(日曜日)
『緋の天空』(葉室麟・集英社文庫)を読み終わった。729年の長屋王の事件は冤罪だった可能性が高いとの説。その長屋王(天武天皇の孫)の息子・膳夫(かしわで)と光明子(聖武天皇の皇后)は幼馴染で淡い恋心を持っていたという設定。何か根拠があるのかもしれないが、私は調べてない。かしわで(膳夫)は長屋王の事件で自決する。膳夫はイケメンとの設定。事件後の734年、光明子は興福寺の阿修羅像を見つめて涙を浮かべる。阿修羅像が少年の頃の膳夫の面差しに似ていたのだ(p285〜286)。ここはちょっとジーンときた。
私の見解は、阿修羅像は相撲の柏戸に似ていると思っていた。古くてゴメン。
この小説は奈良時代の話だけど女帝をとても肯定的に描いている。現在の皇室事情への発言なのかも、と思ってしまった。
興福寺は藤原氏が建てたお寺。光明子も藤原氏。
奈良に日帰りするなら、第一に東大寺。南大門(鎌倉時代)はイヤでも見えてしまう。大仏殿も江戸期の復元だが悪くない。三月堂と戒壇堂は必見。興福寺も近鉄奈良駅に近い。阿修羅像はだいたいいつでも見られるはず。興福寺には阿修羅像以外にも天平の傑作が山のように並んでいる。日帰りでも、たまに奈良に行きたくなる。1300年の時を経た国宝がズラズラ見られる。イタリアのフィレンツェより楽しいかも。少なくともフィレンツェ並みの建造物と彫刻群がある。身近に凄いところがあるんだよねぇ〜〜。

今日は個展前最後のマンション勤務があり、帰宅後に個展の最終準備をやった。後は展示してみなければわからない。ま、どんなにいい展示でも成果が出なきゃ話にならないけど、とにかく少しでもましな展示をする。当たり前の話。
天気:晴れ