膝関節

2016年12月01日

膝関節(244)

変形性膝関節症

手術について。

最後には、培養軟骨の移植手術になります。・・・・・・・・・・・・・が、

一時期新聞などで大騒ぎされましたが、念ながらまだまだ実用化にはほど遠い段階です。


膝関節について長期にわたって書き続けてきました。

まだまだ書き足りない不十分な点も多くあるとは思いますが、このあたりで一応

終了したいと思います。


次回からはこれまた多い腰痛について

一般の医院においてもレントゲンの画像診断などにおいても約70%ほどが確定診断ができず、

椎間板ヘルニアが4%、脊椎圧迫骨折が4%、脊柱管狭窄症が3%、脊椎すべり症が3%

悪性腫瘍が0,7%、化膿性脊椎炎においては0,01%とされています。

この腰痛も、皆さんがよくご存じの代表的な疾患である腰椎椎間板ヘルニアを含めても、

外科的手術の対象となるのは、そのうちのせいぜい5%ということです。

私達が充分に対応できる疾患になります。

ゆっくりと進めていきます。






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2016年11月10日

膝関節(243)

変形性膝関節症

手術後について

手術したのですが退院後まだ膝が痛むのですが・・・・・・・・・

疼痛から逃れたいのにせっかく手術をしたのに・・・・・・・・

時折聞かれます。

が・・・・・・・・手術前の傷みと性質が違う場合に限っては、それほど心配はアリマセン。


以前の手術は可能な限り切開を小さくするのが良いとされて競い合っていましたが、

最近では、むしろ手術中の視野の確保あるいは安全性の確保の必要性が重要視されています。

それでも昔に比べれば手術の器機や手術法は進化して手術痕も小さくなっています。

しかし、いくら手術法、器具が進歩しても基本的には、手術です。

膝関節置換術の手術は切開をして、大腿骨、脛骨を剥き出しにして骨を削って人工物を

ご自身の骨に埋め込むのです。

関節鏡の手術にしても膝の2カ所に穴を開け内視鏡を挿入して軟骨あるいは靱帯などを

切除したりします。

落ちついて冷静によく考えてください。

人間の身体は昔の人よりも退化?あるいは弱体化している傾向にアリマス。

そのような人間の身体を手術すればどの程度の期間で戻りますか?

(このブログの中で筋・軟部組織の治癒過程を是非お読みください。)

骨、骨膜、関節包、靱帯、腱、筋肉、筋膜、脂肪、皮膚などが元の状態に戻りますか?

しかも今は、手術後の退院は早いです。

人工関節置換術においては10日前後で退院ですね。遅くても2週間でしょう。

そして、入院期間中において手術後2日程度でリハビリテーションも開始されます。

入院期間中は、病院内での術後あるいはリハ後のケアがシッカリしているでしょう。

ところが、手術して2週間後退院すればどうなされていますか?

シッカリとしたリハビリはされていますか?

シッカリとしたケアはされていますか?

簡単な関節鏡の手術に至っては日帰り手術が多いです。

シッカリとしたリハビリはされていますか?

シッカリとしたケアはされていますか?

膝関節は非常に表層に存在している関節です。

疼痛は非常に感じやすいし敏感な部位に関節が存在しています。

手術後は明らかに数ヶ月間はロ−カルヒート(局所熱感)を持っています。

手術痕の発赤も数ヶ月間続きます。

再度、筋・軟部組織の治癒過程を、お読みください。

その疼痛の多くは手術において避けては通れない「疼痛」のハズです。

本当に疼痛が消失するのは半年以上かかる場合も多いのです。


モチロン膝関節の痛みが、それ以外の疼痛であれば問題になります。

多くはの場合は問題が無いと思います。


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2016年10月27日

膝関節(242)

変形性膝関節症

膝関節の手術について

変形性膝関節症は基本的に特別に急いで手術の必要性があるわけではありません。

手術を行う。あるいは行わないのは患者本人の意思決定。

手術を行うのは整形の専門医師。

したがって両者の意思疎通が非常に重要になるのは言うまでもアリマセン。


現状の症状と変形のステージ、変形の進行のスピードはどうか?

将来的にどのようになるのか?

現状では何を求めるのか? 将来はどのようになるのか? どのようになりたいのか?

様々な観点はら考察する必要があります。

したがって更に患者さん個人のビジョンが必要となるわけです。

手術の種類は、すでに述べた手術方式からの選択になると思います。

 1、関節鏡下手術

 2、高位脛骨骨切り術(THO手術)

 3,単顆人工膝関節置換術(UKA)

 4,全人工膝関節置換術(TKA)

全人工膝関節置換術(TKA) 、最終手段の方法です。

様々な利点と欠点を主治医とご相談して決定してください。


セカンドオピニオンを行うのも一つの方法ですが・・・・・・・・・私感として

手術に積極的な医師が紹介する医師は概ね手術を進められ、しかも同じ手術方式を推進します。

反対に

手術を否的な医師が紹介される医師は、手術に否定的です。

本当に中立的な医師を紹介する場合は、比較的稀です。

理由は分かりますよね。

本当の意味でのセカンドオピニオンは非常に難しいです。


一度、主治医の先生に、

もし私(患者さん)の膝関節の状態が、先生の奥さまあるいはお母様だったら、

「手術を進められますか?」「あるいはどのような手術方式を進めますか?」・・・・・・

とお尋ねください。


どちらにしても、手術は前回述べたようにバーター取引です。

今、手に入れたい必要なこと、今手放して良い物、これだけではダメです。

将来に必要になること、将来に必要でないもの。これもお考えください。

どの方法が最善なのかを決定してください。


手術には当然メリットとデメリットが伴います。

多くの場合はメリットのみが強調される傾向があります。

最大のメリットは痛みからの解放という除痛効果です。
 
さすがに最近では比較的デメリットも説明されています。

デメリットの多くは手術そのものの危険性について述べられています。

 血栓症、細菌感染、神経障害、人工物に対するアレルギーなど、

手術後においては、

 脱臼、膝関節の完全屈曲が無理(正座不可能)、人工物の弛みや摩耗や破損など


よく人工関節は15年〜20年ほど大丈夫というお話を聞きます。

確かに人工関節そのものは15〜20年は大丈夫でしょう。

前回述べた日本の追跡調査でわずか6ヶ月、アメリカの追跡調査で6年です。

15年〜20年大丈夫というエビデンスは見当たらない。(勉強不足の私はまだ見ていない)


実際、

全人工膝関節置換術(TKA) の症例の増加に伴い、再置換を必要とする症例が増加しています。

感染はもとより、関節の緩み、インプラントの破損、プリエチレンの摩耗、人工関節近位部の骨折など

があります。

当然二度目の手術となると、手術は更に困難になります。


あるいは膝関節の機能正常というわけには行きません。

確かに膝関節機能である意識状で行われる伸展・屈曲の機能は一見正常です。

関節が人工物ですので本来存在している関節の周囲の感覚受容器はアリマセン。

膝関節の動きをコントロールするべき自動制御といわれる神経受容器がアリマセン。

また手術の種類によっては靱帯がアリマセン。

意識外でおこなわれる膝関節の機能は非常に低下してしまっています。

人工物は確かに何時までもタモ千都づけられます。

周囲の自分自身の本来の骨、筋、靱帯はた果たして耐えることができるか?


手術選択の意思決定はあくまで患者さん自身が行うものであります。

痛みに耐えきれない状態の膝関節の人工関節膝全置換術の効果は劇的です。

その後のご自身の生活サイクルを十分考えられ決定するようにお願いいたします。


いずれにしろ、

変形性膝関節症(膝OA)に対しての人膝関節全置換術の緊急性はほぼ無いでしょう。

手術を実施するまでの時間は、非常に多くの時間があるはずなのです。

手術を実施した後においても前回述べたように、、リハビリテーションおよび

自宅でのホームリハビリも実施しなければ機能低下は起こっていきます。


膝関節が軽症の時期から、治療および運動などにより予防することが重要です。

何度もいいますが、膝関節は疼痛が強く早期に現れますので、初期にキチンと対処すれば

変形性膝関節症(膝OA)の進行の予防は可能だと思っています。







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2016年10月13日

膝関節(241)

変形性膝関節症

医師に手術を勧められました。・・・・・・迷っています。

これも時折、質問されます。

手術を実際に行えない私に聞かれても困る場合も多いのですが・・・・・・・・

アドバイスはします。

しかし、手術を行うのも、行わないのも、最終的には患者自身の決定です。

手術を行うには行うなりの理由があるハズです。


患者さん自身の膝関節の変形のステージの程度と自覚症状の兼ね合いで

今まで述べた手術法が数種類アリマスので最適な手術方法を選択すべきです。

ところが現実的には、治療サイド、患者サイドの都合および様々な理由で

最も多く日常的に実施されているのが全人工膝関節置換術(TKA) です。

この手術方法は最終手段の方法です。 まさしく伝家の宝刀です。

どのような手術にも必ずリスクがあります。

手術して膝関節が元の状態になるわけではありません。

どのような手術でも、バーター取引になります。

ご自身の膝関節を人工膝関節と取引する理由は?

除痛効果です。「疼痛からの解放」・・・・・・・・これが最も大きな理由でもあり最大の利点です。


少し古い資料で大変恐縮ですが(約10年前)・・・・・・

劇的ともいえる除痛効果を発揮する人工膝関節なのですが、一方、

日常生活においてはまだまだ不十分な側面が明らかになっています。

2005年、Pynsentは1458人の人工関節膝関節全置換術後の患者を4.5年間追跡調査を

実施したが、その結果は12項目の日常生活からなるオックスフオード・スコア が

平均して69%から29%にまで40ポイント改善いただけであり、

同じ条件での人工関節股関節置換術では50ポイントの改善がみられたのに比較し、

膝関節全置換術では日常生活の改善率が低く、約30%が未達成であった。


Nobeleは同じく2005年、人工関節置換術後の患者243例について1年後について、

どのような日常生活について不自由を覚えているかについて、性、年齢を一致させた257人の

健常者と比較しています。・・・・・・・・・・・・・その結果は、

しゃがむ動作や膝立ち動作から庭仕事・ダンスに至る多くの日常動作が回復しなかった。


これらは海外の統計です。

私の推測ですがまだまだ座敷生活の多い日本の日常生活においては

不便さの改善という点でにおいては、更に厳しい傾向になると思います。

(私が知らないだけかもしれないが日本においては長期追跡調査報告は極端に少ない。)

好意的な報告の一例

 手術後理学療法を約1年間継続した女性9例、男性3例、手術時年齢は平均75歳

 除痛や関節変形の改善、膝関節筋力の増強、運動能力、歩行速度の向上が確認できた。

 膝関節屈曲可動域以外は、術前に比べ、術後1年で改善を認めた。)

中立的な報告の一例

 手術退院後外来理学療法施行ケース(施行群)68膝と非施行ケース(非施行群)85膝を対象に、

 退院時の関節可動域と、退院後3ヶ月、退院後6ヶ月の関節可動域を測定。平均75歳

 手術後に理学療法を行わない場合は、

 手術後に獲得した可動域が、在宅の生活の中で、疼痛または他要因によって、

 術術後に獲得した関節可動域が退院後に低下しているのが現状。

 膝の関節運動を行わないことにより修復段階の筋や軟部組織に伸張性の低下や癒着、

 瘢痕化を生じることにより関節可動域の低下につながる。

 手術後の理学的療法や適切なホームプログラムの指導、患者様への意識付けの

 重要性および長期追跡調査の重要性を説いています。


2005年に発表されたPynsentとNobeleの追跡調査は、短い期間の追跡調査でありますが

身近な日常生活においての非常にまれな貴重な報告だともいえるでしょう。


もう一度お断りしておきます。

PynsentとNobeleの追跡調査においても日常生活は確かに改善しているのです。

日本の少ない追跡調査においても手術後の改善は認めておりますが、

付け加えてそれだけでは機能低下(わずか約6ヶ月で)が進行するので適切な理学療法および

家庭でのプログラムの重要性を説いております。


どちらの調査においても手術すればそれで終了・・・・・・・とは行かないという現実がアリマス。

要は、膝の人工関節全置換術に対してあまりに過大な期待は禁物という事です。

人工関節が万能というわけにはいかないのです。

関節周囲にメスをいれ切り刻み継ぎ足した人工物が神の造った物にかなうわけがあり得ません。

反面、それらの方法・行為が」必要な場合もあるのは否めない事実でもあります。


以上が、手術はバーター取引という理由です。何かと取引するのです。

あなたは、何と取引しますか?

伝家の宝刀は最後に使うべきでしょう。最終手段です。


次回も手術に関して。手術の項目は最終にしようとと思っています。



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2016年09月29日

膝関節(240)

変形性膝関節症

膝関節の手術のつづき。

3、人工膝関節置換術

  変形性膝関節症の手術で日常に行われています。

  最近では一般的な治療になりました。

  現在の変形性膝関節症の手術の主流です。

種類

1、全人工膝関節置換術(TKA)

変形性膝関節症や関節リウマチなどにより変形した関節を、

金属やセラミック、ポリエチレンなどでできた人工膝関節で入れ替える。

人工関節の三つのコンポーメント

 1、膝蓋骨(お皿):高分子ポリエチレン製

 2,大腿骨部分はコバルト、モリブデン、クロームなどからなる錆びない合金のコンポーメント
 
 3,脛骨に接する部分はチタン合金に厚さ約9ミリの高分子ポリエチレンの板(インサート)
   関節軟骨の代わりにはめ込まれいるコンポーメント

 以上、大腿骨部、脛骨、膝関節の三つのコンポーメントを各々の骨に埋め込みます。
 
 (膝蓋骨のコンポーメントは必要に応じて温存される場合もあるようです。)

 人工関節のコンポーメントを埋め込む方法は患者さんの年齢や骨の形状、質によって、

 骨セメントを用いる場合とセメントを使用せずに直接骨に固定する場合とがあります。

2、単顆人工膝関節置換術(UKA)

 膝関節のすべてを人工物に置き換える全人工膝関節置換術(TKA)と違い、

 悪くなっている部分の大腿骨の内側あるいは外側(のどちらかだけを人工物に

 置き換える手術です
  
 単顆型人工関節にはいくつかの種類がありますが、

  〇脛骨コンポーネントにインサートが固定されるタイプ(固定型)と、

  〇膝の動きに合わせて脛骨コンポーネントの上でインサートが動くタイプ(モバイル型)の

  上記の2種類に大別され、同じくらいの割合で使われています。

 TKAが総入れ歯とすればUKAは部分入れ歯と例えられたりします。

 したがって、膝関節のその他の部分を温存できまる利点があります。

 特に前十字靱帯と後十字靱帯を温存できるので、膝関節のより生理的な動きが

 期待できる。

 TKAより侵襲は少ない

 内顆、外顆の両側がだめな場合は使えない。→TKAになります。

 膝関節の動揺性が強い場合や年齢によってもUKAはダメな場合もあります。

人工関節の適応となるような症例の多くは、膝関節全体が傷んでいることが多いため、

現状では全人工膝(ひざ)関節置換術(TKA)が実施される傾向にあるようです。

ただ初期の変形性膝関節症においては、膝の内側あるいは外側だけが傷む場合があります。

このような場合に単顆人工膝関節置換術(UKA) が選択されます。

手術の選択は人工手術の専門医によくご相談して実施してください。


医師に手術を勧められました。迷っています。

これも時折、質問されます。

手術を実際に行えない私に聞かれても困る場合も多いのですが・・・・・・・・

次回に、



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2016年09月15日

膝関節(239)

変形性膝関節症

膝関節の手術のつづき。


2,高位脛骨骨切り術(THO手術)

  ご自身の膝関節部を温存しアライメントを矯正する手術です。

  脛骨の膝に近い部分を切り、O脚(あるいはX脚)を矯正して再び継ぎ治します。

  大腿骨の脛骨角の異常を正常近くに矯正します。

  正常の大腿脛骨角の平均は、178度ですがO脚の人はこの角度が大きくなり

  ややX脚気ぎみの170度前後まで矯正します。

 手術の方法は、次の2種類。

   〇オープンウエッジ法

     脛骨の内側から外に向かって骨を切り取り、内側を開き、その部位に

     自骨(腸骨)あるいは人工骨を埋込みプレートで固定し矯正する方法。

     身体への侵襲や合併症が少なく最近の主流の方法。

     一方、膝関節では無い他の部位の骨あるいは人工骨を埋め込むので骨癒合が遅い。

         矯正の角度に限度がある。

   〇クローズウエッジ法

      脛骨の外側から骨を楔状に切り、短縮させ、同時に腓骨も切除し

      プレートで固定し矯正する方法。

      脛骨、腓骨を切除するために手術側の下肢が短くなります

      変形が強く矯正の角度が大きい方でも対処可能。

      オープンウエッジ法に比べ、身体への侵襲が大きくなります


<利点>

   膝関節は温存され機能は維持される。

   手術後約60%の人が正座可能となるとされています。

   身体に及ぼす影響が少ない。

   日常生活に制限がなく、スポーツ活動も可能となる。

   矯正に使用する人工骨(s-TCP)は2〜3年程度で自分の骨に置換される。

   消失した軟骨が再生される例も認められている。

   手術費用が安価

  <欠点>

   膝関節の軟骨の一部しか痛んでいない場合に限られる。

   膝関節の軟骨の変形が著しい、あるいは全体が痛んでいる場合はできない。

   軟骨の骨折の心配などがあるので、関節軟骨の老化や進行が少ない50〜60歳前後の

   壮年期の人が対象になります。(最近では、70歳台でも可能とのことです)

   ただ入院期間も長期に必要(約1ヶ月)で、経過観察やリハビリに更に長期間を要します。

   そのため働き盛りの年齢の人が対象のため最近はあまり実施されない傾向にあります。

   
ここまで読んでいただければ・・・・・・・・・

この手術法は膝関節軟骨の状況が非常に重要な要素だと理解できると思います。

膝関節軟骨が充分に残存し、半月板の状態も良好でないといくら下肢の形(アライメント)を

矯正してもTHO手術そのものの意味がなくなってしまいます。

したがって、この高位脛骨骨切り術(THO手術)を実施するには、

前回に説明した関節鏡による関節軟骨の充分な観察と手術法が必要となります。

関節鏡手術を実施して軟骨病変などを切除した後に、この手術を行います。


あくまでもご自身の膝関節を温存するための手術です。

そのために治療サイド、患者サイドからも手間、時間がかかる手術です。

最近は、それほど関節変形は進んでいないのにもかかわらず疼痛が強い場合には、

(ブログでも述べましたが膝関節の変形の程度と疼痛の強さは必ず比例するわけでは無い)

医師も患者もQOL(Quality Of Lifeクオリティ オブ ライフ=生活の質)という名のもとに

60歳前半でも、人工関節置換術の手術が選ばれる傾向があります.

誰が診ても明らかに人工関節が良いだろうという場合はもちろんそれで良いのですが、

手術の選択肢として人工膝関節手術しか一般的には示されていない現状が多いことには、

少し疑問・問題があります。

したがって現状ではこのTHO手術を行う病院も減少する傾向にあるようです。

膝関節を温存できるこのTHO手術は将来的にも利点は多いと思います。

膝関節の変形の程度によってはTHO手術という選択肢のほうが適しているだろうという場合も

多いだろうと思っています。


3,人工膝関節置換術

  変形性膝関節症の手術で日常に行われています。

  最近では一般的な治療になりました。

  現在の変形性膝関節症の主流です。

  次回に、


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2016年09月01日

膝関節(238)

変形性膝関節症

手術について、これも時折質問されます。

実際に手術ができない一介の施術者が、どうのこうの言う問題ではナイかも?

でも。あまりにも無知はイケマセン。

要点のみ述べますので、一つの参考としてください。


手術は大きく分けて、3つ

 1,関節鏡下手術

 2,高位脛骨切り術

 3,人工膝関節置換術


1、関節鏡による関節鏡下手術

  内視鏡により、直接人間の目で、膝関節の中を覗きながら診断し、かつ

  関節内の関節軟骨や半月板を切除したり、お掃除したり、形を整えたり、

  関節包内靱帯を再腱したりします。

  関節への侵襲や損傷が少ないために体の負担も少ない。

  基本的に日帰りも可能で入院も1〜2日で済むケースも多い。

現状では、残念ですが基本的には直接に変形性膝関節症で行われる手術ではありません。

本来、変形性膝関節症に対してはどのように使われるのか?

関節軟骨の病変に対して直接診断し軟骨仮生を目的として軟骨組織を誘導するための方法。

<軟骨病変>

 軟骨の軟化、線維化、粗造化、菲薄化、潰瘍形成、骨棘化、びらん化、

 軟骨欠損・軟骨下骨層露出、軟骨下骨層象牙化、石灰化というように

 初期病変から末期病変まで様々な段階が存在する。

 関節鏡により軟骨病変を早期に認識、診断することが重要になります。

<手術の目的>

 関節軟骨の仮生にあります。

 つまりできるだけ早期に関節軟骨を診断し、手術することにより関節軟骨の仮性を図り、

 正常な軟骨に近づける。

<手術の方法>

 ※シェービング

  ささくれ立った軟骨表層あるいは剥離しかけた深層部分まで含めて

  一部軟骨を切除します。

 ※ドリリング

  病的軟骨を散在的に残しながら軟骨下骨層まで達する孔を数個作成します。

 ※スポンジアリゼイション

  神経線維を含む軟骨下骨層と軟骨の病的部分を広範囲に取り除き

  海綿骨を広く露出します。

 ※アブレイジョン

  硬化病変のみを1〜3个鯒く掘削ります。

 ※マイクロフラクチャー

  軟骨下骨層表面に浅い傷を多数作成します。

<手術後のケアー>

 術後の関節軟骨を修復させるには術後のケアーが非常に重要になります。

 関節軟骨は、力学的な情報が必要であり、情報を与えないと修復が非常に難しい。

 この情報は、圧迫、固定をふくめ加えて動的情報を与える必要があります。

 このために、手術はモチロンのこと術後の力学的な荷重リハビリは非常に重要なのです。

 非常に長期間の観察とリハビリが必要となります。

 手術して後は知りませんでは何の役にもなりません。

実際、残念ですが以上のような方法、目的で関節鏡下手術を行っている臨床例を

私は今まで見聞したことはアリマセン。

関節鏡下手術は外傷の損傷が主流になっているのが現状です。

変形性膝関節症の初期に、この方法が仮に普及すればかなりの確率で

関節変形の防止あるいは進行の防止が可能と思うのですが、非常に残炎ですが

治療サイドおよび患者サイドの各々の都合がありほぼ実施されないようです。


行われている外傷損傷に対する関節鏡下手術

 〇半月板の断裂

   半月板の血管の走行部位や切れ方や切れた部位によっ縫って治癒する場所と

   縫っても治らない場所があります。

   縫って治癒することが期待できる部位であれば縫合して治します。(半月板縫合術)

   縫っても治る可能性が低い場合は、縫合では無く半月板切除という方法をとります。

 〇前・後十字靱帯の断裂(後十字靱帯単独の断裂では滅多に行われないようです。)

   靭帯再建術で正常な膝関節機能を再獲得する。

 〇離断性骨軟骨炎

   思春期に多く見られる関節軟骨の疾患です。

   明らかな原因は不明とされていますが、スポーツなどの繰り返される微小な外力などに

   関与があり、一種の疲労骨折と考えられています。

 〇関節拘縮に対する受動術

  外傷や手術後の関節腔内の炎症や癒着を剥がす事により拘縮の予防する。

これらの手術後もリハビリが重要なことは変わりません。

早期退院が多いので術後管理がいい加減に終わる傾向があります。

外傷損傷による手術であっても変形性膝関節症の予防あるいは進行防止に

非常に有効なことは変わりません。

術後のケアーが重要にナルのは理の当然なのですが、損傷が軽ければ軽いほど

軽視されるのは非常に残念です。

注意してください。





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2016年08月18日

膝関節(237)

変形性膝関節症

サプリメントでグルコサミンやコンドロイチンは効果がありますか?

この質問も多いですね。

関節軟骨の構成物であるグルコサミンやコンドロイチンをサプリメントで補給する。

食品で足りない成分をサプリメントで補給することは特別悪いことでもありません。

むしろ多いに推薦しますが、それですり減った関節軟骨が増えるのとは別問題です。


まず簡単に要点のみ復習

 硝子軟骨の主要成分は、コラーゲン況拭□┘廛蹈謄グリカンと水分

 軟骨の分解は、況織灰蕁璽殴鵑諒解とそれに伴っているプロテオグリカンの喪失によって
 起こります。

 硝子軟骨の損傷は、

 最表層でコラーゲン繊維がせん断力をはじめとする力学的ストレスとともに、

 中間層におけるコラゲナーゼなどの分解酵素などの働きによるコラーゲン繊維が退行変性で

 深層からtidemarkおよび石灰化層における力学的ストレスなどによる剥離していく。

 プロテオグリカン(ムコ多糖体)は、

  軟骨の表層では少なく、中層・深層の軟骨細胞の周囲に多く含まれています。

  中間層は、関節軟骨全層の約四分の三を占めています。

  中間層の軟骨基質は不規則(縦横)に走っているコラーゲン線維網とプロテオグリカンや
 
  多くの水分からなっています。  

  表層のコラーゲン線維が損傷すれば、コラーゲンの柔軟性の低下がおこり、

  荷重緩衝作用の低下を招きます。

  柔軟性・粘弾力の低下によって軟骨細胞には異常な刺激が与えられます。

  これらの異常な刺激によって蛋白分解酵素などが出現し破壊される。

※プロテオグリカンは、糖側鎖として巨大なグリコサミノグリカンを有するたんぱく質の総称
 プロテオグリカンは、コラーゲンやヒアルロン酸とマトリックスを作ることで身体組織や皮膚組織を
 維持している。
 プロテオグリカンは関節軟骨の主成分としても存在している。
 代表は、ヒアルロン酸とコンドロイチン

以上が複雑に絡み合って、損傷し摩耗し硝子軟骨が消失します。


話を戻して、

失った関節軟骨(硝子軟骨)を取り戻す。・・・・・・・この場合はサプリメントで

この考えは、もう捨てましょう!!

残念ながら一度消失した硝子軟骨が再生することはありません。

この考えにこだわると、現状では変形性膝関節症(膝OA)を克服できません。


軟骨成分であるサプリメントでグルコサミンやコンドロイチンをいくら口から接取しても

消失した硝子軟骨は再生しません。

ちなみにテレビの番組で面白いたとえ話しをされていたお医者様がいました。

「軟骨の成分」を飲用して、「軟骨が増える」というならば・・・・・・・・・・、

「髪の毛」食べれば、「髪の毛」がふさふさになることと同じで・・・・・・・・・、

はげの人に、髪の毛を食べれば髪の毛が増えるのと同じ理論で全くナンセンス!!。

と一刀両断されていました。

冷静に考えれば誰でもわかることですね。


「髪の毛を食べても, 消失した髪の毛は戻らないでしょう!!」・・・当たり前。

「軟骨成分をいくら食べても、消失した軟骨は戻らない!!」・・・・・・当たり前。

確かに、 そうですね。

髪の毛の成分を口にしたとして毛は、 生えて来きませんよね。

其れと同じ様に軟骨の成分を胃・腸で消化したとしても軟骨にはならないという事です。

この本来の意味するところは、

軟骨成分のコラーゲンやコンドロイチンなどを多量に飲用しても結局は胃腸などで吸収され

全てアミノ酸の分子にまでに分解されます

その分解されたアミノ酸分子が再び各種のタンパク質に合成されるのです。

食べ物は吸収され分解され再び各種様々な有効成分に合成され

したがって、

服用した軟骨成分の全が都合良く再びコラーゲンなどに再生するわけではありません。

まして、関節軟骨には血流もわずかで修復に軟骨成分が都合良く、

一度消失した膝関節の硝子軟骨のみに上手に集まるわけでも無い。(ドラッグデリバリー)

また、軟骨を栄養する滑液にそれらの成分が特別多く補給されることも無いでしょう。

一度変性した硝子軟骨は、再び硝子軟骨になることはない。

・・・・・・・・・・と言う事は常識なのです。


全くその通りで、誰もが考えれば単純に理解できる事実です。

冷静に考えれば、誰でも理解できるのですが・・・・・・・・

この種の商品のコマーシャルが、大企業から小さな企業の広告が

それこそ大新聞やテレビなどでなどに毎日毎日多く宣伝されているのです。


おそらく

栄養サプリメントとしては主にグルコサミン、コンドロイチンをこれだけ宣伝する

根拠はアメリカにおける一つの論文なのでしょうが、

その効果は、硝子軟骨の再生あるいは修復とはなんの関係もありません。

その論文の概要を簡略に紹介します。

軽度から中程度の変形性膝関節症212人に対して

 ○硫酸経口グルコサミンを一日1500咾裡廓間の長期間の服用群106人
 プラセボ群106人の無作為化二重盲検プラセボ対照試を実施した。

 関節軟骨の減少が3年間の長期間の服用で関節裂隙

  プラセボ群は 0、31mm減少。
  グルコンサン服用した人は、0,06mm減少。

  グルコサミン服用は明らかに減少が少ない。

 そして、症状のスコアにおいては

   プラセボ群は、9,8%わずかに悪化
   服用群は24、3%が改善した

○コンドロイチンにおいては、痛みの評価がプラセボ群よりも50%改善した。

※ただし、この論文は鎮痛剤や非ステロイド剤と一緒に与えられた結果ですので、
 留意すべきだと注釈もつけられています。

サプリメントの会社は特に上記のグルコサミンの論文を金科玉条にしているようです。

ただし、

傷つき、あるいは消失した硝子軟骨が再生し修復されたという記載はありません。

この論文においては、進行の遅延効果は確かに認められているようです。

ただし、その他アメリカの論文においては

過大評価をするべきではない。等など・・・・・・・・という論文もあります。

賛否両論の論文が多いので、所詮真実は闇の中という状況なのです。


そして日本の論文には、残念なことに効果を認めるという論文はないようです。

そのためか正直な(口の悪い?)医師は、軟骨サプリメントについては、

効果があると思った人は服用すればよいし、

効果がないと思う人は服用しなくても良いといっています。


もうこのようなことに踊らされるのは止めましょう。

3年間は、もっと違う観点から有意義な時間と費用を費やしましょう。

3年間、もっと本当にすべきことがあるでしょう。

無駄な費用と無駄な時間を投資するのはやめましょう。


反面当たり前ですが、サプリメントとして足らない栄養として服用するのには問題ないでしょう。

栄養分として、軟骨成分を多く含んでいる食品を毎日食べれば良いのです。

極めて常識的なことです

キチントした食事は重要なことは当たり前です。

健康に毎日過ごすには、食事、睡眠、排便・排尿は基本の基本です。

「快食、快眠、快便」と昔からいうではありませんか。


どうしても軟骨成分を接取したい人には、毎日の食事に


1、コラーゲンを多く含む食事

  基本的にはタンパク質系の食事

  牛すじ肉、鶏肉、豚足、手羽先、魚のアラ、皮付きの魚、アワビ、サバ、サンマ

  フカヒレ、ドジョウ、アナゴなど

2、プロテオグリカン(ムコ多糖体)を含む食品

  ネバネバとした食品に多く含まれる。

  濃いゼラチン性の物質で、人体の関節や眼球、動脈に多く含まれている。

  吸水性と保水性がきわめて高く、水分や栄養素をシッカリ蓄える。

  豚足、フカヒレ、ぬめりのある海藻類、ウナギ、魚の煮こごり、貝類

  長いも、納豆、ナメコ、オクラなど

  
3,その他、
 
  骨・腱・靭帯などを構成している栄養成分の一つとしてプロリンが含まれている食品を

  一品加えて調理して接取すれば良いでしょう。

  プロリンはコラーゲンなどに多く含まれている非必須アミノ酸です。

  このプロリンは保湿性・保水性なども非常にもすぐれた効果を発揮します。

  このプロリンはゼラチンに多く含まれている成分です。

  魚介類に多く含まれています。代表的な魚介類はなんとイカなのです。

  タンパクであるプロリンの含有量 (五訂日本食品標準成分表) 、

  イカ、マグロ、カツオ、牛肉ではイカが一番含有量が多い 。

  加えて、

  筋肉の筋原線維はアクチンとミオシンというタンパク質のでできていますので、

  アクチンとミオシンの主成分であるロイシン、イソロイシン、バリンというアミノ酸を含んだ

  食品や栄養補助食品を補給することで、筋の修復あるいは補強に役立ちます。

  そして、

   食品として必須アミノ酸(体内では合成できないアミノ酸)を接取しましょう。

  必須アミノ酸:イソロイシン、バリン、フエニルアラニン、リジン、ロイシン、トリピトフアン

         ヒスチジン、メチオニン、スレオニンの9種類

  アミノ酸はスポーツの現場あるいは医療の現場において利用されています。

  ただし、これもアミノ酸を取ればそれで終わりではありません。

  あくまで目的のための一つの手段にしかすぎません。

  たとえば、

 筋の修復あるいは補強のためにいくらアミノ酸を接取しても運動しなければ

 その効果はなく、ただの過剰摂取につながるだけです。

 ちなみに

 加工されたイカ(例えば干しイカなど)はプロリンのほかにも多数の必須アミノ酸も多く含み、

 低脂肪・高タンパク質であり、加えて食べる時に多くの咀嚼が必要とします。

 このようにイカは価格も安いし、美味しいく料理のレパートリーも豊富です。

 毎日食べる健康食として非常に有効だと思っています。
 
 だからといって、イカのみを毎日食べる人はいないでしょう。

 まんべんなく多くの食品を食べてください。


栄養サプリメントのみで硝子軟骨の治療になる?なんて思えません。

普段毎日食べている食品の栄養を調べtれば、味気のない栄養サプリメントよりも、美味しく、

軟骨・骨・靭帯・筋に有効な食品だけでなく総合的に良い食品が見つかります。


食事の基本は満遍なく色とりどりの野菜、魚介類、肉類などを美味しく調理し、

楽しく、ゆっくり味わいながら、良く咀嚼し、感謝して腹八分目でいただきましょう。


消失した軟骨にターゲットをしぼるな!!

変形性膝関節症を克服するために必要な大前提です。





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2016年08月04日

膝関節(236)

変形性膝関節症

どのような薬物療法にもメリットとデメリットは存在します。

某週刊誌のように、お薬のことが続きますがしばらくおつきあいください。

臨床で日常茶飯事に使われて気にもしない胃腸薬でさえ注意が必要です。


変形性膝関節症を含め疼痛に使われる鎮痛、抗炎症剤(NSAIDs)は、

胃腸を障害します。

 ※261人の患者を対象に実施した発症頻度の検討では、63%の患者に潰瘍や胃炎といった
 胃粘膜傷害が発現していることが判明。
 自覚症状がない188例でも58%に傷害が見つかった。
 薬剤別の発現率は、ジクロフェナク投与患者(36例)では83%。
 胃に比較的やさしいと言われ最もよく使われるロキソプロフェン(94例)でも58%。
 メロキシカムとエドトラク(42例)という新しいNSAIDsでも55%に上った。。(奈良県立医大)

それ故に、臨床では、必ず胃炎・胃潰瘍に対する治療薬も併用されています。

クスリの副作用がハッキリしているのでその予防のために服薬するのです。

皆さんも必ずセットで服薬されているはずです。


でも本当は!!

長期間の服用では胃腸よりも腎臓の方がより深刻なのです。

腎臓病には残念ですが特別に有効な予防薬も治療薬もありません。

長期服用にはさらなる注意が必要です。罹患してしまえば非常に深刻です。

鎮痛、抗炎症剤(NSAIDs)には血行障害も有名です。

短期間の用であれば多いに利用すべきですが長期服用は避けるべきです。


さてそのハッキリとした潰瘍の副作用のため服用する胃腸薬ですが・・・・・・

 現在の主流は防御因子増強剤。(商品名:セルベック、ムスコタなど)

 胃粘液などの防御因子を増強することで胃腸粘膜保護作用をもつ薬です。

 胃粘膜の組織修復や血流改善作用にも効果があるので頻繁に服用されています。

  上記の防御因子増強剤より作用が弱く、副作用は無いとされている薬もあります。

  防御因子増強剤の配合剤(商品名:マーズレン、アルサルシンなど)です。

臨床では鎮痛、抗炎症剤(NSAIDs)と防御因子増強剤はセットにもなっています。

 ※ところが、胃粘膜傷害を防ぐため、防御因子増強薬は96%に投与されていたが、
  62%の患者に傷害があり、同薬は傷害発生を防ぐには不十分であることが示された。
  そこで、抗炎症剤(NSAIDs)副作用防止には、H2ブロッカーの使用が推奨されています。
  (奈良県立医大)

  抗炎症剤(NSAIDs)の副作用防止のための胃腸剤が役に立たない。

  わざわざ服薬する意味がない・・・・・ということですね

  そこで、H2ブロッカーを服用しよう。・・・・・ということです。


H2ブロッカー(商品名:ガスター、タガメット、アルタットなど)

 粘膜にある胃壁細胞の「ヒスタミンH2受容体」に拮抗することで酸分泌を抑えます。

 OTC薬にも認められ数年になり頻繁に使用され有名な薬になりました。

 よく知られている副作用は、H2受容体拮抗薬は心筋の受容体にも影響を与えるため、
 不整脈等の心臓の異常を起こすことがあります。
 したがって、心臓病の患者が摂取することは禁忌とされています。

 あまり知られていませんが 長期服用においては、肝代謝酵素への影響による
 他の薬物代謝の変化や胃酸分泌低下の結果としての感染症などにむしろ注意が必要。


プロトンポンプ阻害剤(PPI)(商品名:タケプロン、オメプラール、パリエットなど)

 酸分泌を行う最終段階である「プロトンポンプ」を特異的に阻害することで酸分泌を抑えます。

 最強の胃酸分泌抑制薬になり、難治性の胃潰瘍などに使用されます。

 胃酸を抑える作用の強さは上記のH2ブロッカー剤よりも遙かに強く、速効性には劣る。
 持続性が大きく1日1回の服薬で良い。
 投与日数の制限があり、長期には向かない。

 臨床では、難治性の胃潰瘍や逆流性食道炎第1選択薬として使われています。また、
 ヘリコバクター・ピロリ菌のお薬である抗生物質であるクラリスロマイシン(商品名:クラリスなど)と
 アモキシシリン(商品名:サワシリンなど)と共に除菌補助薬としても用いられる。

 副作用:小腸の炎症、
      PPIを服用している人ではそうでない人と比べ、
      認知症になる危険性が1,4倍も高い。
 
新しい薬:タケキャブ(一般名:ボノプラザン)が登場しています

 カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)」と呼ばれる新しい胃酸分泌抑制薬、

 副作用:胃酸分泌の抑制により、酸性状態で可溶化するカルシウムの吸収が低下する。
       したがって骨粗鬆症には注意喚起されています。


どういうわけか? 胃腸薬を飲用しているので安心するという人が多い。

以上のように胃腸薬なら全く害はないという考えは禁物です。

お薬とはそのような物なのです。

「なんの役にも立たない事」を「毒にも薬にもならない」と比喩します。

薬効が強ければ強いほど身体には毒です。・・・・・・・・・が

その毒を上回る薬効を期待して薬は使うのです。

服薬を抑制するのでは無く、ご自身に必要なお薬を有効に服薬することが必要です。

変形性膝関節症のように長期に罹患する疾患にはよくありがちなのですが、

漫然と服薬を続けられている人が多すぎます。

服薬が必要か?より強力な薬が必要か?反対に作用の穏やかな薬で良いのか?

あるいは、服薬回数を減らすのか?中止して良いのか?

ご自身の膝関節の状態、身体の状態をお医者様に的確に告げてください

お伝えしなければお医者も分かりません。

お医者様の適切な処方をお受けください。


その他の薬も述べたいのですが、変形性膝関節症では二次的な薬ですので

必要なときに述べたいと思います。

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2016年07月21日

膝関節(235)

変形性膝関節症

お薬についても患者さんから、時折尋ねられます。

変形性膝関節症に特別な効果があるお薬があるわけではありません。

内服薬と外用薬が主流になります。

 様々な種類がありますがいずれの場合も消炎鎮痛剤が主体になります。

 変形性膝関節症に限らず、腰痛などの関節痛にも頻繁に使用されます。

この際ですので、内服薬を簡単に要点のみ述べてみます

主な鎮痛消炎剤


★非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs):現在の鎮痛消炎剤の代表薬です。

 炎症や発熱を引き起こすプロスタグランジン(PG)という物質の生合成を抑制します。

 要は、発痛物質と炎症メディエ−ターであるプロスタグランジンの生成を抑制して
 
 痛みと炎症物質発生を抑制します。

 薬理作用は、プロスタグランジン(PG)の合成酵素「シクロオキシゲナーゼ(COX)」を阻害する。

  COXの種類と役割

  COX−1:胃粘膜保護作用、腎臓の血流の維持、血小板凝集抑制作用などの
         ホメオタシスに重要な役割を果たす。

         したがってCOX−1を阻害する非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)は、

         胃腸障害、腎障害に特に注意する必要があります。

  COX−2:炎症や外傷による刺激によって誘導されPGの産生を促進し、
         細動脈を拡張し、熱感や発赤を生きさせる。

         胃潰瘍などの副作用は、COX−1を阻害のため起こるため、

         COX−2だけを阻害する薬剤は、副作用が少ないの薬剤として

         注目されましたが反面、血栓傾向が高まったり、心筋梗塞や脳卒中などを

         増加させる可能性が高まります。

         お薬は、「両刃の刃」の良い見本です。作用があれば副作用は必ず存在します。

  COX−3:COX−1の変種でアセトアミノフェンによる中枢作用に関与する。


1、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の酸性の薬

 〇代表薬はロキソニン

  化学構造的には、プロピオン酸系に分類されます。
  解熱、鎮痛、消炎作用を均等にもち、比較的副作用の少ない系統です。
  したがって使用しやすいので最も頻繁に使われてる内服薬です。

  その他には、ニフラン、ナイキサン、ミナルフェン 
 
 〇ボルタレン、

  化学構造的には、アリール酢酸系に分類されます。
  この系統は効果が強い反面、副作用にも注意が必要とされています。

  その他クリノリル、レリフェン

 〇インダシン、 インテバン、インフリー、ランツジール

  化学構造的には、アリール酢酸系に分類されます。
  この系統は効果が強い反面、副作用ひ注意が必要。
 
 〇ポンタール

  化学構造的には、フェナム酸系に分類されます。
  胃腸障害などの副作用は少ないほうです。
  とくに、解熱効果が高いです。

 〇モービック

  化学構造的には、オキシカム系に分類されます。
  この系統は効果が長く持続する反面、副作用にも注意が必要です。
  炎症反応に関与するCOX−2をより強く阻害します(COX−2選択薬)。

  その他、ロルカム、フルカム
  

2、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs):塩基性の薬

  酸性の薬に比較すると、抗炎症作用は劣ります。

  「プロスタグランジン」を抑える作用が弱く、全般的に効果は弱いです。
  
  反面、胃腸障害や血液障害などの副作用は少なくなります

 〇代表薬 ソランタール、ペントイル、アナロック


3、アセチルサリチル酸(アスピリン、バファリンなど)

  世界で初めて人工合成された医薬品です。

  本来は、NSAIDsの代表的な薬剤です。

  リウマチ、頭痛、歯痛、外傷、手術後の痛み、発熱などのに対して頻繁に使われます。

  COX剤の特徴である血栓の発現を抑制する方向にする作用を利用しています。

  低用量において抗血小板薬として脳梗塞や心筋梗塞の治療に多用されています
  (バファリン81mg、バイアスピリン等)。
  

★ピリン系解熱鎮痛剤(スルピリン、ミグレニン、SG顆粒など)

  血管を拡張させる作用があります。
 
  アレルギーや血液の副作用がでやすいので、最近はあまり使われません。


★非ピリン系解熱鎮痛薬

 抗炎症作用は弱いので、急性期の炎症期にはあまり使用されませんが、炎症が落ちつき

 慢性期には頻用されます。

 昔ながらの鎮痛剤です。解熱鎮痛剤として有名です。

 皆さんは風邪薬の成分としてご存じかもしれません。

 脳の脳幹にある体温調節中枢に作用することで、発熱に対して解熱作用を発揮します。

 また痛覚中枢の興奮を抑制し痛みに対する閾値を低下させ鎮痛作用が発揮されます。

1,アセトアミノフェン、カロナール

 安全性の高い解熱鎮痛薬です。アニリン系薬剤

 NSAIDsと呼ばれる一般的な鎮痛薬とは作用機序が違います。

 中枢でのPGの生合成を阻害することで鎮痛効果と解熱効果を発揮します。

 末梢での抗炎症作用を持ちませんのでNSAIDs剤には分類されません。

 しかも脳にだけ作用して体の各部位(器官)に作用しないため、胃障害の副作用がありません。
 
 NSAIDsに比べ、効果はゆるやかですが、副作用が少なく長期の使用も比較的安全です。
 
 このため、WHO方式3段階疼痛治療法の第1段階に位置づけられています。
 
 海外ではむしろNSAIDよりも各種疼痛の基本薬として広く用いられています。
  
 炎症をともなう激しい痛みには不向きかもしれませんが、軽度から中等度の広範な痛みに

 適用可能なので非常に使用しやすいので慢性的な疼痛にはむしろ主流になります。

 最初の炎症期にNSAID系の薬剤を使用し、その後この系統の薬剤が投与されます。

 また日本では、小児の解熱剤の第1選択薬になっています。

 アセトアミノフェンに、エテンザミドと、カフェインを加えたACE(エーシーイー)処方によって

 製造される事も多いです。(A:アセトアミノフェン、C:カフェイン、E:エテンザミドの略です)


★オピオイド系鎮痛薬(コデイン、トラマール、ワントラム、トラムセット、モルヒネなど)

 オピオイドは、痛みの抑制系に働くオピオイド受容体と結合する薬の総称です。

 普段用いるアセトアミノフェンや前項のロキソニン(NSAIDs)の系統とは作用機序が違います。

 大脳皮質や視床に存在する受容体を刺激することで、侵害刺激伝達が直接抑制され、

 鎮痛作用を発揮します。

 一般的な鎮痛薬がWHO方式の3段階疼痛治療法で第1段階に位置づけられるのに対し、

 オピオイド鎮痛薬は第2段階もしくは第3段階に相当します。

 たとえば、コデインは弱オピオイドとして第2段階に位置づけられるので、アセトアミノフェンなどで

 効果不十分な場合に次のステップとして処方されるわけです。


その他も多種多様な薬剤が存在しますが、内服薬は医師の処方が必要です。

変形性膝関節症の疼痛の程度を含め、血圧などの脳血管障害、内臓疾患などの各々の

既往症を含め、お医者様が熟知されてから使用されています。

薬剤は、必ずメリットとリスクがありますので主症状の症状の経過はモチロンですが、

その他の身体の経過を含めて必ずお医者様に報告してください。


外用薬は貼り薬、塗り薬が主流

 様々な種類があります。

その他には、

 骨粗鬆症のお薬

 血行改善薬

 筋弛緩剤

 ビタミン剤など







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