2018年09月20日

腰痛(53)

特異的腰痛の問題

今まで述べたことの繰り返しも多いですが確認の意味でも

腰椎椎間板ヘルニアの矛盾点

 <診断>

  MRIなどの画像診断によるヘルニア脱出による神経根の圧迫

  症状は二次的

  <診断に対する疑問>

  1995年に発表されたBoosらの論文では以下のように報告されています。

    「痛みのある椎間板ヘルニアの患者のグループ」と「腰痛のないグループ」において、
    それぞれの職業内容・年齢・性差・生活習慣などの条件を同一にしたうえで、MRIを比較した
    結果、
     腰痛のないグループの76%にヘルニアが見つかり、85%に椎間板の変性が認められた。
     正常な人たちの7割以上にヘルニアがある。

    この論文が出される以前にも、MRIによる腰痛群と無症状群を比較するという実験は
    複数の研究者らによって行われ、いずれの研究においても
    3〜8割の「無症状ヘルニア」や「無症状の変性椎間板」が見つかっている。

    結果、アメリカの腰痛ガイドラインでは、
 
     「変形性脊椎症が単なる退行性変化であるのと同じように、変性椎間板、椎間板ヘルニアも
      また単なる老化のサインに過ぎず、腰痛の原因としては見当違いの所見かもしれない」

    1998年、WittenburgらはEBMに則った比較試験を厳密に行うことで、

「MRI上のヘルニアと神経症状のあいだには関係がない」ことを証明し、
     MRIのみでは診断できないと結論付けています。

   以上のMRI診断における疑問的な事実がある。

  <症状に対する疑問>
    
    神経根が圧迫されることによって痛み、シビレが出現することは※神経生理学では
    まず考えられない

    支配神経の筋力低下、麻痺、触覚などの感覚低下、反射の低下はありえる。

    仮にヘルニア槐が神経根を圧迫する場合には、解剖学的位置から運動神経を圧迫する。
    
    神経根の圧迫が原因ならば症状の多くは筋力低下、運動麻痺から始まるのが妥当。

    本当に圧迫が原因ならばへ腰椎ヘルニアの全例に筋力低下、麻痺の運動障害がある。
    しかしながら、このような臨床例はまず皆無に等しい。
    
    ただし、
    運動障害の筋力の低下の存在する場合は、神経根の圧迫は十二分に考慮すべき。
    神経根の圧迫は、まず最初に運動低下、麻痺などの運動障害ありきです。

    ※疼痛や違和感などは、神経根の炎症(化学的受容器)ではおこりえるが、
      神経根の圧迫(物理的圧迫ではおこらない)
      知覚麻痺が現れるのは脊柱管レベルで馬尾神経そのものが圧迫されたとき。
      つまり馬尾症候群です。たとえばサドル麻痺(肛門会陰部の知覚消失)

  <ヘルニア槐を除去する手術に対する疑問>

    椎間板ヘルニアの長期予後は、画像診断や計測値に影響されない。

    椎間版ヘルニアで入院して保存療法が実施され、10年間以上経過した症例に対する

    追跡調査においても80%前後が良好な成績を得ている。

    入院時に手術を勧められた症例と勧められなかった症例との間に長期成績に

    差は認められない。
 
  
特異的腰痛である腰椎ヘルニア、腰部脊柱管狭窄において
  
 <MRIなどの画像診断で重要なのはむしろ馬尾型の腰部脊柱管狭窄>

   腰部脊柱管狭窄の自然経過は、神経障害式により異なる。

   神経根型はその大多数が単一神経根障害であり、自然寛解傾向を認める。

   神経根症状を呈する神経根型に対しては、保存療法が第1選択枝になる。

   これに対して、馬尾型と混合型が有する馬尾症状は、それ自体が重症である。

   保存療法による治療効果は、神経型と異なり、期待できない。

   1、神経根型:神経根が圧迫されるタイプ。

   2、馬尾型:脊柱管の中を通る神経の束である馬尾が圧迫されるタイプ。

   3、混合型:神経根と馬尾神経、両方の神経が圧迫される。

   2、3の馬尾型、混合型の場合には馬尾症候が現れます。

   脊柱管狭窄の内訳では神経根型70%混合型16%馬尾型14%。

   馬尾型の約30%が発症後5年内に最終的に手術に至るとのデーターがあります。

   従って脊柱管狭窄では、どの型かMRIの診断は非常に重要になります。

   それでも腰椎脊柱管狭と診断されても70〜80%の人は手術の必要は?

   最近は50歳以上の人には腰椎ヘルニアというより脊柱管狭窄と診断される人が

   多くなり心配されている人が非常に多い。

   混合型が増えてるのは確かでしょうが・・・・あまり心配されるのもどうかな?

   例え、脊柱管狭窄と診断されても神経根型なら腰椎椎間板ヘルニアと同様に扱って良いのでは?

<腰椎椎間板ヘルニアにおいても脊柱管狭窄においても症状で重要なのは馬尾型の症状>

    頻尿感、残尿感、尿閉、便秘、両脚の「しびれ」や「まひ」(痛みはない)、

    だるさ異常な勃起(男性)、会陰部に「ほてり」異常な感覚(女性)

    つまり、馬尾症候群の存在の有無

    これらの症状があれば、手術は仕方が無いですね。


いかがでしょうか?

特異的腰痛における疼痛は、ほぼ心配が無いですね。

<ポイント>

 筋力低下、運動麻痺などの運動障害があるか?ないか?

 まず、運動障害の存在ありきです。

 次に感覚の異常感も心配がアリマセンが、触覚、圧覚の感覚の低下があるか?ないか?

 神経根の圧迫によっては感覚の鈍麻(低下)は存在しますが、これも運動障害の存在ありきです。

 ただし、感覚の脱失は馬尾症候でありえます。

 むしろ症状に、疼痛が存在すれば・・・・・・・むしろ安心でしょう。

腰椎ヘルニアで重要なのは、神経根の圧迫による支配神経の障害である

 圧迫された神経根レベルでの 運動麻痺、筋力低下、反射の低下の運動障害

 感覚の低下、消失は神経根レベルの運動障害が必ず存在するという前提条件

 脊柱管狭窄では、馬尾障害の有無。


ただし、感覚の異常つまり殿部および下肢のシビレ、だるさは気なりますね。

そこで神経因性疼痛も考えられます。

ジンジン、ピリピリといういやな感覚ですね。最近宣伝にも多く使われています。

この神経因性疼痛は侵害受容器が出発点になります。

この侵害受容器には、機械的受容器、化学的受容器があります。

この受容器は様々な軟部組織に存在し機械的な圧迫、触覚、運動、振動、また炎症メディエ−ターと
呼ばれる化学的物質の侵害刺激に対して過敏に反応、興奮し、痛みを発生させます。

運動器疼痛の主たる原因は、この侵害受容器によるものです。

症例によって、神経因性疼痛と神経障害性疼痛が混在することがあります。

急性期の初期は機械的受容器、化学的受容器が反応して疼痛が起こるのは当然。

しかも、運動器疼痛の主たる原因は、この侵害受容器によるものが大多数なのです。

つまり、神経因性疼痛も日常の腰痛と何ら変わることはないのです。

日常の臨床で当たり前に遭遇しているお話です。


この神経因性疼痛のなかで、神経系が損傷されておこる病的な疼痛が、

神経障害性疼痛とよばれています。

この疾患のなかに複合性局所疼痛症候群(CRSP)のタイプ兇有ります。

複合性局所疼痛症候群(CRSP)のタイプ気録牲亰呂梁蚕はありませんでしたね。

前振りが長くなってしまいましたので、次回に。

できれば、前回のブログを再読していただければ・・・・。



touyou8syok9 at 22:00│Comments(0) 腰痛 | 特異的腰痛

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