November 24, 2006

自 殺 と う つ と テ ス ト ス テ ロ ン

 前 回 の ブ ロ グ で、 思 春 期 に お け る 自 殺 と テ ス ト ス テ ロ ン ( 男 性 ホ ル モ ン ) と の 間 に、 何 ら か の 関 連 性 が あ る の で は な い か と 想 像 し た 。 と こ ろが 、 『 テ ス ト ス テ ロ ン 愛 と 暴 力 の ホ ル モ ン 』 ( ジ ェ イ ム ズ ・ M ・ ダ ブ ス 著、 2001 年 ) に、 こ れ に 関 す る 短 い 記 述 が 載 っ て い た 。 自 殺 未 遂 後 病 院 に 搬 送 さ れ た 少 数 の 事 例 で テ ス ト ス テ ロ ン を 測 定 し た と こ ろ、 低 値 を 示 し た と い う の で あ る 。 こ れ は テ ス ト ス テ ロ ン の 値 が 低 い と、 自 殺 の 誘 因 の ひ と つ と な る 可 能 性 を 示 唆 す る 。

 未 遂 ( 目 的 を 達 せ ら れ な か っ た ) と い う 結 果 が、 テ ス ト ス テ ロ ン に 影 響 を 及 ぼ し た こ と も 考 え ら れ る が、 可 能 性 と し て は 低 い 。 一 方、 犯 罪 者 は テ ス ト ス テ ロ ン が 高 値 を 示 す こ と が 多 い と の 記 載 ( 事 実 ) は、 重 要 で あ る 。 こ の こ と か ら 導 き 出 さ れる の は、 「 い じ め る 」 方 は テ ス ト ス テ ロ ン が 高 く、 「 い じ め ら れ る 」 方 は テ ス ト ス テ ロ ン が 低 い と い う 仮 説 で あ る 。 こ の 本 を 読 ん で い る と、 そ の 人 の テ ス ト ス テ ロ ン が 高い か 低 い か は、 あ る 程 度 は 推 定 で き そ う に 感 じ る。 思 春 期 に テ ス ト ス テ ロ ン が 精 神 行 動 面 に 与 え る 影 響 に つ い て は、 早 急 に 解 明 さ れ な け れ ば な ら な い 重 要 な 課 題 と 考 え る 。
 症 例 は 50 代 の 女 性 。 数 年 前 か ら 高 血 圧 を 指 摘 さ れ る も 放 置 。 2 ヶ 月 前 に、 ご 主 人 を 病 気 で 亡 く し て い る 。 そ の た め 不 安 感 が 出 現し 、 う つ 的 であ る 。 1 ヶ 月 前 よ り 耳 閉 感 と 腰 か ら 下 肢 に か け て つ れ る 感 じ が 出 現 。 整 形 外 科 を 受 診 し、 鎮 痙 薬 と 安 定 剤 を 服 用 し て い る 。 床 に 入 る と 胸 が ド カ ド カ し て 眠 れ な い 。 の ぼ せ る 。 顔 貌 は 抑 う つ 状 。 血 圧 190/110 。 脈 は 100、 細 滑 弦 で 左 尺 無 力 。 舌 は 暗 紅、 薄 白 苔、 全 体 に 化 燥 。 陰虚陽亢 と 考え、 玄 参 5、 山 茱 萸 6、 芍 薬 6、 牡 丹 皮 6、 麦 門 冬 6、 百 合 6、 知 母 9、 黄 柏 4、 茯 苓 6、 遠 志 4、 蓮 肉 5、 酸 棗 仁 ( 炒 ) 15 と 降 圧 剤 を 投 与。

 1 週 間 後、 う そ の よ う に 明 る い 顔 に な っ た 。 初 診 時 よ り 安 定 剤 を 中 止 し て い る が、 不 安 感 や う つ 状 態 が よ く な っ た 。 動 悸 も な く 眠 れ る 。 驚 い た こ と に 下 肢 の つ れ る 感 じ も よ く な っ た 。 血 圧 は 160/90 。 脈 は 84、 沈 細 。同 方 を 2 週 間 分 投 与 。 初 診 3 週 間 後、 耳 閉 感 が ま だ 少 し あ る が、 他 の 症 状 は 消 失 。 血圧 も 132/90、 脈 も 80 と 改 善 。 玄 参、 蓮 肉を 中 止 し、 乾 地 黄 7、 黄 耆 4 を 加 え る 。 体 調 は 元 通 り に な っ た 。 現 在 も 漢 方 薬 を 服 薬 中 で あ る 。

 女 性 に は 月 経 や 分 娩 ・ 授 乳 が ある た め、 男 性 に 比 べ 陰 血 ( か ら だ の 構 成 物 質 ) が 不 足 が ち と な る 。 さ ら に 加 齢 と と も に 陰 血 は 消 耗 さ れ る 。 そ の た め 閉 経 は 合 目 性 を 有 す る こ と に な る が、 閉 経 後 の 女 性が 陰 血 不 足 に 起 因 す る 疾 患 の、 ハ イ リ ス ク で あ る こ と に 変 わ り は な い 。 9 月 10 日 の ブログ、11月10日 の ブ ロ グ で 述 べ た よ う に、 高 齢 者 の 腰 や 下 肢 や 関 節 の 痛 み に 対 し て の、 疎 経 活 血 湯 の 効 果 は す ば ら し い 。 疎 経 活 血 湯 は 陰 血 不 足 を 基 礎 と し て、 風 寒 湿 熱 の 邪 が 侵 襲 し た 場 合 に 用 い る 。 当 ク リ ニ ッ ク の 経 験 で は、 閉 経 後 の 女 性 の 7〜8 割 に 著 効 す る 。 そ れ だ け 陰 血 不 足 が 多 い と い う 証 で も あ る 。

 陰 血 不 足 で は 代 償 機 転 と し て、 通 常 は 熱 産 生 が 高 ま る 。 物 質 的 安 定 が 損 な わ れ ( 陰 血 不 足 )、 精 神 的 静 寂 が 攪 乱 さ れ ( 内 熱 )、 不 安 や 動 悸 や 不 眠 な ど 女 性 に 頻 発 す る 症 状 が 出 現 す る 。 状 況 を 見 誤 ら ず、 不 足 す る 陰 血 を 補 え ば、 イ ン ク レ デ ィ ブ ル な 治 療 効 果 が 得 ら れ る 。 陰 血 不 足 の 治 療 は、 漢 方 が 西 洋 医 学 の 何 枚 も 上 な の で あ る
Posted by tozai4949 at 16:16│TrackBack(0)ヘルス/ビューティ 

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