中小企業のための今日の人事労務管理

社会保険労務士法人名南経営 豊田ゆかり 公式ブログ

 毎年8月1日に雇用保険の基本手当日額の上限額が変更になり、これにあわせて雇用継続給付のリーフレットも更新されますが、介護休業給付金に関しては、今年は上限額の変更だけでなく給付率のアップ等変更点があります。そこで今回は、介護休業給付金の変更点を確認してみましょう。

平成28年8月1日以降に開始する介護休業から介護休業給付金の支給率が40%→67%に変更
  育児休業給付金は、過去たびたび支給率がアップされてきましたが、介護休業給付金は、平成12年の法改 
 正で40%に変更になって以来の給付率変更となりました。
給付金の算定基準となる賃金日額の上限額引上げ
  賃金日額の上限額は、一定の年齢ごとに区分されている雇用保険の賃金日額の上限額をもとに決められま 
 す。平成28年7月31日までは、「30歳から44歳までの賃金日額の上限額」が適用されていましたが、8月1日 
 からは「45歳から59歳までの賃金日額の上限額」が適用されることになりました。
今回の変更により給付額に以下のようになります。

 ①平成28年7月31日までに介護休業を開始した場合
   介護休業を30日取得 賃金日額15,000円の場合)
   賃金日額の上限=14,210円←30歳~44歳までの賃金日額の上限額
   介護休業給付金の額=休業開始時の賃金日額×支給日数(30日)×40%
       14,210円×30日×40%=170,520円

 ②平成28年8月1日以降に介護休業を開始した場合
   介護休業を30日取得 賃金日額15,000円の場合
   賃金日額の上限=15,550円←45歳~59歳までの賃金日額の上限額
   介護休業給付金の額=休業開始時の賃金日額×支給日数(30日)×67%
       15,000円×30日×67%=301,500円

 具体的な金額を比較してみると大きな差が出ることが分かりますね。


 介護休業に関しては、改正育児・介護休業法が平成29日1月1日施行され、分割取得が可能になる等従業員にとってより使い勝手がよいものに変更されます。今後は育児休業だけでなく介護休業のニーズも増えていくものと思われます。給付率の変更に関する社内での周知はもちろんのこと、1月1日の施行に向けての社内規程整備も準備していきたいところですね。

  弊法人では、顧問先様だけにとどまらず、広く経営者や総務担当者の皆様に労務管理に関する情報をお届けしようという活動の一つとして、平成21年から無料セミナー「経営者・総務担当者のための人事労務基本講座」を開催しています。今年度も奇数月に実施しますが、第66講となる5月は、労働保険の年度更新と社会保険の算定基礎をテーマに取り上げます。
この講座では単に作業手順を説明するだけでなく、社会保険・労働保険の仕組みなどの基本的かつ最低限の知識をまず確認し、手続き上注意すべきポイントをわかりやすくお話しします。そしてこれらの作業をスムーズに行うことができるレベルを目指します。
総務初任者の方や知識のブラッシュアップを図りたい担当者におすすめの内容ですので、ぜひご参加いただければ、と思います。

【内容】
  総務担当者のための労働保険の年度更新と社会保険の算定基礎
   ①健保・厚年・雇保・労災 それぞれの保険制度の基本と役割
   ②労働保険年度更新 実施のポイント
    ~賃金の対象額、対象期間、対象者、労働保険料の納付など
   ③算定基礎届作成の前に再確認しおきたい社会保険の基礎知識
     ~社会保険料の決定タイミング、標準報酬月額の対象
   ④算定基礎(定時改定)と月額変更(随時改定)の関係を整理する
   ⑤間違えやすい算定基礎の結果反映と保険料控除タイミング

【講師】
  社会保険労務士法人 名南経営   田代倫大
【日時・場所】
  2016年5月26日(木)14:00~15:30(開場:13:30)
  名南経営本社研修室(名古屋駅)
   名古屋市中村区名駅1丁目1番1号 JPタワー名古屋 34階研修室

お申し込みは、以下のURLからお願いいたします。
 https://seminar.meinan.net/seminar/20160526sr.html

 

 4月も残すところあと1週間。総務担当者さんにとっては、新入社員の受入れと社会保険等の資格取得手続き、退職者への対応など、あわただしい毎日だったのではないでしょうか。ゴールデンウィークは少しゆっくりしたいところかもしれませんね。

そうは言っても、そろそろ労働保険の年度更新の準備を始める時期になってきました。そこで、今回は今年度の労働保険料申告時の保険料率はどうなっているか、確認しておきましょう。

雇用保険率
   平成28年3月29日に改正雇用保険法が成立し、平成28年度の雇用保険料率は、以下のとおり引き下げら
 れました。このため、4月分の給与計算では、急遽給与計算ソフトの保険料率を変更して給与計算を行ってい
 ただいていることと思います。

  一般の事業  被保険者負担分 1000分の4  事業主負担分 1000分の7 合計 1000分の11
                       (1000分の5)          (1000分の8.5)   (1000分の13.5)
  
  建設の事業  被保険者負担分 1000分の5  事業主負担分 1000分の9 合計 1000分の14
                       (1000分の6)         (1000分の10.5)   (1000分の16.5)

  農林水産・清酒製造の事業
           被保険者負担分 1000分の5  事業主負担分 1000分の8 合計 1000分の13
                      (1000分の6)         (1000分の9.5)   (1000分の15.5)

  いずれの事業でも被保険者負担と事業主負担を合わせて1000分の2.5引き下げられました。

  このため、平成27年度分(平成27年4月分~平成28年3月分の賃金をもとに計算)の確定保険料の計算で
 は、旧料率を使用し、平成28年度の概算保険料は新料率を使用します。

労災保険率
 労災保険の料率は事業の種類によって細かく分類されていますが、今年は変更がありませんでした。メリット制の適用事業所でメリット率の変更があるなどの事情がない事業所では、確定保険料も概算保険料も同じ料率で計算します。
  
  事業の種類の分類における労災保険率↓
  http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000087001.pdf



 また、厚生労働省からは、「平成28年度 労働保険年度更新 申告書の書き方」パンフレットも公開されています。今年は新たに法人番号を記載する欄が設けられています。
事業所に申告書類が届くのは、5月末から6月始めにかけてですが、そろそろ平成27年度分の賃金集計を始めるなど準備を開始してはいかがでしょうか。

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