肩周囲の筋

2010年10月07日

肩関節(39)

肩関節

前回までの上肢の挙上抵抗運動におけるポイントは、

肩甲胸郭関節において、肩甲骨が上方回旋できるかどうかが問題なのですね。

肩甲骨が上方回旋するには僧帽筋と前鋸筋の協同作用が特に重要です。


いいかえれば、肩甲胸郭関節を固定するする筋の中でも

僧帽筋と前鋸筋の機能が上手に働いているか?いないかの問題でもあります。

僧帽筋あるいは前鋸筋の活動が最も低下するのは、麻痺ですね。


前鋸筋麻痺、あるいは僧帽筋麻痺によっておこる症状といえば、

肩甲骨の内側縁が胸郭から浮き上がる、翼状肩甲(Winging scapula)です。


前鋸筋麻痺は長胸神経麻痺、僧帽筋麻痺は副神経麻痺によるものですが、

筋力低下は何も神経麻痺のみによってのみおこるものではありません。

筋機能の低下は様々な理由によっておきるのは周知の事実です。


この翼状肩甲を呈するか?あるいは筋力の低下?を観察します。

棘上筋テストと似ているテストです。

このテストは肩甲骨平面上での外転力および肩甲骨の固定性を観察する。

 1、肩甲骨面上で外転約45度にて上肢を内旋位(拇指を下方empty can位 棘下筋優位)にし、

  外転運動に対して抵抗運動する。

  2、肩甲骨面上で外転45度にて上肢を外旋位(拇指を上方hull can位 棘上筋優位)にし、

  外転運動に対して抵抗を与える。

 このテストはempty can位、hull can位の両方で行う。

 ○脱力とともに肩甲骨の翼状化がみられる。→固定性異常

 ○正常であれば肩甲骨の翼状化はみられない。→固定性異常なし

 ○empty can位、hull can位での筋力の差を比較する。→棘下筋か棘上筋か


このテストは肩甲骨の固定性の問題なのか? あるいは

腱板機能障害で問題になる棘上筋機能の問題なのか?棘下筋の問題なのか?を

判断するのに有効なテストです。

次に、

翼状肩甲を呈する場合には、

僧帽筋においては上肢外転時に著明に表れ、

前鋸筋においては上肢屈曲時に著明に表れます。

上記のテストでは上肢の外転運動ですので肩甲上腕関節の求心性の問題を診るのに、

もう一つのテストを加えます。

Elbow push test(EPT)

 上腕90度屈曲、肘関節90度屈曲位の腕を組んだ状態で肘頭を抵抗に抗して、

 前方に押し出せるかどうかを診る。

 患側と健側を比較し脱力減少があるか、ないかを観察する。

このテストにおいて、翼状肩甲を呈する、あるいは筋力低下は肩甲骨の固定性の問題であり、

前鋸筋の機能低下を疑う。


上記のテストは簡単ですし、連続してできるので私は挙上抵抗テストとともに、

頻繁に使っている抵抗運動のテストです。


腱板の肩甲下筋のテストとしては、Lift off test が有名です。

 肩関節内旋位で手背を腰にあて、手掌に抵抗を与えながら、手を背中から離すように命じる。

このテストは疼痛がある場合は無理なために、

腹部を押さえるように内旋させた状態で筋力を観るBelly-press testが有名ですが、

私は両方とも使ったことはありません。


次はその他の検査およびその他関節の問題は次回に



touyou8syok9 at 20:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)