中小企業のための今日の人事労務管理

社会保険労務士法人名南経営 豊田ゆかり 公式ブログ

こんにちは。名南経営の豊田です。久しぶりの更新です。
平成28年もお客様からの様々なご相談に対応させていただきましたが、特に後半は従業員さんの身上に関する異動情報の管理に関するものが複数ありました。
  「従業員の転居の連絡がなく、社会保険の住所変更手続が漏れていた。」
  「18歳年度末を期限として子どもに対する家族手当を支給しているが、年齢把握ができていない。」
異動の件数が多くなれば、タイムリーに、確実に社内手続を効率的に進めるにも工夫が必要ですね。
 
 さて、この身上異動連絡の基本的な流れは、本人から会社に届出があり、それを受けて会社が社会保険やその他社内手続を行うというものでしょうが、そもそも本人からの連絡が来ていなかったり、様々な事情が重なり、何らかの手続が漏れてしまうこともあります。
従業員からの届出に対する社内手続のスムーズな流れのためには、まず異動の内容毎に社会保険その他社内手続を一覧化し進捗を見える化するなど、漏れのない対応ができる体制を整えることが大切ですが、それに加えて年に1回程度定期的に全従業員を対象とした確認作業をすると、より確実に対応できるかもしれません。

 例えば、年末調整が完了したこの時期に申告書類を基に従業員情報を整理してみるのもひとつの方法だと思います。ご存知のように年末調整の申告書類では主に以下の情報を確認できます。
 ①住所変更の有無
 ②扶養親族の増減
 ③扶養親族の年齢

年末調整時には、取り急ぎ従業員情報を変更して正確な源泉徴収票発行することが先決です。
そこで、1月以降少し落ち着いた時期に①~③の内容を社会保険手続その他社内手続の視点で整理して漏れがないかを確認します。
社会保険では、住所変更があると「被保険者住所変更届」を「速やかに」年金事務センターへ提出する必要があります。この手続が漏れていると「年金定期便が届かない」という事態になるかもしれません。

また、一定の年齢で家族手当の支給が終了する規定となっている会社であれば、このタイミングでお子さんの年齢把握が出来れば余裕をもって社内手続の手配ができます。

 従業員さんからの届出と会社側での情報整理により、よりスムーズに、効率的に社内手続が進む体制を整えてはいかがでしょうか。

 「生活習慣病予防検診って定期健康診断のかわりにしてもいいの?」

最近何件かこんなご質問をお受けましたので、「大丈夫ですよ」とお答えしました。
今回は生活習慣病予防健診の内容を簡単に確認してみましょう。

 生活習慣病予防検診は35~74歳の健康保険の被保険者を対象としており、協会けんぽから補助があるため最大7,038円の費用負担で受診することができる健診です。毎年春(3月末ごろ)事業所あてに協会けんぽから案内が届くため、希望者は会社を通じて申込書を提出することで受診できます。
その内容は、労働安全衛生法に基づく定期健康診断の内容に加えて便潜血反応検査、胃部レントゲン検査等が含まれています。
受診費用は医療機関により若干異なりますが、定期健康診断の費用と比較しても、検査項目を考えても、定期健康診断の代替として考えるのはお得な方法かもしれません。

また、生活習慣病予防健診では、健診の結果生活習慣病のリスクがあると判定された場合は無料の健康サポート(特定保健指導)を受けることができる仕組みもありますので、従業員さんの生活習慣改善に有用ではないでしょうか。


※定期健康診断の項目(一部年齢による省略可能項目あり)
 1 既往歴及び業務歴の調査
 2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
 3 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
 4 胸部エックス線検査 及び喀痰検査
 5 血圧の測定
 6 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
 7 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)
 8 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
 9 血糖検査
10 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
11 心電図検査

 毎年8月1日に雇用保険の基本手当日額の上限額が変更になり、これにあわせて雇用継続給付のリーフレットも更新されますが、介護休業給付金に関しては、今年は上限額の変更だけでなく給付率のアップ等変更点があります。そこで今回は、介護休業給付金の変更点を確認してみましょう。

平成28年8月1日以降に開始する介護休業から介護休業給付金の支給率が40%→67%に変更
  育児休業給付金は、過去たびたび支給率がアップされてきましたが、介護休業給付金は、平成12年の法改 
 正で40%に変更になって以来の給付率変更となりました。
給付金の算定基準となる賃金日額の上限額引上げ
  賃金日額の上限額は、一定の年齢ごとに区分されている雇用保険の賃金日額の上限額をもとに決められま 
 す。平成28年7月31日までは、「30歳から44歳までの賃金日額の上限額」が適用されていましたが、8月1日 
 からは「45歳から59歳までの賃金日額の上限額」が適用されることになりました。
今回の変更により給付額に以下のようになります。

 ①平成28年7月31日までに介護休業を開始した場合
   介護休業を30日取得 賃金日額15,000円の場合)
   賃金日額の上限=14,210円←30歳~44歳までの賃金日額の上限額
   介護休業給付金の額=休業開始時の賃金日額×支給日数(30日)×40%
       14,210円×30日×40%=170,520円

 ②平成28年8月1日以降に介護休業を開始した場合
   介護休業を30日取得 賃金日額15,000円の場合
   賃金日額の上限=15,550円←45歳~59歳までの賃金日額の上限額
   介護休業給付金の額=休業開始時の賃金日額×支給日数(30日)×67%
       15,000円×30日×67%=301,500円

 具体的な金額を比較してみると大きな差が出ることが分かりますね。


 介護休業に関しては、改正育児・介護休業法が平成29日1月1日施行され、分割取得が可能になる等従業員にとってより使い勝手がよいものに変更されます。今後は育児休業だけでなく介護休業のニーズも増えていくものと思われます。給付率の変更に関する社内での周知はもちろんのこと、1月1日の施行に向けての社内規程整備も準備していきたいところですね。

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