2017年12月07日

腰痛(31)

腰痛症

特異的腰痛の問題

グローバル筋とローカル筋の基本をもう少しお話します。


グローバル筋は、胸郭と骨盤と各椎体に直接しています。

 多関節筋が多く、運動の力のモーメントが大きいので力限とし働く。

 関節に大きな早い動作をおこさせるモビライザー(mobilizer)としての役割を担なっている。

ローカル筋は椎体間の安定性を保ち、脊椎の分節的なアライメントを調節しています。

 関節の安定性を保つスタビライザー(stabilizer)としての役割を担っている。


スタビライザーとしての役割は関節近傍にある単関節筋が担うことが合理的。

まさしく、脊椎の椎体間を継いでいるローカル筋がその役目を担う。

モビライザーとしての役割は関節に大きな早い動作をおこさせるための多関節筋が

担うことが合理的。

まさしく、胸郭、骨盤、椎体を継いでいる長く大きな多関節筋である

グローバル筋がその役目を担う。


スタビライザーはモビライザーに先だって収縮し、関節を安定させたうえで

大きな動作をおこすことが合理的で理想的な運動ができます。


そこで、単純に腰痛を考えてみます。


 体幹の深部筋の安定機構が充分働かない場合には、脊柱に不安定性が生じ、

 その繰り返しによって椎間板障害や椎間関節障害がおこることは容易に予測できます。

 単純にローカル筋がスタビライザーとして機能しないためです。

 ※短い筋の小さい力の長期間繰り返されることによって生じる障害です。

  大きな力が一気に加わると一度でも障害がおこることもあるでしょう。

また、

 体幹深部筋がスタビライザーとして充分に機能しない場合(筋力不足あるいは

 収縮開始時期が遅れたりしたりする場合など)には、

 体幹浅層筋であるグローバル筋が脊柱の安定化を図るために働くことも予測される。

 その過剰な活動が繰り返すことによって、筋・筋膜性障害、筋付着部障害が生じる。

 ※大きい筋の大きい力による遠心性収縮の繰り返しによる障害になります。

  一気に大きな力によって一度で障害を引きおこしたりします。


ローカル筋は安定性つまり関節の制御あるいは姿勢保持

短い筋なのでそれ以外の機能の多様性はないようです。

ところが、グローバル筋は以上のように安定筋としても運動筋としても働くようです。



日常的におきる腰痛を広背筋、多列筋を例にして単純に説明

 グローバル筋の典型である広背筋

   起始:胸腰筋膜、下位4〜8胸椎、全腰椎・仙椎の棘突起、肩甲骨の下角、
       腸骨稜、下位3〜4肋骨
   付着:上腕骨の小結節稜

 ローカル筋の典型である多列筋

   半棘筋に被われた多数の小筋で、仙骨背面から第2頸椎にわたる
   個々の筋は横突起と棘突起との間の溝内にあり、上方へ3〜4椎骨を
   超えて斜めに走る。

   起始:仙骨後面、全腰椎の乳頭突起および副突起、
   第7〜第4頸椎の下関節から起こり、内側上方に向かう
   付着:軸椎以下の全ての椎骨の棘突起、その筋束は少なくとも3〜4椎骨をはさむ。


仮に物を取ろうとして上肢を前方に出しながら挙上し腰痛がおこるとすれば

腰痛のケース1

 広背筋の長いモーメントにより起始である仙椎・腰椎、腸骨稜に大きな力が加わります。

 ここで、ローカル筋である多列筋がスタビライザーとして正常に機能していれば、

 広背筋の起始部である、腰椎、仙椎、腸骨稜の筋・膜膜あるいは付着部に

 負担がかかり、慢性の腰痛が起こる。

 あるいは、大きな負荷が急激にかかれば、急性の筋筋膜、付着部障害の腰痛がおこる。

腰痛のケース2

 ローカル筋である多列筋が充分働かない場合には、脊柱に不安定性が生じ、

 その繰り返しによって椎間板障害や椎間関節障害が慢性的におしやすい。

 あるいは、大きな負荷が急激にかかれば、急性の椎間板障害や椎間関節障害をおこす。

 多列筋がスタビライザーとして機能しなければ、グローバル筋である広背筋に

 遠心性収縮が働き、広背筋の起始部である、腰椎、仙椎、腸骨稜の筋・膜膜あるいは

 付着部に障害を慢性的におこしやすい。

腰痛のケース3、

 グローバル筋の広背筋、ローカル筋の多列筋の両筋の機能低下の場合。

 スタビライザー、ボビライザーとしての機能が正常に行われないので、

 慢性的に椎間関節障害などに加え筋・筋膜・付着部障害もおこす。


この三つのケースが基本になり、様々なケースをおこすこととなります。

物を取り上げる動作と共に腰を屈曲した場合

次に、その腰屈曲位置から伸展する場合

あるいは

物を取り上げる動作と共に腰を斜めに屈曲した場合

更に腰を捻ったり等々様々な動作が加わっていきます。

腰周囲だけでなく、上肢帯、前腕、骨盤、下肢の動作も加わります

様々な動作には様々な筋肉が関わり複雑となります。

腰痛のケースも4,5,・・・・・・・・・・・・・・・と複雑になります。

日常的動作の軽い負荷の場合は慢性的の腰痛症に陥りやすいし、

大きな負荷に急激に襲われれば急性の腰痛症に陥りやすい。


その腰痛は椎間板が脱出しているためおこっている腰痛?

正しくもあり、正しくもない。




touyou8syok9 at 21:30│Comments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

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