関節はなぜ痛む?

2008年03月28日

関節はなぜ痛む?(13)

○自律神経の関与(特に交感神経)

前回の神経原性疼痛の分類でも少し述べています。

自律神経には交感神経と副交感神経があります。

交感神経は、
 昼間の神経といわれるように活動時に働き血管を収縮させ、脈拍を上げ、呼吸数も増え、
 仕事や勉強やスポーツなどに集中するための神経です。
 また白血球のなかの顆粒球を左右し交感神経が優位になりすぎると、顆粒球が増えます。
 この顆粒球は細菌などと闘かって役目をおわると活性酸素を出しながら死んでしまいます。
 つまり、顆粒球が増えすぎると、体内で活性酸素が増えすぎ、組織の破壊につながります。
 ケガや過剰刺激のストレス→交感神経→アドレナリンの放出→顆粒球

副交感神経は、
 夜の神経といわれるように、睡眠時や食事中に優位に働き、心身をリラックスさせ血管を拡張 させ、脈拍を下げ、呼吸数を減らし、消化を促進させます。
 また、白血球のなかのリンパ球を左右していますので、副交感神経があまりにも優位に働くと、
 免疫反応が過敏になり、抗原に過剰反応するアレルギー反応を引き起こしたりします。
 睡眠や笑いなどのリラックス→副交感神経→アセチルコリンの放出→リンパ球

交感神経と副交感神経のバランスが重要ですね。
 ちなみに、白血球の顆粒球とリンパ球との割合は60%対35%が良いといわれています。

さて本題の、疼痛に関しては、

健常者では交感神経活動時には疼痛は軽減されます。
 たとえば、スポーツや喧嘩などの最中は興奮しており交感神経が活発に活動して、その時は
 疼痛は抑制されています。 皆さんもよく経験するでしょう。
 また各種のストレスに反応するのも交感神経ですね。
 ストレスをもたらすものをストレッサーといい、生体に加えられる外部からの刺激、環境因子を
 ストレッサ−と呼んでいます。
 外界からストレッサーが加わると闘争あるいは逃走の態勢をとるために、筋肉が緊張し、
 血圧が上昇し、脈拍が増加し、血中の等分が増加します。
 つまり、
 ストレッサー→脳下垂体ACTHの放出→→副腎皮質から多量のコルチゾンの放出、同時に
 副腎髄質からアドレナリンの放出が増加し、ストレスと闘っているのです。
 これも交感神経が活動してくれているのです。
 ある意味で人間生きて活動するうえで身体を守ってくれる重要な役目を果たしているのです。

しかし、

●生体警告の役目を果たす急性痛では、交感神経優位になっている状態です。
 交感神経節末端からはノルアドレナリンという興奮物質が出ます。
 たとえば、スポーツでケガをした喧嘩で殴られてケガをした後は強く痛みが出現しますね。
 組織の損傷時の急性期は体性交感神経反射がおこります、
 交感神経優位に働き、腫脹、発汗、皮膚の色調の変化等がおこる。
 当然、痛みが強く出現します。急性時痛がおこります
 組織損傷→血管収縮→血管拡張→修復機転の促進→治癒。
 つまり、修復過程では絶対に必要なのです。
 「疼痛」が身体に無理するなという信号を送っているのですね。
 正常な交感神経弓です。
 末鞘からの疼痛→求心線維→脊椎シナプス→交感神経弓
 生理的な正常の交感神経の反射反応ですね。

ところが、自己強化回路が働き異常な反射がおこります。
いつまでも血管収縮が持続的に継続(交感神経刺激状態)すると、虚血性の疼痛がおこります

この異常な自己強化回路の状態がいつまでもつづくと、病的な交感神経性疼痛反射が
出来上がり阻血状態の疼痛が引き起こされます

この病的反射を反射性交感神経ジストロフイーといいます。

●交感神経依存性疼痛といいます。
 組織損傷→血管収縮→→→→→血管収縮の持続状態→→虚血状態の疼痛。
 さらに強度の交感神経刺激興奮状態におちいる、→血管収縮→→阻血(虚血)状態の疼痛
 病的な交感神経性疼痛反射を作り出す→→血管収縮の持続状態→→阻血状態の疼痛
 病的にはCRPSが有名です。(強度の交感神経刺激状態の継続による)
  カウザルギー・・・・神経損傷と関連性あり
  反射性交感神経ジストロフイー・・・・・神経損傷と関連性なし
  一般的には骨折などの後遺症や肩・手症候群や肩関節周囲炎や心筋梗塞、脳卒中、
  などにともなって発症するとされているとして反射性交感神経ジストロフィーが有名です。

また痛みの悪循環は、交感神経が深く関与しているとされています。

●交感神経優位は痛みの悪循環がおこる。
 組織の障害→感覚神経の興奮の持続→脊髄後角ニューロン侵害受容器の興奮→→
 痛みが出現します。 同時に
 交感神経節前ニューロンの興奮→→→→交感神経に伝わり→→血管収縮・発汗→→→
 虚血アジドーシス→→→→発痛物質の産出→→→感覚神経に伝わり→→
 感覚神経の興奮が持続され→→また脊髄後角ニューロン侵害受容器の興奮→→痛み

運動神経系においても同様に、
 組織の障害→感覚神経の興奮の持続→脊髄後角ニューロン侵害受容器の興奮→→
 痛みが出現します。 同時に
 脊髄前角ニューロンの興奮→→運動神経に伝わり→→筋スパズムや筋性防御による凝りなど →→代謝産物の蓄積→→発痛物質の産出→→感覚神経に伝わり→→
 感覚神経の興奮が持続され→→また脊髄後角ニューロン侵害受容器の興奮→→痛み
 
 理解しづらいかもわかりませんね。
 図式するといいのですが、未熟でできません。スイマセン。
 要は、交感神経優位がつづくと痛みが残ってしまうという事です。

●交感神経のアドレナリンやノルアドレナリンによって痛みの閾値が低下し、痛覚過敏がおこる。

●前回のべた慢性疼痛も交感神経の興奮時により痛みが増強します。


今回は説明が難しかったです。私の理解が足りないせいでしょう。

結論としては

疼痛に関しては交感神経優位の状態になっている場合が多いのです。
治療においては、交感神経優位を抑制し、副交感神経が機能する刺激の手技が有効です。
このような感覚刺激をトロフォトロピック系の刺激といいます。
当然治療においてはトロフォトロピック系の刺激の手技を使う事が安全で有効な手段です。

間違っても、強い刺激などの痛み刺激を与えることは禁止です。
強い刺激、痛み刺激は、ますます交感神経優位の状態を作り出す結果になります。
痛みが増悪するだけでなく、痛みの悪循環をつくります。
慢性疼痛を作りだす原因にもなります。

痛む箇所、傷害箇所、損傷部位はリラックスできるトロフォトロピック系の刺激で優しく、痛みなく
絶対に侵害刺激を与えないように治療しましょう。


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2008年03月26日

関節はなぜ痛む?(12)

○慢性疼痛

一般的な慢性病の痛みや病相としての慢性期の痛みとは少し違います。

痛みの種類で「慢性疼痛」という一つの種類があるという事です。

慢性疼痛とは?

<症状>
痛みは、ジンジン、ピリピリ、疼く、、焼けるように等と訴える。
痛む範囲は、ハッキリと限定できづらい。
疼痛への耐性は低下します。
症状は疼痛における交感神経優位性がみられないで、睡眠障害、神経過敏、いらいら、
疲労感、食欲不振などの訴える。
運動が減退。進むと社会生活から逸脱。
身体所見に見合わないほどの過剰な疼痛行動をとる。

急性期の疼痛の時期に、すでに慢性疼痛としての病態が見られる。

急性期でも慢性疼痛があり、当然慢性期においても慢性疼痛が存在するとされています。
このように慢性疼痛は単に受傷期→急性期→亜急性期→安定期→慢性期というような
病相における急性期の延長でない事がわかります。
また、慢性病とも違います。

<要因>

器質的、機能的、心理的の三つの要因が重複した病態が慢性疼痛とされています。

痛みの期間が長くなればなるほど、疼痛の発症や経過に心理的要因の占める比重が高くなる。

疼痛の持続時間が長いほど、痛みの原因にかかわらず神経症的傾向が強くなる。

1、器質的要因
 
  これは理解しやすいですね。

2、機能的要因
 
  今まで述べている様々な要因になりますね。

3、心理的要因
 
  急性期の痛みは、主には様々な刺激に対する反応をする事になります。
  しかし、急性期においても、治療側の医療ハラスメントのような何気ない一言や、
  疼痛に対する無知や痛みに対する執着心という注意固着などの心理的要因。
  また、神経原性疼痛の一部とも重複しているようです。
  慢性期の痛みは社会的要因(家族・職場・責任回避・訴訟など)によることが多く、
  長引けば長引くほど身体的な治療に反応しづらくなりコミュニケーションが必要になる。

どちらにしても整形外科的な考えと心療内科的な考えが必要になるわけです。
慢性疼痛が医療における各科にわたる領域であり症候群であるゆえになかなか厄介ですね。

なるだけ初期に疼痛を克服するというのが最良の道ですね。

あえて治すというのが無理ならば、痛みを克服する方法を知っておくべきでしょう。
 よけいな不安にとらわれないようにし痛みに対して客観的に対処できるようにする。


 ※神経原性疼痛の分類

  ○侵害受容器性疼痛
  ○末鞘神経原性症候
  ○中枢性原原性症候
  ○自律神経・運動神経系症候
    自律神経系(特に交感神経系)の急性期の体性交感神経反射(腫脹、発汗など)
    あるいは、持続的な病的交感神経性疼痛反射
    運動神経系の興奮による筋スパズムや筋性防御による疼痛
  ●情緒あるいは情動による影響
    神経系が影響され中枢神経系の伝道路を経由する痛みの経験(認知)の変化
    痛みに対する閾値の低下による疼痛



おまけ

精神科、心療内科、精神科、神経科、神経内科など
紛らわしいこれらの科目を、明確に「区別」することができますか?

○精神科、神経科、精神神経科
 主に、「心の病」を扱う科。
 いわゆる精神病(統合失調症、うつ病、躁鬱病など)を始め、ストレスによるノイローゼ、
 心身症、不眠症など
 現代医学では、通常、大脳・神経系における様々な検査(CT、MRI、脳血管撮影、脳波、
 SPECT[核医学検査の一つ]、筋電図、血液)に異常がなく、その他の神経学的診察に、、
 明らかな異常を認められない場合
 
○心療内科
 ストレスと関連する病気(心身症)を扱う。
 病気の発症過程に、心理・社会的 要素による「種々のストレス」が深く関与して生じる内科  的病気(胃潰瘍、ぜんそく、狭心症、高血圧症、過敏性大腸症候群など)を治療する。

 「精神科」などとの違いは、精神的な問題が、不安などの形で、症状が心理的な
 心の面に強く現れれば、「精神科の範疇」
であるが、
 動悸がしたり、 お腹の具合が悪くなったり(下痢、 腹痛など)、高血圧、ぜんそくなどの
 身体の方に強く症状が出れば、「心療内科の範疇」であるといわれています。

○神経内科
 神経系(大脳、小脳、脊髄、末梢神経、筋肉)に炎症、変性、腫瘍、血管障害、
 代謝、ホルモンなどの異常により、生ずる病気を扱う。
 病気としては、脳卒中(脳梗塞、脳出血、脳塞栓)、脳炎、てんかん、椎間板ヘルニアなどの  脊髄の障害、パーキンソン病、脳・脊髄腫瘍の診断、多発性筋炎、筋ジストロフィー症、
 多発性神経炎、等など

慢性疼痛において、心理的要因の占める割合が大きいと思えば、
痛みという身体症状が主訴になりますので、現実的には、内科を標榜していますが、
ストレスに関する病気である心身症を扱う「心療内科」が一般的に通院しやすいでしょう。





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2008年03月24日

関節はなぜ痛む?(11)

○緊張

筋はあらゆる反応にスグに行動できるようにできています。

随意筋の本来の役目である意識しての反応もあれば、
既に述べたように随意筋であるにもかかわらず無意識での反応する場合もあります。


今回の緊張というのは、例えば、

怒りなどの闘う反応、不安などから逃げる反応、不満や憤り等に対する反応
それらの反応を抑制されたりすると、
反応の受け皿がなくなってしまい、さまざまな筋が緊張します。

これらの緊張のため起こる緊張性の疼痛をいいます。

単にストレスによる疼痛と一言で片付けてしまうののは少し間違っているような気がします。
あくまでも抑制された結果のように思います。
整形外科のお医者様を含めて、我々の苦手な疼痛のように思います。

心と身体は一体であるという事実は理解しているにもかかわらず、
「あなたの疼痛は心の病です。」・・・・・・・という医者も少ないし、
「私の疼痛は心の病です。」・・・・・と理解して正面から向かう人も少ない。

皆さんも、臨床では気のせい?と一蹴されたりした経験はありませんか?
心以外の器質的原因を探そうとしているのは、医師や我々のような治療する側だけでなく、
皆さん自身にもあるようです。

原因のない結果はアリマセン。
それがたとえ仮病や欺症状であってもです。
多くの場合は、本当に疼痛が存在するのです。そして必ず原因が存在します。

それがもし、心の問題→筋緊張→疼痛であれば
治療の順序として、まずは筋緊張の除去をはかり→心の問題を見つけ→心の問題の解決
筋緊張の緩和の手段は様々にあります。
特別に難しくはないでしょう。
ただ多くの場合は筋緊張を緩めたこの時点で終わってしまいます。本当は次の段階が重要です
しかし、次の段階の心の治療がなかなか厄介ですね。

 身近で典型的な例を一つだけ
  交通事故の被害者と加害者と仲を取り持つ保険会社の担当員との関係
  こんなにわかりやすい例ばかりだったら問題はないのですが・・・・・・

治療する側は今後カウンセリングなども含め「心の問題」をいろいろ勉強する必要があります。


おまけ、

世間一般では、器質的な原因がわからないあるいは明確な原因がわからない場合は、
薬物治療においては、抗うつ剤や不安剤抗などの薬物のもつ筋弛緩作用を利用して、
疼痛を緩和させようとしたりします。

果たして、疼痛除去や筋弛緩を目的として、これらの薬物の長期使用はいかがでしょうか?

特にベンゾアゼピン系の薬物を長期に服用することは、いかがなものでしょうか?
長期使用は交通事故を増加させ、転倒や骨折、薬物依存、ADLの低下、認知障害の発生
に関連されているとされています。また薬物耐性ができやすいく服用量が増大する。
その使用が有効ではないとされています。
以上の理由により常用は避け頓服として服用すると即効性をいかせる。とされています。

何度もいいますが原因のない結果はありません。

疼痛の原因が、心の抑圧された反応の結果であるいう本の紹介。
サーノ博士のヒーリングバックペイン ジョン・サーノ著 長谷川淳史監訳浅田仁子訳 春秋社
腰痛は<怒り>である 長谷川淳史著 春秋社
この著書の中で、TMS(緊張性筋炎症候群)と呼ばれている理論があります。
ストレスのない社会なんてアリマセンので疼痛のほとんど全てがストレスの抑制による結果のように述べられると思わず反論したくもなります。
だってストレスに反応しない人間なんて皆無だし、ストレスは必要な場合も多いのも事実です。
また、現在の痛みに対する医療の矛盾点も多く書かれています。正しくもあり、ウーン??。
偏りすぎた理論であるようにも思えますが?
この理論を肯定するか、否定するかは別問題として、

しかし今回のテ−マである、緊張に当てはめると納得する部分も多くみられます。
少なくとも痛みの臨床の場面では有益になると思われます。
患者さんの心と向き合い、患者さんも自身の心と向き合うきっかけになれると思います。

我々のように手技などに頼りがちな治療者が不足な部分を補ってくれる考え方です。

もし、TMSに興味のある方は、一度お読みになればいかがでしょうか。


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2008年03月14日

関節はなぜ痛む?(勝

前回は、関節の機能異常の関節可動域制限について

今回は、関節の機能異常の過可動性について

原因
 靭帯の弛緩
 関節支持組織の過可動性
 筋の弱化や筋のコントロールの障害など

たとえば、足関節の捻挫の外傷などの後遺症による足関節の過可動性や不安定による
動揺性の足関節などは典型例でしょう。

臨床的に多いのは、特定の関節に可動域制限があり、その代償として近接関節が
過可動性を呈し、機能異常を起こした代償関節に疼痛を発生する場合が非常に多い。

そして見逃しやすく意外と多く遭遇するのは、過可動性の関節は、可動域制限の関節の
隣接関節だけではなく、思いもよらない遠位の関節に存在し疼痛を訴える場合があります。

<オーバーストレッチとオーバーコントラクションの原理>
 軸となる関節が運動単位として正常ならば、遠位の関節は動かなくて良い。
 しかし、
 軸となる関節が運動単位として可動域制限がある場合には、目的動作を遂行するために、
 次の関節が代償的に運動単位として働く。このとき、代償関節の周囲の筋は、
 オーバーストレッチされる筋とオーバーコントラクシションされる筋の関係が必ず生じます。
 その結果、オーバーストレッチされる筋周囲に傷害を起こしやすくなります。
 このような連鎖で軸となる関節に連結する第二関節や第三関節の遠位の関節の周囲筋ほど
 オーバーストレッチとオーバーコントラクションの程度が大きくなり、傷害はより大きくなり易く、
 オーバーストレッチされる筋に傷害を起こしやすくなります。
 
○臨床ではこのようなオーバーストレッチとオーバーコントラクションの原理により、
  何かの目的の動作をするとき、近位の関節に可動域制限がある場合は、
  遠位関節程、その目的遂行のために代償運動を余儀なくされる。
  このときオーバーストレッチを強要される筋に傷害が発生し関節に疼痛を生じる。
  その結果、思いもよらない遠位の代償関節に疼痛が発生します。

体幹関節を中心とした上肢の円運動を考えると、末鞘関節になるほど代償角度が大きくなる

たとえば、
股→仙腸→腰仙→腰椎→胸椎→肋椎→肩甲→肩→肘→手→指

あるいは、体幹を中心に下肢の運動を考えれば、この逆で
肋椎→胸椎→腰椎→腰仙→仙腸→股→膝→足→趾などと様々なパターンが考えられます。

始まりの可動域制限は、どこの関節でもいいわけですね。
各関節の安定性、異常可動性は充分に観察する必要があります。
単純に痛む関節だけを診ていてはダメなのです。


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2008年03月12日

関節はなぜ痛む?(宗

筋ー筋膜性の機能異常と疼痛のほかにも関節機能異常の痛みがあります。

臨床では、特別に分ける必要はないと思います。
筋筋膜の機能異常が→関節機能異常にあるいは、関節機能異常が→筋筋膜の機能異常に
進行したりするので、その場その時で使い分けたり、あるいは平行に治療する必要があります。


関節の機能異常とは、
 正常な関節可動域よりも減少する場合→関節可動域の制限。
 あるいは増加している場合があります→関節の過可動性、不安定性動揺関節。
 稀には正常運動から逸脱している場合もあります。

原因は、
拘縮、腫脹、靭帯の弛緩、関節支持組織の低可動性、筋の弱化などがあります。

今回は最も多い。

1、関節可動域の制限について
  
関節の可動域制限は拘縮と強直に分類されています。

筋不全のところで少し述べていますが、今回はもう少し詳しく

<拘縮>
関節包外の筋、靭帯、神経、血管皮膚、皮下組織、皮膚の軟部組織の変化により起こる
運動障害です。

拘縮の分類

 ○皮膚性拘縮
  皮膚の火傷、創傷、炎症などによる瘢痕拘縮による。
 
 ○結合性拘縮
  皮下軟部組織、靭帯、腱などの結合組織の収縮による。

 ○筋性拘縮
  筋の短縮、萎縮による。
  長期間の関節固定による拘縮。筋疾患、損傷の後の瘢痕形成による拘縮など

 ○神経性拘縮
  反射性拘縮:疼痛を回避するために反射性逃避性に肢位をとる。
  痙性拘縮:中枢神経の疾患、損傷により、痙性麻痺をきたし、筋緊張亢進のため起きる。
  弛緩性麻痺性拘縮:脊髄、末梢神経の損傷、疾病によって弛緩性麻痺をきたし、拘縮を
               おこす。

 ○関節性拘縮
  関節構成体軟部組織、滑膜、関節包、靭帯などが炎症損傷によって収縮

このように拘縮には、さまざまな拘縮の種類があります。

どのようなタイプの拘縮であっても、第一次的な拘縮の原因は関節の不動化が原因となります。
関節の不動を予防することが治療の第一歩になるわけです。
次は、すでにおこってしまった拘縮の改善になるわけですね。

<強直>
関節端、関節軟骨、関節包、靭帯などの関節構成体そのものの変化によっておこる運動障害
その外にも関節包内において、関節軟骨、骨、関節内靭帯など組織の変化による運動障害。
また、、関節相対面の癒着により他動的に関節が動かなくなった状態を示している。
癒着は癒合組織の種類により、線維性癒着、軟骨性癒着、骨性癒着に分類される。
運動性の残存により完全硬直と不完全硬直とも区別されています。
関節可動域の改善は当然期待できないし、可動域訓練は有害ともされています。



病相は急性期→亜急性期→安定期と進みます。
安定期とは、
一般的には亜急性期から慢性期と分類されていますが、
臨床的に安定期という病相を付け加えると理解しやすいと思います。
安定期とは症状が安定し、ある程度のストレスにも耐えることができ損傷が起こりにくい時期です
各種の手技が可能で評価し易い時期でもあります。
痛みの筋性防御が少なくなっており積極的な手技療法や運動療法がこの時期。
今回の関節の不動の予防などは亜急性期から、既に起こってい待った拘縮などの関節可動域訓練などはこの安定期から積極的に実施していきます。
そして次の慢性期に移っていくわけですね。

関節の疼痛や機能異常の原因、病相等を評価鑑別することは重要です。


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2008年03月10日

関節はなぜ痛む?(次

筋のバランスが狂ってしまう。

よくバランスが狂ってしまうという事をお聞きします。
脚のバランス。 腰のバランス。 肩のバランス。 脊柱のバランス等など
栄養のバランス。心のバランス。などもとっても重要ですね。
東洋医学などでも偏らない状態を「中庸」とも表現されています。
世間でもバランス調整法などとよく見聞されますね。
どういう事でしょう?

今回は、筋の構造、機能異常に関係し、やはり疼痛や運動制限を招く原因となる、
筋のバランスについて、少しお話してみます。

筋の弱化と短縮しますと筋不全のところでも少し述べていますが、
筋の性質として、弱化しやすい筋と短縮し易い筋があります。
つまり、筋のバランスが乱れやすい。狂いやすい。という結果をひきおこします。

姿勢筋は筋の短縮傾向にあり、相動筋は筋の弱化の傾向にあります。
筋の構造、機能異常に関係し、やはり疼痛や運動制限を招きます。

相動筋、姿勢筋とは?

相動筋に対して姿勢筋
これらは、筋の損傷や物理的ストレスに対する筋の反応により分類されている。

○姿勢筋
  ストレスを受けると緊張・短縮する特性がある筋
  相動筋より筋力は強く主に多関節筋です。
  脊柱起立筋、腰方形筋、大腰筋、後脛骨筋、ハムストリングス、小胸筋など

○相動筋
  活動的な筋肉を指し、ストレスを受けると緩・弱化し筋力低下を招く筋。
  筋力は姿勢筋に対して弱い傾向にあり、正常な状況より緩んだ状態にある。
  腹直筋、腹斜筋、大臀筋、中臀筋、大腿四頭筋、前脛骨筋など

姿勢の異常にとっても重要で
 腰痛などの原因だけでなく肩関節、膝関節の機能異常や様々な疼痛をひきおこします。
 姿勢による上部交叉症候群、下部交叉症候群などは代表でしょう。

良く似た言葉に、相性筋、緊張筋があります。

相性筋に対して緊張筋
随意筋としての骨格筋を相性筋と緊張筋と分類する。
どのような状態でも姿勢をたもつのが緊張筋で、それに動きを与えるのが相性筋

○相性筋
   収縮速度が大きく持続性が低い筋。 白筋繊維が多い。
   動的運動が主体。 早い運動、すばやい運動が主体。
   随意筋で大脳によりコントロールされ機能が発揮される。

○緊張筋
   収縮速度が小さく持続性が高い筋。 赤筋繊維が多い。 
   静的な状況での安定を保つ。正確性と緻密性の運動が主体。姿勢を保つ役目の筋。
   随意筋だが脊髄反射により自動的にコントロールされている。
   脳細胞の老化を防ぐための情報を送るとされている。

相性筋と緊張筋が上手に組み合わさっていろいろな動作が可能になるのですね。
歩行するにしても相性筋と緊張筋がうまくバランスを取り合いながら歩行できるのです。
インナーマッスルとアウターマッスルの協調性もこの関係が非常に重要になります。
特別な意識なしで動く筋と意識して動かす筋の協調性ですね。
協調性が狂うと、関節などの軌道が狂ってしまい、スムーズな関節運ができなくなり、
関節自体が壊れてしまう原因になる。
当然、運動連鎖により周囲の関節、筋のバランスが崩れてしまい、様々機能異常、疼痛を
ひきおこしていく。


抗重力筋とは?
   重力に対して常に抵抗している筋肉で直立した姿勢を保つための筋をさします。
   基本的に直立するための筋です。
   緊張筋と重複しますが少し趣が違いますね。
   年齢と共に衰えやすい筋とされています。
   脊柱起立筋、大臀筋、下腿三頭筋、腹筋、大腿四頭筋、広背筋、僧帽筋など

年齢と共に弱化していくので、厄介ですね。

このように、筋のバランスは重要です。

治療の原点は筋膜ー筋のをお読みくださば理解できると思います。
筋の弱化にはどうしても皆さん自身の自発的な筋強化が必要になります。
筋短縮には筋膜に対する手技などの治療する側の他力的な施術が必要です。
皆さんと治療する側の人間との協力が必要になります。




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2008年03月07日

関節はなぜ痛む?(察

筋ー筋膜性機能異常と疼痛の原因になる筋スパズム、筋不全について述べました。

今回も日常よく遭遇する、

○筋硬結

筋硬結とは?

文字通りに筋ー筋膜に硬い「しこり」が、肉眼でも触診でも触れることができます。

○索状硬結
 筋の短縮と関係がある骨格筋ー筋膜に触れるとピンと張ったロープ状の「しこり」。
 組織学的には結合組織内に浮腫と血小板凝集が見られる筋繊維炎を認められます。
 ここを圧迫すると痛みが生じると同時に、そこから離れた部位にも持続的な痛みがでます。
 この痛みを関連痛といい、過敏になると交感神経症状がおこります。
 このような索上硬結内の圧痛点を、筋ー筋膜性トリガーポイントと呼んでいます。
 トリガーポイント=発痛点という意味です。

このような状態は、臨床では日常的にみられます。特別珍しくはアリマセン。
圧痛、関連痛や筋ー筋膜性のトリガーポイントが原因となって疼痛を生ずる症候群を、
一般的に、筋筋膜性症候群(MPS)として呼ばれています。

<痛みの原因>
 ○急性あるいは反復性ストレス、筋肉の使いすぎにより帯状の「しこり」が存在します。
  
 ○筋の緊張が高まる。→機械的痛覚受容器が分布する筋ー筋膜に無理な力が加る。→
  痛む。

 ○筋収縮のため血管が圧迫されると、筋肉への血流の障害が加わり、ブラジキニンやプロスタグランジンなどが産出され化学的受容器が刺激され一層痛みます。

 ○痛みによって交感神経が働き血管が収縮し筋への血流障害がますます強くなり虚血する。
  虚血になれば持続性収縮(スパズム)は強い痛みを発しさらに反射性スパズムを引き起こし、
  ますます交感神経活動が優位に働く。
  筋スパズムが長期感続くと、悪循環で筋自体の痛みの原因となってしまいます。
  虚血がつづけば筋組織が損傷しさらなる筋硬結が生じてしまいます。
  筋スパズムと筋硬結は一心同体的な部分があります。
 
 ○筋肉の収縮が強まり攣縮に移行するとなおいっそう痛みます。
 
<症状>
 ○画像診断、病理検査、血液検査で、異常所見が見当たりませんが、痛みを訴えます。
  亜急性または慢性に圧痛と関連痛を訴えます。
 
 ○急に筋肉を動かしたり、寒さにあったり、情動不安定に陥ったり、トリガーポイントを持つ
  筋肉痛の緊張亢進が持続する機械的受容器の痛覚線維が興奮して反射性筋収縮と
  血管収縮による反射性筋肉痛が加わる。
  交感神経優位性による痛みの症状が強くなります。

 ○痛み以外の症状としては、筋の短縮、筋力低下、関節可動域の減少などがおきる。
 
 ○回復期に入ると、筋筋膜痛症候群の発痛点の自発痛はなくなるが、数年間潜在性
  トリガーポイントとして残ってしまい、トリガーポイントを圧迫すると関連痛が現れ、
  筋筋膜症候群の自覚症状として残る。
  亜急性期→安定期→慢性期と移行しても自覚症状として残ってしまう場合もあります。

<筋筋膜性症候群(MPS)の診断基準>
 ○必須事項
  筋に触れられれば索状硬結を触診できる。
  索状硬結内に鋭敏な圧痛点が存在する。
  患者の痛みの愁訴は、硬結内の圧痛部位(活性型トリガーポイントと同定される部位)を 
  圧迫したときに認知される。
  受動的にストレッチさせようとしても、痛みのために可動域制限がかかる。
 ○確認すべき観察事項
   局所単収縮反応を肉眼的あるいは触診で同定する。
   圧痛点に針を刺入すると単収縮が生じる。
   圧痛点を圧迫すると、筋肉内のトリガーポイントから予測できる部位に、痛みあるいは
   患者が感じていた感覚が再現される。




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2008年03月05日

関節はなぜ痛む?(此

神経骨格筋の機能異常の中でも筋膜ー筋性の疼痛が非常に多い。
前回は筋スパズムに述べました。

今回は

○筋不全について

皆さんは、筋不全にどのようなイメージをもたれますか?
重篤な筋ー筋膜の異常と思われましたか?

筋不全とは?

筋は収縮と弛緩を繰り返す事が主な作用です。
収縮機能の低下→筋力低下
弛緩機能の低下→筋の柔軟性が失われ硬直してしまう。→筋ー筋膜の短縮
このように、筋力の低下や筋ー筋膜が硬くなってしまった状態を筋不全といいます。
日常の臨床で多く遭遇されます。

筋不全になる理由

1、長期にわたって同一肢位に固定される。
  骨折などの場合2関節に渡って固定されますので極端に現れますね。
  拘縮あるいは、筋力低下、筋の短縮がおこります。
  手術などの場合は筋の永久的な短縮もおこりますね。
  
2、疼痛性肢位(逃避性肢位)
  疼痛を避けようとする肢位を続けているとおこります。

3、習慣性肢位(適合性肢位)
  慢性化化している痛みや関節可動域の減少によく見られます。

4、その他
  脳梗塞などの脳血管障害の後遺症等など

筋不全はこのようにおこるのですが、
当然、筋不全におちいった筋ー筋膜の疼痛や機能不全だけでなく、その周囲に関連する
関節の疼痛や可動域の減少、関節運動も制限されます。
その結果、関節の拘縮や廃用性萎縮などにもつながっていくのですね。
そこまで進行しなくても、日常的な疼痛は、
弱体した筋に過剰な力や負荷が加われば、当然痛みを引き起こします。
硬くなった、短縮した筋ー筋膜が過剰に伸ばされれば、当然痛みを引き起こします。
そして、また更なる損傷を引き起こし、痛みや各種の障害を引きおこします。
痛みの悪循環ですね。ますます悪化し、慢性化への道を進むわけです。


さて、
急性期の症状の痛みなどの進行が落ち着くと次に亜急性期に入ります
亜急性期には痛みや炎症などの病進行がとまり治癒に向かおうとする転機の時期です。
このときも、重要なことは、焦ってせっかく治癒する過程を防ぎ、また急性期に戻さない事です。

焦ってまた再発あるいは悪化させてしまった。という経験はありませんか?
痛みがすこし楽になった状態ですね。
損傷の程度が軽ければ、そのまま治癒にまっしぐらに進むのでしょうが、
何度も損傷している部位や関節はモチロン、慢性化して悪化を繰り返していたり、
年齢的に もともと脆弱化している関節などのばあいは充分な注意が必要です。

筋不全を予防しようとして、悪化をさせてはイケマセン。
亜急性期における最も重要なポイントです。
皆さんが症状が改善していたと感じられても、無理な運動や過剰な刺激は禁止です。

筋ー筋膜は、生理的に弛緩する機能があって始めて他動的に伸張できるのであり、
もし、筋ー筋膜が最初に充分に弛緩しなければ、伸張しても効果がなく、損傷を起こします。

また、
筋は収縮と弛緩作用が伴ってこそ筋力を発揮できます。
筋は最大弛緩されてこそ最大の筋力が発揮できます。
痛みを与えない治療などで筋ー筋膜を柔軟にし、関節の可動域を少しでも改善させてこそ、
トレーニングやエクササイズが有効になります。
侵害刺激である疼痛刺激を与えたり、、痛みをがまんしてのトレーニングやエクササイズは、
何の効果がないばかりか損傷や炎症を引き起こし、悪化の原因になります。

皆さんがご自分で安全に行う手段としては、
負荷をかけずに痛くない方向に、痛くない範囲で動かす。
あるいは損傷部位は動かさず隣接関節を動かす等など連動関節、筋連結を利用する。
損傷部位は必ずアイシングしながら動かす、また動かした後は必ずアイシングの実行が必要です
様々な方法はあります。
急性期と同じように大切に優しく、壊れ物を扱うようにしてください。

間違っても痛み刺激を与えてはイケマセン。
間違っても損傷部位に直接的な刺激を与えてはイケマセン。
他動的、自動的でも、痛みをこらえての無理やりの運動は絶対禁止。
注意してください。
間違っても急性期の状態に戻さないように。お願いします。

次に亜急性期が過ぎると安定期に入ります。

つづく



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2008年03月03日

関節はなぜ痛む?(后

われわれの臨床の対象となる神経筋骨格系の機能異常の関節の痛みにおいて、
一番多く遭遇するのが、筋ー筋膜性による疼痛でしょう。

まず筋スパズムによる痛み。

○筋スパズムとは?

単純な言葉の意味では、スパズムとは痙攣(ケイレン)の事です。
つまり、筋スパズムとは筋痙攣のことになります。
筋クランプによる不随的な局所の突発的な筋収縮による筋の痙攣です。

身体において筋スパズムがおこるのは疼痛刺激によるものが多く、
脊髄反射の求心反射作用により起こるとされている。
深部の痛み→持続性の筋収縮→反射的収縮深部の痛み→反射的収縮、
という悪循環をくりかえします。

痛みが先か?筋スパズムが先か? まるで鶏が先か?卵が先か?よくわからない?
実際なかなか定説はないのですが、
臨床的には、痛みの悪循環の一つとして理解すれば良いでしょう。

筋スパズムは捻挫や打撲、肉離れなどの明らかな外傷後はモチロン、ギックリ腰などのような
筋そのものにもおこるし筋膜の損傷によってもおこる。
また繰り返し動作等の障害により、その他の組織の損傷によってもおこります。

つまり急性に発症し、損傷によっておきる場合は、 運動を制限したり大変強い疼痛を伴い、
損傷した部分が敏感に反応して疼痛を発する。

あるいは損傷した局部の限局した部分が敏感ではなくても動かそうとすれば痛。

対処法としては、

外部からの侵害的な刺激を与えない。疼痛刺激を避ける。
つまり機械受容器をなるべく反応させないこと。
少なくとも安静にしていれば、一次的な鋭い強い疼痛は軽減します。

次に
鈍い疼くような疼痛や自発痛の原因となる、二次的におこる炎症反応による
化学的受容器をなるべく反応させない事。

受傷直後あるいは急性期の疼痛にするべきことは、
直ちに適切な位置に保ち、損傷の拡大を最小限度に抑える。
捻挫、打撲、肉離れ挫傷のような軟部組織の処置のRICEに従う。
Rest(安静)、Ice(氷冷)、Commpression(迫)、 Elevasion(高挙)に準じる。

このように受傷直後や急性期においては、
たとえ、内出血や腫脹や熱感などの症候が見当たらない、微細損傷であっても、
絶対に侵害刺激や温熱療法は避けるべきです。

急性期の疼痛の治療は、軟部組織の治癒過程を助けることを目的とします。
間違っても、局所を揉んだり、お風呂などで温めてはイケマセン。
たとえ、その時気持ちが良かっても、次の日はアウト。
急性の「寝違え」「ギックリ腰」でこの間違いがとっても多い。
次の日は全く痛みで首が回らない。首が疼く、腰が全く痛みで動かせない。腰が疼く。
こんな経験はありませんか?
もし、揉んで、温めて楽になった場合は、単純な疲労が原因だったのでしょう。
ラッキーでした。

だって、急性期の損傷部を揉んだら、ますます損傷部が広がるでしょう。
あなたは、損傷した傷口にわざわざ指をいれて傷口を広げますか?
あなたは、炎症を起こしているあるいは起こそうとしている部位をわざわざ温めますか?


このような理由でとにかく急に痛みが発生した場合は、RICEの処置に準じるのが無難です。

急性期が過ぎ→亜急性期→慢性化すると損傷組織は瘢痕治癒して、
筋スパズムや筋組織の短縮など筋膜ー筋などの機能異常がのこり、痛みの悪循環を生じる
原因となる。

つづく




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2008年02月04日

関節はなぜ痛む?(検

今回は、最もポピュラーな筋肉・筋膜の機能の異常による痛み。

私たち柔道整復師や鍼灸師が最も多く遭遇しまた対象としている疼痛でもあるでしょう。

実際に神経、筋、骨格系の機能異常のなかでも、筋肉・筋膜性の疼痛が最も多い。

筋肉、筋膜と、あ・え・て、「筋膜」をワザワザ加えている点。に注意してください。


様々なところでいろんな人が声を大にして次のように強調されています。

多くの痛みは、筋肉の緊張が原因です。

したがって、痛みには、筋肉の緊張を緩めればいいのです。・・・と、

確かに一般的にはわかりやすい表現です。

「関節の痛み」や「痛み」全体に係わる、大きな原因の一つです。

しかし、この表現は、誤解を生んでしまう可能性があります。

じゃあ、どんな場合でも、痛みのある緊張している筋肉を揉んだらいいのか?

緊張した筋肉を、直接ガンガン揉べばいいのか?


私のHPでも、このブログでも、皆さんには、

炎症がある場合は揉んではイケマセン。

痛みのある部分は直接揉んではイケマセン。決して強く揉んではイケマセン。と、

安易に、「揉む行為」には注意を呼びかけています。


理由は、「関節はなぜ痛む?」

 ○末鞘神経原性の疼痛
   末鞘神経の絞扼や圧迫
 ○侵害受容器による疼痛
   機械的受容器と化学的受容器の興奮

をお読みになれば、理解していただけるでしょう。


そして今回は、皆さんにもう一つの事実をお知らせします。

私たちの身体を構成している組織の痛みを含めた感受性を調べてみると、

 ●皮膚:表皮、真皮共に感受性は高い。

 ○皮下組織:あまり痛みを感じない。脂肪などは痛みを感じない。
 
 ●筋膜:感受性は高い。 →あえて今回、筋肉と分けています。
 
 ○筋肉:筋組織は、あまり痛みを感じない。 →これが筋肉と筋膜を分けた理由です。
 
 ●腱:痛みに対する感受性は非常に高い。
 
 ●靭帯:感受性は非常に高い。
 
 ●関節包・滑膜:感受性は高い。
 
 ○軟骨:感受性はない。 →すでに説明しましたね。
 
 ●骨膜:感受性は非常に高い。
 
 ○骨:骨組織は痛みを感じない。
 
 ○血管:鈍痛を感じる。


いかがでしょうか?

筋肉組織はあまり痛みを感じませんね。

全く痛みを感じないわけではありませんが、非常に感受性は低く、むしろ、

筋肉組織である骨格筋の働きは、収縮・弛緩などの運動を繰り返す作用で、身体各部の

関節運動に必要な力を提供することが主な作用です。


筋組織の筋繊維が、直接傷害を受ければ(化学的受容器の興奮や筋クランプ)により、
いくら感受性が低くても、痛みを発するのは当然ですが、

「関節の痛み」を含め、痛みは、「筋肉の緊張が原因だ。」・・・と一般に考えれれているのは

実は、・・・・・・・筋肉の組織そのものよりもむしろ、

感受性が高い、関節包や靭帯、筋肉と腱の移行部、筋膜を含めた筋肉以外が感じており、

感受性の低い、筋肉の組織自体はあまり関係していないということになります。


筋肉そのものを直接ゴリゴリ揉んだりしても、普通は筋繊維を傷つけるだけです。

急性の筋傷害をわざわざ作っているようなものですね。

もし、筋肉を主体に考えるならむしろ、 ターゲットは筋膜になりますね。


最近は、痛みや関節可動域制限に対する治療手技の流れは、昔のような、

強い破壊的な手技から、緩やかな手技へと変わりつつあります。


筋肉の筋繊維に直接、刺激をされている先生の名誉のために言っておきますが、
 深部マッサージの手技として、筋肉横断マッサージといって、癒着などをおこした場合に、
 筋繊維に対し直角に行い、結合組織の癒着をはがす手技などもあります。
 瘢痕化した組織などには欠かせない手技です。ケースバイケースで応用されています。

安易に「何でもかんでも筋肉に直接的な強い手技」を加えることは、注意!!
間違ったマッサージをしてはダメという警鐘ですのでご理解ください。


それでは、よく似ている筋肉と筋膜の違いとは?


つづく、


おまけ

筋クランプとは?

不随意的な局所の突発的な筋収縮のことです。

一般に筋肉の、「こむら返り」や「引きつり」と呼ばれています。

筋の収縮がおこり、その直後に激痛が発生します

ギックリ腰などで部分的に筋繊維が損傷したときに、急激な痛みがおこったり、

皆さんよくご存知の、ふくらはぎの「こむら返り」などは電解質が原因でおこったりします。

どちらも痛いですね。




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