ゲームレガシー

アップル、アタリ、コモドールといった海外レトロPCゲームについて。iPhoneのレトロゲーム情報もあわせて紹介します。このブログについて→ 電子書籍『ハルシオン・デイズ~コンピュータ・ゲームの先駆者たち』 (刊行準備中)→

ゲーム研究

結局は質が重要~現役のインディゲーム開発者が指摘する、1983年のゲーム市場崩壊と現代のネットゲームに共通する危うさ

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1983年のゲーム市場崩壊は、ゲームの歴史においてもとりわけ重要な出来事であり、これまで数々の研究が出ていますが、意外に見当たらないのが、当時の主な消費者、つまり子供たちの視点でした。ここではその数少ないひとつを取り上げてみたいと思います。

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知られざる80年代日本製PCゲームの世界と、海外から見たJRPGの意外なルーツ

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日本製ゲームの研究は海外において早くから進んでおり、アーケードや家庭用ゲームにおいては日本のそれを凌駕しているといっていいでしょう。唯一残っていたのが初期のPCゲームだったのですが、それもここ10年ほどでエミュレータとファイル共有によって、成年ゲームも含めて広まっており、最後の未踏地ももはや消滅しようとしています。
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FPGAは万能ではない~あるSNESエミュレータ開発者の主張

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このところレトロゲーム界でよく見られるようになった存在としてFPGAがあります。FPGAとはプログラミングにより回路構成を改変できる集積回路のことで、その利便性の高さによって以前からレトロハードの再現に使われており、商用ベースにも乗るようになってきました。その一例が、今年春にアメリカの互換機メーカーAnalogue社より発売されたSNES互換機、Super Ntです。
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過去のゲームに未来はない~90年代のPCゲームを動態保存することの困難について

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最近では昔のPCゲームがエミュレーションなどを通じて手軽に遊べるようになってきました。ただしこうした動きによって復活したゲームは過去作のごく一部でしかありません。たとえば現在エミュレータで遊べるゲームは70年代、80年代の作品が中心であり、これが90年代以降のものとなると、選択肢が極端に少なくなります。
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対立と融和〜レトロゲームの互換機メーカーとオープンソースのエミュレータ開発者をめぐる複雑な関係

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今では8ビット、16ビット時代の家庭用ゲーム機のソフトを互換機で手軽に遊べるようになりました。中でも転機になったのが、2014年に発売されたRetroN 5でしょう。他機種対応に加えて、HD出力やステートセーブなど、数々の先進的な機能を備えていたことで大きな話題となりました。
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アメリカで一時代を築いたゲーム雑誌「ニンテンドウ・パワー」、その全盛期を体験した、かつての愛読者による回想

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かつてアメリカに「ニンテンドウ・パワー」というゲーム雑誌がありました。今では休刊していますが、一時は大変な影響力をもつ存在でした。
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エミュレーションによるゲームのオンライン公開を推進するインターネット・アーカイブ、著作権への見解を問われ沈黙

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家庭用ゲーム機、PC、アーケードと、インターネット・アーカイブがオンラインで提供しているゲームは拡大の一途をたどっています。今年からはついにMS-DOSのソフトウェアまで扱うようになりました。従来とは別のエミュレーション方式を採用してまで実現にこぎつけたのですから、その熱意には頭が下がります。続きを読む

プロジェクト世話人が明かす、ブラウザ駆動のアーケードゲーム集「インターネット・アーケード」(Internet Arcade)使用のコツ

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「インターネット・アーケード」は、インターネット・アーカイブが運営するネットサービスで、ブラウザ上でアーケードゲームをエミュレーションするというものです。現在900種類のゲームが登録されており、自由に遊ぶことができます。
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1980年に始まるゲームサウンドの転換期~短いフレーズのループによるBGMの導入

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前回のエントリで紹介した「ゲーム・ミュージック」という書籍は、ゲームにおける音的要素がまとまった形で解説されており、その意味で大いに参考になるものですが、個々の細かいエピソードにも面白いものが数多く紹介されています。続きを読む

「今こそ作らなければならない」~専門家の企画による「ゲームにおける音」をテーマにしたドキュメンタリー作品が資金公募中

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カレン・コリンズさんというカナダのゲーム研究者がいます。「ゲームにおける音」をテーマに研究を続け、すでにその分野での著書もある、いわば第一人者といっていい人物ですが、そのコリンズさんが今年夏より新しいプロジェクトにとりかかっています。それが、ゲームサウンドを扱ったドキュメンタリー映画の製作です。

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閉館が決まったデンマークのゲーム博物館がコレクションの引取り先を募集中

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先日「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙が報じたところによると、デンマークのゲーム博物館(Spilmuseet)が閉館につき、コレクションの引取り先を求めているそうです。
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CPUを持たない、最初期のアーケードゲームを忠実に再現する驚異のエミュレータ 「DICE」

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アーケードゲームの中でも、アタリの「ポン」など、1970年代半ばまでに登場した作品は、基本的にエミュレータの対象とはされていません。当時のゲームはCPUを持たない、いわゆるディスクリート回路(離散回路)が使われていますが、そういった回路を現代のコンピュータで再現するのは極めて難しく、現実的に考えれば、まず無理なことといえます。続きを読む

専門家がまとめた、ソフトウェア保存運動の基本として押さえておきたいポイント

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このところ、ソフトウェア保存関係のイベントがあちこちで開かれており、熱心な意見交換がなされているわけですが、その一方で何度も同じ話題が繰り返される、という問題も出てきているようです。続きを読む

古い中身を新しい器に移し替えるには~ソフトウェア保存運動と著作権法の相反する関係

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ソフトウェアの保存において大きな問題となっているのが、メディアの劣化です。フロッピーディスクやCD-ROMといった媒体は、30年ほどで読み出せなくなってしまうため、いずれ中身を別のメディアに移さなければなりません。続きを読む

NYの討論会で改めて表面化した、ゲーム保存運動における立場の違いと、誰もがあえて口に出さないこと

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先日、ニューヨーク大学で「プレス・リスタート」Pressing Restartというイベントが開かれました。学術関係者を中心にレトロゲーム保存運動のあるべき姿を討論するという主旨のものでしたが、そこで改めて明らかになったのは、昔のゲームを扱っている研究者といっても、立場によって主張にも大きな違いがあるという、ある意味当たり前のことでした。続きを読む

豪州で始まった、初期PCゲーム時代の記憶を封じ込めるプロジェクト

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10月よりオセアニアで興味深い試みが始まっています。オーストラリア、ニュージーランドにおける、80年代の初期PCゲームに関する証言をまとめるというプロジェクトで、すでにその成果の一部がウェブサイトという形で発表されています。続きを読む

あくまで冒険要素が中心だった1970年代のコンピュータRPG

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1970年代半ばにPCが登場すると、さっそくこれをゲームに活用しようとする人々が現れました。とはいえ当初は、ウォーゲームでの計算や、RPGのキャラクタ管理といった、あくまで卓上ゲーム(ボードゲーム)の進行を補助する役目が中心でした。続きを読む

新聞報道に見る、日本でのゲーム保存運動が直面するふたつの壁~予算不足と著作権

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ビデオゲームの保存が必要という話は、それこそ20年くらい前から連綿と続いているもので、話題にことかかないのですが、実際に着手している側にしてみれば、何よりもまず現物を押さえないことには始まりません。米ゲーム歴史館がことのほか収集に熱心なのも、そうした現実を踏まえてのことなのでしょう。続きを読む

世界最大級の電子ゲーム博物館~ニューヨーク州ロチェスターの「国際電子ゲーム歴史館」

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コンピュータ関係の博物館は世界各地にありますが、ゲーム専門となるとそれほど数はありません。その中でも、とりわけ重要なのが、ニューヨーク州ロチェスターにある「国際電子ゲーム歴史館」(the International Center for the History of Electronic Games)です。続きを読む

米国会図書館のゲーム収集に対する取り組み~担当者いわく「まだ始まったばかり」

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日本において、過去のゲームの保管は、今のところ民間の取り組みが主となっていますが、これはゲーム先進国のアメリカでも同様のようです。つまり、公的機関としてのゲームの保存に関する取り組みは、ようやく始まったばかりの段階なのです。そのことは、アメリカ最大の図書館である、国会図書館も例外ではありません。

ここでは、2012年に収録された米国会図書館のゲーム担当者へのインタビューを要約してお見せしたいと思います。

要点は2つ。ひとつは、米国会図書館ですら、ゲームの保管は着手したばかりであり、いまだに試行錯誤を重ねている段階だということ。もうひとつは、同図書館に所蔵されているゲームは90年代以降の作品が中心で、それ以前のものはほとんどない、ということです。

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(米国会図書館でゲーム収集を担当するデイビッド・ギブソン氏)

今のところ、米国会図書館にはゲームソフトが3000点(対応機種もまちまち)、ゲーム関連書籍(ガイド本など)が1500点収蔵されている。ゲームソフトは1990年代初めから2005年までのものが大半で、2006年からはメーカーから献呈されるようになった。ゲームの分類や保管、貸出しに関する方針は、現在ギブソン氏が所属する動画課(Moving Image section)で検討中。

ハードウェア(ゲーム機)については、今のところ所蔵していないが、近いうちに現行のゲーム機を買い入れる予定。旧世代のゲーム機についても寄付を歓迎している。

収蔵品の中でめずらしいものは、まずフィリップスのCD-I向けゲームがある。その多くがヨーロッパからの輸入品。また日本製のゲームもある。いずれもパッケージも含めて保管してある。

ゲーム関連本は、すべて国会図書館の目録に掲載されており、閲覧も可能。一方で、ゲームソフトについては製品情報を入力中で、いずれ動画課のデータベースから参照できる予定。

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(ゲーム関連本は、新たに製本された状態で保管されている)

分類について、ゲームの場合は、現行の分類法では不十分なので、新たなものを検討している。また保管方法についても模索している状態だが、ひとまずゲームソフト本体(メディア、付属の印刷物)と外箱は別々にして保管している。これは外箱の汚損を防ぐための措置。

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(外箱は折りたたまれて、別個に保存されている)

所蔵するゲームソフトの閲覧、利用については、いろいろと課題があるため、今のところは対応していないが、将来的にはもちろん外部の研究者にも利用できるようにしてゆきたい。

ゲームの保存は、これまで一般のゲーム愛好家が取り組んできたことであり、国会図書館のような公的機関が関わるのは奇妙に思われるかもしれないが、ゲーム文化をきちんと保存しておくことは重要だと考えている。今後もゲーム開発者やコレクターとも共同して、この取り組みを続けてゆきたい。

* * *


最後のところですが、ギブソン氏自身、ゲーム保存に関するパネルディスカッションに参加されるなど、積極的に外部と接触しては情報収集にあたっておられるようです。また、外部からの意見も歓迎するとのこと。(ギブソン氏のメールアドレスは元記事にあります)

それにしても、国会図書館が所蔵するゲームソフトは90年代以降のものがほとんど、というのは意外でした。もっとも、ゲームソフトを扱っていること自体、評価するべきかもしれませんが。

いずれにしても、ゲームの保存については、具体的なノウハウも含め、当分のあいだは民間の取り組みが中心ということになりそうです。

Yes, The Library of Congress Has Video Games: An Interview with David Gibson | The Signal: Digital Preservation
twitterでブログの更新告知を行っています。 タイトル一覧としても使えますので、過去の書き込みをたどるのはこちらからどうぞ。




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