仙腸関節

2009年01月16日

脊柱について(次

仙骨

前回は腰仙関関節でしたが、今回は仙腸関節について。

<仙腸関節>

 仙腸関節は仙骨と腸骨(寛骨の一部)で構成される関節です。
 仙骨の耳状面と腸骨の耳状面とが連結してできた関節です。
 耳状面は凸凹状のために仙腸関節の動きはわずかで限定されています。
 しかし出産時には可動性が増加します。
 本来の仙腸関節の動きの目的は出産といわれております。

 仙腸関節の動きは骨盤の「内転」と「外転」です。
 
「内転」とは
 仙骨の底(腰椎に近い方)が前下方に傾き仙骨先(尾骨の方)が後上方に傾く。
 つまり、恥骨結合は仙骨底に接近し、仙骨尖から離れます。
 腸骨の腸骨翼が内方に引き寄せられ、坐骨結節が外方に広がる。
 骨盤の出口の面積が増加し、骨盤の入り口の面積は減少します。
 胎児が骨盤出口を通過する出産最終期に起こるとされています。
 
「外転」とは
 恥骨結合は仙骨尖に接近して、仙骨底から離れる。
 腸骨翼は外方に広がり、両側の坐骨が接近します。
 骨盤出口は小さくなり、骨盤入り口が大きくなります。
 骨盤の外転では胎児が骨盤入り口を通過する出産初期に生じます。

このように仙腸関節自体の動きの本来の目的は出産になるのです。

わずかですが仙腸関節は、この凸凹状の耳状面同士のおかげで運動できるのです

つまり、

仙腸関節の開閉運動、寛骨の頭尾運動(仙腸関節)、仙骨の前傾・後傾運動が
たとえわずかですが可能という事実が理解できます。

この事実は治療に非常に重要です。


しかし、

皆さんが感じる仙骨の大きな動きは、やはり骨盤としての動きになりますね。
これもまた臨床では重要です。

それでは、骨盤としての運動を観察すればどうでしょうか?

仙腸関節は骨盤を構成する一部分になりますね。

骨盤は左右の寛骨(腸骨・坐骨・恥骨)と仙骨で構成されていましたね。
寛骨あるいは股関節部は左右対称に2つに分かれています。 

<骨盤と寛骨について>

寛骨の各部は、腸骨、坐骨、恥骨と呼ばれ、生まれた時は分離していますが成人までには癒合します。

 寛骨の前面
  左右の恥骨が恥骨結節で結合しますが、この関節には線維軟骨板が含まれ、ショックを吸収する椎体間の椎間板の役目を果たし、靭帯で補強されています。
 正常な関節の動きはわずかですが、出産時にはこの靭帯が緩み大きな動きが可能です。

 寛骨の側面
  腸骨・坐骨・恥骨の3つの骨の連結部に寛骨臼と呼ばれる深い軸受けが形成されます。
  この深い軸受けに大腿骨頭が面し、股関節を作っています。
  また坐骨と恥骨は閉鎖孔と呼ばれる大きな開口部の境界線を形成しています。

 寛骨の後面
  左右腸骨の耳状面と呼ばれる部位に仙骨がクサビのように入り込んでいます。
  仙腸関節の耳状面はわずかに凸凹状で連結しており靭帯と関節包で補強されています。
  この耳状面はわずかではありますが動くのです。
  そして仙骨と坐骨の坐骨棘とを仙結節靭帯が連結しています。
  この部位で仙腸関節が構成され骨盤を形成することになります

骨盤は身体上部の体重を受け、両側の大腿骨を通して下肢に分散します。
あるいは、下肢からのストレスを吸収する役目も果たしています。

前回の仙骨へのストレスと同じと考えても良いでしょう。

 ○腹部構成物の圧力
 ○仙骨上半分においては脊椎により伝達された体重による上下方向の垂直な圧力
 ○仙骨下半分においては、仙骨のシーソー運動に対抗する厚くて強靭な仙結節靭帯  (仙骨と坐骨を連結している靭帯)による前方への牽引力


仙腸関節は、あまり動かない関節ですが動くのですね。

腰椎と仙骨との関節である腰仙関節も椎間板を隔てていますが、結局は骨盤とかなり連動して動いています。

そのために、腰椎5番と仙骨の間にある椎間板は非常なストレスにさらされますね。

仙骨の運動は骨盤の運動の関連が重要になるのですね。





touyou8syok9 at 09:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)