最近は、妊娠や出産による退職の申し出はすっかり減り、産前産後休業(産休)と育児休業を経て職場復帰するという流れが増えています。そのため、出産育児に関するご相談も増えています。
出産手当金や育児休業給付など給付手続に関する内容も多いのですが、実は産休に入るまでの期間の従業員に対しては、法律で様々な対応が求められています。例えば、健診を受診するための時間確保も法律により対応が求められているものです。そこで今回は、産休までの従業員に焦点をあて、法律に定めれている事項について整理してみましょう。

1.労働基準法で定めれれているもの
 <必ず対応が必要なもの>
  妊産婦等の危険有害業務の就業制限
   重量物を取り扱う業務や有害ガスを発散する場所における業務に就かせることを禁止しています。
  産後休業
   原則産後8週間を経過しない女性従業員を就業させてはいけません。

 <従業員からの請求があった場合には対応が必要なもの>
  妊婦の軽易業務転換
   異動可能な軽易業務がある場合には、軽易な業務に転換する必要があります。
  妊産婦に対する変形労働時間制の適用制限
   変形労働時間制が採用されている職場であっても、法定時間(1日8時間、週40時間)を超えて働かせては 
   いけません。
  妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限
   時間外労働、深夜業、休日労働をさせることができません。
  産前休業
   出産予定日以前6週間の女性従業員から請求があった期間、就業させてはいけません。

2.男女雇用機会均等法で定めれれているもの
  いずれも従業員から請求があった場合に対応が必要なものです。
  保健指導または健康診査を受けるための時間の確保
   給与を補償することまで求められていませんが、通院する時間を確保することが必要です。
  指導事項を守ることが出来るようにするための措置
   「母性健康管理指導連絡カード」などを利用して医師の指導により勤務時間の変更や勤務の軽減等の
   希望が出た場合は、必要な措置を講じなければなりません。

 従業員からの申し出を基本としているものが多いですが、これらの内容を会社と従業員双方が正しく理解していることが、まず必要です。また、まず誰に伝えればいいのか迷うこともあるようです。スムーズに妊娠の事実を会社に伝えることのできる環境が必要でしょう。早めに事実把握が出来れば、補充人員の確保の検討や引継ぎスケジュールなど会社としても余裕をもった対応が可能です。就業規則への明記や職場のルールブックなどを作成して活用することで、その他のルール同様に広く周知されていることが望ましいでしょう。