かべ―鉄のカーテンのむこうに育って
ピーター シス
BL出版
2010-11-01

緊急事態宣言も解けて、美術館に出かけてきました。今回は練馬美術館で始まった「ピーター・シスの闇と夢」展に行ってきました。

ピーター・シスさんは、1949年チェコスロバキアに生まれた絵本作家です。日本でもたくさんの絵本が紹介されていますが、ここでは自伝的な「かべー鉄のカーテンのむこうで育って」を取り上げましょうか。共産圏に生まれ表現の自由を制限された辛い時代、それでもロック・ミュージックに勇気づけられ、夢や希望を失わず絵を描き続けた日々。モノクロの画面に赤をパートカラーで使った卓抜なアイデアが、東の共産主義と西の資本主義と世界が大きく二つに分断された時代を描き出しています。冷戦時代のピリピリした空気が画面から伝わります。展覧会のチラシやポスターはこの作品からの印象的なカットが使われています。自分の想像力を翼にして空を飛んでいる幻想的な場面ですね。

展覧会ではチェコからアメリカへと渡って、新聞や雑誌のイラストで腕を磨き、やがて絵本作家として次々と作品を発表して、世界的な評価を得るまでの軌跡をたどります。学生時代はロックに夢中になってバンドを組んでいたというのもとても親近感がわきますね。ビーチボーイズの69年のプラハ公演ではなんとMCまで務めたとか。

近年はよく絵本作家を取り上げてくれる練馬美術館、沿線の美術館なのでぜひ出かけてみてください。

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