豊浦彰太郎のMLBブログ ”Baseball Spoken Here”

MLBをフォローして42年目の豊浦彰太郎が、その魅力を判りやすくお伝えいたします。

MLBについて、広く深く書いています。最新情報を詳細に掘り下げるというよりは、ある事実に関する自分なりの考えをお伝えすることに、主眼を置いていきたいと思います。もちろん、愛する日本の野球についても、時おり取り上げます。

感心できない中日のドラ1ルーキー小笠原慎之介の育成方針といきなりの先発起用

中日のドラフト1位ルーキー、小笠原慎之介の1軍初登板は31日から開幕する交流戦の開幕戦対ソフトバンクでの先発になる可能性が出てきたようだ。ハッキリ言って感心しない。


中日のドラフト1位ルーキー・小笠原慎之介投手(18)が交流戦の開幕戦、31日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でプロ初登板初先発する可能性が29日、急浮上した。
谷繁監督がヤクルト戦(ナゴヤドーム)の試合後「あるかも」と不敵に笑い、首脳陣の1人も「その可能性が高い」と示唆した。
実現すれば、チームで高卒新人が先発するのは12年の西川(11年ドラフト2位)以来。交流戦開幕の先発となれば12球団を見渡しても史上初めての快挙となる。

スポニチアネックス 5月30日

なぜ、感心しないか?それはこの前途有望な若者の起用方針が、「本人の育成<チームの事情」になっているからだ。


ぼくは、新人選手には大きく分けて2種類があると思う。チームの事情で発生した一瞬のチャンスをモノにし自ら這い上がらねばならない選手と、チーム自体が短期的な内輪の事情に左右されず、その選手の将来に何がベストかをしっかりシナリオにして育てていかなければならない選手だ。


そして、高卒ドラ1の投手こそはその後者の典型である。これは、過保護に温室栽培しろということではない。将来はチームの屋台骨となるべき存在なのだから、それまでの道程は極めて計画的であるべきだと思うのだ。

昨今、高卒1年目でいきなり1軍で実績を残す選手は少なくない。しかし、体がしっかり出来ていないうちから一軍起用し、その後故障に苦しんでいるケースもある。


また、小笠原の場合はそもそもファームでもしっかしりた結果が出ていない。ここまで6試合に登板し、0勝2敗で防御率も5.47だ。まだ、1軍でそれなりのタマ数とイニング数をこなせる目処もついていない。昇格させるなら「満を持して」であるべきだ。


それなのに先週から1軍に昇格させている。当初は、中継ぎ起用という話もあった。将来のエース候補を中継ぎでデビューさせること自体ぼくには疑問だったが、ここに来て先発起用の噂さえ出てきた。これが真実だとすると、首脳陣の育成方針の一貫性を疑いたくなる。


中日の先発投手陣は、残念ながら安心して送り出せる人材が現時点では皆無だと言って良い。しかし頭数はソコソコ揃っている。今週末からの対楽天3連戦では、待望の大野雄大の復帰も見込まれている。そうなると、小笠原の起用はどうなるのだろうか?ドラ1を昇格させ先発起用するなら、最低でも3〜4度の機会は与えるべきだと思うが。

日本ハム大谷翔平が「6番投手」で大活躍、どうして「二刀流はここまでイデオロギーになったか」

大谷翔平が「リアル二刀流」で大活躍した。5月29日の楽天戦に6番投手でスタメン出場すると、投げては7回4安打6奪三振で1失点、打っては5打数3安打と「猛打賞」で1打点と圧巻の活躍を見せた。

今季はここまで、本業?の投球はもうひとつの感もあるが、昨季は壁に当たった打撃が大ブレイク。5試合連続(打者として)を含む8本塁打を放ち、打率.359、OPS1.177は文句なしだ。昨季は散々やり玉に挙がった四球の少なさも今季は解消されている。毎年、確実に進歩している。恐るべしだ。

もともと、ぼくは二刀流には反対だった。しかし、ここまで来ると自らの想像力の無さを反省せざるを得ない。

29日の活躍にはメディアも「リアル二刀流」とベタ褒めなのだけれど、この日のパフォーマンスは、「二刀流」というイデオロギーについて考えさせられた。

なぜ、われわれファンは「二刀流」にここまで熱狂するのだろうか。それは、プロ野球という究極の舞台に於いては、投げることと打つことは両立しないという前提に立っているからだ。

確かに、パ・リーグはもともとDH制だし、セ・リーグに至っては、投手は「打たない」「打てない」「打つべきではない」が前提になっている。だからこそ、160キロを超す剛速球を投げながら、時には本塁打もカっ飛ばす大谷翔平は極めて特別な存在と見なされる。何せ「二刀流なのだから」。その結果、二刀流の継続に関する議論が起こる。「ここまで来たのなら、いけるとこまで行かせるべきだ」「両方やらせていては、故障の可能性が高まってしまう」。

しかし、投手は「打たない」「打てない」「打つべきではない」との考え方は必ずしも普遍的ではない。29日の楽天戦のように(打順6番はともかく)、メジャーには快投乱麻の投球を見せながら打撃でも中心打者顔負けのパフォーマンスを見せる投手はいくらでもいる。1999年に22勝を挙げたアストロズのマイク・ハンプトンは打っても打率3割を記録している。ジャイアンツのマディソン・バンガーナーは2014年にワールドシリーズでMVPを獲得する活躍を見せたが、レギュラーシーズンでは2本の満塁本塁打を含む4本塁打を放っている。00年代を中心に132勝を挙げたカルロス・ザンブラーノは通算24本塁打を放っている。そして、メジャーでは別に投手が展開によっては代打で登場することは珍しくもない。投手は野手に比べ打力が劣るのは事実だが、一生懸命それに取り組むのも、打ったら全力で走るのも本来当然のことなのだ。

大谷翔平が「二刀流」と言っても、やはり打撃にも取り組む投手であることは間違いない。仮に、パ・リーグが非DH制リーグで、セ・リーグのような投手やる気なしリーグではなく、メジャーのナ・リーグのように投手も打撃にアグレッシブだったとすると、ここまで二刀流がいわば特別なイデオロギーであるかのように扱われただろうか?という思いは拭えない。登板した日は、バンガーナーのようにガンガン打ちまくり、時には代打でホームランをカっ飛ばせば良いのだから。

ところが、NPBではそうはいかない。たとえセ・リーグに在籍していたとしても投手の打撃を許容する風土がないのだから、大谷のような才能に恵まれた選手が「打撃にも取り組みたいなあ」と思ったら、大上段に構えて「二刀流」を打ちだすしかない。それはやはり窮屈だと思う。

自身のためには、彼は早くメジャーに行った方が良い。そして、ナ・リーグの球団を選ぶべきだ。多くのファンは彼がメジャーに渡るときは、二刀流を諦め投手に専念する時だと思っていると思う。しかし、別に打撃を捨て去ることはない。ナ・リーグに所属し、登板する日にガンガン打ちまくれば良いのだ。それは決して特別なことではない。

イチローの好調さは偶然?それとも・・・  Smoke 'em Inside!

この1週間、日本のファン注目を最も集めたのは、やはり42歳のイチローの「回春」ぶりではないでしょうか。

クリスチャン・イエリッチの故障で21日のナショナルズ戦に久しぶりにスタメン出場すると、いきなり4安打。

翌日も2安打で、久しぶりの2試合連続のマルチヒットを記録すると、23日の同じフロリダに本拠地を置くレイズとのシトラスシリーズ第1戦でも再び4安打。

なんと3日間で10安打の固め打ちを見せたのです。

 

しかし、その後は2試合連続の5タコ&スタメン外れ。27日のゲームは4打数1安打でした。

現在、打率は.351。

果たして、イチローの復調は本物なのか、それとも一時的なものなのでしょうか?

 

スタッツを分析して見ると、案の定BABIPが.377とかなり高い値を示しています。

このことで「高打率はたまたま」と結論付けることは簡単なのですが、今季はここ数年に比べ、キャリア通算で9.8%の三振率が6.1%と低く、同5.9%と低い四球率が8.5%という、良い傾向も示しています。

そして、打球のゴロ/フライ比率は1.23とほぼ例年通りですが、ラインドライブ比率が29%とキャリアで最も高く、かつアウトになった打球でのゴロ率が2.07(通算では1.52)と異様に高い点も注目に値します。

BABIPが高いのは、偶然だけではなく、鋭いライナー比率が高いからで、それゆえ結果的にアウトになっている打球はゴロが多いという解釈は成り立つように思えます。

そして、三線を少ないレベルに抑えているため、高いBABIPと相まって結果的に高打率になっていると言えないでしょうか。

そうすると、偶然も打撃自体の変化もあり、現在の数字に結びついていると言えるでしょう。

偶然のみのおかげではないということは、この先もある程度期待できるかもしれません。

 

さて、今回の本編は歴史編です。

1990年代の最終回として、カル・リプケンJRの連続試合出場のメジャー記録更新を取り上げます。

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