JOHN CAGE/北村朋幹(ピアノ)
北村朋幹
フォンテック
2021-08-04

ジョン・ケージさんのピアノ曲のコンサートが所沢ミューズであったので出かけてきました。

ケージさんというと、演奏家がピアノを前にしてまったく弾かない「4分33秒」が有名ですが、近年では音楽の教科書にも紹介されているそうですね。今回は「プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード」を全曲を演奏するというめったにない機会なので、感染対策を万全にして出かけてきました。

プリペアド・ピアノとは、プリペアドは元々準備されたという意味ですが、ピアノの弦に金属、ゴム、木などをはさんだり乗せたりして響きを変えたピアノです。まさに百聞は一見に如かず、ピアノの未知なる響きを堪能してきました。ドビュッシーやガムラン音楽を思わせるところもあり、ピアノがまるで打楽器アンサンブルのように聞こえてくる曲でした。第二次大戦後すぐに書かれた曲なので、もう70年余も昔の曲なのですが、今でもこれだけの鮮度を保っているのが驚きでした。

それにしてもケージさんの自由な発想はどこから生まれたのでしょう。師シェーンベルクのもとで作曲を学んでいるときに、自分に和声の感覚が無いことに気づいて、師から君には作曲は出来ないだろう、「あなたは壁にぶつかり、それを突破できないでしょう」とまで言われて、「ではその壁に向かって頭を打ち付けることに人生を費やしましょう」と返答したケージさん。やがて西洋音楽の枠から外れて、まったく新しい音楽を作り出していきます。今なおケージさんは、自分の個性を大事にしながら、考え抜くことの大切さを私たちに教えてくれます。

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