腹部の筋

2009年02月13日

脊柱について(16)

脊柱について

胸椎と腰椎の屈筋は?

伸筋の拮抗筋としての屈筋は、腹部の筋と腸腰筋になります。

腹筋は有名なのですが、解剖学的にも機能的にも非常に複雑です。

腹部の筋は前腹筋と後腹筋と尾骨の筋に分類されています。

主に臨床で重要なのは

前腹筋の縦走筋の腹直筋と斜走筋の外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋と
後腹筋の腰方形筋です。

今回は、大まかに以上の筋を説明します。

腹筋は胸郭と骨盤すべての腹腔を被っています。

○腹直筋:腹腔前方と浅層に位置し、外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の停止腱膜から成る※腹直筋鞘を         含んでいます。
    腹直筋鞘には3〜4つの腱画が癒着しており筋が収縮すると横溝が観察できます。
    臍より上方に2個、臍の高さに1個、臍より下方に1個あります。
    いずれもその前面において著明に発達し腹直筋鞘と密着します。
    腹筋を鍛えるとできる横溝ですね。
    第5〜7肋軟骨、胸骨の剣状突起から恥骨結合と恥骨稜からのとに付着しています。
     
 主に体幹の屈曲を行いますが、骨盤の前方を引き上げます。
 胸郭の前壁を引き下げる。その他の腹筋とともに腹腔圧縮を補助します。

○外腹斜筋:第5〜12肋骨の外面から、斜め前下方に走り、腹直筋の外側縁で腱膜に移行し白線などに付着する。腹横筋と内腹斜筋に対して外側に走行しています。
    
 片方の外腹斜筋が収縮すると体幹の側屈と、脊柱と胸郭の反対側への回旋。
 両側の収縮では内腹斜筋と同様の腹腔の圧縮と体幹の屈曲の補助。
    
○内腹斜筋:腹横筋と外腹斜筋の間を走行しています。
      筋線維は外腹斜筋と逆に走ります。
      鼠径靭帯、腸骨稜の中間線、胸腰筋膜のし深葉から腹直筋鞘外縁の近くで腱膜になり、2枚に分かれて腹直筋鞘の前・後両葉に入る。

 片方の内腹斜筋が収縮すると体幹の側屈、同側の脊柱と胸郭が回旋します。
 両側の収縮では腹腔を圧縮して、体幹の屈曲を補助します

内腹斜筋と外腹斜筋はともに体幹の回旋と屈曲を行うのですが、実際問題として
たとえば腹筋のエクササイズとして体幹を屈曲しながら右回旋するとすれば、
右側の内腹斜筋と左側の外腹斜筋が収縮(エクササイズ)するようになっています。
 
○腹横筋:内腹斜筋に被われ最も深い層に存在します。
     鼠径靭帯の外方3分の1と腸骨稜、後方は胸腰筋膜、上方は第7〜12肋骨下面(横隔膜の筋線維と組み合う)
    水平に走行し、腹直筋鞘、前面の腱膜の縁(※白線)に集結します。

 腹圧を高める作用が主な作用です。
 腹をへこますようにすると腰椎の前弯を増強します。
 たとえば咳をする場合などにこの動きを感じることができます。

○腰方形筋:背部筋によく間違えられます。
     胸腰筋膜の前部にあり腹筋の一部です。
     長方形をなし、前部と後部があり、筋束は多様に錯綜しています。
     おもに腸骨稜後方から起こり、停止は第12肋骨と腰椎1〜5の肋骨突起
 
 骨盤を固定し、片方の腰方形筋が収縮すると、同側の胸郭と腰椎が側屈する。
 肋骨と脊柱を固定し、腰方形筋が収縮すると、同側の骨盤が上方に移動する。
 
 よく下肢の左右の長さが違いますが?・・と問われますが、
 多くはこの腰方形筋が原因ですね。
 股関節を説明する場合に、自分で改善できる方法を紹介いたします。

外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋ともに治療エクササイズとしては利用できるのですが
治療の手技として直接利用するのは非常に難しい。

腹筋の実地臨床上の手技の主体は、腹直筋と腰方形筋と腸腰筋になってしまいます。

なぜでしょうか?

外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の起始と停止をもう一度確認してください。
筋肉の起始と停止が骨と骨を連結している関節としての形態をなしていません。
起始の一部は骨なのですが起始・停止が筋膜や腱膜などのように宙ぶらりんの状態です。
根っこが存在しない根無し草のような状態です。
筋肉・筋膜に直接的な手技を加えようとしても受け流されてしまいます。
筋の働きや作用を利用した治療としてのエクササイズは有効なのですが、
直接な手技による治療ができない、あるいはあまり有効でない理由です。

腹部の筋として、手技の治療対象としては、腹直筋と腰方形筋と腸腰筋になります。

脊柱の屈筋機能としての腸腰筋は何度もお伝えしている筋ですね。
非常に重要な筋ですね。

長くなりましたので、次回にお話します。



腹筋の腱膜

※白線

左右両側の縦横に走る腹筋の腱膜の腱線維が前腹壁の正中線で合してでき、上方は剣状突起から起こり、下方に向かって広くなり臍より下方にいたると再び狭くなり、恥骨結合の上縁につきます。
臍部には、強靭な部位である臍輪が存在し、腹部の牽引力がこの部位に集中します。

※腹直筋鞘

外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の腱あるいは腱膜は腹直筋を鞘状につつんでいます。
腹直筋鞘の構成は前葉と後葉からなる。



touyou8syok9 at 12:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)