の神経 (該当する神経の筋、あるいは知覚支配は必ず確認してください)

 前胸神経:内側胸筋神経、外側胸筋神経

 肩甲下神経、胸背神経

 腋窩神経

 筋皮神経

 内側上腕皮神経

 内側前腕皮神経

 正中神経

 尺骨神経
 
 橈骨神経


頸椎の神経根がなんらかの原因で障害されると該当する神経支配の障害が起こります。

鎖骨上部の神経幹がなんらかの原因で障害されると上記の神経支配の障害が起こります。

鎖骨下部の神経束がなんらかの原因で障害されると上記の神経支配の障害が起こります。

つまり支配神経の及ぶ知覚の障害あるいは運動の障害がおこります。

現在おこっている神経の障害が神経根なのか?神経幹なのか?神経束なのか?

あるいはもっと末梢に該当する神経なのか?

この点が臨床では重要なのですね。


頚部や上肢の疾患は、、頚椎症、頸肩腕症候群、斜角筋症候、肋鎖症候群、過外転症候群、

分娩麻痺、肩関節周囲炎、手根管症候群、手指の神経麻痺あるいはentrapment neuropathyなど

臨床では充分とはいえませんが、頚部、腕神経叢まで考慮されそれなりに分類されているので、

上肢、手や手指のシビレや違和感あるいは運動障害の主な原因を単純に頸椎のヘルニア

あるいは変形性頚椎症の神経根に帰納する場合は、むしろ少ないように思われます。

頸椎を含めて神経叢の支配を考慮して臨床に望んでいる場合が多いと思われます。


一方、腰の臨床に関してはどうでしょうか?

腰痛の原因の約85%が不明とされているので、画像にわずかに異常が見つかると

視覚的に明確化され理解が得やすいために、腰部あるいは下肢の疼痛あるいは

シビレなどの違和感などを、神経学的、解剖学的に多くの矛盾が存在するにもかかわらず、

腰部椎間板ヘルニア、あるいはヘルニアによる坐骨神経痛、脊柱管などに帰納される傾向が

非常に多いように思います。

腰部仙骨神経叢は考慮にはいっているのでしょうか?


最近、触圧覚刺激法 小林教室 柔道整復師部会の講習会にて、

腕神経叢、腰仙骨神経叢に対する手技をご教示していただきました

要は、これらの神経反射あるいは交感神経反射を利用し神経叢に支配されている部位に

影響を与え、改善させる手技です。

その後利用させていただいていますが、非常に効果が有り、面白く有意義です。

手技による反応時間が少しかかるのが、たまに傷ですが臨床で非常に助かっています。

小林考誌先生に感謝いたします。


次回は腰仙骨神経叢


touyou8syok9 at 11:27|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

2019年01月10日

腰痛(62)

特異的腰痛の問題

前回の続きですが腕神経叢のまえに確認してください。


腰椎椎間板ヘルニアによって引きおこされる症状は脊髄神経の神経根の圧迫?

とされています。

当たり前ですが、圧迫された該当する脊髄神経根(末梢神経)に対応する知覚領域、運動領域に

明らかな感覚障害や運動障害が引きおこされることになります。

脊柱管狭窄症には3つの型があり中枢神経の障害もあるので少し意味が違う。


末梢神経である脊髄神経から構成される神経叢はどうでしょうか?

脊髄神経の前枝は、隣接する脊髄神経の前枝と交通してワナを作っている。

特に頸・腰・仙骨神経の前枝の間では交通が複雑で脊髄神経叢をつくっています。

脊髄神経の前枝は、体幹前壁と側壁の筋群および体肢の筋の運動と、それに対応する

皮膚領域の知覚を司っています

(後枝は、深部の背筋群の運動と、脊柱両側の皮膚領域の知覚を司っている。)

体肢の高さで、脊髄神経の前枝は神経叢をつくっており、ここで脊髄神経に含まれる線維の

交換がおこなわれます。

したがって、やがては末梢に行く神経幹は、異なる脊髄神経に由来する線維が新たに

加わり入り混ざった複雑な構成となります。


このように神経叢から出てくる末梢神経による皮膚の支配神経、筋の支配神経は、

神経叢そのものが複雑に重なり合っている部分が多いので、脊髄神経の神経根圧迫による

引きおこされる皮膚、運動の症状は明確ではありません。・・・・・・・と思っています。

要は、

腰椎ヘルニアの症状を解剖学的、神経学的に矛盾が多い神経根圧迫説に帰納するよりも

神経叢を考慮すれば解剖学的、神経学的に臨床応用できるのでは?・・・・・と思うのだが。


前回のつづきの頚神経の前枝である腕神経叢

腕神経叢と特異的腰痛と全く関係の無い?・・・・・・・・と思われていませんか?

腰神経、仙骨神経、尾骨神経、の前枝である強大な腰仙骨神経叢。

腕神経叢と腰仙骨神経叢は当然同じではありませんが類似性をよく比較して

臨床応用できるか? できないのか?

前置きが長かったですね。では前回のつづき。


腕神経叢は、鎖骨より上にある部分鎖骨上部その下にある部分を鎖骨下部に区分される

腕神経叢は、鎖骨の後上方から下外方すなわち腋窩は付近にわたる最大の脊髄神経叢であり、

ここから出る神経枝は上肢帯および自由上肢部にいたる。

腕神経叢はC5〜C8の脊髄神経前枝の全部およびTh1の前枝の大部分から作られる。

しばしば第4頚神経および第2胸神経と細枝をもって結合する。


この腕神経叢は、鎖骨より上にある部分鎖骨上部その下にある部分を鎖骨下部に区分される。

これらの前枝は、斜角筋隙を通り抜け外側三角部に進み、そこで三本の一次神経索である

3つの神経幹として上・中・下の3幹をつくる。

また、ここで分枝した神経が鎖骨上部を構成する。

すなわち上神経幹(C5とC6)、中神経幹(C7)下神経幹(C8とTh1)をつくる。

鎖骨の下方で3本の二次神経索が作られる

すなわち外側神経束、内側神経束、後神経束とよばれる。


単純に脊椎の中心部から神経根→鎖骨の上部で神経幹→鎖骨の下部で神経束を形成する。

臨床の場においては、もし神経根の異常が無くても、神経幹あるいは神経束の異常があれば

神経根が原因?・・・・・・・・と思える症状は出現する。

あるいは鎖骨下部にある神経束あるいはそれより末梢に存在する各々の神経、筋が原因で、

あたかも神経根が原因である?かのような症状もおこりえると当然考えられる。

MRIで腰部椎間板ヘルニアが神経根の圧迫していれば症状が必ず存在する?

あるいは存在しない?・・・・・直接な因果関係は全く不明では?

脱出した椎間板による神経根の圧迫による症状が出現するという理論は未だに

解剖学的・神経学的あるいは統計学的にもあまりにも多くの矛盾点、不明な点も多いので

神経叢も含めて考慮する方がむしろ臨床的では?・・・と思っています。


<腕神経叢の鎖骨上部>

この鎖骨上部からは運動神経が出て、上肢帯の諸筋を支配する。

  肩甲背神経・・・・肩甲挙筋、大・小菱形筋

  長胸神経・・・前鋸筋

  肩甲上神経・・・棘上筋、棘下筋

  肩甲下神経・・・肩甲下筋、大円筋

  鎖骨下筋神経・・・・鎖骨下筋

  外側胸筋神経、内側胸筋神経・・・・・大胸筋、小胸筋

この鎖骨上部が完全に障害されると、上肢帯の麻痺がおこります。

腕神経叢障害が有名ですね。

外傷や分娩が原因で種類や力の加わり方によって、腕神経叢障害は以下の三種類

 1,神経引き抜き損傷:神経根が脊髄から引き抜ける

 2,神経の連続性が残っている損傷:神経幹から神経朿のレベルで神経が引き伸ばされる。

 3、神経が断裂してしまう損傷

裂離(断裂)や破裂では手術による神経の接続手術になりますが、

神経腫(傷)やニューロプラキシー(伸張)の場合、回復の望みが高くなります。

ニューラプラキシア(neurapraxia 傷害)の患者のほとんどは、90〜100%の機能まで自然に回復します。

Seddonによる神経障害を思い出してください。

局在性伝導障害(neurapraxia):一過性で完全回復

軸索断裂(axonotmesis):運動も知覚も麻痺するが、神経再生とともに中枢から末梢に徐々に回復

神経幹断裂(neurotmesis):受傷直後の状況は、2の軸索断裂と同じであるが、

                  自然回復は見られない。

                  神経縫合術が適応するが、完全回復は難しい。

腕神経叢麻痺の代表例として、

 分娩麻痺の中ではエルブ麻痺(上位型)と呼ばれている。

 クルンプケ麻痺とよばれる次回にのべる腕神経叢の下位型の麻痺

 全型麻痺は引き抜き損傷が多いとされています。


<腕神経叢の鎖骨下部>

次回に




touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0) 腰痛 | 特異的腰痛