2010年02月22日

関節を知ろう(42)

関節軟骨

関節軟骨損傷について


今回も復習しながら進めます。


関節軟骨損傷浅い層から中層・深層の軟骨基質は、血管、リンパ、神経組織を持っていません。

その代謝は、ほとんど関節液を介して行われています。・・・・・でしたね。


滑膜や関節軟骨基質などの炎症や損傷があれば、あたりまえですが、

関節腔内に満たされている関節液に変化が起こります。

関節液に変化があれば当然軟骨基質にも影響を与えますね。


関節液の量が最も多く存在する関節が、膝関節の関節腔内の量5ccでしたね。

日本人の場合は、5ccの量は非常に多い場合です。通常は3〜5ccです。

ティースプーン一杯に満たない量だと思ってください。

その他の様々な関節においては、もっともっと遥かに少ない量です。


損傷や炎症により関節液は通常の量よりも多くなります。

みなさんが、関節が腫れて水がたまったという状態です。

この場合、関節液は一体どうなっているのでしょうか?


通常であれば、

適度な正しい関節運動を繰り返し行うことにより

 関節液は関節包の内層の滑膜の毛細血管網からの分泌され関節腔に貯まる。

 関節液は関節内圧の変化によって関節軟骨に栄養を与える。

 同時に関節の軟骨基質から不要物を関節腔に排出されます。

 排出された不要物や分子量の小さくなったヒアルロン酸などは再び

 関節腔の内層の滑膜の毛細血管網に吸収されリンパ組織に移動する。

この一連の工程によって関節液は一定量を保ちます。


関節が腫脹する状態とは、

軟骨基質や滑膜あるいは関節包周囲の損傷や炎症あるいは様々な疾患によって、

不要な関節液が関節腔内あるいは(滑液包内)に異常に増えてしまう状況です。

不要な関節液の一部が血液であったり脂肪あるいは骨片、炎症物質であったり、

血漿成分の免疫物質であったり、細菌性物質であったり、前回に説明した

各種の蛋白分解酵素であったり、ガス状の活性酸素や一酸化窒素であったりするのです。

関節液の異常な増量は、関節の治癒過程においては必要不可欠な要素ではありますが、

いつまでもこのような状況が続くのはたとえ軟骨基質そのものが損傷していなくても、

軟骨基質にとっては非常に不都合でダメージを与え軟骨基質の喪失につながります。

軟骨基質そのものの損傷あるいは疾患の場合はより深刻な状況ですね。

また何度もこのような状況に陥るのは軟骨基質にますます大きなダメージを与え、

やがては軟骨基質の破壊、しいては関節の変形、機能低下につながっていきます。

関節液はクリーンな通常の状態が一番なのです。


この関節液を注射器で抜き取る行為を穿刺と呼んでいます。

穿刺には関節穿刺、脊椎穿刺、腹水穿刺、静脈穿刺などがありますが、

ここでは関節穿刺についてです。

みなさんも膝関節が腫れて痛みを我慢できなくなって穿刺された場合もあるでしょう。

よく水を抜く(関節穿刺)とクセになるいって心配される方がおられます。

確かに何度も何度も関節穿刺をすることは感心しません。

何度も穿刺しなければならないのは関節周囲の炎症などが残存していたり、

損傷が続いていたり、また新たに損傷すれば関節液は増える一方です。

穿刺した後の処置が重要です。


しかし、パンパンに腫れた関節の場合は穿刺は一つの有効手段になります。

関節穿刺をむやみに拒否することは感心しません。

関節穿刺を何回も漫然と続けることも感心しません。


穿刺の目的が分かればその点の分別が理解できると思います。

私たちは直接関節穿刺はできませんので、以下の2点は必ず聞きます。

 関節液はどのような状態でしたか?

 関節液を検査する必要があると言われましたか?

長くなりましたので、次回に譲ります。







touyou8syok9 at 19:33│Comments(0)TrackBack(0) 関節軟骨の損傷 | 関節穿刺

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