豊浦彰太郎のMLBブログ ”Baseball Spoken Here”

MLBをフォローして42年目の豊浦彰太郎が、その魅力を判りやすくお伝えいたします。

MLBについて、広く深く書いています。最新情報を詳細に掘り下げるというよりは、ある事実に関する自分なりの考えをお伝えすることに、主眼を置いていきたいと思います。もちろん、愛する日本の野球についても、時おり取り上げます。

WBCは次回で廃止? MLBスターたちの出場表明は、開催継続の可能性見極めのためか?

“World Baseball Classic could come to end after 2017”(WBCは2017年を最後に終わるかも)、こんなショッキングな、しかもあり得そうな見出しが躍っている。米国の『Yahoo! スポーツ』上でのことだ。

記事のソースは『ESPN』のクリスチャン・モレノ記者のツウィート、だ。

I’ve been told by multiple sources related to World Baseball Classic, the 2017 possibly final edition unless legit $$$ earnings come.
「何人かのWBC関係者に言われたよ、それなりの利益が出なかったら2017年大会が最後になるだろうと」


記事では、米国内でWBCへの関心が一向に盛り上がらないことを紹介している。球団経営者も、選手も、そしてファンも開幕前の故障を懸念しており、その結果有力選手の参加が限られ、当初目指したプレステージを得られていないというのだ。

実際、WBCを初回からフォローしてきたぼくにも頷ける点が多い。

第2回大会では、セカンドステージ観戦で訪れたサンディエゴのタクシー運転手はWBCが開催されていることすら知らなかったし、決勝ラウンド最中でも全国紙『USAトゥデー』は、スプリングトレーニング・ゲーム(オープン戦のこと)の報道・評論に紙面を費やし、WBCはボックススコアだけの掲載だった。

また、2013年の準決勝 日本対プエルトリコ戦では、開催都市の有力紙『サンフランシスコ・クロニクル』がフォーカスしたのは、「サイドネタ」だった。『Party at the ballpark』(球場でのお祭り騒ぎ)との見出しで、侍ジャパン応援団は「試合展開に関係なく、決まったコールを送り、飛び跳ねる(稲葉ジャンプのこと)」と、シニカルに報じていた。その一方で、試合内容そのものを伝える記事はやや扱いが小さめで、ボックススコアの記載すら無かった。

しかし、今回はやや様相が違う。米国人だけでなく、他国の選手も含めスター級が相次いで2017年大会への参加を表明している。

ある意味では、このことは当然だ。WBCを運営するWorld Baseball Classic International(WBC)は、MLB機構とMLB選手組合の合同出資会社だ。WBCプロジェクトを成功に導かねばならない点では、労使の利害は一致しているのだ。

モレノ記者のツウィートは「それなりの利益が出なかったら」と但し書きが付いているのがミソだ。「ホントにWBCは止めるべきなのかどうかを2017年大会で見極めようじゃないか。一度、スター級をガンガン出場させて、それでもダメだったら止めてしまおう」。

そう考えているなら、急にWBCがオールスター戦の様相を呈してきたのも理解できる。

野球人カストロ前議長の功罪「選手にプレーする場所を選ぶ権利すら与えなかった」

キューバの前国家評議会議長フェデル・カストロが死んだ。今日のメディアは、彼の治世や人柄を偲ぶ記事で一杯だ。生前には非難も多かった人物も、鬼籍に入ると賛美される。カストロの場合は社会主義革命を指揮したある意味独裁者なので、政治家としての側面は著述する側の立ち位置により評価が分かれるが、それでも彼が母国民にとって極めて大きな存在であったことや、野球をこよなく愛したことなどが温かい論調で述べられている。

 

その中で、興味深い追悼記事を見つけた。『ESPN』のMLBライラー クリスティーナ・カールによる”Never forget Castro’s legacyin Cuba, on and off the diamond”(選手として、政治家として、カストロがキューバ(球界)に残した足跡を忘れるな)で、賛美ではない野球人カストロ論なのだ。

 

五輪で2度の金メダル(92年と96年)と1度の銀メダル(00年)を獲得した野球大国キューバを作り上げたのは、もちろんカストロの「レガシー」だ。野球好きとしても知られる彼は、その腕前も若き日にはメジャーリーグ球団の入団テストを受けるほどだったという話も流布している。しかし、記事ではこれは事実ではないことが報じられている(アメリカのコアな野球好きの間では常識だが)。また、その腕前もプロのテストを受けるほどではなかったようで、大学時代はクラスのチームには入っていたようだが、大学の代表チームには選ばれなかったようだ。

 

また、今日のMLBにキューバ選手は欠くことのできない存在になっているが、多くの有力選手を輩出したこのことへのカトロの功績も、彼女はバッサリ切り捨てている。「キューバに生まれた選手は、そもそもプレーする場所を選ぶ権利すらない」と指摘しているのだ。

 

Weshould never forget: Cuba is not a country that "gives" us thatgreatness. Cuban ballplayers come here themselves, sometimes by risking theirlives alongside friends and family members in a desperate effort to get here,to embrace the opportunities -- and the freedoms -- that some of us might takefor granted.

忘れてはいけないのは、キューバは偉大な選手たちをわれわれに「授けてくれた」国ではないということだ。キューバの野球選手たちは、時には生命の危険を冒してまで友や家族とともに絶望的な努力の果てに自力でやって来たのだ。われわれにとっては当然のことでしかない機会と自由を求めて。

 

たしかにそうだ。その結果、野球選手に限らず多くのキューバ人が亡命を企てるが、そこには、物理的な危険と斡旋業者とのトラブルのリスクが存在していることも否定できない。

 

アメリカへの脱出は、メキシコ経由が多い。その場合、有名な保養地カンクンから約13km東(キューバ寄り)にある島へ渡るようだ。ボートでの渡航には危険が伴い、その密航海峡には多くのキューバ人の屍が眠るという。また、選手が、亡命をアレンジする業者(麻薬の密輸も手掛けるようだ)との金銭トラブルに巻き込まれることも珍しくない。

 

キューバの有望株は、今後もメジャーを目指し危険な亡命を続けるだろう。「雪解け」政策が取られても、米国による禁輸措置に解除の目途がないためだ。したがって、この状況をキューバ側やカストロのみの責とするのは適切ではない。

 

しかし、米国のメディアには、カールのような見方のあるということだ。

モハメド・アリ・センター訪問記

ルイビル・スラッガー・ミュージアムを出て東に数分歩くと、この街のもうひとつの見どころであるモハメド・アリ・センターがある。
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ほぼオハイオ川沿いと言ってよい。

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この川とアリには深い繋がりがある、とされている。1960年のローマ五輪でLヘビー級で金メダルを獲得した若き日のカシアス・クレイは、それでも「ニガー」扱いされることに絶望しプロ入りを決意。金メダルをこの川に投げ込んだ、というのだ(ただし、このテの「神話」は脚色されていることが多い。個人的には真偽のほどはやや疑問だとは思っている)。

 

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この施設を、ボクサーとしてのアリの栄光を示すメモラビリアの展示場所として捉えると、肩透かしを食うことになるだろう。もっとイデオロギー的なものだ。

 

ドナルド・トランプが回帰を目指す?50年代のアングロサクン的栄華を経て、公民権運動時代の人種的対立と泥沼化するベトナム戦争と反戦運動という当時のアメリカを象徴する存在の1人がアリだった。

 

そんな彼を通じ、アメリカが経て来た苦難と進歩を伝えるのがこのアリ・センターなのだ。

だから、展示物も時代を示すパネルが中心で、アリが使用したガウンやシューズなどの「お宝モノ」はあるにはあるがそれほど多くない。

 

旅行サイト「トリップ・アドバイザー」などを見ると、ここを訪れた日本人観光客が「アリ対猪木に関する展示が無くてがっかりした」というコメントを寄せているのを見つけたが、申し訳ないがその人物はこの施設の存在意義を誤解している。


黒人解放活動家のマルコムX。クレイのブラックモスリム入信に影響を与えた、
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アリとベトナム戦争は切っても切れない関係だ。
「どうしてオレがベトコンを殺さねばならないのだ?彼らはオレをニガーとは呼ばない」
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もちろん、メモラビリア系の展示もあるにはある。
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ボクサー・アリの部分。
キンシャサでジョージ・フォアマンを破り王座に帰り咲いて後の初防衛戦がこのチャック・ウェプナー戦だった。
打たれても打たれても倒れないウェプナーの踏ん張りに感動したシルベスタ・スタローンは、「ロッキー」のインスピレーションを得た。
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王座陥落となったレオン・スピンクス戦。
会場はニューオーリンズのルイジアナ・スーパードームで、当時はこのドームにMLB球団を誘致するとのうわさが流れた。
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アリの華やかなキャラの部分だけでなく、アメリカ社会の苦難や闇の部分も勉強させてくれるマジメな施設だった。

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