腰痛

2019年01月10日

腰痛(62)

特異的腰痛の問題

前回の続きですが腕神経叢のまえに確認してください。


腰椎椎間板ヘルニアによって引きおこされる症状は脊髄神経の神経根の圧迫?

とされています。

当たり前ですが、圧迫された該当する脊髄神経根(末梢神経)に対応する知覚領域、運動領域に

明らかな感覚障害や運動障害が引きおこされることになります。

脊柱管狭窄症には3つの型があり中枢神経の障害もあるので少し意味が違う。


末梢神経である脊髄神経から構成される神経叢はどうでしょうか?

脊髄神経の前枝は、隣接する脊髄神経の前枝と交通してワナを作っている。

特に頸・腰・仙骨神経の前枝の間では交通が複雑で脊髄神経叢をつくっています。

脊髄神経の前枝は、体幹前壁と側壁の筋群および体肢の筋の運動と、それに対応する

皮膚領域の知覚を司っています

(後枝は、深部の背筋群の運動と、脊柱両側の皮膚領域の知覚を司っている。)

体肢の高さで、脊髄神経の前枝は神経叢をつくっており、ここで脊髄神経に含まれる線維の

交換がおこなわれます。

したがって、やがては末梢に行く神経幹は、異なる脊髄神経に由来する線維が新たに

加わり入り混ざった複雑な構成となります。


このように神経叢から出てくる末梢神経による皮膚の支配神経、筋の支配神経は、

神経叢そのものが複雑に重なり合っている部分が多いので、脊髄神経の神経根圧迫による

引きおこされる皮膚、運動の症状は明確ではありません。・・・・・・・と思っています。

要は、

腰椎ヘルニアの症状を解剖学的、神経学的に矛盾が多い神経根圧迫説に帰納するよりも

神経叢を考慮すれば解剖学的、神経学的に臨床応用できるのでは?・・・・・と思うのだが。


前回のつづきの頚神経の前枝である腕神経叢

腕神経叢と特異的腰痛と全く関係の無い?・・・・・・・・と思われていませんか?

腰神経、仙骨神経、尾骨神経、の前枝である強大な腰仙骨神経叢。

腕神経叢と腰仙骨神経叢は当然同じではありませんが類似性をよく比較して

臨床応用できるか? できないのか?

前置きが長かったですね。では前回のつづき。


腕神経叢は、鎖骨より上にある部分鎖骨上部その下にある部分を鎖骨下部に区分される

腕神経叢は、鎖骨の後上方から下外方すなわち腋窩は付近にわたる最大の脊髄神経叢であり、

ここから出る神経枝は上肢帯および自由上肢部にいたる。

腕神経叢はC5〜C8の脊髄神経前枝の全部およびTh1の前枝の大部分から作られる。

しばしば第4頚神経および第2胸神経と細枝をもって結合する。


この腕神経叢は、鎖骨より上にある部分鎖骨上部その下にある部分を鎖骨下部に区分される。

これらの前枝は、斜角筋隙を通り抜け外側三角部に進み、そこで三本の一次神経索である

3つの神経幹として上・中・下の3幹をつくる。

また、ここで分枝した神経が鎖骨上部を構成する。

すなわち上神経幹(C5とC6)、中神経幹(C7)下神経幹(C8とTh1)をつくる。

鎖骨の下方で3本の二次神経索が作られる

すなわち外側神経束、内側神経束、後神経束とよばれる。


単純に脊椎の中心部から神経根→鎖骨の上部で神経幹→鎖骨の下部で神経束を形成する。

臨床の場においては、もし神経根の異常が無くても、神経幹あるいは神経束の異常があれば

神経根が原因?・・・・・・・・と思える症状は出現する。

あるいは鎖骨下部にある神経束あるいはそれより末梢に存在する各々の神経、筋が原因で、

あたかも神経根が原因である?かのような症状もおこりえると当然考えられる。

MRIで腰部椎間板ヘルニアが神経根の圧迫していれば症状が必ず存在する?

あるいは存在しない?・・・・・直接な因果関係は全く不明では?

脱出した椎間板による神経根の圧迫による症状が出現するという理論は未だに

解剖学的・神経学的あるいは統計学的にもあまりにも多くの矛盾点、不明な点も多いので

神経叢も含めて考慮する方がむしろ臨床的では?・・・と思っています。


<腕神経叢の鎖骨上部>

この鎖骨上部からは運動神経が出て、上肢帯の諸筋を支配する。

  肩甲背神経・・・・肩甲挙筋、大・小菱形筋

  長胸神経・・・前鋸筋

  肩甲上神経・・・棘上筋、棘下筋

  肩甲下神経・・・肩甲下筋、大円筋

  鎖骨下筋神経・・・・鎖骨下筋

  外側胸筋神経、内側胸筋神経・・・・・大胸筋、小胸筋

この鎖骨上部が完全に障害されると、上肢帯の麻痺がおこります。

腕神経叢障害が有名ですね。

外傷や分娩が原因で種類や力の加わり方によって、腕神経叢障害は以下の三種類

 1,神経引き抜き損傷:神経根が脊髄から引き抜ける

 2,神経の連続性が残っている損傷:神経幹から神経朿のレベルで神経が引き伸ばされる。

 3、神経が断裂してしまう損傷

裂離(断裂)や破裂では手術による神経の接続手術になりますが、

神経腫(傷)やニューロプラキシー(伸張)の場合、回復の望みが高くなります。

ニューラプラキシア(neurapraxia 傷害)の患者のほとんどは、90〜100%の機能まで自然に回復します。

Seddonによる神経障害を思い出してください。

局在性伝導障害(neurapraxia):一過性で完全回復

軸索断裂(axonotmesis):運動も知覚も麻痺するが、神経再生とともに中枢から末梢に徐々に回復

神経幹断裂(neurotmesis):受傷直後の状況は、2の軸索断裂と同じであるが、

                  自然回復は見られない。

                  神経縫合術が適応するが、完全回復は難しい。

腕神経叢麻痺の代表例として、

 分娩麻痺の中ではエルブ麻痺(上位型)と呼ばれている。

 クルンプケ麻痺とよばれる次回にのべる腕神経叢の下位型の麻痺

 全型麻痺は引き抜き損傷が多いとされています。


<腕神経叢の鎖骨下部>

次回に




touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)

2018年12月27日

腰痛(61)

特異的腰痛の問題

腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症による症状は、腰神経根、仙骨神経根に注目されます。


例えば、ヘルニアの塊が腰・仙骨神経のL5、S1などの神経根を圧迫するために?

長期にわたる疼痛? シビレなどの異常感覚などが引きおこされる?・・・と

説明されています。


このように腰神経、仙骨神経ばかり注目されますが・・・・・各々から分かれている枝である

前枝・後枝、特に前枝の吻合である神経叢は、見逃されてしまっていますね。

一時的に神経根の周囲辺で異常がおこれば神経叢になんらかの影響を及ぼすのは

当然だと思うのは私だけでしょうか?

腰神経叢、仙骨神経叢だけでなく脊髄神経叢から知っておきましょう。


知っているようで、知らない神経叢について、おさらい。


脊髄神経叢

脊髄神経は脊柱管を出た直後に交通枝によって近くの交感神経節あるいは交感神経幹と

連絡し、また反回性の硬膜枝を出して、脊柱管内の硬膜に分布する。

脊髄神経の前枝は、隣接する脊髄神経の前枝と交通してワナ(係蹄)をつくるが、

特に頸、腰、仙骨神経の前枝の間では交通が複雑で脊髄神経叢を形成する。

脊髄神経叢

 頚神経叢

 腕神経叢

 腰神経叢

 仙骨神経叢

 陰部神経叢

 尾骨神経叢


★頚神経

 C1~C8を数え、各々前・後の2枝に分かれる。

 頚神経では第1および第2頚神経の後枝のみは、例外的に前枝よりも強大。

 後枝

  隣接する頸椎横突起の間を後方に出て、直ちに内側枝と外側枝に分かれる。

  内側枝は長背筋および短背筋を支配し、外側枝は上方では僧帽筋を

  下方では広背筋ならびに胸腰筋膜を貫いた後、皮膚に分布する。

  後頭下神経:後頭下三角付近の筋に分布。混合神経で、主に知覚性、一部分運動性
  大後頭神経:後頭部から頭頂に至る皮膚の知覚 知覚性
  第3後頭神経(発育が弱く皮下に現れないこともある。)大後頭神経の枝。知覚性

 前枝
 
  頚神経の前枝は、多くの場合強大

  横突起間を通って斜角筋の前方に向かい、上方の4枝はお互いに吻合して頚神経叢をつくり、

  下方の4枝は第1胸神経の前枝とともに腕神経叢を作る。


頚神経叢

 上位4頚神経(C1〜C4)の前枝の交通(吻合)によって構成される。

 その他に副神経、舌下神経ならびに他の頚神経の枝をうけ、また上頚神経および

 交感神経幹と交通する。

 頚神経叢は、中斜角筋および肩甲挙筋の起始の前で、胸鎖乳突筋に被われ、ここから出る

 枝には皮枝(知覚枝)と筋枝とを区別する。

 皮枝

  小後頭神経

  大耳介神経

  頚横神経

  鎖骨上神経

 筋枝

  横隔神経

  下降頚神経

前頚筋深層、前・中斜角筋および肩甲挙筋に分布する筋枝

  胸鎖乳突筋および僧帽筋にいたる筋枝。副神経の枝と交通する。


腕神経叢

次回は来年に。



本年もお世話になりました。

本年の一文字は「災」でした。

平成30年は本当に災難が多く引きおこされた年度でした。

被害に遭遇された方々にお見舞いもうしあげます。

ただおこってしまった災難は嘆いてみても仕方が無いですね。

「災い転じて福となる」これからの復興が重要です。

言葉では簡単ですが、実際には非常に困難を伴うでしょう。

個人の力だけではなく、国、地方自治体、ボランティア団体などの大きな力が必要です。

そして、一歩先にこれからおこるであろう「災」に備える事が必要ですね。

昨年の一文字は「北」で「有事にそなえる」という題名で同じようなことを述べています。

今、護衛艦である「いづも」が空母であることが問題になっていますが、呼び名はともかく

私は、大型ヘリやジェット機を搭載できる空母は災害時の拠点としても必要だと思っています。

日本の領土は四方八方海に囲まれています。

自由奔放にあらゆる方面に出動でき、広い甲板を持つ空母は救援に必要な機材・人員、

救援物質の食糧、また病人けが人の迅速な運搬、また病院機能、中継地点、対策本部などに

即時に活用でき非常に便利な多機能的な船だと思っています。

海に囲まれている日本こそ特に必要な艦船だと思っています。

国防は、なにも仮想敵国だけでなく、災害時の際にも必要不可欠です。

このような機能を持つ空母は日本に予備艦を含めて5艦は必要だと思っています。


他国を侵略する目的であれば空母のエンジンの動力は原子力エンジンが絶対でしょうし、

本当に他国を攻撃するのが目的ならば原子力潜水艦の方が遙かに有効でしょう。

日本は他国の空母、搭載機の保有数の不足、潜水艦にしても保有数は不足しています。

その意味でも他国を侵略する武力としては、あらゆる方面で極めて貧弱です。

しかしたとえ貧弱であっても他国の武力に対して丸裸の状態ではお話になりません。

道具は使い方です。

最近、通り魔的な殺人事件も多発しています。

あなたは、丸裸で立ち向かう勇気がありますか?

犯人の目の前に立ち「話せば理解できる!!」と説き伏せることができますか?

警察官を呼ぶでしょう。

その警察官でも犯人に対して1対1で丸裸で立ち向かいますか?

悪意をもつ国から国として、地方として、地域として家族および個人の命・財産の災いに備える。

災害に対しても国として、地方として、地域として家族および個人の命・財産の災いに備える。

私は、右翼でも左翼でもありません。中庸を目指したいと思っています。

ただ、人の意見を鵜呑みにせず、自分の頭で考え、調べ、現時点で何が正しいのかを決める。

そして間違っていれば修正する。


個人の健康も同じですね。

このブログがすこしでも役に立てば・・・・・・・・

良いお年をお迎えください。





touyou8syok9 at 20:00|PermalinkComments(0)

2018年12月13日

腰痛(60)

特異的腰痛の問題

腰仙骨神経叢、腕神経叢の説明のための前フリです。

極めて簡単にまとめてみます。

知っている? 当たり前? 知らない? 忘れている?確認してください。 


★中枢神経系

  脊髄と脳

  脊髄は脊柱管内に、脳は頭蓋腔内にあり、両者は大後頭孔でお互いに移行している。

脊髄

 上方は延髄に連なり、下方は第1〜第2腰椎の高さで糸状の終糸に連なる。

 脊柱管の残りの下方の空隙には脊髄はなく、脊髄下部に出入する多数の脊髄神経根を

 充たしている。

 脊髄:頚髄、胸髄、腰髄、仙髄

  頚部から8対の頚神経、胸部から12対胸神経、腰部から5対の腰神経、

  仙骨部からは、5対の仙骨神経と1対の尾骨神経が出る。

  脊髄を31分節にわける。

  脊髄の太さは、全長を通じて一様ではなく頸膨大および腰膨大という上肢、下肢にいく

  大神経が出入りすることによって生じる紡錘状の膨大が存在する。

  脊髄は、その発生の初めには脊柱管の全長を満たしているが、後にはその発育が

  脊柱管に比較して遅れるために、各脊髄神経がその相対応する椎間孔に達するために、

  上位の脊髄神経根は水平に走るが、下位のものは斜め下方に降り、しかもその下降度は

  下位のものほど著しく、腰以下から出るものはその下部に終糸を箒(ほうき)状に囲む

  これを馬尾という。

  脊髄は脊髄膜に包まれています

  脊髄膜は、脊髄を鞘状に包む膜で、硬膜、くも膜および軟膜の3葉からできており、

  その上方は脳膜に移行する。

  脊髄神経根は硬膜・クモ膜・軟膜の三重の膜によって保護されています。
 
  さらにくも膜下腔を満たす脳脊髄液という液性のクッションによる保護作用および

  栄養供給を担う無色透明の液体によって守られています。

  このように脳脊髄液は、脳を守るだけでなく、脊髄を守っています。

  脊髄膜の外側は、脊髄神経に移行しています。

  脳脊髄液の主任務は中枢神経を守ることだと考えられていますが、

  例外的に末梢神経の一部も保護されている。

  このあたりの俯瞰は図式で確認されると良いです。

脳:省略


★末梢神経系

 大別して脳脊髄神経と自律神経の2種になる。

脳脊髄神経

 脳神経:12対  省略

 脊髄神経

脊髄神経

 脊髄神経は、脊髄から発する末梢神経で以下の31対がある。
 
 頚神経:8対(C1〜C8)

 胸神経:12対(Th1〜Th12)

 腰神経:5対(L1〜L5)

 仙骨神経:5対(S1〜S5)

 尾骨神経:1対(C0)

これらの脊髄神経は、いづれも椎間孔を通って脊柱管をでる。

第1頸神経(C1)だけは後頭骨と環椎の間を通る。

各脊髄神経は多くの根糸をもって脊髄の前、および後外側溝を出入りする。

<ベッルの法則>

 前外側溝からは運動性のある根糸ができる前根が出る。

 後外側溝からは知覚性の根糸からできる後根が入る。

 ただし今日では

 前根は動物性運動神経細胞の突起と交感神経細胞の神経突起

 後根は脊髄神経から出て脊髄に入る神経突起(知覚細胞)と、副交感神経から

 出る神経突起とからできている。

 そのため、脊髄神経は、運動・知覚・交感および副交感神経から出来ている

 混合神経であるとされています。

両根はともに外側方に向かって走り、椎間孔に入り、後根はここで卵形に膨大し

脊髄神経をつくる。

脊髄神経のすぐ後ろで、前・後の両根は合して脊髄硬膜を貫き脊髄神経の短幹をつくり

まもなく再び前枝および後枝の2本の主枝に分枝する。

すなわち、両枝は運動・知覚・交感・副交感の線維が混在する混在性神経です。

前枝は、第1、2頚神経を除き後枝よりも強大。

脊髄神経は脊柱管を出た直後に交通枝によって近くの交感神経節あるいは交感神経幹と

連絡し、また反回性の硬膜枝を出して、脊柱管内の硬膜に分布する

脊髄神経の前枝は、隣接する脊髄神経の前枝と交通してワナ(係蹄)をつくるが、

特に頸、腰、仙骨神経の前枝の間では交通が複雑で脊髄神経叢を形成する

 
極めて簡単にまとめると。

1,脊髄後角ー後根枝ー後根(副交感線維、知覚線維)ー脊髄神経節ー椎間孔ー後枝
                                                  |
2、脊髄前角ー前根糸ー前根(動物性運動線維、交感線維)ーーーーー椎間孔ー前枝

1と2が椎間孔を出た後に短枝をつくり、前枝および後枝の主枝に分枝している。


ヘルニアによる神経根レベルの障害において、

 ヘルニア槐が脱出すれば、解剖学的位置からまず前根が圧迫される。

   運動力の低下が最初に引きおこされる。

 ヘルニア槐が巨大であれば前根と後根が圧迫されることになる。

   運動力の低下と知覚の低下の両方がおこる。

   運動力の低下の方が強いでしょう。

 ヘルニア槐の圧迫により後根のみが圧迫される?解剖的に非常に稀におこる?

   知覚の低下が認められるのに運動力の低下が認められない?

   ヘルニア槐による後根のみの圧迫は特別にレアーなケース?

  ヘルニア槐の脱出により運動力の異常が無いのに、知覚の異常がある事は考えにくい。

つまり、後根(感覚神経)だけを圧迫することは物理的に不可能。

知覚だけの麻痺をおこしてくるものはほとんどない。


そもそも、実際にヘルニア槐は、水分が70〜90%のゲル状の流動性の物質です。

塊というより滲出した状態がMRIの画像に写っている状態なのです

それらが前根、後根を圧迫して果たして神経根がどの程度圧迫されるのでしょうか?

不幸にして一気に脱出した場合には、炎症も強く疼痛も強烈かもしれんが長期間で

吸収され圧迫もなくなり炎症も消失し慢性的な症状が残るとは考えにくい・・と思う。


前フリが長くなりましたね。次回に脊髄神経叢に進みます

touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)

2018年12月06日

腰痛(59)

特異的腰痛の問題

特異的腰痛として腰椎脊柱管狭窄と腰部椎間板ヘルニアがあります。

前回で述べたように

腰椎脊柱管狭窄症は腰部椎間板ヘルニアとは全く別の疾患だと思います。

類似疾患かもしれませんが、同列の疾患と考える事は非常に危険です。

一方、腰椎椎間板ヘルニアは、様々な疑問点を述べましたように脱出した椎間板があるだけで

運動力の低下、麻痺、感覚の低下、麻痺がなければ、日常の腰痛症(非特異的腰痛)と

同列の疾患と考えた方が臨床的?


疼痛に関しては、通常の腰痛症つまり非特異的腰痛とほぼ同様でしょう。

日常の臨床では、むしろ急性腰痛症の方が強烈な疼痛が多いように思います。

一方、臀部から大腿、下腿、足に至るシビレ感覚、ピリピリした異常な感覚などの様々な違和感

あるいは軽度の鈍痛感覚、疼痛が長期間、慢性的に継続するという愁訴は、通常の腰痛症

つまり非特異的腰痛ではむしろ少ないです。

ただそれらの愁訴がヘルニアによる神経根圧迫による坐骨神経痛が原因と決めつけいる事は、

既に述べたように、神経学的に矛盾し多くの疑問点があり納得できません。

このように、日常的な腰痛症(非特異的腰痛)との相違点は末梢神経の障害による愁訴が明らかに

存在しているという事実でしょう。

だからといって短絡的に脱出した腰部椎間板が神経根を圧迫・絞扼し、神経障害がおこるという

理論の矛盾点は既に多く述べた通りです。


それでは、どうして臨床的にこれら下肢の愁訴がおこるのでしょうか?

明らかに末梢神経の障害はおこっている可能性は非常に考えられます。


そのヒントがentrapment neuropathyと胸郭郭出口症候群です。

entrapment neuropathyは既に述べました。

この状態は明らかに末梢神経が狭いトンネルを通過するために引きおこされます。

一方、胸郭郭出口症候群は、entrapment neuropathyのように明確なトンネルは無いが、

神経叢と動脈・静脈が鎖骨や筋肉に圧迫・絞扼され症状が出現します。

あたかもentrapment neuropathyと類似した症状が引きおこされます。

腕神経叢は叢という名称のとおり様々な神経が編み目状の構造をしております。

それらの神経叢が絞扼されれば様々に枝分かれした影響を受けた神経に症状が

出現するのは至極当然のことだと思います。


整形では頚肩腕症候群として

 1,頚椎症・・・・・・・頸椎の変形性脊椎症および頸部椎間板ヘルニア
 
 2,頸椎後縦靱帯骨化症

 3,胸郭出口症候群・・・・・・斜角筋症候群、肋鎖症候群、過度外転症候群

胸郭出口症候群という明らかな病名が存在しています。

肩痛症・・・・・・・・という名称はないですね。

ところが・・・・・・・・・

腰は腰痛症として以下のように分類されています。(腰痛対策、厚生労働省から抜粋)

 1,特異的腰痛

    診察 や 画像診断で原因が特定できる腰痛です。

    腰部椎間板ヘルニア(4〜5%)

    脊柱管狭窄(4〜5%)

    腰椎圧迫骨折(4%)

    脊椎腫瘍、感染性脊椎炎など(1%)、

    大動脈瘤、尿路結石などの内蔵疾患(1%)

 2,非特異的腰痛・・・・一般的にただの腰痛(症)と呼ばれる。

   原因が特定できない腰痛のことを言い、腰痛を伴う腰椎疾患の85%を占める。

   要は、画像診断あるいは血液検査などで異常が無い腰痛。

   通常は、腰部に起因するが、下肢に神経障害が無く、重篤な基礎疾患も有しない病態。

   筋・筋膜性腰痛が最も頻度が高いとされている。

   その他に、椎間板性、椎間関節性、仙腸関節性といった腰椎の関節部分の疼痛

   一度発症すると、その後長期にわたり再発と軽快をくり返しやすいことが特徴。

   

★「下肢に神経障害が無い」・・・・・非特異的腰痛という概念

★腰部椎間板ヘルニアには下肢の神経症状がみられる・・・・非特異的腰痛ではないという概念

 「長期に継続するシビレや異常感覚を下肢の神経障害と認識」・・・・特異的腰痛という概念

★画像診断であるMRIに椎間板の突出が確認できる。・・・特異的腰痛という概念

  この突出した椎間板が神経根を圧迫、狭窄しているので下肢の神経症状がでる。

  筋力低下(麻痺)や感覚低下(麻痺)認められないが、長期にわたる下肢に至る疼痛、

  シビレ感覚、鈍痛を神経根の圧迫による坐骨神経?と認識・・・・・特異的腰痛という概念

★目に見える画像診断優位の診断・・・・・・・特異的腰痛という概念

  神経学的にも、症状的にも疑問点が多く、とても納得できない。

どうも納得できない概念が多すぎるように思います。


ところが面白いことに、頚腕症候群の診断概念として・・・・・・・

 頚部において腕神経叢の圧迫、狭窄がおこると胸郭出口症候群が存在する。

 臨床において神経叢によって上肢に影響を与えるという概念は確立している。

一方、腰部の臨床においてはどういうわけか?この概念が欠如しています。

腰には、腰仙骨神経叢(腰神経叢、仙骨神経叢、陰部神経叢)が存在しています。

日常の腰部の臨床にて、腰仙骨神経叢が圧迫・絞扼されることはないのでしょうか

胸郭出口症候群のように神経叢が圧迫・絞扼されることは無いのでしょうか?


今年の7月、11月の3日間行われた、触圧覚刺激法研究会(柔道整復師部会)

特別講演にて腕神経叢、および腰神経叢、仙骨神経叢に対応する手技および理論を

小林考誌先生から教えて頂きました。

実際の患者様にも講習生の面前にて手技および理論を説明されながら

次々と症状改善させる様子を披露していただきました。

臨床でこれほど役に立つことはアリマセン。感謝感謝です。

この特別講習会は、腰部椎間板ヘルニアにおける数々の多くの疑問を解き明かし

臨床の大きなヒントになりました。感謝。


次回に







touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)

2018年11月22日

腰痛(58)

特異的腰痛の問題

頚肩腕症候群は、腰部椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄と類似しています。

頚肩腕症候群

 1,頚椎症・・・・・・・頸椎の変形性脊椎症および頸部椎間板ヘルニア
 
 2,頸椎後縦靱帯骨化症(※OPLL)

   OPLLという名称は、ossification of posterior longitudinal ligament

                直訳:骨化・硬化、後部、縦軸・縦断、靱帯

   したがって後縦靱帯骨化症の意味で、厚生省の指定難病69になっております

   後縦靱帯骨化症は、頸椎のみならず胸椎、腰椎にもおこりますので、

   POLLは脊椎に起因した後縦靱帯骨化症という意味になります。

   私は、OPLLは、頸椎後縦靱帯骨化症の病名だと思っていました。

   頸椎におけるOPLLという使い方が正しい。 大変申しわけありませんでした。

 3,胸郭出口症候群・・・・・・斜角筋症候群、肋鎖症候群

<原因の類似性>

1,頚椎症の頚部椎間板ヘルニアと腰部椎間板ヘルニア:ほぼ同じですね。

  頚椎症の変形性頚椎症と変形性腰椎症:ほぼ同じ。

2,頸椎後縦靱帯骨化症と腰部脊柱管狭窄症:非常に類似しています。

3, 胸郭出口症候群とentrapment neuropathy:

    神経が明確なトンネルを通ってはいませんが、神経叢と動脈・静脈が圧迫・絞扼され

    症状が出現するという意味で類似。

<症状>

1,2,3共に上肢帯、上腕・前腕・手部・手指。下肢帯、大腿・下腿・足部・足趾部位という

侵害された部位によって違いあるいは程度の大小などの違いはありますが

症状としての運動・感覚障害、疼痛、やシビレ違和感覚など類似しています。

<治療方法>

1,2,3ともに手段、方法なども、ほぼ変わりませんね。


臨床においては

1,頚椎症と腰痛症

   頚部椎間板ヘルニア、 腰部椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群、entrapment neuropathy、

   は関連する末梢神経が特定の部位によって絞扼されるという意味においては同類。

   ただ、どういうわけか?

   腰痛症といいう用語は明らかに使用しますが、頸痛症という用語は聞きませね?

2,頸椎後縦靱帯骨化症と腰部脊柱管狭窄症

   頚髄、腰髄(馬尾)という中枢が侵害されるという意味では同類

この2種類に分類するほうがスッキリするのでは?


さて現在、特異的腰痛である腰部椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄はまるで同列のように

語られています。

整形でも腰部椎間板ヘルニアの人は50歳後半には、ほぼ脊柱管狭窄と診断されます。

確かに、腰椎椎間板の脱出によって脊柱管の狭窄はMRIでは確認されます。

巷では、腰部椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症が治る!!・・と宣伝されています。

腰部椎間板ヘルニアにおける手術率は非常に少なく、また入院時に手術を勧められた症例と

勧められなかった症例との間に長期成績に差は認められない。

そのために、単純に腰部椎間板ヘルニアによる脊柱管狭窄であれば、上記の考えは

ある意味正しい・・・・・がある意味正しくはない。


脊柱管狭窄と脊柱管狭窄症では全く疾病の質が違っているという認識が必要です。


今回は、少し脊柱管狭窄を観察してみましょう。

知っていても、もう一度よく確認してください。知っているようで意外と知らない。


因みに腰部脊柱管狭窄は、脊柱管の前後径が狭くなり、馬尾神経の絞扼や神経根に対する

圧迫している状態です。

そのためにMRI診断では腰部脊柱管狭窄と診断されます。

これらは形態による状態です。

変形性頸椎と同じですね。症状が出れば変形性頚椎症と診断されます。

変形性腰椎も同じです。症状が出れば変形性腰椎症と診断されます。


それでは、腰部脊柱管の狭窄しておこる腰部脊柱管狭窄症とは。

<症状>

 1、神経性跛行

   動脈性の間欠性跛行と区別するため神経性跛行と呼んでいます。

   歩行により腰から臀部、大腿、下腿へと疼痛が放散する。

   疼痛は、腰椎の伸展で悪化し、屈曲で軽快する。

   症状は、坐位では問題はなく、歩行が長くなると悪化する。

   これは、脊柱管狭窄により腰椎伸展により、脊柱管と椎間孔の横断面積が減少して

   神経根周囲の小静脈をが圧迫され怒脹しこれが神経の阻血を引きおこされる。

   腰椎屈曲によって阻血障害が改善されるため。

   面白いのは、腰椎脊柱管狭窄で神経性跛行のある人の70%ほどに、股関節が

   170度ぐらいまで何の抵抗もなく挙上出来る。

   つまり、ラセーグの手技で膝が腹壁につくほどまでに抵抗なく曲がる。

   ラセーグが陰性ほど脊柱管の狭窄の程度は強く危険。

   これは、脊髄癆にはよく知られた徴候とされています。

   腰部脊柱管狭窄でも後根は脊柱管の外側脊柱管に絞扼されるため脊髄癆の

   病変部位と類似するためにおこります。

  ※解剖学的には脊柱管狭窄である外側脊柱管は感覚神経である後根では

    前根に比べて中枢側が突出する傾向が有り後索が障害される傾向がある。

    そのため、後索障害により深部感覚である位置、運動、立体感などが障害される。

  ※一方、腰部椎間板ヘルニア解剖学的にはヘルニア塊は前根の運動神経を圧迫する。

    後根の感覚神経を圧迫するほどのヘルニア槐であれば運動障害は必発。・・・・のハズ。

    実際は、運動神経の障害のある腰部椎間板ヘルニアは極めて少ない。

    また、感覚障害も少なく、むしろ慢性的な疼痛を訴える。

    単純に腰部の椎間板が突出した状態。まさしくヘルニアの状態。

  
  2,馬尾症候

   頻尿感、残尿感、尿閉、便秘、両脚の「しびれ」や「まひ」(痛みはない)、

   異常な勃起(男性)、会陰部に「ほてり」異常な感覚(女性)などの馬尾症候。

   侵される神経は末梢神経ではなく脊髄という中枢神経です。

   脊髄障害は、いずれのレベルでも病勢が進行すれば出現します

   膀胱内圧を測定すれば神経因性膀胱は高率に検出されます。

   馬尾・円錐部の狭窄・圧迫においては膀胱・直腸障害が初発になります。

   問題となる腰髄2以下の神経根は馬尾神経を形成しています。

   したがって馬尾症候がおこります。

  3,病的反射

    バビンスキー反射:L5ーS1からの感覚入力に対してL5ーS2の運動出力

    脊髄は脳脊髄液にひたされて、脊柱管に治まっています。

  3,後索の固有覚の障害

    ロンベルグ徴候(立位閉眼テスト)

    ※深部感覚障害のため陽性になる。
    
    開脚歩行:腰椎脊柱管狭窄の特異度は80%

  4,腰椎脊柱管狭窄の半数で知覚あるいは運動の欠損が認められる

    筋力低下は軽く機能障害をおこすほどの筋力低下はない。

  5,その他

<分類>

 脊柱管の狭窄は中心部、椎間関節の下、および外側の椎間孔でおこる。

 1,骨性脊柱管の発育異常

   developmental stenosisi:椎弓根が短いためにおこる。

     20〜40で歳代で軽度の変性変化が加わり発症する。

     突発性(原因不明)、小人症の軟骨無形症などでみられる。

  2,加齢による退行性の変性・変形など

   degenerative stenosisi :最も多く発症するもので加齢によりおこる。

     〇中央部の狭窄でおこる場合

       椎間板変性で椎間板が後方に突出する。

       椎間関節のOA変化による骨棘と関節包肥厚、黄色靱帯肥厚し
 
       嵌入することによっておこります。

       また椎間関節のOAが進み嚢胞し脊柱管を圧迫します。

     〇周囲、側部の狭窄でおこる場合

        坐骨神経痛がおこるとされています。

     〇脊椎滑り症で狭窄がおこる場合

        腰痛が主症状で神経性跛行は二次的

   3、脊椎分離

   4、外傷

   5、医原性

      〇椎弓切除後

        手術部位の隣接部で狭窄する。

      〇椎体固定後

<画像診断にによって理解できる事実>

  〇単純レ線

    腰椎滑り、椎間板狭小化、終板の骨硬化、椎間関節肥厚、椎間孔の骨棘

  〇CT

    椎間関節のOA変化(関節面と関節面の形状)

  〇MRI

    椎間板、靱帯などの軟部組織の変化椎間板突出

    黄色靱帯肥厚、椎間関節肥厚、椎間関節嚢胞

<画像診断における注意>

 腰椎脊柱管狭窄はCT、MRIの画像診断の感度は70%を超えるのですが、

 60歳以上の人でも20%は画像で狭窄があっても無症状。

 したがって、特異度の%はの計算は難しいとされています。・・・・つまりわからない。不明。

 しかしながら以前にも述べましたが画像診断による脊柱管狭窄の内訳においては、

 神経根型70%、混合型16%、馬尾型14%が存在しています。

 そして、馬尾型の約30%が発症後5年内に最終的に手術に至るとのデーターがあります。

 従って脊柱管狭窄では、MRIの診断は何型か知るためで非常に重要な項目になります。

 脊柱管狭窄の馬尾型の人、混合型の人は、現状でたとえ馬尾症候が無くても

 長期観察が必要で、30%といえども将来的には手術の必要性があるという事実は

 知っておくべきでしょう。


脊柱管狭窄は、椎間板ヘルニアよる膨隆、変形性脊椎症、脊椎分離、すべり症などによる

脊椎後縁の骨や椎弓や椎間関節の骨肥厚、黄色靱帯肥厚などが関連します。

腰部椎間板のヘルニアは原因の一部にしか過ぎません。

たとえ狭い脊柱管というトンネルを通過している馬尾といえども完全に圧迫されても

神経の損傷状態は断裂まではおこらないでしょう。・・・・・が、

腰椎ヘルニアによってゼリー状の吸収されれ易い脱出した椎間板が脊柱管を圧迫するだけなら、

時間経過するとむしろ吸収され圧迫の程度は軽減する可能性はあります。・・・・・・・・が、

肥厚し硬くなっってしまった黄色靱帯、硬く肥厚した骨、骨棘、変性・変化した椎間関節面などは、

時間経過と共にむしろ変性変化肥厚は進行し、圧迫作用は更に進行する可能性が大きいでしょう。

ここが大きな違いで、ヘルニアは時間経過と共に吸収され減少する可能性は大きいが、

硬く肥厚した骨、骨棘、黄色靱帯などはむしろ時間経過と共に増大・肥大する可能が

大きい。

加齢による退行性変化とともに進行する可能性が大きいですね。

そしてその変化した部位によって馬尾型、神経根型、混合型と分類されます。

脊柱管狭窄の馬尾型の人、混合型の人達が発症5年後という加齢あるいは時間経過とともに

30%の人達が手術に至るという理由は納得できます。

それでも30%という見方もできますが、10年後はどうなるのか分かりません。

注意深く観察する必要がありますね。


まとめます。

脊柱管狭窄によって初期には限局性伝導障害であるneumapraxiaであっても、加齢や

時間経過と共に大きく圧迫された部位の神経障害部より末梢に変性が進み神経線維が

細小化されaxonocachexiaの状態に発展する可能性は大きいでしょう。

そして時間経過と共に更に狭小化し悪化すれば神経の回復は難しくなるでしょう。

それが、馬尾症候として現れ始めたときだとおもっています。注意すべきです。


以上のように脊柱管狭窄は腰腰部椎間板ヘルニアと別の疾患と考えた方が臨床的?

しかも侵される神経は末梢神経ではなく脊髄という中枢神経です。

不可逆性が大きいですね。

脊柱管狭窄症と腰部椎間板ヘルニアとは同列に考えることは危険ですね。

実際に脊柱管狭窄症と診断された場合は簡単に治る?とはいえないでしょう。

ただし、単純に画像診断により腰部椎間板ヘルニアが脊柱管を狭窄しているので

脊柱管狭窄症と診断するのもいたずらに患者さんを不安に陥れます。

せっかく、MRIやCT、X線で詳しく画像診断していますので詳しい診断を伝える必要が

あると思います。

せめて馬尾型、神経根型、混合型を伝え将来に備える必要があります。



腰椎ヘルニアは、運動・感覚障害がなければそれほど心配は無いでしょう。

むしろ、腰椎ヘルニアの手術により除圧目的で椎弓の切除や固定術の数年後に

脊柱管狭窄症を発症する危険性もあるのです。

腰椎椎間板ヘルニアで安易に手術するのはリスクが伴うことも理解すべきです。

どういうわけか、腰椎椎間板ヘルニアの手術は頸椎ヘルニアの手術は非常に比較すると

比較的安易に実施されているようです。

そして実際に再手術も多くおこなわれています。


腰椎脊柱管狭窄は腰部椎間板ヘルニアとは全く別の疾患だと思います。

単純にヘルニアが脊柱管を圧迫されているため同列の疾患と考えることは無理があるし

大変危険です。


一方、腰椎椎間板ヘルニアは、様々な疑問点を述べましたように脱出した椎間板があるだけで

基本的には腰痛症と同列の疾患と考えた方が臨床的?

全く別の疾患あるいは異質な疾患と考える方が無理があるのでは?



touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)

2018年11月08日

腰痛(57)

特異的腰痛の問題

神経損傷の種類

axonostenosis型の障害のentrapment neuropathyとは?

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄と関連性があるのでしょうか?

整形では、腰椎椎間板ヘルニアや変形性脊椎症による脊髄神経根症状は

entrapment neropathyではない。・・・・・となっているのですが・・・・・・・・


entrapment neuropathyとは? 

entrapment(ワナにかける)neuropathyとは、末梢神経がその経路中の特定部位で

周囲組織によって圧迫、絞扼された状態になって局所障害をおこし、その結果

神経障害を起こします。 直訳すると絞扼神経障害 です。


因みに腰部椎間板ヘルニアの実験、実証(エビデンス?)では

犬の神経根に無理矢理に輪っかをはめ締め込んだり、硬膜外腔に異物を挿入したり・・・・・・と、

どこが違うの?


それはともかく、entrapment neuropathyは、末梢神経が靱帯や筋膜、腱などによって

囲まれた間隙あるいは骨と靱帯によって形成されたトンネルなどを通過する部位で

絞扼されることによっておこるとされています。

要するに、末梢神経が通る部位のトンネルやが狭くなるために引き起こされる。

あるいは日常生活による動作により絞扼される部位の機械的刺激によってもおこる。


神経損傷があるとはいえ、神経の軸索や髄鞘の限局性の変性あるいは内神経神経鞘は

無事で離断されず周囲を完全に包んでいる状態で再生していくため回復するとされています。


entrapment neuropathyの症状

 神経痛、知覚障害、運動障害であるが、多くは痛みが主になります。

 痛みは神経の利患部よりも末梢部に放散するが、時には中枢側への伝達痛もある

 知覚障害としては、自覚的なシビレ感のほかに末梢部の知覚鈍麻を認める

 運動障害は軽度であって、筋力の減退や筋萎縮を認めることがある。

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄がヘルニアによる神を圧迫が原因とすると

神経損傷の種類においてはSeddonによる前回の1,局在性伝導障害(neurapraxiaと)と

今回のBauwens、Pによるaxonostenosis型のentrapment neuropathyが、

非常によく似ている?


整形では、腰椎椎間板ヘルニアあるいは腰部脊柱管狭窄による馬尾症状とは違う。・・・・・

鑑別が必要とされており、明らかに一線がひかれています。

でも、原因や症状は非常に類似していますね。


<代表的な疾患>

上肢におけるentrapment neuropathy

 手根管症候群

 尺骨管症候群

 肘管症候群

 橈骨神経のentrapment neuropathy

下肢におけるentrapment neuropathy

 モートン病

 足根管症候群

 総腓骨神経のentrapment neuropathy

 伏在神経のentrapment neuropathy

<治療>

  薬物は、抗炎症鎮痛剤、ステロイド、ビタミン剤

  あまり鎮痛補助剤は使用されていないようです。

  無効の場合は、最終的に手術となっています

いかがでしょうか?

病態と治療法は腰椎椎間板ヘルニアと非常に似ています。

治療のヒントが見つけられないでしょうか?


さて頚肩腕症候群も腰部椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄と類似していますね。

頚肩腕症候群

 頚椎症・・・・・・・頸椎の変形性脊椎症および椎間板ヘルニア
 
 胸郭出口症候群・・・・・・斜角筋症候群、肋鎖症候群

 頸椎後縦靱帯骨化症(OPLL)


頚椎症の頚部椎間板ヘルニアと腰部椎間板ヘルニア

頸椎後縦靱帯骨化症(OPLL)と腰部脊柱管狭窄

胸郭出口症候群とentrapment neuropathy

非常に類似しています。

次回に






touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)

2018年10月26日

腰痛(56)

特異的腰痛の問題

神経損傷の種類

一般に絞扼や圧迫により神経損傷される末梢神経には3つの基本形があります。

神経障害は、障害の程度によって以下の三種類に分けられています(Seddon HJ,1943)。

1,局在性伝導障害(neurapraxia)

 刺激伝達の役割をする軸索(axia)には全く変化はない。
  
   軸索を含む髄鞘に限局性の変性が起こる程度の軽い損傷。
   
   神経線維の連続性は維持されているが障害部で一時的な伝導障害をおこした状態で、

   神経が打撲されたようなものであり、自然治癒する。

   症状は、神経麻痺は高度なのに知覚麻痺はほとんど無く、シビレ、ウズキなどを

   訴える。

   腫脹、出血、血行障害などによる神経の圧迫や虚血が原因で、直接の神経障害がほとんどない

   局在性伝導障害の場合、1〜数か月でほぼ完全に回復する。

   軽い圧迫や打撲などにより起こる

2,軸索断裂(axonotmesis)

  損傷部で軸索が離断され、それより末梢部の軸索は変性崩壊する。

  損傷部より末梢の髄鞘も変性に陥るが、内神経鞘は離断されず周囲を包んでいる。

  軸索の断端から再生が行われて、末梢に向かって徐々に伸びていく。

  また髄鞘も再生する。

  運動も知覚も麻痺するが、神経再生とともに中枢から末梢に徐々に回復する。

  軸索が損傷されて変性するが神経鞘は連続性を保っている状態で、

  完全麻痺を呈するが、軸索は神経鞘を通って再生するので、予後は悪くない。

  神経の強い牽引、骨折端による圧迫や注射による障害が多い。

3,神経幹断裂(neurotmesis)

  神経が損傷部で完全に離断され断端が離開してしまっている。

  神経断裂 軸索および神経鞘の断裂したもので、完全な運動、知覚麻痺が起こる。

  受傷直後の状況は、2の軸索断裂と同じであるが、自然回復は見られない。

  神経断裂の場合はただちに神経縫合術などの観血的療法が行われる。


臨床では、上記の三種類が混在するので診断は難しいとされています。

1,と2が混在する場合は、徐々に回復しほぼ全治する。

1と3、2と3が混在する場合はある程度まで回復し、その後は回復しない。
 

いかがでしょうか?

腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄は、どの種類に該当するでしょうか?

1の局在性伝導障害(neurapraxia)は可能性が有りそうです。

臨床の大多数はこのタイプではないでしょうか?

2の軸索断裂の典型的な例が外傷による引き抜き損傷あるいは分娩麻痺などですね。

ゲル状の椎間板、筋・靱帯の軟部組織、まして神経の逃げ場も多いい部位で

軸索断裂が起こるほどの圧迫、狭窄が果たして現実的に起こり得るでしょうか?

まして、3の神経幹断裂は、ほぼあり得ないのではないでしょうか?


確かに画像診断では、脱出した椎間板、狭くなった脊柱管は存在します。

そのため腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄という診断名が決定されています。

しかし、診断された人達の大多数には症状には運動、感覚麻痺の所見が見られない。

その理由は、日常生活において軸索断裂、神経幹断裂という神経損傷が起こることは

皆無ではないでしょうが、ほぼあり得ないからでしょう。


さて上記の三種類の分類の他に日常の臨床では、回復速度がaxonotmesisよりは速く

neurapraxiaよりも遅い型の存在する事をしばしば経験するとされています。

Bauwens、P(1960)はaxonostenosisなどのいわゆる中間型損傷の存在が考えられる。

初期には限局性伝導障害であるneumapraxiaであっても、次第に障害部より末梢に

変性が進み神経線維が細小化されたaxonocachexiaの状態が存在する。

これは、髄鞘が瘢痕化しているが連続性は保たれており、軸索が締め付けられて

細くなっているもので、徐々に不全麻痺をきたす場合があるが自然回復の可能性がある。

このaxonostenosis型の障害はentrapment neuropathyで起こるとされています。

日常には、このタイプの障害も腰椎椎間板ヘルニアでも稀なケースだと思っていますが、

脊柱管狭窄では発生し得ると思っています。

次回に、




touyou8syok9 at 23:00|PermalinkComments(0)

2018年10月11日

腰痛(55)

特異的腰痛の問題

前回を簡単にまとめると

神経障害性疼痛

神経系の損傷あるいは機能異常が原因となって引きおこされる病的な疼痛。

疼痛の特徴と性質

疼痛は日常ではあり得ない疼痛で慢性に経過する疼痛。

通常は、運動器痛に使用される薬剤は効果がないため、通常の消炎鎮痛薬オピオイドなどは、

神経障害性疼痛にほぼ無効。ほぼ無効となっています。

したがって、鎮痛補助薬と呼ばれる薬剤がしようされます。

症状

  疼痛(交感神経依存性疼痛もふくまれる。)

  運動・感覚障害
  
  自律神経の障害

  その他


今回は

ここで神経障害性疼痛の疾病を観察してみます。

<末梢神経の障害の代表例>

  1、外傷や手術による神経損傷

    外傷:腕神経叢損傷による引き抜き損傷あるいは分娩麻痺

      転落や、オートバイ事故などの外傷後による腕神経叢の引き抜きによって生じる

      腕神経叢が過度に牽引され、損傷する。

      耐え難い痛みをひきおこす。この疼痛は、一般的には求心路遮断痛。

      分娩麻痺は、出産時に発生した と考えられる神経損傷

      分娩時に、産道を通ってくる際の物理的圧迫 や、娩出時の牽引、手術により発生する

      新生児に起きた損傷をいう。

      腕神経叢麻痺、顔面神経麻痺、横隔神経麻痺、ホルネル症候群等が出現する。

     因みに腰部椎間板ヘルニアの実験、実証では

        犬の神経根に輪っかをはめたり、硬膜外腔に異物を挿入したり・・・・・・・

        まさしく人為的に外傷の神経損傷の実証

     手術:メスによる創傷、術後の神経の癒着などの神経の損傷によるもの

   2,、三叉神経痛

     人が体験する疼痛のなかで最も強い疼痛といわれています。

     顔面(三叉神経の支配領域)に引き起こされる発作性の激痛(鋭い電撃痛)。

   3, 帯状疱疹後神経痛

     ウイルスによる皮疹が治癒した後にも遷延する痛み

     皮膚表面のビリビリするような持続痛、深部痛、締め付けられるような疼痛

     突然のえぐられるような激痛など

     感覚鈍磨がみられるにもかかわらず、軽い刺激によるアロディニア、

     知覚過敏、痛覚過敏がみられる。

     夜間痛は少なく疼痛による夜間の不眠は少ない。

     また、何かにに夢中で注意がそれに向いているときには痛みを感じないことが多い。

      急性帯状疱疹痛は、痛みの多くは、皮疹の消失に伴って消失する。
      1〜2週間がピークで、1ヶ月くらいで消失することが多い。
      痛みの強さは、軽い刺激症状から、夜も眠れないほどの強い痛みまで様々
      増殖したウイルスが引き起こした神経炎による痛みと、皮疹部の炎症による痛み。
      侵害受容性疼痛の要因が多い。

   4、糖尿病性神経障害性疼痛

     糖尿病の病期によって痛覚過敏になる時期、無痛になる時期がある。

     多発性神経障害、自律神経障害、単一性神経障害などのさまざまな

     症候群として現れます。

     疼痛はシビレをともないジンジンとした痛みと表現されます。

     手足の末端、靴下や手袋で被われる部位の痛みやシビレ、足の裏に薄紙が

     貼り付いたように感じる感覚の鈍磨から症状が始まる

     運動神経の障害は感覚障害よりも遅れて出現します。

   5、手根管症候群、胸郭出口症候群、肘部管症候群、梨状筋症候群など

     一般に紋扼性神経障害と呼ばれています。

     腰部脊柱管狭窄症も紋扼性神経障害に分類されているようです。

   6,ギラン・バレー症候群,慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー

     運動神経障害優位の自己免疫性末梢神経疾患

   7、幻肢痛、複合性局所疼痛症候群(CRSP)のタイプ兇覆

   8,その他

< 中枢性神経障害の疾患>

  脊髄損傷、脳卒中

   中枢性神経障害は割愛します。

  
特異的腰痛とかなりかけ離れている疾病の方が多いようです。

最も似ているのが、紋扼性神経障害による神経障害疼痛でしょう。

腰部脊柱管狭窄症も紋扼性神経障害に分類されているようです。

腰椎椎間板ヘルニアも神経根が圧迫・絞扼されておこる・・・・?とされていますので

特異的腰痛も神経障害疼痛になるのでしょうか?

次回に


touyou8syok9 at 22:30|PermalinkComments(0)

2018年10月04日

腰痛(54)

特異的腰痛の問題

特異的腰痛である腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄も所謂、治療、施術において

多少の手間と期間は必要ですが通常の腰痛症とそれほど変わりが無い。

但し書きとして、馬尾症候、病的反射、運動障害である筋力低下、麻痺が無ければ。・・・・・

という条件ツキですが・・・・・・・・・少し言い過ぎ?


運動器疼痛の主たる原因は、所謂神経損傷のない侵害受容器による興奮ものが大多数。

また、治療、施術から遠ざかってしまっていますが

特異的腰痛と関連あるいは類似?している疾患から多くのヒントが隠されているので

しばらく続きます。お許しください。


神経系の損傷あるいは機能異常が原因となって引きおこされる病的な疼痛が、

神経障害性疼痛とよばれています。

腰の部分で神経が障害されると、腰からおしりおよび下肢にかけて痛みが(腰下肢痛)、

長期に出現する場合。

ジンジン・ピリピリとする痛みが長く痛みが続くと・・・その疼痛は神経障害性疼痛かも?・・・・・・と

最近盛んに宣伝していますね。

もう一度少し詳しく神経障害性疼痛をのぞきながら特異的腰痛と比較してみましょう。


神経障害性疼痛

 末梢神経・中枢神経の損傷、機能異常が原因となる、もしくはそれによって惹起される痛みです。

<疼痛の性質>

  日常生活ではあまり経験しないような性質の疼痛。

  灼けつくような灼熱感のある疼痛。(灼熱痛)

  電撃性で刺すような疼痛、形容詞としてビリビリ、ズキズキするような痛みなど。

  慢性に経過する、難治性の疼痛。

  損傷神経の支配領域の感覚低下やしびれ感がみられるにもかかわらず、その部位が痛んだり

  とするアロディニアが出現する。

  モチロン疼痛の程度は千差万別ですが基本は以上のような疼痛様式です。

  確かに通常の運動器疼痛とは明らかに違っている疼痛です。

  それ故に、通常の鎮痛消炎剤では効果が無いので宣伝しているのですね。


神経障害性疼痛には末梢神経の障害によ疼痛と、中枢神経系の障害による疼痛がある。

<末梢神経障害(ニューロパチー)の原因>

 末梢神経の損傷(圧迫、絞扼、切断、脱髄)などによって生じる疼痛 。

 末梢および中枢神経系の過敏化の結果生じる疼痛。

 神経による入力が絶たれたことによる、求心路遮断痛も含まれる。

 交感神経依存性疼痛も含まれる。

<末梢神経障害(ニューロパチー)の症状>

 症状は非常に多彩にわたります。

  ★障害された部位の支配神経の筋力の低下(力が弱くなる)
  
  ★障害された部位の支配神経の感覚の低下(感覚が鈍くなる)
  
    感覚にはいわゆる視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感以外にも痛覚、温度覚、
    振動覚、位置覚などがあり、どの感覚が障害されるかで症状も異なる。

  ★痛みがある

    疼痛の性質で述べたような疼痛がおこります。
  
    この疼痛は非常に鋭い疼痛が多く、灼疼熱感などの場合も多い。

    灼熱痛という持続性の疼痛は末梢神経の自律神経の交感神経が関与する。

    交感神経依存性疼痛(SMP)と関与しない交感神経非依存性疼痛(SIP)がある。

    アロデニアという痛覚過敏も存在する。

    正座の後のようなビリビリとしたしびれ感がある。
  
  ★発汗の調整ができなくなる

    自律神経の不調和による

  ★その他

確かに腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄の症状と一部類似している部分もありますね。


< 中枢神経系の障害の原因>

  脊髄損傷、脳卒中などによる

    脊髄視床路などの遮断による疼痛 、
      
    求心路遮断による痛
      
    交感神経依存性疼痛など

< 中枢神経系の障害による症状>

  1、脊髄損傷による中枢痛

     中枢性疼痛の代表になります。

     ★損傷した脊髄節の神経が支配する部位以下の、麻痺

     ★麻痺し感覚を失ったはずの部分から自発性の異常疼痛

       しびれの極致、電撃痛、灼熱痛、押圧痛、乱切痛等とも表現される激痛が発生する等。

       ※中枢神経損傷に起因するものを特に中枢性ニューロパシー痛とよばれています。

         末梢神経障害はニューロパチーと呼んでいますが
         末梢神経障害による痛みをニューロパチー痛とは呼ばないようですね

       麻痺した運動器部位周囲の侵害性受容器性の疼痛も含まれる。

      自発性のこの異常疼痛は、神経の傷害ないし機能障害によって、
      末梢から脊髄後根を通って脊髄に入り 、脊髄を上行して、脳の主要な中継センターである
      視床を経て体性感覚を知覚する。
      大脳皮質へと感覚刺激が伝達されていく神経伝達体系に器質的な異常が生じたために
      発生すると考えられている。(求心路遮断痛)

     ★時に交感神経系の機能異常を伴うこともある。

  2、脳卒中後痛における中枢痛(末梢性の疼痛も含まれる。)

     ★脳卒中による中枢痛の主要な3つの症状

       出血と反対側の身体の運動麻痺、感覚障害、疼痛

       この疼痛は末梢性の疼痛より発生頻度は低いが、激しい苦痛を伴い、

       難治で非常に厄介な痛みになります。

       感覚鈍麻とアロデニアを伴うしびれと痛みが特徴
 
       末梢性の疼痛は、卒中後に身体を動かせなかったために生じる

       この場合は、侵害受容器性の疼痛になります。
   
       運動器障害に伴う腰・首・手足の筋肉痛、関節拘縮に伴う疼痛、肩手症候群

       肩関節周囲炎などがあります。

   
<神経障害性疼痛の薬物治療>

  物理的な侵害刺激、炎症などによる化学的刺激による疼痛ではないので、

  ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、通常の消炎鎮痛薬

  オピオイドは、神経障害性疼痛にほぼ無効。ほぼ無効となっています。

  末梢性、中枢性に関わらずほぼ無効です。

  初期には有効な場合もあるため併用されますが、長期、慢性化するとほぼ無効。

  つまり、初期は普通の腰痛症と同じ神経損傷のない侵害受容器による興奮が存在する。

  神経の損傷をおこすので、急性の初期は物理的な侵害刺激、炎症などによる化学的刺激が

  存在するのは当然といえば当然の処方ですね。

  慢性化すると、神経損傷のみが残存する?・・・・・ということでしょうか?
  
  したがって、※鎮痛補助薬と呼ばれる薬剤を使用する。

  参考までに疼痛に使用される主な薬剤の分類

   1,非オピオイド:カロナール(アセトアミノフェン)
             ロキソニンを代表ととする非ステロイドである鎮痛消炎剤NSAIDs

   2,弱オピオイド:コデイン(モルヒネの前駆体)
              トラマドール(コデインの誘導体)
              
   3,強オピオイド:モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル

  神経障害性疼痛の薬剤:以下の※鎮痛補助薬が使用されます。

    リリカ(一般名:プレガバリン α2δサブユニットに結合してCa2+の流入を抑制する)
    
    ノイロトロピン(一般名:ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)
                  下降性抑制系の神経細胞を刺激し鎮痛します。
    
    抗うつ薬:アモキサン、テトラミドなど(三・四環系抗うつ薬 下降性抑制系の促進 )

        パキシルなど(SSR 選択的セロトニン再取り込み阻害剤))
              
        トレドミンなど(SNRI セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

  
   慢性化しても非オピニオイド剤などの消炎鎮痛剤を服薬併用する場合は、

   物理的な侵害刺激、炎症などによる化学的刺激による疼痛も存在していることですね。

   腑に落ちない?というか、なにかしっくりしませんね。

   まあ単順に純粋な神経障害性疼痛のみは少ないという現実の臨床の裏返しでしょう。


以上のように神経障害性疼痛には確かに腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄の症状と

類似している場合も多くありますね。

特異的腰痛に罹患すると坐骨神経痛が発症されるとされています。

坐骨神経痛は、坐骨神経に由来する疼痛の症候群である腰下肢痛が現れれます。

つまり神経性疼痛としての坐骨神経は、坐骨神経の損傷によって引きおこされます。

原因としては、

1,坐骨神経の損傷がアル場合の

   特異的腰痛である腰部椎間板のヘルニア、腰部脊柱管狭窄、

   その他には、梨状筋症候群、腰椎すべり、腰椎分離、手術など

2、坐骨神経の損傷が無い場合

   捻挫、挫傷など

   骨盤のアライメント異常

   単純な軟部組織による絞扼、血液循環障害などによる一過性の神経異常

神経の損傷あるいは機能異常をおこすのには様々な原因があるのですが・・・・・・

前回述べたように脱出したヘルニア槐(MRIに確かに映ってはいる)のですが、

神経学的および解剖学的には起こりえない症状の矛盾点が多く存在する。・・・という事実。

本当に神経が損傷がしているかどうか? MRIで分かるのか?

神経損傷の程度はMRIで明確に分かるのか?

単なる圧迫による一過性の機能異常も特異的腰痛に分類しても良いのか?

単なる圧迫による一過性の腰下肢痛ならば単なる腰痛症で良いのでは?

単なる一過性の腰下肢痛ならば神経損傷のない侵害受容器による興奮による

単なる運動器障害の腰痛症で良いのでは?

むろん、馬尾症候、病的反射、運動障害である筋力低下、麻痺が無いという条件付きです。

画像診断で、腰椎椎間板ヘルニアと診断された人は長期に注意深く観察することは、

医療の一部に携わる一人として必要性は確かに感じますが・・・・・・・・・・・


少し長くなったので次回に神経障害性疼痛の代表的疾病を観察してみます。




touyou8syok9 at 21:00|PermalinkComments(0)

2018年09月20日

腰痛(53)

特異的腰痛の問題

今まで述べたことの繰り返しも多いですが確認の意味でも

腰椎椎間板ヘルニアの矛盾点

 <診断>

  MRIなどの画像診断によるヘルニア脱出による神経根の圧迫

  症状は二次的

  <診断に対する疑問>

  1995年に発表されたBoosらの論文では以下のように報告されています。

    「痛みのある椎間板ヘルニアの患者のグループ」と「腰痛のないグループ」において、
    それぞれの職業内容・年齢・性差・生活習慣などの条件を同一にしたうえで、MRIを比較した
    結果、
     腰痛のないグループの76%にヘルニアが見つかり、85%に椎間板の変性が認められた。
     正常な人たちの7割以上にヘルニアがある。

    この論文が出される以前にも、MRIによる腰痛群と無症状群を比較するという実験は
    複数の研究者らによって行われ、いずれの研究においても
    3〜8割の「無症状ヘルニア」や「無症状の変性椎間板」が見つかっている。

    結果、アメリカの腰痛ガイドラインでは、
 
     「変形性脊椎症が単なる退行性変化であるのと同じように、変性椎間板、椎間板ヘルニアも
      また単なる老化のサインに過ぎず、腰痛の原因としては見当違いの所見かもしれない」

    1998年、WittenburgらはEBMに則った比較試験を厳密に行うことで、

「MRI上のヘルニアと神経症状のあいだには関係がない」ことを証明し、
     MRIのみでは診断できないと結論付けています。

   以上のMRI診断における疑問的な事実がある。

  <症状に対する疑問>
    
    神経根が圧迫されることによって痛み、シビレが出現することは※神経生理学では
    まず考えられない

    支配神経の筋力低下、麻痺、触覚などの感覚低下、反射の低下はありえる。

    仮にヘルニア槐が神経根を圧迫する場合には、解剖学的位置から運動神経を圧迫する。
    
    神経根の圧迫が原因ならば症状の多くは筋力低下、運動麻痺から始まるのが妥当。

    本当に圧迫が原因ならばへ腰椎ヘルニアの全例に筋力低下、麻痺の運動障害がある。
    しかしながら、このような臨床例はまず皆無に等しい。
    
    ただし、
    運動障害の筋力の低下の存在する場合は、神経根の圧迫は十二分に考慮すべき。
    神経根の圧迫は、まず最初に運動低下、麻痺などの運動障害ありきです。

    ※疼痛や違和感などは、神経根の炎症(化学的受容器)ではおこりえるが、
      神経根の圧迫(物理的圧迫ではおこらない)
      知覚麻痺が現れるのは脊柱管レベルで馬尾神経そのものが圧迫されたとき。
      つまり馬尾症候群です。たとえばサドル麻痺(肛門会陰部の知覚消失)

  <ヘルニア槐を除去する手術に対する疑問>

    椎間板ヘルニアの長期予後は、画像診断や計測値に影響されない。

    椎間版ヘルニアで入院して保存療法が実施され、10年間以上経過した症例に対する

    追跡調査においても80%前後が良好な成績を得ている。

    入院時に手術を勧められた症例と勧められなかった症例との間に長期成績に

    差は認められない。
 
  
特異的腰痛である腰椎ヘルニア、腰部脊柱管狭窄において
  
 <MRIなどの画像診断で重要なのはむしろ馬尾型の腰部脊柱管狭窄>

   腰部脊柱管狭窄の自然経過は、神経障害式により異なる。

   神経根型はその大多数が単一神経根障害であり、自然寛解傾向を認める。

   神経根症状を呈する神経根型に対しては、保存療法が第1選択枝になる。

   これに対して、馬尾型と混合型が有する馬尾症状は、それ自体が重症である。

   保存療法による治療効果は、神経型と異なり、期待できない。

   1、神経根型:神経根が圧迫されるタイプ。

   2、馬尾型:脊柱管の中を通る神経の束である馬尾が圧迫されるタイプ。

   3、混合型:神経根と馬尾神経、両方の神経が圧迫される。

   2、3の馬尾型、混合型の場合には馬尾症候が現れます。

   脊柱管狭窄の内訳では神経根型70%混合型16%馬尾型14%。

   馬尾型の約30%が発症後5年内に最終的に手術に至るとのデーターがあります。

   従って脊柱管狭窄では、どの型かMRIの診断は非常に重要になります。

   それでも腰椎脊柱管狭と診断されても70〜80%の人は手術の必要は?

   最近は50歳以上の人には腰椎ヘルニアというより脊柱管狭窄と診断される人が

   多くなり心配されている人が非常に多い。

   混合型が増えてるのは確かでしょうが・・・・あまり心配されるのもどうかな?

   例え、脊柱管狭窄と診断されても神経根型なら腰椎椎間板ヘルニアと同様に扱って良いのでは?

<腰椎椎間板ヘルニアにおいても脊柱管狭窄においても症状で重要なのは馬尾型の症状>

    頻尿感、残尿感、尿閉、便秘、両脚の「しびれ」や「まひ」(痛みはない)、

    だるさ異常な勃起(男性)、会陰部に「ほてり」異常な感覚(女性)

    つまり、馬尾症候群の存在の有無

    これらの症状があれば、手術は仕方が無いですね。


いかがでしょうか?

特異的腰痛における疼痛は、ほぼ心配が無いですね。

<ポイント>

 筋力低下、運動麻痺などの運動障害があるか?ないか?

 まず、運動障害の存在ありきです。

 次に感覚の異常感も心配がアリマセンが、触覚、圧覚の感覚の低下があるか?ないか?

 神経根の圧迫によっては感覚の鈍麻(低下)は存在しますが、これも運動障害の存在ありきです。

 ただし、感覚の脱失は馬尾症候でありえます。

 むしろ症状に、疼痛が存在すれば・・・・・・・むしろ安心でしょう。

腰椎ヘルニアで重要なのは、神経根の圧迫による支配神経の障害である

 圧迫された神経根レベルでの 運動麻痺、筋力低下、反射の低下の運動障害

 感覚の低下、消失は神経根レベルの運動障害が必ず存在するという前提条件

 脊柱管狭窄では、馬尾障害の有無。


ただし、感覚の異常つまり殿部および下肢のシビレ、だるさは気なりますね。

そこで神経因性疼痛も考えられます。

ジンジン、ピリピリといういやな感覚ですね。最近宣伝にも多く使われています。

この神経因性疼痛は侵害受容器が出発点になります。

この侵害受容器には、機械的受容器、化学的受容器があります。

この受容器は様々な軟部組織に存在し機械的な圧迫、触覚、運動、振動、また炎症メディエ−ターと
呼ばれる化学的物質の侵害刺激に対して過敏に反応、興奮し、痛みを発生させます。

運動器疼痛の主たる原因は、この侵害受容器によるものです。

症例によって、神経因性疼痛と神経障害性疼痛が混在することがあります。

急性期の初期は機械的受容器、化学的受容器が反応して疼痛が起こるのは当然。

しかも、運動器疼痛の主たる原因は、この侵害受容器によるものが大多数なのです。

つまり、神経因性疼痛も日常の腰痛と何ら変わることはないのです。

日常の臨床で当たり前に遭遇しているお話です。


この神経因性疼痛のなかで、神経系が損傷されておこる病的な疼痛が、

神経障害性疼痛とよばれています。

この疾患のなかに複合性局所疼痛症候群(CRSP)のタイプ兇有ります。

複合性局所疼痛症候群(CRSP)のタイプ気録牲亰呂梁蚕はありませんでしたね。

前振りが長くなってしまいましたので、次回に。

できれば、前回のブログを再読していただければ・・・・。



touyou8syok9 at 22:00|PermalinkComments(0)