豊浦彰太郎のMLBブログ ”Baseball Spoken Here”

MLBをフォローして42年目の豊浦彰太郎が、その魅力を判りやすくお伝えいたします。

MLBについて、広く深く書いています。最新情報を詳細に掘り下げるというよりは、ある事実に関する自分なりの考えをお伝えすることに、主眼を置いていきたいと思います。もちろん、愛する日本の野球についても、時おり取り上げます。

「喫煙でぼやの強豪校が出場辞退」この判断への問題点を整理する

野球部員の喫煙がぼやに至った強豪校が地区予選を辞退した件に関するコラムに、たくさんコメントをいただいた。連帯責任を肯定する意見が多かったのには驚いた。また、こちらの文章力が至らぬゆえだとは思うが、意図が正しく伝わっていないと思われるものも少なくなかった。したがって、以下の通り論点をもう一度整理しておきたい。

 

 

1)問題を起こした部員とそうでない部員を同様に処するのはおかしい。

 

「部内に喫煙者がいることを知っている者もいたはずであり、彼らも同罪」という意見も少なからず寄せられたことには驚かされた。これらは到底同レベルで語られるべきものではない。

 

また、一般論として仲間内の非行を学校側に報告した場合、個人的な報復の懸念もあると思われるし、学校側が通報者の利益や安全を担保し適切に対応してくれる保証はないかもしれない(今回の高校がそうだと決めつけているわけではない)。

 

問題に直接関与しなかった者まで同じ不利益を蒙るとは、犯罪者が出た家族全員を罪人とみなす行為であり、民主主義国家でこんなことが許されるのかと言いたい。

 

今回の問題は喫煙だったが、部内での暴力行為の場合などは、被害者すら加害者と同じ「出場停止」という処分を加えられることが多い。この矛盾を関係者はどう考えているのだろうか。

 

高野連は出場停止処分を幾度となく下してきた。今回の問題校のケースでは辞退だが、これも連盟の方針を汲んだものだ。

 

1人でも問題を起こす者がいれば全体を処するという策は、問題の抑止にはある程度の効果はあるかもしれない。しかし、非民主的な連帯責任による抑止が、本来教育の一環であるはずの高校野球に相応しいとは思えない。未成年の非行に対し必要な更生への手助けという視点も欠落しているように思える。

 

 

2)出場停止にするまたは辞退させることの、教育の観点からの効果が検証されていない

 

また、高校野球がこれだけ大きな国民的関心事である以上、高野連内でも処分を下した(辞退を受け入れた)個別の事例を追跡調査・研究し、部の運営や部員への対処はかくあるべきという指針を打ち出すできだと思うが、そのような事例を寡聞にして知らない。問題個所の排除のみでは教育の一環として不十分と言わざるをえないだろう。処分を下す連盟も、辞退する学校も体面ばかりを気にしているのではないか。

 

 

3) 個別の事象に対し、過不足ない処分となっているか疑問

 

今回の事例に関して述べると、ぼやに至ったとはいえ生徒の犯した問題自体は「たかが」(あえてこの表現を用いるが)喫煙である。喫煙は違法行為だが、強盗でも傷害でもない。喫煙が行われたのは部室内内のようだが、問題の部員はその前にその高校の生徒である。学校として、喫煙という違法行為に対する過不足ない処罰と更生を促すプログラムが与えられれば、それで十分ではないかと思う。

 

違法行為はもちろん良くない。しかし、違反を犯した部員にも人権がある。人を罰するには慎重でなければならない。一般的には、喫煙行為への処罰は数日間の停学というケースが多いだろう。今回の問題をしっかり検証し、関与した全員に適切な処分を決定するにはそれなりの日数も要すると思う。それが決定し、夏休み明けに授業が再開される時期になったら停学処分の開始という判断すら十分あり得たと思う。それなのに真っ先に部員全員の出場機会を奪う判断を下すとは、事故を起こした列車を丸ごと穴を掘って埋めた外国の例を連想させる。

「月間SLUGGER」「2000年代の薬物問題、ボンズ、オティーズ、ラミレス」   Smoke 'em Inside!

昨日発売の『SLUGGER9月号』、お読みいただいたでしょうか?

私はまだです(土曜日も仕事だったので・・・)。

巻末コラムの「好きに言わせて!」も、取り敢えず2回目を迎えました。

今回もネタはイチロー関連なので前回との被りも若干ありますが、やはり今はこの人について書かざるを得ないでしょう。


わたしのコラムの中身はさておき、隔月刊になった同誌の内容に充実ぶりに驚きました。

詳細は直接ご確認いただきたいのですが、ここ数年はやたら連載モノが多く、特集企画も3-4月号が「未来予想図」で、6月号が「ランキング」で・・・という風にマンネリの印象は拭えなかったからです。

まるで、休刊前の『月刊Major League』のようで心配していたのですが、それは杞憂で終わるかもしれません。

新生『SLUGGER』に期待しましょう。


さあ、今回は歴史編「2000年代 その4」で薬物汚染についての最終回です。

最終回とは言っても、あくまで「2000年代としての」なので、2016年の今日においても、この問題を根絶できていないのはみなさんご存知の通りです。


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メジャーリーグ最大の華はなんといってもホームランだ。

その意味では、バリー・ボンズによるハンク・アーロンの通算本塁打記録755本の更新は、球史最大のスペクタクルとなってしかるべきだった。

しかし、現実は正反対だった。

これほどまでに賞賛を得られない、ブーイングに包まれた大記録更新は空前にして絶後だ(1961年のロジャー・マリスによるベーブ・ルースのシーズン60本の本塁打記録も、必ずしも賞賛ばかりではなかったが)


そもそも、コミッショナー(当時)のバド・シーリグさえ記録達成に立ち合わなかったのだから。

2007年8月7日、ボンズは地元AT&Tパークのナショナルズ戦で756号を放った。

そして、彼はそのシーズンを28本塁打&OPS1.045という43歳の年齢を考えると驚異的な成績で終えFAとなった。

しかし、ジャイアンツからも他球団からもオファーはなく、自然消滅する形で現役引退となった。

引退後5年を経て野球殿堂への選出資格を得てからも、得票は伸び悩んでいるのはご存知の通りだ。

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「野球部員の喫煙がぼや」で強豪校が準決勝を辞退、もう前時代的な「連帯責任」は止めにすべきだ

野球部員の喫煙がぼやに繋がった強豪校が地区大会準決勝への出場を辞退した。いつまで、このような軍隊まがいの「連帯責任」がまかり通るのだろうか。

 

ぼやは21日午前1120分ごろ、佐賀市水ケ江の龍谷高校の部室棟で発生、野球部室を一部焼損した。室内からたばこの吸い殻が見つかった。佐賀署によると、部員数人が出火前に部室で喫煙したことを認めていた。

龍谷高校は昨夏の佐賀大会で優勝。春夏を通じて甲子園に計4度出場している。

 

佐賀新聞7月22

 

学校側は会見を開いたが、発表は佐賀県高野連からなされたようだ。「辞退」という自発的な形態をとってはいるものの、高野連の意向を汲んだものであることは間違いないだろう。

 

しかし、不思議でならない。大昔から高校野球の世界では不祥事を起こした学校は大会への出場を辞退したり、対外試合を禁じられるという連帯責任処分がまかり通っているが、多くのファンやメディアがこれを異常なことと受け取っていない。

 

今回の騒ぎでも、引用した記事にもあるように喫煙したのは「数人」だ。同校野球部は全員で何人いるのか知らないが、どうして関与していない部員の出場機会まで奪われなければならないのか。この理不尽さを訴えるメディアはいないのか。

 

結局、行われているのは不都合な現実の隠ぺい行為だ。最近はあまり耳にしなくなったが、「高校野球は教育の一環」である。前時代的な連帯責任を負わせることが、教育の一環なのか。この一件により、その高校の評判は地に落ちたかもしれないが、それでも何の問題も起こしていない部員だけで準決勝を戦うべきである。いや、当該部員ですらプレー機会を奪われて良いのか?という点にも議論の余地はあると思う。未成年の喫煙には罰則はないが、犯した事実に対する報いは校則等に照らし合わせ受けるべきだとは思う。しかし、彼らの登校する権利がサスペンドされていないならば、部活動を行う権利も守られるべきだろう。そして、当該部員は強烈なヤジでも浴びればよい。

 

何よりも連帯責任による「辞退」や「停止処分」が教育的効果を挙げていると言えるのか。高野連は過去の不祥事例を追跡・分析し、その結果を公表すべきである。効果が検証されていない処分をいつまで続けるのか。

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