イッキ描きブログ

菊地理の油絵作品と絵の話

2012年10月

ヘボ絵描きは・・・

いよいよ水が冷たくなってきた。これからの朝の水浴は厳しい。でもまだ年内は大丈夫。1月2月はまさに修行だ。年寄りの冷や水、とはよく言ったものだ。私は19歳から43年間やっているけど、やっぱり辛いなぁ〜。でも、もう被らないと身体が不機嫌になる。贅沢な身体だ。
明日から下着も長袖にするか。まだ早いかな?
本気で等迦会の準備をしなければならない。東京多摩支部が出来て、私が支部長だから推薦状も出さなければならない。忙しい。それより、キャンバスを張って、地塗りをする。100号を5〜6枚用意する。これが大仕事だ。看板屋だったら100万円の仕事だ。ヘボ絵描きは苦労するうえに金もかかる。情けない。
クリムトなら100号150億円だ。凄いね。
われわれにとって、クリムトとかゴッホなんて天上人。ああいう人たちの作品はレベル1を超えている。100億でも200億でも勝手にやってくれよ、って感じ。別世界の話だ。見るだけなら1500円ぐらいで大丈夫。
おっと、リヒテンシュタイン展を見に行かなくては! それから、町田市立国際版画美術館の『北斎と広重』も行きたい。多分11月3日は文化の日なので無料だ。そう言えば、文化の日前後の東京国立博物館もいいのをジャンジャン出す。行かなくては!
東京国立博物館が大赤字で閉鎖の噂もあるらしい。仕分けか? パリのルーブル、マドリッドのプラド、ニューヨークのメトロポリタンと来て、東京の東京国立博物館だよ。赤字で閉鎖? 情けないね。
今日はバラ広場に行って30号から0号まで7枚の油絵を描いた。
天気:晴れ

まずは共通点

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北斎が4万枚の絵を残したとか、3万枚だとか、いやいや10万枚だ。などといろいろな説があり、とにかく膨大な絵を残した。で、私は毎年1千枚の絵を描いているけど、これを合計すると、10年で1万枚、30年で3万枚になる。だけど、くれぐれも言っておくけど私は描いているだけ。北斎は残したのだ。ここは全然ちがう。
この前のNHKの『クリムト』では200枚の油絵を残した、と言っていた。たった200枚だ。私は年間600枚の油絵を描く。だけど、クリムトの場合は画面もでかいし、1枚何日もかかるから致し方ないのだ。
私の画法はイッキ描きで600枚でも足りないぐらいだ。絵を描くだけなら油絵で1000枚だって描けるけど、キャンバス張りと地塗りが嫌だから600枚が限界である。
それにしても、クリムトの肉付けは素晴らしい。
クリムトというと、バックの幾何学模様みたいな表現とか、女性肖像画の指の形など、他の画家とのちがいを指摘されるけど、まずはあの構成力と肉付けを褒めてもらいたい。
構成力と肉付けなら、ミケランジェロとかラファエロのほうが凄いだろが! とおっしゃりたいのだろうが、何度も言うように、当たり前のことも出来ずに新しがる馬鹿が多いから言っているのだ。人体では肉付けと骨格表現が最大の難関なのだ。生涯の課題だ。これがちゃんと出来ている画家はとても少ない。画家の意識がそこを離れてしまったらオシマイだ。まずは偉大な画家たちの共通点を述べて欲しい。
NHKにも画家が出演していたけど、そんなことは一言も言っていなかった。
今日はクロッキー会だった。地塗り済みキャンバスがなくなった。シクシク。
作品:F4「うたたね」(今日の話題で裸婦は嫌だね)
天気:曇り。寒い。

敬愛する先人で遊ぶ

アルミのパレットはなかった。デコラ製と書いてあった。店員に訊いたけどわからない。何の説明も書いてない。とにかく一番高い奴を買った。5年も使えばとても安く付く。
あれ? 文体が『大地』調になっているかな?
デコラは「基材の表面に高圧メラミン層を形成した化粧版」だそうだ(ウィキペディア)。では、メラミン層って何だ? と訊きたくなる。そうやってどんどん調べてゆくと、調べることが膨大になり化学者になってしまう。だから止めておく。耐摩耗性が強いらしい。油絵具のパレットにはいいかも。
『戦火の馬』はスピルバーグ監督の映画だ。家内が三分の二ぐらい見てから、「いい映画だね」と言うから、「だってスピルバーグがジョン・フォードになりきって遊んだンだもの」と答えた。そのとき初めて知ったらしい。新聞の広告にでっかく出ていたし、テレビでも何度も宣伝していた。あの馬の撮影はジョン・フォードであり、黒澤明だ。
私もクロッキー会では、ドガになったり、ロダンになったり、ミケランジェロやフィーディアスにもなって遊んでいる。
では、今このブログはパール・バックになってしまったのか? ちょっと一瞬そんな気がしただけだ。
ま、だいたい人はリスペクトする先人ゴッコをして死んでゆく。それはとても正しいと思う。
天気:晴れ。風が少しあり

久しぶりのお休み

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今日はほぼ1ヶ月ぶりの非番だ。何も予定がない。プールに行くことぐらい(これはかなりの重労働だけどね)。
でも、明後日はクロッキー会だから、この前壊れたパレットを買いに行かなければならないし、南仏のオランダ人に墨の道具を送らなければならない。どの程度のものを送るか、今日見てこよう。実は豊橋は筆の名産地。豊橋で選ぼうと思ったが、時間がなかった。
個展中はけっこう忙しい。なんとか、豊橋博物館でやっていた『近代日本画の名作』展は見られた。村上華岳(1888〜1939)があった。とてもよかった。
また、夜は暇なので、DVDを二本見た。『社長繁盛記』と『戦火の馬』だ。『戦火の馬』はとても長かった。147と書いてあったので、1時間47分か。ちょっと短めの映画だな、と思ったけど実際は147分。2時間27分の超大作だった。疲れた。
今朝、南仏のデリアンからメールが来てしまった。こっちから出さなければいけないのに、また先手を打たれた。日本人は恩知らず、と思われたくないから、なんとか頑張る。デリアンが連れて行ってくれたところで描いた絵をたくさん買っていただいた。デリアンのおかげだ。絶対に何かお礼をしなければならない。あのバラ園の年配の女性にもお礼がしたい。一日中バラを描いた。お昼をご馳走してくれた。特製のオランダ料理だった。私が肉を食べないので、魚の揚げ物だった。内緒だけど、あまり旨くなかった。でも、手をかけて作ってくれたのだ。村上春樹の小説を読んだといっていた。私は全然読んでいない。
そう言えば、『大地』もまだ200ページしか進んでいない。1600ページの大著だ。やっぱり忙しいかも。ま、『大地』はたくさん残っていたほうが楽しい。遅読もまたよきかな。年寄りは時間があるからいいね。若いころは焦っていたなぁ〜。馬鹿だった。
で、今は夜。プールも行ったし、ブックオフに寄ってから、パレットも買った(3500円)。墨の道具も見た。そこまでで、野暮用が出来てしまった。大至急家に帰った。
作品:F4「粧」
天気:曇り

イッキに高める

最近少し食べ過ぎの傾向がある。よく歩いているしちゃんと泳いでいるので体重は増えないけど、食べ過ぎるとどうも具合が悪い。『大地』を読んでいるから贅沢はいけないと思っているわけではない。禅の断食もやったことがない。でも、断食まで行かなくても、食を控えたほうが身体にいいようにも思う。なんか、かったるいのは食いすぎのせいではないだろうか? 食いすぎると気力も損なうのかも。
気力がなければ絵は出来ない。特に私の絵なんて気力を焼き付けているようなものだ。もちろん、そんな偉そうに言えるほど気力が漲っているわけじゃあない。普通の人以下かもしれない。
問題は裸婦や花を前にしたときどれぐらい集中できるかということだ。普段から気力を漲らせていても気持ちが悪い。筆を持ったときだけイッキに、まさにイッキに気力を高めればいいのだ。『ドラゴンボール』の見すぎかもしれない。いやいや、荒唐無稽なマンガでも一抹の真実はある。
どうも禅の教えはいろいろと参考になる。
だから、今晩は晩飯抜きにした。でもバナナを4本食べた。小さめだけどね。とうとう猿か!?
天気:曇り。暖かい。

約50年間見てきた

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『大地』は文庫本だと400ページの本が4冊ある。1600ページにも及ぶ大著だ。私は初めの120ページを読んだだけ。昨日の後、日照りのために一家が飢え死に寸前まで行って、南の都市に移り住むところまで読んでいる。酷い生活だ。アメリカ人の女性がよくこんなに克明に中国人の暮らしを調べたものだと感服する。今の北朝鮮も同じようなものかもしれない。
もちろん私にはどうにもならない。
石原慎太郎は80歳になってもまだ政治が世の中をよくするのだと信じている。不思議だ。まさか多くの政治屋のように、政治は飯を食うには安泰だ、と考えているわけでもないだろう。それとも、自分も総理大臣になりたいし、息子たちにも総理大臣になってもらいたいのだろうか? これはありうる想像だ。
私も中学生ぐらいから約50年間日本の政治を見てきたけど、政治が世の中をよくするとはとても思えない。
だけど、今の日本は70年近く戦争がないし、世界でもトップクラスの裕福な国だ。こういう国にいたからこそ、私も絵なんて描いて生きていられる。政治のせいでもないのだろうが、ありがたいことだ。
今日は夜歩いてプールに行った。4人しかお客さんはいなかった。3000円で11回分の回数券を買った。躊躇なく回数券が買えるのも、絵を買ってもらったおかげだ。まったくありがたい。
作品:F10「室内」(前回のF8のほうがいいように思う)
天気:晴れ

ダメな叔父さん

もう10月の末なのだ。フランスから帰ってきて4ヶ月近く経ってしまった。もちろんこの4ヶ月の間にも絵も描いた。たくさん描いた。どの絵をいつ描いたのか、もうわからない。覚えていない。今までも適当だった。金井展前とか後とか、豊橋展前とか後とか、そういう大雑把な分類だ。パソコンの画像には年月日も入れるようにしているけど、けっこういい加減だ。歴史に残る大画家ではないんだから、そんなに正確に日付を入れることもないと思う。南仏前、後でご勘弁願う。
どういうわけか『大地』(パール・バック 新潮文庫)を読み始めてしまった。若いころに読んでいない世界の名著だ。この前の豊橋展のとき、読むものがなくて、家内が若いころ買ってもらった世界文学全集から『大地』選んでパラパラ読んでいたら続きが読みたくなった。娘が文庫版を持っていて、出してきてくれた。
主人公の農民は働き者だ。私とは大違い。ダメな叔父さんが登場するが、私はまさにその叔父さん。情けない。深く反省しながら読んでいる。
今朝はホームページの更新日だった。すっかり忘れていた。酷いものだ。ボケジジイだ。
今日は筆を洗って、パレットの大掃除をした。こびりついている絵具を取っていたら、パレットの蝶番を壊してしまった。せっかくの一生モノのアルミパレットを買ったのに、また買わなければならないかも。もっとも、もう5年は使っていると思う。致し方ない。
天気:曇り

お喋りかも

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昨日のラジオ出演では、こういうことをお話しようとメモを書いておいたけど、時間の関係で大半はお話できなかった。公表しないほうがいいような話もたくさんある。小黒さんの名ホストとスタッフの桜井さんのお導きでとても具合よく進行できた。ニシャンタさんのような、誰もが聞きたくなるインド洋の大津波みたいな話は、私にはない。野生の象が津波を察知して山に逃げ、ほとんどの象は助かった、みたいな話だ。
話さなかった話では、「憧れの画家は?」という質問があり、私はズラズラたくさん用意していた。宋元画の牧谿、ヨーロッパ油彩画ならティツィアーノ、人体表現は古代ギリシア彫刻など切りがない。印象派ならドガ、近代日本の画家のナンバーワンは富岡鉄斎、近代洋画なら長谷川利行。これもまだまだ漏れがある。ヴュイヤールについてだって述べたい。宋元画だって夏珪とか因陀羅とか、もっと古い巨然、范寛、郭煕などいっぱい出てくる。ヨーロッパのレオナルドもミケランジェロも憧れだ。切りがない。
他に、自分で勝手に用意した話にプロの画家のことなどもあった。ま、このブログやホームページではよく述べていることだ。
仏教の話はほとんどしなかった。
ああ、私はお喋りだなぁ〜。
今日はクロッキー会だった。地塗りキャンバスは完全に乾いていた。
クロッキー会のあと一眠りしてバラ園に行こうかと思ったが、秋バラはまだ4分咲きとのこと。月末に行くことにした。
作品:F8「初秋の梅の木」
天気:晴れ

ちゃんと描けている

田中英道の『「写楽」問題は終わっていない』(祥伝社新書)に対する不満は、写楽の絵を他の浮世絵師と比較して「強い線、しっかりした描線、色彩」と評価しているけど、どうして「並外れた人体表現、空間描写、動き、質感、量感」と言わないのか不思議でならない。田中先生は西洋美術史の方だからなおさらそういう西洋美術的な見方があっていいはずだ。
私は自分のホームページの「絵の話」でも述べたが、写楽の人物表現は豊国などと根本的にちがう。頭の後ろに手が入るほどの空間描写が出来ている。頭蓋骨が球体に描けている。豊国や、今回登場した栄松斎長喜の絵にはそれらがまったく見られない。写楽の絵を見て、レンブラントやベラスケスに匹敵すると、ヨーロッパ人が言うのはそこのところを見ているのだ。
頭だけではない。肩や腰もしっかり描けている。
まったく、一目見ればわかる。
もちろん、北斎の人物表現も完璧である。歌麿も。
写楽と北斎はどうしても同一人物である可能性が高い。何度も言うように、私には大問題ではないけどね。
で、今日はラジオの収録があった。放送日は11月26日(月)〜30日(金)。夜8:40〜8:50。関東圏のみ。地方でもたまに。FM放送。J-wave。
六本木ヒルズの33階での収録。この町田のハズレをいつもうろうろしているジジイにはホント未来社会みたいなところ、収録後ホストの小黒さんにくっついて銀座までタクシーで行ったけど、まったく大都会の真ん中を移動するので、目がきょろきょろしてしまった。
天気:夜中は嵐。昼間も嵐。晴れたり曇ったり雨だったり。ややこしい

怒っている

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『「写楽」問題は終わっていない』(田中英道・祥伝社新書)を読み終わった。田中先生はとても怒っている。日本美術史界やNHKにとても怒っておいでだ。
内容は、2000年に出した『写楽は北斎である』(田中英道・祥伝社)と重複している箇所も多い。私のホームページを見たのかな、と思うところもあった。だけど、新しい部分が大半。結構ちゃんとした本だ。文章も上手い(口実筆記らしい)。
NHKなんかに怒っても・・・と思うけど、やっぱりNHKは視聴している人がとても多い。世間への影響力は計り知れない。怒る気持ちは理解できる。でも、NHKを見ても本と違って瞬間的な影響力は大きいが、ほとんどの人はすぐ忘れてしまうと思う。ちなみにBSなので私は見ていない。2011年5月「知られざる在外秘宝」の第3回と第4回が写楽で、特に第4回『写楽・解かれゆく謎 ギリシャの浮世絵が語る正体』にご自分もビデオ出演なさっている関係もあり、とても怒っている。
この怒りの情熱が2011年12月10日にこの新書『「写楽」問題は終わっていない』を発売させた動機だと思う。だから、ちゃんとした情熱ある出版だ。『写楽は北斎である』の焼き直しではない。私は単なる焼き直しと思い、まったく買う気はなかった。でも、豊橋の大きな書店で、何気なく探したが、そこにはなく、成瀬のスーパー・ローゼンの3階の本屋にあったから、嬉しくなってつい買ってしまった。今は760円ぐらいなら買える身分だ。
田中先生の主張にはおおむね賛成である。とにかく私の父は「そんなもん、北斎に決まっているじゃねぇか! 一目見ればわかる」と言い切っていた。で、ギリシャで発見された扇面画が写楽でないことも一目瞭然。まったくバカバカしい。一目見ればわかる。
だけど、田中先生にも一言文句がある。それはまた明日。
作品:F8「室内」
天気:晴れ
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