関節軟骨の構造

2009年12月21日

関節を知ろう(28)

関節軟骨

関節軟骨の損傷について、


○深層層と石灰化層(石灰化軟骨・軟骨下層)との境のtidemark。

 つまりこのラインは、

 関節軟骨と一定の波状を呈している石灰化層とのラインとなります。

 tidemarkは関節軟骨としての性質を区別する境界線として考えられています。


○石灰化軟骨(石灰下層)

 関節軟骨が骨に移行する手前の石灰層においては、軟骨細胞の周囲に石灰沈着がみられ、

 骨に同化していきます。

 コラーゲン線維内や線維間には、ハイドロキシアパタイト(骨や歯を構成する基本物質)
 が沈着しています。

 この石灰化層の手前のラインがtidemarkです。

 コラーゲン線維が垂直に石灰化層に埋めこまれた状態になっています。

 したがって、

 深層と石灰下層が関節運動によって剥離されないような緩衝機構になっています。

 せん断力に強い構造になっています。

 しかし、過剰のせん断力がtidemarkの部分に集中すれば、この部分で剥離することになります。

○軟骨下骨

 そして骨組織に移行します。

 加齢や変性とともに、石灰下層と骨が一体化し、骨髄からの血管進入もtidemarkにまでおよびます。

 tidemarkは加齢や変形性膝関節症などの軟骨の変性によって乱れたり二重、三重の構造をみせます。

 石灰化層の幅が厚くなったり、軟骨下からの血管新生がこの部分まで及んだりします。

石灰化軟骨や軟骨仮骨が損傷すれば、血管による栄養補給が可能になりますね。

栄養補給されれば修復されるのですが、これは関節軟骨の再生ではありませんね。

石灰化つまり骨の形成になりますね。様々な問題が生じます。



軟骨損傷は、

 最表層のせん断力をはじめとする力学的ストレスとともに、

 中間層におけるコラゲナーゼなどの分解酵素などの働きによる退行変性

 深層からtidemarkおよび石灰化層における力学的ストレスなどによる剥離

以上が絡み合って損傷していくのですね。





touyou8syok9 at 19:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年12月17日

関節を知ろう(27)

関節軟骨

関節軟骨の損傷について


浅層から中間層から深層へ、

 コラーゲン線維の太さは浅層では最も細く直径は約310Åです。

 関節面に平行に走る繊細な線維です。そして二次元的に横走します。

 さらに深くなると、斜め方向にも走行するようになります。

表層においては、せん断力による力学的ストレスによって最初に損傷を受けることになります。

この部分が損傷を受けることにより、軟骨実質の変性が急速に進行するとされています。

中層においては、コラーゲン線維は約300〜600Å

 深層においては、約400〜800Åと太さが増します。

 深くなるにつれて、周囲構造との接着も見られます。

 中層・深層においてはコラーゲン線維は網状構造で石灰化層近くになると

 コラーゲン線維はtidemarkに垂直に配列します。


一方のプロテオグリカンは、

 表層では少なく、中層・深層の軟骨細胞の周囲に多く含まれています。

 石灰化軟骨(石灰化層)では少なくなります。


○中間層

 関節軟骨全層の約四分の三を占めています。

 中間層の軟骨基質は不規則(縦横)に走っているコラーゲン線維網とプロテオグリカン、
 
 水分からなっています。

 したがって軟骨の粘断性は、おもにこの中間層の構造のおかげです。

 軟骨細胞の周囲はコラーゲン線維に囲まれて守られるように存在しています。

 軟骨の細胞成分の代謝の活性度は非常に高い。

 この部分の軟骨細胞の代謝活性の変化やプロテオグリカンの変性が、

 軟骨としての機能を失っていく原因になります。

 これらの退行変性は、軟骨細胞、滑膜細胞や好中球よりのたんぱく分解酵素の放出によります。

 これらのたんぱく分解酵素はコラーゲンを破壊するコラゲナーゼなどで変性・破壊
されます。

したがって、関節軟骨の損傷は、

  ★外力や筋収縮でおこる縦方向の力、およびひずみ

  ★軟骨に対する非生理的な力

  ★微細骨折をおこす軟骨下の骨に対する衝撃

  ★コラゲナーゼなどの分解酵素による変性・破壊などによって

 下層の石灰化層や骨へ、直接にエネルギーが伝わってしまいます。

○深層

 深層のコラーゲン線維は、この下層にある石灰軟骨に埋入していきます。

 この部分は下層にある硬い石灰化軟骨にしっかりと固着しています。

 したがって圧縮・せん断力にも耐えうるように太いコラーゲン線維が混入します。

 この部分の軟骨細胞の代謝活性は依然高い。

 この境目に、もしも、

 過剰のせん断力が働くと、この部分で離断されることになります。


深層と石灰化層の境目になるtidemarkは重要ですね。



touyou8syok9 at 21:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年12月14日

関節を知ろう(26)

関節軟骨

関節軟骨の損傷について


関節軟骨はせん断力に弱い。

基本的には前回述べたように、関節軟骨の損傷とは、ゆがんだコラーゲン線維の限度を超えるほどの

過剰な圧力およびせん断力が加わった際に、コラーゲン線維が切れた状態です。



どのようにして破壊されていくのでしょうか?


軟骨の表面から骨髄までを断片的に観察してみると、

 関節面から表層部分(輝板・浅層)→関節軟骨の実質(中間層と深層)→tidemark→

 石灰化軟骨(石灰化層)・軟骨下骨→骨髄に分類されていきます。


血管の進入は骨髄側から石灰化軟骨(石灰化層)・軟骨下骨およびtidemarkまでとされています。

関節軟骨は軟骨下骨へ達して終わる血管を介して浸漬作用で栄養を補給している

無血管性の組織です。



○輝板

 関節軟骨を形成するこの部分は無形質の部分と密な細い線維の部分からなります。
 
 関節の潤滑機構で述べたように、高分子のヒアルロン酸が付着して関節液の湿潤性や、

 線維の網目の多孔性を通じて関節液を出入れする役割を持っています。

 関節軟骨には血管がありませんので、

 関節軟骨の栄養は、ほとんどが関節腔側から受けとると考えられています。

 輝板は、この栄養路として働いています。

 一方、関節軟骨の実質が最も高い粘弾性を持っているのですが、

 この部分のプロテオグリカン、水分の平衡的な出し入れの際にも

 輝板は圧縮変形して力学的変形しながら半透過膜的な役目を果たすといわれています。

 輝板の機能はこのように、

 関節軟骨の潤滑や透過性に関与すると考えられているのです。

  
最表層の浅層

この部分は、関節面と並行に走るコラーゲン線維層とその中にある扁平な軟骨細胞を含む部分です。

 この部分が関節面に対する圧縮に強い最初に強い部分になります。

 軟骨構造を維持するための重要な役割を果たしています。

 通常は、この部分が力学的ストレスによって最初に損傷を受けることになります。

 この部分が損傷を受けることにより、軟骨実質の変性が急速に進行するとされています。



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