翻訳者ときどきライター

英語のこと。日本語のこと。翻訳のことetc.(名古屋論も?)

ネタ帳(続き):日本語編


前回から続いて、「いざという時、バシッと適切な例を出せるように」するためのネタ帳です。

前回までの分は、例文だけ書いておきます。 

Can you keep a secret?(学校のテストと翻訳の違い)
I am a boy.(同上)
He saw a woman in the garden with a telescope.(係り受け)

さて、ここからが今回の追加分。
係り受けの難しさについての日本語の例文が、前回からの宿題でした。

・トップアイドルの恋人は22歳。

 この文だけでは、「トップアイドルが交際している相手が22歳」なのか、
 「交際している相手はトップアイドルで22歳」なのか、わかりません。

・スマホで怒っている彼女を撮った。

 「怒ってる彼女を、スマホで撮った」のか、
 「スマホのことで怒ってる彼女を(なんらかの撮影機器で)撮った」のか。

・彼女とイタリアンを食べた。

 「イタリアンを彼女と一緒に食べた」のか、
 「イタリアンだけじゃなく彼女も食べちゃった」のか…

ちょっと無理がありましたね (^ー^;)
もう少し考えてみます。(一部、不適切な表現があったことをお詫び致します(笑))

他にも、日本語にはヨーロッパ言語とは違う点があります。
それは単語の切れ目にスペースがないこと。
その説明のためには次のような例文が効果的でしょう。

・ここではきものを脱いで下さい。

 着物か履物か…という解説も野暮になるくらい、わかりやすい例文。

こういった話は、AIでの言語の解析にも大きく関係しそう。
そういった分野の勉強もしてみたいです。

バシッと適切な例を出すためのネタ帳


会話やスピーチなどの中で、適切なたとえを出せると格段に説得力が上がりますよね。
宗教の教えなどにも、たとえ話は多用されます。
また、お笑い芸人さんの「たとえツッコミ」も、決まると笑いが何倍にもなったり。
(宗教とお笑いって高度差ありすぎて耳キーンってなるわ)

私は英語や翻訳の話をしているとき、具体例を出せずにモヤモヤすることが多いです。
どんなにいいことを言ってても、抽象的な話ばかりだと伝わらない。
そこでこれからはネタ帳を作ろうかと思います (^ー^)

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たとえば、ずいぶん前には、翻訳のおもしろさの話としてこんなのを書きました。

「Can You Keep A Secret?」をどう訳す?

ここにも書いたとおり、「"I am a boy" をどう訳す?と聞いて相手が「私は少年です」と答えたらしめたものです。(飲み会で使っていいよw)

今日はもう一つのネタをメモ。
係り受けの話の例として。
He saw a woman in the garden with a telescope.

この英文、どのようなシーンが浮かびますか?
男の人が望遠鏡を使って女の人を見ているシーンが浮かびますよね。
でも、この英文をAIに正しく解釈させるのは難しいんだとか。
「望遠鏡を持った女の人」を男の人が見ている…という解釈は普通はしないですが、その"普通は"とか"なんとなく違う"とかいう感覚をAIに反映させるのはなかなかたいへんみたいです。
私たちが意識せずに判断している中に膨大な情報量が秘められているんですね。
また、上記の文では、庭にいるのが男の人なのか女の人なのか、はたまた2人ともなのか迷います。

…と、そんな話も具体例が出てこないと全然おもしろくない (^ー^;) 

こういう係り受けの話、日本語でもありますよね。
…ありますよね…
(適切な日本語の例文が全然出てこない…Orz)



夢の人・原田知世と仮定法


突然ですが、原田知世さんが歌う『夢の人』という曲が素晴らしいので超オススメです。


2015年の『恋愛小説』というカバーアルバムの1曲目。
また、今年(2017年)の夏に出たベスト盤にも入っているようです。


この曲のオリジナルはビートルズ。『HELP!』というアルバムに収録されている、カントリー&ウェスタン調の小気味いい曲です。
(ちなみにこの曲、『イエスタデイ』の前に入ってます)


原題は『I've Just Seen A Face』。
女の子の顔がバッチリ好みで一目惚れしてしまった…みたいな歌詞です。
『夢の人』という邦題は、おそらく「I'll dream of her tonight」(今夜も彼女の夢を見るだろう)というラインからとられたのでしょう。

知世さんバージョンの方は、ギタリストの伊藤ゴローさんのアレンジが素晴らしく、歌声との相乗効果がハンパない。
このアレンジ、『夢の人』という邦題からのインスピレーションもあるのかなぁ…と勝手に想像しています。
もしも邦題が『会ったとたんに一目惚れ』だったら…
(ちなみに、ビートルズの曲でこの邦題の曲が別にあります)

そう、「もしも~だったら」というのが仮定法です。
さりげなく本題に入りましたよ(笑)
そして、「もしも~だったら…(でも現実は~じゃない)」というのは、歌の中にはよく出てくるんです。
「もしもあなたがここにいてくれたら…(でも現実にはここにあなたはいない)」とか、
「あぁ、オレが特別な人間だったら...(でも現実は虫けら)」とか。



『夢の人』の2番の最初のラインは…
「Had it been another day, I might have looked the other way」
(もしそれが別の日だったら、ボクは違う方を見てたかもしれないんだ)と歌われています。
実際には歌の主人公は彼女を見て一目惚れしてしまったわけなので、仮定の話ですね。

この表現、「仮定法過去完了の倒置」というやつで、ちょっとややこしい。
「If it had been ~」の「If」が省略されて、「it」と「had」の順序が逆になってるんです。

教科書にそんなことが書かれていても覚えられる気がしませんが、歌があればどうでしょう?


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