関節穿刺

2010年03月04日

関節を知ろう(45)

関節軟骨

関節損傷について

関節穿刺された関節液の外見が、血液、脂肪滴の存在がなく、白濁もなければ

骨折や滑膜の損傷や感染の疑いも一応除外できます。

通常の黄色透明色であれば一応心配はありません。


ではなぜ? 何度も関節穿刺する状況ができあがるのか?

あなたの関節運動が間違っている可能性が大です。


適切でない関節運動のために、知らず知らずのうちに関節を損傷しているのです。

あるいは変形性関節症などの基礎疾患をお持ちの方は、日常のわずかなせん断力の繰り返しで

損傷や炎症が引き起こされる可能性があります。

 微細な損傷や炎症が繰り返され、ジワジワと不必要な関節液がたまっていきます。

 その不要な関節液の量が、滑膜から吸収される関節液の量よりも多いのです。

 その結果、関節腔内に滑膜や軟骨基質に悪影響を与える関節液が多く貯蓄されるのです。

 それがまた軟骨基質を分解の促進につながるという悪循環に陥っているのです。


関節液を抜いた当日の入浴は禁止。

これは、お医者様から注意事項として聞いているはずです。

しかし、関節穿刺して、関節液に何も問題がなかったので、これで治療終了!!

・・・・・ではありません。

関節穿刺しからといって、炎症が収まったわけではありません。

治療しながらゆっくりと関節の状態が回復するまでは時間が必要です。


関節穿刺を実施するほど疼痛も強く、関節の腫脹も著しい状態であったにもかかわらず、

なぜだかは分かりませんが、関節穿刺すれば治療終了のケースが多いのです。


問題はその後の処置と治療ですね。

関節穿刺の処置後は、ジョーンズ包帯法で固定を実施してください。

簡単に方法をのべておきます。

 1、はじめにギプス下巻き用の綿包帯を巻きます。

 2、さらにその上に弾性包帯を巻きます。

 3、さらにその上に再度綿包帯、弾性包帯を巻きます。

簡単でしょう!!


家庭で行う場合は、ギプス下巻き用の綿包帯がないと思いますので、

患部を綿花で保護した上に普通の綿包帯を巻けばよいでしょう。

関節穿刺していただいた医院でジョーンズ包帯していただくのが最も良いのですが、

なぜだか分りませんが、実施されている医療機関は非常に少ないのが実情です。

関節穿刺の後、実施されなければ整骨院などで実施してもらってください。


以上の処置を必ず行ってください。

包帯の期間は、最低3日間〜3週間。

治療と並行して様子を観察しながら包帯の加減をします。

場合によっては、軽い包帯固定を3カ月程度必要な場合もあります。

特に、変形性関節症を基礎疾患として持っておられる場合は3か月間は欲しい。

同時に、アイシングなども必要です。

この辺の匙加減は、治療の際に関節および関節周囲を観察しつつ行う必要があります。

ジューンズ包帯の目的

 簡単な固定→関節の安静化。炎症の再発の防止

 簡単な圧迫→腫脹防止、浸出液の吸収促進。

アイシングの目的は疼痛の軽減。炎症の早期消失。


ジョーンズ包帯は圧迫、固定に非常に優れ、安全でしかも便利で簡単です。

ぜひ実施してください。


当たり前ですが治療と同時進行で行う。


次に大事なのが、適切で正しい関節運動を行うことです。



touyou8syok9 at 20:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2010年03月01日

関節を知ろう(44)

関節軟骨

関節損傷について、


関節穿刺の本来の目的。

 パンパンに腫れてしまった関節液を穿刺するのは、しかたがないですね。

 穿刺することが治療行為です。
 
 あるいは、2〜3日前まで何ともなかった関節が急速にパンパンに腫れれば、

 関節穿刺することも仕方がないですね。

 この場合は、治療行為も含めて、診断のためにも関節穿刺は仕方がないです。

 
重要なのはその後の治療を含めてケアーですね。

そのためにも、穿刺された関節液をよ〜〜〜〜く観察することが重要です。

あるいは、穿刺していただいたいお医者様に教えてもらってください。

関節穿刺をすれば、治療終了ではありません。


関節穿刺の診断行為としての目的

 1、関節液の外見の観察により、診断の補助。

 2、関節液の精検により、各種疾患の診断補助。

 3、レントゲン写真の明瞭化。

日常生活において、

穿刺後の治療あるいはケアーが悪ければ徐々に関節液がまた増大しますね。

その時に、もう一度穿刺するかしないか悩んだ場合は、

前回に穿刺された関節液をよ〜〜〜く思い出してください。

非常に参考になります。


穿刺された関節液を調べることで診断がより確かになります。

1、外見の観察

  正常関節液は無色透明でやや粘性を帯びています。

 ○炎症などによる水腫:通常の黄色透明で粘性は低下します。

  これらの場合はヒアルロン酸の低下や慢性疾患の外傷によるものです。

  一度穿刺すれば、再び急速に関節がパンパンに腫れることはめったにありません。

  何度も穿刺する人で、その都度この黄色透明ならば、穿刺後の治療およびケアーを

  見直すことが重要です。

  日常生活における損傷や炎症を起こさないように適切な正常な関節運動を行ってください。

 再度、関節穿刺の必要性が心配なのは主に以下の場合です。

 ○血腫や脂肪滴が見られる場合:骨折を疑う。

 ○混濁している場合(白血球のため):化膿性関節炎や偽痛風を疑う。

 ○リウマチなどでrice bodyとよばれる滑膜片をみとめる場合。


このように関節液の外見を観察することでもおよその推測ができるのです。

単純に関節液の外見からある程度の診断、判断が可能になります。

さらに詳しく診断しようとすれば、


2、顕微鏡視野での検査などの精検

 細菌や細胞、蛋白、ブドウ糖、結晶、微生物などを測定することにより、

 よりくわしく調べることで様々な疾病の判断として役立つます。

急性・慢性の感染性の疾患を疑う場合に比較的行われます。

通常は重篤な疾病を疑わない限りここまで調べることはめったにありません。


3、レントゲン写真の明瞭化。

  レントゲン撮影によって骨折の診断が明瞭になり容易になる。

  関節腔内に水腫が多いと不明瞭なレントゲン映像になります。

  ボッキと折れていれば、誰でも骨折はわかります。

  また大きな転移のある場合や、大きな骨折線があれば十分診断可能です。

  しかし、大きな転移や明瞭な骨折線がなく、

  骨皮質の連続性が断たれる場合あるいは、骨梁の乱れが存在すれば骨折です。

そのために、多量の関節液の穿刺はレントゲン像の診断に有益になります。

少量の関節液の場合は、当然ですが関節穿刺は行われません。


皆さんがよく心配されるように穿刺するとクセになるということはありません。

関節穿刺が数度続くのは、通常の場合ならば、

多くは関節内骨折、関節内の靭帯損傷の程度が大きい場合や感染の場合がほとんどです。

通常は、何回も穿刺するほど関節液が貯留することが、オカシイということになります。

いつまでも滑膜から関節液が吸収されずに、不要な関節液がジワジワと分泌している状態が

何カ月間も続き、ついに関節がパンパンに腫れ穿刺する状態は異常なのです。

そんな状態が何度も続き、穿刺した関節液が通常の黄色透明であれば、それ自体が

お・か・し・いのです。

ご再考ください。お願い申しあげます。



touyou8syok9 at 20:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2010年02月25日

関節を知ろう(43)

関節軟骨

関節損傷について、

関節損傷や様々な炎症により貯まった余分な関節液。

この関節液を注射器で抜き取ることを関節穿刺とよんでいます。



関節穿刺の本来の目的は一体何でしょう?

治療行為と診断行為に分けることができます。

治療行為としての目的

 1、痛みの軽減。

 2、治癒過程の促進

診断行為としての目的

 1、関節液の外見の観察により、原因の推測

 2、関節液の精検により、各種疾患の診断補助になる。


今回は、治療行為としての関節穿刺の役割

1、痛みの軽減

○穿刺することで、関節腔の内圧を低下させることになる。

 その結果、痛みが軽減します。

 痛みは、関節軟骨では感じないので、関節包の内層にある滑膜や周囲の神経が痛み

 を感じているのですね。

 神経は、圧力という物理的刺激や炎症物質という化学的物質によって刺激されます。

 その結果、運動痛は当たり前ですが、自発痛が引き起こされます。

 パンパンに腫れると特に自発痛が非常に強く、非常に苦痛です。

 関節の内容量は膝関節で最高100ccまでになるといわれています。

 パンパンに腫れた状態が急に通常の状態になれば、内圧は急速に下がります。

 穿刺、排液により除圧されますので疼痛は非常に軽減されます。

 また、同時に炎症物質も除去されます。

 しかし、炎症そのものが消失したわけではありません。

 炎症が治まるまで関節液は再び徐々に関節腔内に溜まってきます。

 通常では、炎症が少なかったり、徐々に収まれば、

 不必要な関節液は滑膜の毛細血管網に吸収されリンパ管から肝臓にいきます。

 そして、時間の経過とともに炎症も消失し関節包には正常の関節液になります。
  
 しかし、穿刺あとに再び関節液が増えるということは、

 関節液の吸収よりも炎症による関節液の分泌の量が大きいので、徐々にゆっくりではあるが、

 関節が腫れが大きく進行していくわけです。

 一瞬でパンパンに腫れる場合は、

 関節内骨折や関節内靭帯損傷や感染による損傷による炎症が多い。
  
 そういう場合は、すぐに穿刺してください。

 反対に少し程度の腫れによる関節液であれば、痛みの軽減という効果は少ないでしょう。

 また、感染というリスクを侵してまで無理に関節穿刺をする必要もないと思います。

 
 穿刺は一挙に関節液を体外に排泄する作用になります。

 滑液包からゆっくりと不要物質の吸収しリンパから吸収され体外に排出するスピードとは

 比較にならないほどの一挙の量の関節液の不要物質が体外に排泄されることになります。

 これは本当に楽になります。


2、治癒過程の促進

○関節腔内に存在する異常物質の除去に役立つ。

 異常物質とは?

 血腫、脂肪滴、骨片、軟骨片、滑膜片、細菌など
 
 また、炎症物質に刺激された関節基質や滑膜や周辺部の軟骨細胞や滑膜細胞などから

 出現した蛋白分解酵素、活性酸素や一酸化窒素などを強制的に除去することができます。


以上のように関節穿刺は治療としても有効な行為なのです。


これがむやみに関節穿刺を拒否してはいけない理由です。

特に、急速にパンパンに関節が腫れた場合は関節穿刺は必要です。

痛みの軽減、治癒の促進に必要不可欠な手段です。

ただし、

関節穿刺をおこなっても炎症が治まったのではありません。

関節穿刺後の治療およびケアーが重要です。


関節内骨折や関節内靭帯の断裂の場合や感染性疾患の場合などは、関節穿刺した

2、3日後にもう一度関節穿刺を行う場合もまれにありますが、

これは、損傷の程度がが非常に大きく不運あるいは不幸という非常に稀なケースです。
通常は一度の関節穿刺で十分な場合がほとんどです。

関節腔内は無菌状態なので穿刺には感染のリスクが必ず伴います。

また、関節穿刺の行為そのものが関節包の滑膜、線維膜に直接損傷を作っています。

何か重篤な損傷や疾患を疑わなければ、通常は何度も関節穿刺することはありません。

これが、漫然と何回も関節穿刺を続けいてはいけない理由です

どちらにしても関節穿刺は、窮余の策であり救急の処置ともいえます。


日常生活において、

穿刺後の治療あるいはケアーが悪ければ徐々に関節液がまた増大しますね。

その時に、もう一度穿刺するかしないか悩んだ場合は、

前回に穿刺された関節液をよ〜〜〜く思い出してください。

非常に参考になります。



touyou8syok9 at 20:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2010年02月22日

関節を知ろう(42)

関節軟骨

関節軟骨損傷について


今回も復習しながら進めます。


関節軟骨損傷浅い層から中層・深層の軟骨基質は、血管、リンパ、神経組織を持っていません。

その代謝は、ほとんど関節液を介して行われています。・・・・・でしたね。


滑膜や関節軟骨基質などの炎症や損傷があれば、あたりまえですが、

関節腔内に満たされている関節液に変化が起こります。

関節液に変化があれば当然軟骨基質にも影響を与えますね。


関節液の量が最も多く存在する関節が、膝関節の関節腔内の量5ccでしたね。

日本人の場合は、5ccの量は非常に多い場合です。通常は3〜5ccです。

ティースプーン一杯に満たない量だと思ってください。

その他の様々な関節においては、もっともっと遥かに少ない量です。


損傷や炎症により関節液は通常の量よりも多くなります。

みなさんが、関節が腫れて水がたまったという状態です。

この場合、関節液は一体どうなっているのでしょうか?


通常であれば、

適度な正しい関節運動を繰り返し行うことにより

 関節液は関節包の内層の滑膜の毛細血管網からの分泌され関節腔に貯まる。

 関節液は関節内圧の変化によって関節軟骨に栄養を与える。

 同時に関節の軟骨基質から不要物を関節腔に排出されます。

 排出された不要物や分子量の小さくなったヒアルロン酸などは再び

 関節腔の内層の滑膜の毛細血管網に吸収されリンパ組織に移動する。

この一連の工程によって関節液は一定量を保ちます。


関節が腫脹する状態とは、

軟骨基質や滑膜あるいは関節包周囲の損傷や炎症あるいは様々な疾患によって、

不要な関節液が関節腔内あるいは(滑液包内)に異常に増えてしまう状況です。

不要な関節液の一部が血液であったり脂肪あるいは骨片、炎症物質であったり、

血漿成分の免疫物質であったり、細菌性物質であったり、前回に説明した

各種の蛋白分解酵素であったり、ガス状の活性酸素や一酸化窒素であったりするのです。

関節液の異常な増量は、関節の治癒過程においては必要不可欠な要素ではありますが、

いつまでもこのような状況が続くのはたとえ軟骨基質そのものが損傷していなくても、

軟骨基質にとっては非常に不都合でダメージを与え軟骨基質の喪失につながります。

軟骨基質そのものの損傷あるいは疾患の場合はより深刻な状況ですね。

また何度もこのような状況に陥るのは軟骨基質にますます大きなダメージを与え、

やがては軟骨基質の破壊、しいては関節の変形、機能低下につながっていきます。

関節液はクリーンな通常の状態が一番なのです。


この関節液を注射器で抜き取る行為を穿刺と呼んでいます。

穿刺には関節穿刺、脊椎穿刺、腹水穿刺、静脈穿刺などがありますが、

ここでは関節穿刺についてです。

みなさんも膝関節が腫れて痛みを我慢できなくなって穿刺された場合もあるでしょう。

よく水を抜く(関節穿刺)とクセになるいって心配される方がおられます。

確かに何度も何度も関節穿刺をすることは感心しません。

何度も穿刺しなければならないのは関節周囲の炎症などが残存していたり、

損傷が続いていたり、また新たに損傷すれば関節液は増える一方です。

穿刺した後の処置が重要です。


しかし、パンパンに腫れた関節の場合は穿刺は一つの有効手段になります。

関節穿刺をむやみに拒否することは感心しません。

関節穿刺を何回も漫然と続けることも感心しません。


穿刺の目的が分かればその点の分別が理解できると思います。

私たちは直接関節穿刺はできませんので、以下の2点は必ず聞きます。

 関節液はどのような状態でしたか?

 関節液を検査する必要があると言われましたか?

長くなりましたので、次回に譲ります。







touyou8syok9 at 19:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0)