肩甲胸郭関節

2010年08月26日

肩関節(29)

肩関節

一般的に肩の関節の筋群は、

肩甲上腕関節に関わる筋群と肩甲胸郭関節に関わる筋群に分けられます。

○肩甲上腕筋群

 上腕の運動におけるパワーやスピードなどに関連する筋群として
 
  アウターマッッスル:三角筋、大胸筋、広背筋、大円筋、
 
 上腕の安定化に関する筋群として
 
  インナーマッッスル:棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋

 
肩甲胸郭関節にかかわる筋群を特に肩甲帯筋群とよんでいます。

○肩甲帯筋群

 僧帽筋、前鋸筋、(大・小の)菱形筋、肩甲挙筋、小胸筋、鎖骨下筋、


順次述べていきます。

○三角筋

三角筋は肩周囲筋の中でも最も容積の大きい筋であり、その収縮力も大きく、

挙上動作における主導筋として働いています。

肩関節の運動において主要な筋肉ボリュウムもあり、前部・中部・後部の線維束の

おかげで強力な回転モーメントを与えることができます。

 三角筋前部線維:鎖骨外側3分の1前面から上腕骨中央の三角筋粗面

  肩関節の下垂位→屈曲と内旋
  90度屈曲位→屈曲と内旋
  90度外転位→水平屈曲

 三角筋中部線維:肩峰の外側縁から上腕骨中央の三角筋粗面

  肩関節の下垂位→外転
  90度屈曲位→前部線維は水平屈曲、後部線維は水平伸展
  90度外転位→外転

 三角筋後部線維:肩甲棘の下縁から上腕骨中央の三角筋粗面

  肩関節の下垂位→伸展と外旋
  90度屈曲位→水平伸展
  90度外転位→水平伸展
     
   ※水平屈曲:90度外転位から前方
   ※水平伸展:90度外転位から後方

この三角筋の筋力を十分に発揮するには、

腱板筋群による支点形成の力が必要になります。

また、僧帽筋は三角筋の収縮力の効率を高めるための固定筋として働きます。

 
○大胸筋

胸板の筋肉です。

筋肉モリモリの筋として有名な筋ですね。

女性のバストアップあるいは魅力的な男性の胸板の厚さで鍛える人も多い。

この筋肉も三つの線維束に分かれています。

肩甲上腕関節の屈曲には鎖骨部線維が関与します。

その他の線維束は主に肩関節の回旋筋として働く。

肩甲下筋は大胸筋と拮抗しています。

したがって、腕を押し出す筋としての役目ウンヌンというならば、固定筋としての
肩甲下筋も十分鍛えなければなりませんが、肩甲下筋はインナーマッスルですので
それほどの筋力はないですね。
重要な筋肉ではありますが、一般の人にとって、あるいは肩関節にとって
それほどガンガンと鍛える必要はあるかどうか?
起始・停止をみればむしろ呼吸の補助筋としての方が重要と思ったり?します。
あるいは、肩関節あるいは呼吸筋としても筋短縮した状態のほうが危険かな?

 大胸筋鎖骨部線維:鎖骨内側2分の1前面から上腕骨大結節稜につく。
  
  肩関節の下垂位→屈曲と内旋
  90度屈曲位→水平屈曲
  90度外転位→水平屈曲

 大胸筋胸肋部線維:胸骨膜、第2〜6肋軟骨から上腕骨大結節陵につく。

  肩関節の下垂位→内旋
  90度屈曲位→伸展・内転・内旋
  90度外転位→内転・内旋

 大胸筋腹部線維:腹直筋鞘最上部の前葉より上腕骨大結節稜につく。
 
  肩関節の下垂位→機能しない。
  90度屈曲位→伸展
  90度外転位→内転、内旋



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2010年08月23日

肩関節(28)」

肩関節

挙上時における上腕骨骨頭に作用する力

三角筋は挙上動作における主要な動作筋です。(ボリューム共に)
  
 ○三角筋の筋活動は挙上90度〜120度で最大になります。

一方、腱板の構成筋の筋活動は、

 ○挙上30度〜90度付近で最大になり、その後は減少する。


三角筋は筋線維の走行から前部・中部・後部の線維束に分けられており、

上腕骨を垂直に持ち上げる作用を持っているために、

骨頭の合力の垂直分力であるせん断力に打ち勝って上腕を挙上するためには、

上腕骨頭を肩甲骨の関節窩に引きつけておく必要があります。

 ○上腕骨頭を引きつける力の総和を骨頭合力と呼び、外転90度の時に最大。

 ○骨頭合力の垂直分力であるせん断力は、外転30度〜60度で最大に達する。


以上のことを頭においてもうすこし観察しながら復習します。


第義蝓複暗戞腺坑暗戮粒暗勝

  ○三角筋  
  
   0〜45度までは中部線維が主に働く

   45度〜80度までは、前部・中部・後部線維の全ての線維束が働く。

   80度からは前部・中部線維が主に働く固定筋は、僧帽筋になります。

  ○棘上筋などの腱板筋の筋活動が盛んになります。

第響蝓複坑暗戞腺隠毅暗戮粒暗勝

  ○三角筋

  ○肩甲骨の回旋

   肩甲帯筋として僧帽筋・前鋸筋の筋活動が活発になり、肩甲骨の挙上や軸回旋
   などが行われる。

第形蝓複隠毅暗戞腺隠牽暗戞

  脊柱の運動


屈曲(挙上)の主要な筋肉と制限因子

第義蝓複亜腺僑暗戮龍曲)

  ○三角筋鎖骨部線維(三角筋前部線維のことです。)

  ○大胸筋

  制限因子:棘下筋、小円筋、大円筋、鳥口上腕靭帯

第響蝓複僑暗戞腺隠横暗戮龍曲)

  ○僧帽筋上部線維
  
  ○前鋸筋下部線維

  制限因子:広背筋、大胸筋(胸肋部)→明らかに伸展に働くので拮抗筋

第形蝓複隠横亜腺隠牽暗戮龍曲)

  脊柱の運動


筋は意外と上腕骨頭を押さえつける作用として働いている。

屈曲の制限因子として、腱板である棘下筋・小円筋があります。

棘下筋・小円筋の作用は上腕の外旋筋として働いていますが、
(上腕骨は外旋することによって、120度までの外転・屈曲が可能となる。
 コントロール筋としての作用が強い。
 インナーマッッスルの肩甲下筋は上腕の内旋と内転の作用ですが、
 大胸筋と肩甲下筋は拮抗筋として肩甲上腕関節の安定化として、
 上腕骨を肩甲骨の関節窩に押さえつけ固定し三角筋用・棘上筋の運動を助けています。)

屈曲の際はむしろ障害因子として働くというより言い方を変えれば、

むしろ上腕骨を肩甲骨の関節窩に押さえつけ固定し三角筋の運動を助けています。

当たり前と言ったら当たり前ですが動作を主導筋に対する拮抗筋は、

その活動を休止しているのではなく、むしろ、

主導筋の運動を調和させるために活動しているのですね。

また固定筋も拮抗筋と同様ですね。

 三角筋前部線維に対しては僧帽筋上部線維
 三角筋中部線維・後部線維に対しては僧帽筋中部線維
 三角筋前部・中部・後部線維に対して僧帽筋下部線維(ゼロポジション)

 棘上筋に対して三角筋中部線維

 大胸筋に対して肩甲下筋


臨床では肩甲上腕関節の働きをする肩甲上腕筋のみが注目され易いのですが、

肩甲胸郭関節の動きに関連する肩甲帯筋を忘れては、話になりません。

加えて、最終可動域は脊柱の動きも必要だと覚えてください。


肩関節の動きを考えるに肩甲上腕筋および肩甲帯筋のバランスを常に考慮する必要があります。

その意味でも、

肩甲上腕リズムを懸垂関節→移行期→要支持関節に分類して考察する

信原の考え方は非常に理解しやすい。


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2010年08月19日

肩関節(27)

肩関節

今回は肩関節の屈曲(前方挙上)三相

第義蝓。亜腺僑暗

 ○主要な動作筋
 
  大胸筋
  三角筋(鎖骨部線維)

 この範囲での運動を制限する因子としては、

  鳥口上腕靭帯
  棘下筋・小円筋・大円筋

第響蝓。僑暗戞銑毅横暗

○主要な動作筋

  僧帽筋(上部線維)
  前鋸筋(下部線維)
 
  肩甲骨の上方回旋60度により関節窩が上を向く
  当然、肩甲骨は外転しながら上方回旋している。
  
 この範囲での運動を制限する因子は

  広背筋・大胸筋(胸肋部)
  ※胸鎖関節、肩鎖関節が動く

第形蝓´毅横暗戞腺隠牽暗

  脊柱の運動


肩関節の屈曲においても外転においても、概略として

第義蠅砲いては、

 肩甲上腕関節の動作の主導筋は三角筋です。

 肩甲上腕関節の外転の動作の主導筋には腱板の棘上筋が加わっています。

第響蠅砲いては

 肩甲骨の運動が主体になっています。

 肩甲胸郭関節の運動であるため肩甲帯の筋の運動が主体になっています。

最終域である第形蠅砲いては、

 脊柱の筋あるいは脊椎の回旋が必要になるのです。


これは信原氏による上腕骨と肩甲骨の回旋運動である肩甲上腕リズムを、

 ○懸垂された位置での動きー懸垂関節

 ○移行帯

 ○骨頭が臼蓋に支点を求めた位置、つまり肩甲骨が上肢を支持する動きー要支持関節

肩関節の機能により、三つに分類することは、臨床的に非常に理解しやすいです。


もう少し述べてみます。

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2010年08月12日

肩関節(26)

肩関節

肩甲胸郭関節と肩甲上腕関節


肩甲上腕リズムにおいての静止期(setting phase)

 Imannは、

 肩甲骨が上腕に連動するまでの約30度までには静止期があり個人差がある。

 外転30度、挙上(屈曲)60度以降で初めて上腕骨と肩甲骨の両者が2:1

 この静止期においての個人差の例として、

 信原は、肩甲骨が内転下方、
 池田は、30度までは肩甲骨は、内下方へ大きく移動しそれ以降は少しづつ内上方へ 
 移動しながら、上方回旋する。
 立花は、0度〜10度は下方回旋
 
どちらにしても肩甲上腕関節の外転あるいは屈曲における静止期においては、

肩甲骨の回旋運動が起きることが必要となります。


このような静止期(setting phase)を含めて、

肩甲上腕関節の外転および屈曲動作時は共に三相に分けられています。


肩関節の外転の三相を考えると、

○第義蠅蓮■亜腺坑暗抒暗

 肩甲上腕関節で外転される→上腕骨が肩峰で邪魔される。

 上腕骨が外旋され後方ににげることにより90度の外転ができる。

 (上腕骨が内旋位では60度までしか外転できない。)

 この相では、上腕筋の三角筋および棘上筋などの腱板筋活動が活発におこります。

○第響蠅蓮■坑暗戞腺隠毅阿粒暗

 外転90度でロックされる。→外転運動のためには肩甲骨が回旋する。

 肩甲骨は、肩甲窩を上に向けるように上方回旋する。

 肩甲骨の軸回旋の範囲は45度とされるが、肩甲骨が挙上されることで
 肩甲骨の回旋角度は60度の範囲まで行われる。

 この際には肩甲帯筋としての僧帽筋と前鋸筋の筋活動が活発になる。

 ※その他に、胸鎖関節と肩鎖関節の軸回旋がおこなわれる。

○第形蠅蓮■隠毅暗戮ら180度の外転

 脊柱の運動が必要になります。

 起立筋および脊椎の回旋運動が必要。


次回は挙上である屈曲三相


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2010年08月09日

肩関節(25)

肩関節

肩甲胸郭関節

肩甲上腕リズム

上肢を挙上する際には、上肢は体幹に対して180度外転するが、

この時、

上腕骨は肩甲骨に対して約120度、肩甲骨が体幹に対して約60度外転します。

挙上時に上腕骨と肩甲骨の動きはほぼ2:1の関係にある。

これが肩甲上腕リズムの簡単な理論ですね。

でもこれだけだと肩甲胸郭関節と肩甲上腕関節の機能的な役目は理解しづらいですね。

私だけでしょうか?


信原氏によると、

上腕骨と肩甲骨の回旋運動である肩甲上腕リズムを、肩関節の機能により三つに

分類し説明されています。

おおまかに説明すると、

 ○懸垂された位置での動きー懸垂関節

 ○移行帯

 ○骨頭が臼蓋に支点を求めた位置、つまり肩甲骨が上肢を支持する動きー要支持関節

以上の三つを肩関節の機能的分類としています。


1、静止期

 肩甲骨が上腕骨の運動と連動するまでは約30度の静止期があり個人差もある。

 そして外転30度、挙上60度で初めて上腕骨と肩甲骨は2:1で動く。(Inman)

 挙上0〜30度の間では上肢の重みのため、肩甲骨は内側下方へ移動する。

 この時期を静止期としている。

以下が肩甲上腕リズム

2、懸垂関節

 上腕骨挙上30〜60度では、

 肩甲骨の移動距離は減少し、肩甲骨の運動は移動から回旋に転換する。

 この期間の肩関節の機能を懸垂関節として考える。

3、移行帯

 挙上60度以上では肩甲骨は上方回旋が主体になります。

 この時期が60度から80度がある。

この時期を移行帯としている。

4、要支持関節

 挙上80〜150度は肩甲骨を支点として上腕骨が滑り・転がり運動を行う

 要支持関節として考える。

 そして肩甲骨は、60度以上は回旋しない。


肩甲胸郭関節の働きと肩甲上腕関節の働きの関連性として、

信原氏の説明は非常に肩関節の機能がわかりやすいく臨床で有用な資料です。


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2010年08月05日

肩関節(24)

肩関節

肩甲胸郭関節

肩甲骨の単独の動きは、前回の説明ました。

今回は肩甲上腕リズムについて。


上腕骨が挙上する際おこる肩甲骨の回旋運動を肩甲上腕リズムという。

肩甲上腕関節と肩甲骨の協調運動をとらえた、肩のバイオメカニクスの基本とされています。


肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節

肩甲上腕関節の全ての運動において、肩甲骨は胸郭の上を滑るように動く必要があります。

狭義の肩(肩甲上腕関節)は、肩甲骨を固定すると自動運動では90度、他動運動でも

120度までしか外転および頭上挙上ができないことが知られています。


これは、肩甲骨の肩峰が120度以上の動きを邪魔しているのです。

つまり肩甲骨の動きがない限り、上腕骨は120度までしか外転および頭上挙上が

できないことが知られています。

したがって、肩峰が邪魔しないように肩甲骨が回旋しなければなりません。

肩甲骨と上腕骨の動きにより120度以上の運動が可能となるのです。

この肩甲骨と上腕骨の動きの一定のリズムを肩甲上腕リズムと呼んでいます。


いいかえれば、

肩甲胸郭関節と肩甲上腕関節との動きのリズムともいえますね。

上肢の外転がおこる場合、上腕骨が60度回旋し肩甲骨が30度上方回旋します。

(上腕肩甲骨の角度の動き:肩甲骨の上方回旋の角度の動き=2:1)

上肢の外転は合わせて90度となります。

さらに上肢の頭上挙上180度では

上腕骨が関節窩で120度回旋し、肩甲骨が60度上方回旋します。

(上腕肩甲骨の角度の動き:肩甲骨の上方回旋の角度の動き=2:1)


この肩甲上腕関節の回旋の角度に対比して肩甲骨の回旋度を示すリズムが2:1の比率、


肩甲上腕関節回旋2度分にたいして肩甲骨の回旋1度分が公式化されました。

これを、肩甲上腕リズムとよんでいます。


※実際は鎖骨の回旋・挙上運動として胸鎖関節、肩鎖関節の運動を伴う必要がある。


もう少し詳しく述べてみます。


 


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2010年08月02日

肩関節(23)

肩関節

肩甲胸郭関節。

肩甲胸郭関節の大きな役目は、

上腕肩甲関節(狭義の肩関節)の運動と固定・安定に大きな役目をはたしています。

○可動性の大きな肩甲骨のおかげで肩甲上腕関節の可動域も最大限可能になり、

 腕の筋と共同して動きことができます。

○肩甲上腕関節の動作は強いために、肩甲骨は特定した位置での固定が要求されます。

肩甲胸郭関節は上腕肩甲関節の大きな可動域の確保および滑らかな運動に必要不可欠な

仮性関節であり固定・安定させる支持関節であるともいえますね。


肩甲胸郭関節は、これらの機能のために肩甲骨に付着する筋肉の作用が重要になります。

一般的に肩の関節の筋群は、

肩甲胸郭関節に関わる筋群と肩甲上腕関節に関わる筋群に分けられます。

肩甲胸郭関節にかかわる筋群を特に肩甲帯筋群とよんでいます。

○肩甲帯筋群

 僧帽筋、前鋸筋、(大・小の)菱形筋、肩甲挙筋、小胸筋、鎖骨下筋、

○肩甲上腕筋群・・・・いずれまとめて説明したいと思います。

 上腕の安定化に関する筋群として
 インナーマッッスル:棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋

 上腕の運動におけるパワーやスピードなどに関連する筋群として
 アウターマッッスル:三角筋、大円筋、広背筋、大胸筋


<肩甲帯筋群と働き>

○挙上と下制

 肩甲骨の胸郭上で上下の動き

 挙上では、肩甲骨が上方に動いて胸郭から離れる

 下制では、肩甲骨が下方に動き胸郭に近づきます。

 挙上:僧帽筋上部線維、菱形筋、肩甲挙筋
 
 下制:僧帽筋下部線維、下部前鋸筋

○外転・内転

 外転では肩甲骨の内側縁は脊柱から離れて、外側角が前方に動く。

 内転では、肩甲骨の内側縁は脊柱に近づき、外側角は後方に動く。

 外転:前鋸筋
 
 内転:僧帽筋、菱形筋

○上方回旋(腋窩方向回転)・下方回旋(脊柱方向回転)

 肩甲骨の回旋運動(中心点が肩甲骨の棘下窩中央にあると仮定する。)
 
 肩甲骨の下角が上内方に、外側角が下外方に動く。


 上方回旋:前鋸筋、僧帽筋上部線維、(僧帽筋中部線維)、僧帽筋下部線維
 
 下方回旋:菱形筋、肩甲挙筋、小胸筋

○固定

 肩甲骨を胸郭に固定する筋
 
 基本的に、肩甲骨を胸郭に押さえつけ固定する筋は、前鋸筋です。

 しかし、

 前鋸筋と僧帽筋が同時に収縮することで肩甲骨が固定されます。

 また、前鋸筋と僧帽筋は協同して肩甲骨の上方回旋することに注意。

 つまり、前鋸筋麻痺、僧帽筋麻痺どちらでも翼状肩甲を呈します。

 前鋸筋麻痺においては、上肢の屈曲時に翼状肩甲が著明になる。
 
 僧帽筋麻痺においては、上肢の外転時に翼状肩甲が著明になる。

 その他には、

 菱形筋と前鋸筋が協同に働き肩甲骨内側縁を胸郭に保持しています。

 肩甲上腕関節(筋群)の運動の支持・固定する筋として、

 三角筋の運動に対する支持・固定筋としては、僧帽筋が有名です。
 
  僧帽筋上部線維と三角筋前部線維

  僧帽筋中部線維と三角筋中部線維・後部線維

  僧帽筋下部線維と三角筋

  僧帽筋が三角筋の収縮力を高めるために固定筋として働きます。


そしてこれらの運動を滑らかにするために滑液包が存在します。

大きな滑液包は、内上角滑液包、下角滑液包があります。



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2010年07月29日

肩関節(22)

肩関節

肩甲胸郭関節

肩甲胸郭関節は肩甲上腕関節を正常に運動させるための機能関節であり仮性関節です。

肩甲上腕関節の正常な可動域あるいは機能を得るためには、

 肩甲骨が胸郭の上・側面を滑らかに動く必要がある。

 肩甲骨を胸郭の上・側面で固定され安定する必要がある。

そのために必要不可欠な関節が、肩甲胸郭関節です。


○肩甲胸郭関節の構造

 肩甲骨の前面と胸郭の上・側面に2層の脂肪組織に分けられた筋の上を、

 他の筋が滑ることによって、胸郭に対する肩甲骨の運動が可能になります。

 構造としての筋肉は、前鋸筋と肩甲下筋になります。

 ○肩甲下筋:肩甲下窩、肩甲下筋膜からおこり、筋束は外側上に向かって集まる。
      上腕骨の小結節、小結節稜、肩関節包につく

 ○前鋸筋:聞きなれない筋肉ですが、肩甲下筋の前面(関節窩)についていた
      肩甲下筋のさらに深部に位置して、もう一方は放射線状になって、
      肋骨に付着している筋肉です。

      上位8ないし9肋骨、および第1、第2肋間間に緊張する腱弓からおこり、 
      胸郭と肩甲骨との間を後方に走る。

      第1、第2肋間間の腱弓から来る筋尖(a線維)は肩甲骨の上角に、
      第2〜3肋骨から来る筋尖(b線維)は分散して広く内側縁に、
      第4肋骨以下から来る筋尖(c線維)は下角に集まる。

 前鋸筋と胸郭の間の腔間(脂肪層)が存在します。

 前鋸筋と肩甲下筋との間の腔間(脂肪層)が存在します。

 加えて、

 鎖骨が調整役をはたしながらその両端の肩鎖関節、胸鎖関節と協調して動いています。(後に述べます。この両関節の動きも肩甲上腕関節の正常運動に必要です。)


次に、

意外と忘れられているのが滑液包の存在です。

肩甲骨が胸郭の上・側面を筋肉によって大きく動くわけですので、

当然、摩擦が起こります。

そのためにたとえ脂肪組織で分けられていても、筋肉が骨性隆起上を通過する部位には、

滑液包が存在しているのです。

滑液包は可動部分の間の摩擦を最小限にして、運動を容易にしています。

肩甲骨周囲の代表的な滑液包

 ○肩甲骨内上角滑液包:棘上筋の付着部に存在。
            この部位は炎症が非常におこりやすい。
            肩コリ感覚と密接な関係があります。
            

 ○肩甲骨下角滑液包


構造的にはおおまかに以上です。

肩甲胸郭関節の重要な点は、肩甲骨が正常に動きバランスを取りながら固定安定されることです。

すなわち肩甲骨に付着する筋肉の働きが重要になります。

肩甲骨の動きと関連する筋肉は次回に


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2010年07月26日

肩関節(21)

肩関節

今回から、肩甲胸郭関節について、

この関節も本来の関節の形体をなしてはいません。

第2肩関節とおなじく機能関節であります。

肩甲上腕関節が正しく運動できるためには、この肩甲胸郭関節も正常である必要があります。

肩甲上腕関節:肩甲骨の関節窩(凹面)と上腕骨頭(凸面)が関節包で連結された関節。

       狭義の肩関節です。

肩甲胸郭関節:肩甲骨の前面と胸郭の後面・外側面の骨面どうしの間で構成される関節。

       肩甲骨の前面が胸郭の後面・外側面の上を滑るように動く仮性関節です。

       筋の上を、他の筋が滑ることにより胸郭に対して肩甲骨の運動ができます。

肩甲胸郭関節の重要な作用。

 ○肩甲骨が滑らかに可動する必要がある。

  肩甲上腕関節の正常な運動において、肩甲骨は胸郭の上を滑るように動く必要があります。

  狭義の肩は、肩甲骨を固定すると自動運動では90度、他動運動でも120度しか動かず、

  特に内旋位では60度しか外転できない。

  肩甲骨と上腕骨の動きにより運動が可能となるのです。

  この運動は甲上腕リズムとして知られております。

もうひとつ重要な作用があります。

 ○肩甲骨を胸郭に固定される必要がある。

  肩甲上腕関節(狭義の肩関節)がある角度で止まらないと様々な動作ができません。

  この場合に肩甲骨が胸郭にキチント固定されなければ肩に力が入らないのです。

  脱力してしまうのです。

  肩甲上腕関節:肩甲骨の関節窩と上腕骨がたとえしっかりと固定されても、

  肩甲骨そのものが胸郭の間でグラグラした状態であればどうなるでしょう?

  肩甲骨がしっかりと胸郭の間で固定されければ、肩関節は安定した力を発揮できないのです。

  様々な角度で固定されないと肩関節は、正常な運動もできなくなります。

  肩甲骨が胸郭に固定されない典型的な一つの例が、肩甲骨の内側縁が胸郭から

  浮き上がってしまう翼状肩甲ですね。


このように肩甲胸郭関節における肩甲骨は滑らかに動くともに、固定するという

相反する作用を持つことによって、

肩甲上腕関節の正常な運動と安定性に重要な役割を果たしているのです。



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