2011年04月14日

肩関節(82)

肩関節

○小胸筋

 小胸筋と鳥口上腕靭帯と腱板疎部

前回からの続きです。


腱板疎部損傷には二つのタイプ、拘縮型と不安定型があります。


○拘縮型

肩関節の挙上、外旋制限、疼痛、腱板疎部の圧痛。

肩峰下滑液包炎や上腕二頭筋腱炎などによって疼痛性の拘縮が起こりやすい。

鳥口上腕靭帯を中心とした腱板疎部における疎性結合組織の瘢痕化のために

肩関節の拘縮の病態の大きな原因となります。

このタイプは組織の瘢痕化が原因であるので理解し易やすく、これら組織の伸張性獲得が拘縮治療のポイントになります。


しかし、実際臨床においては、多くの場合は炎症による疼痛、瘢痕化などにより

関節包そのもの、あるいは補強している肩関節包靭帯も緊張あるいは委縮してしまっています。

特に関節包の前方にある上・中・下関節上腕靭帯の3つの靭帯は外旋・外転を制限する靭帯です。

加えて

烏口突起の基部で肩甲下筋の腱の下に存在する上・中関節上腕靭帯の間にあるWeitbrecht孔が閉鎖してしまい、

その結果

関節包と交通している肩甲下滑液包との間の滑液の交通が遮断され、関節内圧が高まり、

肩関節の疼痛性拘縮に拍車をかける状態に陥っている場合が多い。


その上・中・下関節上腕靭帯の上層を鳥口上腕靭帯が補強しています。



鳥口上腕靭帯あるいは上腕二頭筋腱の長頭腱は直接治療することは難しいですね。

また関節包そのもの関節包靭帯も直接的に治療することは難しいですね。


そこで、

小胸筋の伸長性を直接させる回復する事が出来れば、

鳥口上腕靭帯と共有している腱にも影響を与えたり関節包に入り込んだ上腕二頭筋長頭腱にも

影響を与えることができる。・・・・・と思っています。

当然その上層にある大胸筋も弛緩させなければ小胸筋に直接的な手技ができませんが

臨床家ならば各種の手技によって可能でしょう。


これだけでは不十分で次に腱板疎部は関節包を含んだ弱点部の関節包および関節包靭帯は、

主にストレッチにより伸長性を確保します。

小胸筋の緊張あるいは伸長性を回復させることにより、例えわずかでも鳥口上腕靭帯に影響をあたえた後に

手前味噌で恐縮ですが、触圧覚刺激法の肩関節(外転・伸展・屈曲・内旋・外旋)に対する手技は、

痛みなく無理なく肩関節周囲筋の弛緩でき加えて関節包および関節包靭帯に対しての

ストレッチも同時に行える非常にダイナミックな手技となっています。

したがって私は多いにこの手技を利用させていただいております。

当然その他の手技もあろうかと思います。

緩んだ関節包に対してをさらに肩関節モビライゼーション等を行うとさらに効果的です。



touyou8syok9 at 19:44│Comments(0)TrackBack(0) 肩関節 

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