2018年07月13日

腰痛(48)

特異的腰痛の問題

この辺で少し治療のお話を・・・・


一般的な方法として、

手術であれば、脱出したヘルニアの除去という手段

イキナリ病巣とされている腰部の深い部分を目標としています。

ところが手技療法となるとそうはいきません。

脱出したヘルニアを目標とはしません。 また出来ないし不可能でしょう。


治療には様々な手技方法がありますが、直接的、間接的手技であろうとも

一般的に治療の原則は、表層から徐々に深層へと向けられるのが常識です。

表層の異常、多くは緊張を緩めながら深層へと治療を進める。

表層が緩まなければ、深部を触れることも出来ません。

目的とする深さに存在する組織を触れるには、その上の表層部を処理する。

イキナリ深層部に直接的、間接的に手技を行うことはないでしょう。

料理の世界でも前処理がキチンとされて初めて本来の料理が可能なのです。


例として、ある目的とした筋を目標とした場合。

表層筋から深部筋と順次進めていきます。

背部の筋膜である浅背筋膜、胸腰筋膜が一つの目安になります。

この浅背筋膜、胸腰筋膜は頭にいれておくと臨床で役に立ちます。

 1,浅背筋膜、

   皮下に浅在する薄い線維膜で背部では僧帽筋、広背筋および胸腰筋膜の

   表面を被い、上端は後頭骨の最上項線に、下端は腸骨稜および仙骨の後面に、

   内側は全ての椎骨の棘突起および棘状靱帯につく。

 2,胸腰筋膜

   腰背部にある厚い強靱な筋膜で、浅葉、深葉からできている。

   浅葉(後葉)
     
     背筋の浅、深両層の間に張り、僧帽筋、広背筋および菱形筋の下

     脊柱起立筋の背側に位し、内側方はすべての椎骨の棘突起、棘状靱帯および

     正中仙骨稜に、外側方は肋骨角に、上端は上項線に、下端は腸骨稜および

     正中線骨稜および仙骨の後面につく。

     この筋膜の腰部は背筋の浅層がないので皮下にあらわれ、著しく厚くなって

     胸腰筋膜の腱樣部となる。

     健様部の上方の大部分は広背筋および下後鋸筋の、また下方は大殿筋の

     一部の起始となる。

     また、浅葉は脊柱起立筋の外側縁で深葉と癒着する。

  深葉(前葉):深胸腰筋膜または腰肋筋膜ともいう

     背筋の前面に位置し第12肋骨、全ての腰椎の肋骨突起および腸骨稜の間に張り、
 
     深背筋ことに脊柱起立筋と腰方形筋を隔てている。

     深背筋腰部の外側縁で浅葉と癒合しこれを鞘状につつみ、腹横筋、内腹斜筋の

     起始となっています。

 3,項筋膜

     胸腰筋膜の上方のつづきで、項部の諸筋うぃつつみ、内側は項靭帯らに結合するが

     外側は僧帽筋の外側縁から頚筋膜に移行する。


このように腰部の水平断面において胸腰筋膜の深葉が背部の筋と腹部の筋を分けていいます。

水平断面の高さで対応する筋は変化しますが腰部周囲の目安として

 背部においては

   浅背筋では、広背筋

   深背筋では、下後鋸筋

   棘背筋では、長背筋である脊柱起立筋(腸肋筋、最長筋)

           棘筋、多裂筋、回旋筋

           短背筋では、棘間筋、横突筋

 後腹筋は腹腔の後壁を形づくり、胸腰筋膜によって境される。


 腹部においては(前腹筋の表層から)

   腹直筋、錐体筋

   外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋、

   腹筋の腱膜:白線
           腹直筋鞘;外腹斜筋、内腹斜筋および腹横筋の腱あるいは腱膜は、
           腹直筋を鞘状に包んでいる。
    
   腹筋膜:浅腹筋膜は外腹斜筋と腹直筋の表面を被う
        臍より上は薄く胸筋筋膜に連なり
        後方は、胸腰筋膜に、内方は白線、下方は鼠径靱帯に結合する。

   腰方形筋

   腸骨筋、大腰筋(腸骨稜の内部、鼠径部の深部で触れることができる)

  後腹筋側から観察

   腰方形筋

   大腰筋(腸骨筋は骨盤内で触れることは出来ない)
 
   外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋

   腹直筋

意外と対応する筋は少ないですね。


大まかな、軟部組織の治療の順序としては

 1、皮膚→2、各筋の筋膜→3、筋→4、腱→5、骨膜→6、関節

この原則は治療に限ったことではありません。

エクササイズにおいても同じですね。

表層の筋のエクササイズは簡単です。

ところが、深層の筋のエクササイズは非常に難しい。

表層筋の影響を最大限除した状態で目的とする深層筋のエクササイズをおこなう。

これがコア筋のエクササイズを成功させるコツになります。


治療においても、表層筋の処理、処置をしないで、イキナリ深層筋の治療は、

まず出来ない。

無理に行えば・・・・・・・・・・、

無理を通せば道理が引っ込みます。


また、各種エクササイズのストレッチにせよ筋力強化にせよ注意すべきこと!!

緊張した筋、筋膜、関節、硬くなった筋、筋膜、関節をいくらエクササイズしても

無駄ですね。

それこそ無理を通せば道理が引っ込み、症状は悪化します。

緊張や短縮した筋、筋膜を緩め、その結果少し余裕が出来た関節を動かすコトです。

治療でこのような状態にしてからエクササイズしてください。

エクササイズするにも、前処理が必要ということです。

何の障害も無い、健康な人がエクササイズするのではありません。

障害をもった、何年も症状を持った人が、健康な人と同じエクササイズすれば、・・・・

結果は、火を見るより明らかですね。

まさに無理を通せば道理が引っ込み、結果は不良になります。


特異性腰痛である腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄症などでは深部の軟部組織が

ターゲットになるので、特に順序が必要になるのです。

故に、治療に時間がかかるのは自然の道理です。

1回の治療時間そして回復までの治療回数・期間も通常の腰痛症よりも長期を要します。

それが当たり前と思ってください。

患者サイドはもちろんですが治療サイドも「あせり」は禁物です。



touyou8syok9 at 12:00│Comments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

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