2018年04月11日

腰痛(41)

特異的腰痛の問題

坐位における腰の負担は立位以上です。

体幹を安定させて上半身を支えるには腹腔内圧が充分に働く必要があります。

坐位においては立位以上に腹腔内圧が充分に働く必要性が生じます。

腹腔とは、上は横隔膜と下は骨盤、腹壁の前後を腹直筋、腹横筋、腹斜筋および

脊柱あるいは腸腰筋などで囲まれた楕円状の空間です。

この空間の内圧を高めるため上記の筋が充分に働く必要があります。


どうして個別の腹筋のエクササイズは難しいのでしょうか?


腹部の筋、筋膜をおおまかにのべてみます。(南山堂 日本人体解剖学より抜粋)

面白くないですが解剖の復習です。(整形の大部分の基礎は解剖学です)

知ってるようで知らない腹筋です。


腹部の筋

★前腹筋 

 1,腹直筋

    起始:第5〜7肋軟骨。、剣状突起、肋剣靱帯から下方にはしる。
    停止:恥骨結合前面、恥骨結節の上縁
    作用:胸郭の前壁を引き下げる。
        胸郭を固定すると、骨盤の前部を引き上げ同時に脊柱を曲げて
        腹圧を加える。

 2,錐体筋

    起始:恥骨上縁からおこり上方に走り次第に細くなる
    付着:腹直筋鞘、白線の下
    作用:白線を緊張し、腹直筋の作用を助ける。

★斜走筋 

 3,外腹斜筋

     起始:第5肋骨〜第12肋骨の外面からおこり、筋束はほぼ並行に走り
         腹直筋の外側縁に近いところで腱膜に移行する。
     付着:腸骨稜の外唇の前半、鼠径靱帯、白線
     作用:胸郭を引き下げ、脊柱を前方および同側に曲げる。
         胸郭を固定すると、骨盤を引き上げ腹圧を加える。

 4,内腹斜:外腹斜筋に被われ、筋線維の方向は外腹斜筋と逆に走る。

     起始:鼠径靱帯、腸骨稜の中間線、胸腰筋膜の深葉からおこり
         前方に向かって扇状に広がる
         大部分は下外側方から内側上方似向かい、腹直筋鞘の外縁の近くで
         腱膜となり、2枚に分かれて腹直筋鞘の、前葉・後葉に入る。
     付着:下位肋骨の下縁、腹直筋鞘、白線
     作用:外腹斜筋と同じ

 5,腹横筋:内腹斜筋に被われ、最も深い層をなす。

     起始:第6〜第12肋骨軟骨の内面、胸腰筋膜、腸骨稜の内唇、鼠径靱帯の外側
         から起こり、筋束は前方に横走する。
     付着:外側に向かって凸弓形をなす半月線を境として、腱膜に移行し、
         腹直筋鞘につく
     作用:下位6肋骨を下に引き、腹圧を高める


皆さんがよくご存じ?・・・・・の腹部の筋に共通する役割は簡単にまとめると?

 〇腹圧を加える作用

  これが最も重要で、体幹を安定させて上半身を支えるに必要不可欠。

  坐位においては、立位よりより更に充分な腹圧の必要性が生じます。

 〇胸郭あるいは肋骨を引き下げる。

 〇胸郭が固定した場合に脊柱を曲げる(屈曲)

  決して腰椎の屈曲ではなく、胸郭が骨盤の恥骨に近づきその結果脊柱が屈曲する。

 〇その他には、内臓を守る。内臓を安定させるなど。

 
再度、筋の起始と付着部を再度お読みください。

何か? 気づきませんか?

そこで先に進みます


腹筋の腱膜

1,白線

  左右に両側の縦横に走る腹筋腱膜の腱線維が前腹壁の正中線で合してできる。

  上方は剣状突起からおこり、下方に向かって広くなり、臍より下方に至ると、

  再び狭くなり、恥骨結合の上縁に付く。

2,腹直筋鞘

  外腹斜筋・内腹斜筋および腹横筋の腱あるいは腱膜は、腹直筋を鞘状に包む。

  腹直筋鞘は前葉と後葉からなる。

  弓状線の上方では外腹斜筋の腱膜は前面に、

  内腹斜筋の腱膜は腹直筋の外側で2葉になり、うち前葉は腹直筋の前面を被い

  後葉はその後面に、

  腹横筋の腱膜は後面に加わるので腹直筋鞘の前面と後面と強さは同様

  弓状線よりも下方では、3筋の腱膜は全て腹直筋の前面を被い、

  後面はわずかに横筋筋膜および腹膜に被われるのみで固有の後葉を持たない。

  ※弓状線:内腹斜筋の腱膜のうち、その後葉臍の下約5センチのところで凹む線をもって
         終わる所


腹部の筋膜

1,浅腹筋膜

   皮下にあり外腹斜筋と腹直筋との表面を被う筋膜

   臍より上方では薄く胸筋筋膜に連なる

   後方は胸腰筋膜に、内方は白線に、下方は鼠径靱帯


2,横筋筋膜

   腹横筋の内面を多う筋膜で上部は横隔膜の下部を被い横隔筋膜という

   後部は腰方形筋の内面にゆき、大・小腰筋を被う腰筋膜となる

   横筋膜の下方は腸骨稜および鼠径靱帯に付着する。


いかがでしょうか? 何か気づきました?

骨に筋の起始、付着がハッキリと固定しているのは腹直筋のみですね。

その他の筋は、起始は肋骨とハッキリしているのですが、付着がハッキリしない。

付着が常に動き移動する細くて長い紐のような形状の腱線維あるいは筋・筋膜なのです。

常にユラユラと動いている腱線維・筋・筋膜に付着するので、根無し草のような筋ですね。

この状態で個々の筋をエクササイズするのは非常に困難です。

筋の起始部、付着部が固定されてこそ筋の力が発揮できます。

片方がユラユラと移動すればいくらパワーを入れても力が伝達できない。

おへそを引っ込めた状態で腹筋を鍛えるというのは、逃げる付着部を減らしし

力を逃がさなくしてなるべく力を伝えるためなのですが。

お臍を引っ込めた状態にしても元々が伝える部位がへっこんだだけだけです。

つまりお臍を引っ込めた状態で、更に腹圧が充分に高まっていないと意味がないです。

この腹圧が重要なのですが、腹圧を高めるには腹筋が充分に働いていないと無理ですね。

つまり単に腹筋のエクササイズをしても無効に終わりやすい。

各部の腹筋を鍛えるのは確かに非常に難しいと思われます。


以上は、前部の腹筋ですね。

腹部の筋は後方にも上にもあります。次回に。




touyou8syok9 at 22:00│Comments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

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