ゲームレガシー

アップル、アタリ、コモドールといった海外レトロPCゲームについて。iPhoneのレトロゲーム情報もあわせて紹介します。このブログについて→ 電子書籍『ハルシオン・デイズ~コンピュータ・ゲームの先駆者たち』 (刊行準備中)→

出来事

FPGAは万能ではない~あるSNESエミュレータ開発者の主張

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このところレトロゲーム界でよく見られるようになった存在としてFPGAがあります。FPGAとはプログラミングにより回路構成を改変できる集積回路のことで、その利便性の高さによって以前からレトロハードの再現に使われており、商用ベースにも乗るようになってきました。その一例が、今年春にアメリカの互換機メーカーAnalogue社より発売されたSNES互換機、Super Ntです。
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過去のゲームに未来はない~90年代のPCゲームを動態保存することの困難について

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最近では昔のPCゲームがエミュレーションなどを通じて手軽に遊べるようになってきました。ただしこうした動きによって復活したゲームは過去作のごく一部でしかありません。たとえば現在エミュレータで遊べるゲームは70年代、80年代の作品が中心であり、これが90年代以降のものとなると、選択肢が極端に少なくなります。
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モノより時間~引退を決めたレトロゲームのコレクターがその心境を語る コレクションは5月31日に公開オークションで一括放出(ただし要現地集合)

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ビル・ログディス氏はアメリカ在住のレトロゲーム・コレクターで、PCと家庭用ゲーム機を中心に収集を続けてきました。10年ほど前からは執筆活動にも乗り出し、すでに複数の著書を出版されています。ところが、そんな氏が昨年、コレクターからの引退を宣言し、30年以上かけて集めた品の大半を処分してしまいました。続きを読む

対立と融和〜レトロゲームの互換機メーカーとオープンソースのエミュレータ開発者をめぐる複雑な関係

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今では8ビット、16ビット時代の家庭用ゲーム機のソフトを互換機で手軽に遊べるようになりました。中でも転機になったのが、2014年に発売されたRetroN 5でしょう。他機種対応に加えて、HD出力やステートセーブなど、数々の先進的な機能を備えていたことで大きな話題となりました。
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海の向こうでようやく保存された1984年作の日本製PCゲーム~「ドンキーコング3 大逆襲」X1版

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アメリカを中心に、海外における日本製ゲームの記録はすでにかなりの部分が完了しています。8ビット、16ビット時代の主な家庭用ゲーム機に関しては、日本のみで発売された作品もそのほとんどはすでに吸い取られて公開され、一部のものは英訳パッチも作られています。そしてこの動きはPCゲームにも及んできています。その最近の例が、昨年末に起こった「ドンキーコング3 大逆襲」をめぐる動きでした。
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1980年代のゲームセンターを音で再現する試み~アーケード・アンビエンス・プロジェクト(Arcade Ambience Project)

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80年代のゲームセンターで思い出されることといえば、照明が暗かったこと、そして賑やかだったことでしょうか。もちろんそれはアーケード筐体の発する電子音のことなのですが、そんな頃のゲームセンターを、せめて音だけでも再現しようとする試みがあります。
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残せるだけ残す〜コンピュータ保存運動の立役者、ジェイソン・スコット(Jason Scott)が語るインターネット・アーカイブの使命

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コンピュータの保存といってもいろいろですが、ことソフトウェアに限っていえば、とりわけ目立った成果を挙げているのがアメリカのインターネット・アーカイブでしょう。
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施設管理とアミーガ2000~アメリカの公立学校では今なお30年前のパソコンが使われている

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昨年ポーランドの自動車工場でコモドール64が今なお使用されているという話題が報じられましたが、同じような話はアメリカにもありました。
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インターネット・アーカイブが初期マッキントッシュのエミュレーションを開始 意外な方面からの反応も

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今年の4月と、すこし前のことになりますが、インターネット・アーカイブでマッキントッシュのソフトウェアが利用できるようになりました。といっても、もちろんエミュレーションの話で、しかも今回対象となるのは最初期のものです。具体的な時期としては、マッキントッシュが登場した1984年から89年までになります。
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不吉な前例~かつて完成し、そして闇に葬られた幻の家庭用ゲーム機、アタリ・パンサー(Atari Panther)

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アタリが久々に新しいハードを出すらしいとの憶測が広がっています。どうやら情報を小出しにして盛り上げようというつもりらしく、それがいったい何なのかすら現状でははっきりしないのですが、もし家庭用ゲーム機だとすれば、アタリにとっては20年ぶりの新製品ということになります。
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精度の代償~究極のSNES保存計画と消えたカートリッジ その2 ゲームソフト編

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byuuさんのSNES保存計画において、エミュレータの開発と並行して進められていたのが、ゲームソフトの保存でした。それも、一般に販売された作品であれば、地域にかかわりなく、すべて対象にするという壮大なものです。
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精度の代償~究極のSNES保存計画と消えたカートリッジ その1 エミュレータ編

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今年の1月初め、ドイツからアメリカに国際便が送られました。続きを読む

MS-DOSの膨大なソフトウェア資産を現代に伝える取り組み~FreeDOSプロジェクトと、その創始者ジム・ホールの物語

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MS-DOS時代のゲームをいま遊ぶとしたら、DOSBoxを使うのが普通でしょう。ですが、それではうまくいかない場合もあったりします。そういう時に頼りになるのがFreeDOSです。続きを読む

あくまでも忠実に、それでいて難しく~不朽の名作に対するアーケードファンの愛着から生まれた続編 「ドンキーコング2」(Donkey Kong 2 Jumpman Returns)

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ドンキーコングの続編といえばドンキーコングジュニアですが、アメリカではすこし事情が違うようです。というのも、10年ほど前から別の続編がアーケードで稼働しており、好評を得ているのです。ただし、名前を「ドンキーコング2」というその作品は、任天堂によるものではなく、ひとりのファンが長い時間をかけて作り上げたものなのです。

ドンキーコング2がアーケードに登場したのは2006年のことでした。レトロゲームのメッカとして名高い「ファンスポット」に設置されたそれは、あたかも往年の任天堂を思わせる筐体に収められ、人目をひく作りになっています。


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(今もファンスポットに設置されているドンキーコング2の筐体) flickr

アメリカの有名アーケード「ファンスポット」のレトロゲーム管理人、ゲイリー・ビンセント氏に聞く



ドンキーコング2は全8面あり、うち半分はオリジナルのドンキーコングのそれを使っています。ただし、難易度を大幅に上げてあるため、前作に慣れたプレイヤーでも当初はまず歯がたたないでしょう。それもそのはずで、ドンキーコング2は、当初より上級者を想定して作られたものなのです。

もともとアーケードの世界では、既存のタイトルを上級者向けに改変する試みが早くから行われていました。テンペストやミサイルコマンドの改造ROMが出回り、アメリカで人気のミズパックマンも、もともとは難易度を上げたパックマンの要望があったことから生まれた作品です。ドンキーコング2もこうした傾向のひとつといっていいでしょう。

そして、さらに強力なのが、新たに追加された4つの面です。 本家任天堂の続編であるジュニアが、ゲーム自体はまったくの別物であるのに対し、ドンキーコング2の追加面は、オリジナルの面と並列されていることもあってか、原作のゲーム性を踏襲しており、その意味ではより忠実なものといえます。


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このドンキーコング2をたったひとりで作り上げたのが、ジェフさんというアメリカ人です。


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(ドンキーコング2の作者ジェフさん。本業は技術者で、自動車関係の電装品の設計をされているそうです)


アーケードゲームを趣味とするジェフさんは、自宅に20台ほどの筐体を置いていましたが、ただ遊ぶだけでは飽き足らず、次第に改造を施すようになりました。

きっかけはフリープレイ機能でした。昔のアーケードゲームはプレイのたびにクレジットを入れる必要がありましたが、それを面倒に思ったジェフさんはクレジットなしで遊べるように改造したのです。

とはいえ、それはけして楽なものではありません。オリジナルのプログラムを逆アセンブルし、解析してはコメントを付けていくという、じつに時間のかかる作業でした。

それでも作業を進めるうちにコツを掴むようになり、フロッガーやフェニックス、ディグダグなどにフリープレイや基板の自己診断機能を次々と付けていきました。

ドンキーコングにも同じような機能を付けるつもりで作業に取りかかったのですが、ROMを覗くうちにあるものを発見します。それは未使用のグラフィックデータで、台に乗ったセメントが横に傾いてこぼれ落ちる動きを表したスプライトでした。これを実際のゲームに出してみたいと思ったのです。


また単なる機能の追加だけでは飽き足らず、ゲーム自体をアレンジしてみたいという気持ちもありました。それにはドンキーコングはうってつけの題材でした。これがたとえばフロッガーやパックマンとなると、もはや改変する余地自体に乏しいのですが、ドンキーコングであれば新しい展開を付け加える見込みがあったのです。

そしてジェフさんは新しい面のデザインに取りかかったのですが、この作業は難航を極めました。当初の狙いとしては、あくまで上級者向けに難しく、それでいてオリジナルの面と並べても違和感のない内容にする、というものでしたが、これは大変に高い目標でした。せっかく完成させた面も、出来に納得できなかったために捨てたりと、まさしく試行錯誤の繰り返しだったのです。

あくまで趣味ということもあり、ドンキーコング2の完成には3年半もの歳月がかかったのですが、うちかなりの部分が追加面のデザインに費やされたといいます。

また追加面の他にも、いくつか細かい調整がなされています。

オリジナルに忠実にするとの考えから、ゲーム自体の思考ルーチンにはほとんど手を入れなかったのですが、例外的に火の玉の挙動には手が入っており、より攻撃的な動きになるよう改変されています。

従来のドンキーコングでは、火の玉はもっぱらやり過ごすものでしたが、これがジェフさんにはかねてから気になっており、(ゲームのプレイヤーキャラである)ジャンプマンが受け身に徹するというのはおかしい、という考えから変えたのだそうです。

またスコア表示には7番目のケタが追加されています。これももちろん上級者を想定したものですが、一方ではプレイヤーの人数は7人と通常より多めに設定されました。これは一般のお客さんへの配慮ということです。


プログラムが完成し、基板での動作を確認すると、次にアーケード筐体のデザインにとりかかりました。基本的にはありものの素材を組み合わせて作ったそうですが、あくまで本物らしさを追い求めるジェフさんのこだわりによって、往年の任天堂筐体を思わせる仕上がりとなりました。


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完成した筐体がファンスポットで披露されると、その優れた内容から、たちまち評判を呼ぶようになります。

さらに思わぬ追い風となったのが、設置の直後に映画「キング・オブ・コング」が公開されたことでした。ドンキーコングのトッププレイヤーどうしの対決を描いたこの作品が人気を呼んだことでドンキーコング自体が再び注目されるようになり、その流れでドンキーコング2も好評を博するようになったのです。

ドンキーコングの世界記録を競う二人のプレイヤーを描く映画 「キング・オブ・コング」(King of Kong)


こうして、確かな評価を得て自信を深めたジェフさんは次の行動に出ます。自ら任天堂に連絡を取り、ゲーム自体と関連資料一式を渡したのです。

それにはもちろん商品化できればという希望もあったのですが、ジェフさんとしては、ドンキーコングの作者である宮本茂に自作面を遊んでもらい、意見を聞いてみたい気持ちがあったのだそうです。

残念ながら宮本氏が遊んだかどうかは不明で、また外部の持ち込み企画ということもあり、実際の商品化にも至らなかったのですが、任天堂からは好意的な反応をもらったそうです。最終的な見解までは分からないものの、ドンキーコング2が今でもアーケードで普通に遊べることを考えると、黙認されているということかもしれません。

なおドンキーコング2はROMデータが公開されており、エミュレータでプレイできるほか、ブラウザでも遊ぶことができます。

Donkey Kong Arcade Return2 - Andkon Arcade

こうして発表から10年が経ったのですが、今もなおドンキーコング2は高い人気を保っています。アーケードゲームを改造した例は多くありますが、オリジナルの内容を尊重したうえで新しい展開を付け加え、それに成功したという意味で例外的なものであり、やはり高く評価されるべきものでしょう。



(実際のゲームプレイを収めた動画。複数面のクリア後にカットシーンが登場しますが、最終面の8面をクリアするとドンキーコングが檻に囚われてしまいます。この檻はジュニアのそれを模してあり、つまりドンキーコング2はオリジナルとジュニアの中間にあたる作品という位置付けなのでしょう)


(昨年登場した別のドンキーコングアレンジ、「ドンキーコング・リミックス」。これもアーケードROMを改造したものですが、今のところROMデータは公開されていません)

「ゲーム雑誌にとって何よりも大切なものが読者だ」~セガの不興を買った英ドリームキャスト専門誌の記者が得た教訓とは

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かつてイギリスに「DC-UK」というドリームキャストの専門誌がありました。2年ほどで終わってしまいましたが、イギリスではセガは根強い支持があったこともあり、なかなかの人気ぶりだったようです。
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