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コンピュータ関係の博物館は世界各地にありますが、ゲーム専門となるとそれほど数はありません。その中でも、とりわけ重要なのが、ニューヨーク州ロチェスターにある「国際電子ゲーム歴史館」(the International Center for the History of Electronic Games)です。

この歴史館は、同じロチェスターにある「ストロング国立おもちゃ博物館」(マーガレット・ストロングという女性のコレクションを元に設立されたもの)の付属施設として、2006年に設立されました。

当初の所蔵品は100点にも及ばず、1台のアタリ2600と、数十点のROMカートリッジがあるだけという状態でしたが、規模はしだいに大きくなり、2009年には1万点を超え、今では4万点に達しています。

ここの特徴は、ゲームといってもアーケードやゲーム専用機に限らず、コンピュータ・ゲームにも力を入れていることなのですが、とりわけ注目したいのが、個人からの寄贈品です。

ゲーム業界の著名人から一括で寄贈された資料を保管しているのですが、その顔ぶれが凄いのです。「ピンボール・コンストラクション・セット」のビル・バッジ、「MULE」のダン・バンテン、「シムシティ」のウィル・ライト、シエラ・オンラインの設立者ケンとロバータのウィリアムズ夫妻など、まさしくPCゲーム業界の大御所である人々の、貴重きわまりない文書類が揃っているのです。

とりわけビル・バッジは、愛用のアップルⅡまで寄贈しています。このアップルⅡで「ラスター・ブラスター」や「ピンボール・コンストラクション・セット」が書かれたわけです。

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(ビル・バッジと寄贈されたアップルⅡ)

歴史館では、このアップルⅡのことを、映画史にたとえるならば「オーソン・ウエルズが『市民ケーン』を撮影したカメラ」に相当すると説明していますが、まさしくゲームの黄金時代を象徴する一台といえます。

他にもさまざまな貴重品があるとのことで、興味深いところですが、実際に現地を訪問する場合には、事前に目当ての品が展示されているかどうか調べておいたほうがよさそうです。というのも、一般に公開されていない収蔵品があるのです。

収蔵品は現在、母体である「ストロング国立おもちゃ博物館」で見ることができますが、今のところは一部が展示されているのみで、それ以外のものについては研究利用に限られているとのことです。

とはいえ、サイトで見るかぎりでは歴史館のコレクションは圧倒的で、ぜひ一度は訪れてみたい場所といえます。


International Center for the History of Electronic Games