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20090819
D&D鬼草紙 第3回「オニたちの社会」
03_鬼の社会_00『D&D鬼草紙』第3回。前2回でがっちりデータを出しましたが、実はこの3回目が本当の意味での連載スタート。基本に立ち返り、オニの生態やその社会に迫ります。
linkdotオニとは?

03_鬼の社会_01

 オニとは魔法の力を持つ中型から大型の定命の世界起源の人型クリーチャーである。身体つきは多くの場合筋肉質で、両腕が長く、様々な暗い色合いの肌をしている。この色合いは、青、暗い緑、くすんだ黄土色、にごった赤色などが代表的だ。体毛は薄いが髪の毛は長く伸ばしたり、結い上げたりすることがあり、その頭部には牛よりも長く鋭い角が生えている。

 オニは冷酷で虚栄心が強く自分達を非常に優れた種族だと見なしている。彼らが他の種族に従うのは、何らかの魔術やアイテムなどで強制された場合か、よほど明確な実力差を見せ付けられた場合だけである。
 しかしその一方彼らは集団を作ることをためらわない。同じオニ同士の間では連携し郎党を作る。また、彼らは自分達の種族の優越性を信じているために、他の種族、オーガやホブゴブリン、オーク、トログロダイト、ノールなどの種族を奴隷にすることを厭わない。これらの奴隷の中には、もちろんヒューマンやエルフ、ドワーフなどの人型クリーチャーも含まれる。

 オーガやホブゴブリンなどを戦闘用の奴隷として使役する一方、オニはヒューマンやエルフ、エラドリンなどの奴隷は戦闘用として用いることを好まない。戦闘能力において劣ると判断しているのだ。
 オニ同士の間においての地位は、富と各オニが抱えている奴隷の数と質によってきまる。彼らにとって奴隷とは財産の一部なのだ。そこで人間やエルフ、エラドリンなどの奴隷はオニにとっては美しさや高貴さが問われることになる。
 一部の強力なオニは、その魔法(彼らは妖術という言い方を好む)と策略によって、人型クリーチャーの社会から王族や貴族の若くて美しい娘、もしくは若者をさらう。こうしてさらった人型クリーチャーは彼らにとって地位を証明するための観賞用財産となるのだ。

 だが一方で、彼らは人肉を食する残虐な特性も秘めている。美しい人型クリーチャーの肉は彼らにとっては最上級のご馳走であり、その肝(もしくは心臓)は妖術を行使する能力を増大させると信じられている。奴隷を好む性質と人食いの嗜好から、オニによって浚われるというのは貴族の子女にとって最大級の悪夢となっている。
 この人肉喰いのせいで、オニはオーガとしばしば同一視されるが、実際には完全に別の種族である。

 オーガやオークなどと違い、多くのオニは異種族との間に子供をもうけようとはしない。これはオニ特有のエリート意識によるものだ。彼らは彼らが最高の種族であると信じて疑わない。
 オニ同士で結婚をして子供をなすことはあるが、彼らの婚姻を含む同盟関係はかなり明確な身分差をともなう。彼らにとって結婚とは「オニがオニを奴隷にもつ」ということに近い。子供の成長は早いが、こういった自然誕生による場合、誕生するのは男のオニであるのがほとんどのようだ。

 一方、人間やエルフなどの人型クリーチャーが魔力などの影響により、オニになってしまうという例も報告されている。強い恨みなどの負の精神状態にある人型クリーチャーがある種の魔術や、呪いのアイテムに触れたりすることでオニへと変貌してしまうのだ。
 こういった変貌は主に女性に発生することが多く、彼女達は「生成り」などと呼ばれる。また同様の現象は数こそ少ないものの男性にも発生することは確認されている。こうして「変化」してしまったオニは、生粋のオニとは異なり、単独で過ごすことを好むようだ。

linkdotオニの賊と郎党

03_鬼の社会_02

 オニが集団を作る場合、二つのパターンが存在する。
 まずその一つが、“賊”である。
 “賊”には一人のオニの首領が存在し、それ以外の参加者はすべてそのオニの奴隷である。この奴隷は極まれにオニであることもあるが、ほとんどの場合、オーガやオークなどの他種族であり、戦闘用の奴隷である。
 また“賊”を支配しているオニが正体を隠していることもありえる。この場合、他の参加者は騙されていたり、精神操作を受けていたりして、オニのことを上司かリーダーであると考えているかもしれない。つまり奴隷であるという自覚はないこともある。しかし、オニの側に立ってみれば彼らはやはり奴隷であり、生命を斟酌するような存在ではない。

 オニは傲慢で奴隷を欲する性格を持っているため、多少の力を手に入れたオニは、その魔術の力で他者を懐柔、もしくは洗脳し、小規模な集団、すなわち“賊”を作ることが多い。
 こうした“賊”は人里離れた森や山小屋などに潜み、近隣の村を襲っては金品と奴隷を略奪することが多い。食料を盗むのは最小限で、魔法の品や奴隷を優先的に奪うことを好む。
 しかし、オニによってはあえて街中などに潜み、その幻覚や変装の技で人型クリーチャーの社会に溶け込むこともある。街中に潜むことを好むオニは奸智に長け、何らかの陰謀を実行中である可能性が高い。

 人型クリーチャーの社会で“賊”を作るオニは、宗教的、もしくは秘術結社を隠れ蓑を利用することが多いようだ。薄暗い噂のある小規模な魔術ギルドは、実はオニに支配された“賊”であると言うことはよくある。

 一方、“郎党”は複数の“賊”の集まりだ。
 “郎党”もまた一人のオニが首領として存在するが、その下には自由意志の参加者として多くのオニが存在する。オニは自分たちの種族の優位性を信じているために、他の種族に使えるという事は滅多にないが、オニ同士であるなら、奴隷ではない臣従関係も存在する。
 首領から見ても、こうしてはせ参じたオニの部下との関係は奴隷とは異なるようで、武家社会に於ける客人関係のようなものが存在する。一匹狼のオニが郎党に参加することもあれば、すでに奴隷を抱えたオニが参加することもある。前項で述べたとおり、オニの社会においては戦闘能力および奴隷の質と数がその地位を決定するために、往々にして多数の奴隷を抱えた臣下は首領でも無視できない影響力を“郎党”に持つ事になる。
 “郎党”の規模は様々だが、巨大なものではオニ数百人、その他の奴隷種族を含めると数千人規模にまでふくれあがることもあり得る。

 こうした“郎党”は要塞を建築しそこから付近を略奪、場合によっては支配をしたり、戦争を行なったりする場合もある。彼らは好む要塞は主に山間部に作られるものであり、名の知られた要塞や“郎党”は近隣諸国の王族にとって重大な脅威となる。


・サンプル「野盗を繰り返すオニの賊」
黒鬼大将 レベル12 兵士役(精鋭化・テンプレート推奨:サヴェッジバーサーカー)
オニの魔導師 レベル10 精鋭 奇襲役
青鬼の兵卒 レベル8 遊撃役
赤鬼の兵卒 レベル9 暴れ役(雑魚化)×3
トログロダイトの投槍兵役 レベル7 砲撃役×2
ホブゴブリンの戦士 レベル8 雑魚×12

 この集団は旅をしながら地方の村や小規模な街などを襲うオニの集団だ。手強い黒鬼大将が、自分の奴隷をとりまとめている。奴隷の中には年季奉公のオニの魔導師や、戦争で捕虜にしたホブゴブリンの一団なども含まれる。
 彼らはある地方で悪名が高まり、あまりにも追及が厳しくなれば、別の地方へと移動し略奪を繰り返す。この散発的な行動で疲弊し滅びかけた地方も少なくはない。


・サンプル「都市に潜むオニの賊」
鬼女の般若 レベル11 制御役(精鋭化・テンプレート推奨:デマゴーグ)
ドラウの戦士 レベル11 奇襲役×3
グリムロックの待ち伏せ屋 レベル11 遊撃役×2
オーガのごろつき レベル11 雑魚×4
ドラゴンボーンの剣闘士 レベル10 兵士役×3
人間の下っ端 レベル7 雑魚×20


 この集団は都市に棲み着いたオニの一団だ。集団のリーダーである鬼女の般若は、美しい貴族の未亡人に幻影出店駆けている。彼女は幾つもの商会から悪辣に利益を吸い上げ、一方で都市の無軌道な若者にその金貨をばらまくことで、確実の信奉者(彼女にとっての奴隷)を増やしている。三人のドラウの戦士は彼女が直々に奴隷にしたお気に入りで、都市はこの三人の暗殺の恐怖におびえているのだ。

・サンプル「大都市を脅かすオニの郎党」
酒呑童子 レベル17 精鋭 制御役
茨木童子 レベル15 精鋭 奇襲役
鬼女の般若   レベル11 制御役×12
黒鬼大将   レベル12 兵士役×8
青鬼大将   レベル13 遊撃役(雑魚化)×20
赤鬼大将   レベル14 暴れ役×8
牛頭鬼   レベル11 精鋭 暴れ役×5
馬頭鬼   レベル10 精鋭 砲撃役×5
雑魚グリムロック レベル14 雑魚×18
ラークシャサの戦士 レベル15 兵士役×6
ギスヤンキの精神を切り裂くもの レベル13 砲撃役×5
バンシュレイの戦士 レベル12 遊撃役×10
ドライダーの影のつむぎ手 レベル14 遊撃役(雑魚化)×30
その他レベル10以下の奴隷、合計数百体

 この集団はオニの中でも最大規模の郎党である。彼らは大都市近郊の山地に城塞を構え、おおおよそ1年がかり二渡る襲撃と略奪を繰り返してきた。都市からの度重なる軍勢の派遣に対しては妖術と城塞の防御力で耐え抜き、エイザーおよびマインドフレアとの協力体制により周辺工作も進めている。王国の命脈は風前の灯火だといっても良いだろう。
linkdotオニの技術

 オニは生来の魔力を持っている。これらは秘術の力に似ているが本能的なもので、彼ら自身はこの能力を「妖力」、その使用技術を「妖術」などと呼ぶ。
 代表的なものは変身能力、透明化能力、飛行能力などだ。こういった能力はすべてのオニが備えているわけではないが、中級以上のオニはいずれかの揚力を備えていることが多い。
 オニ自身もその肉体的な頑強さや腕力、無慈悲な性質からして、戦闘時には恐るべきクリーチャーだ。さらに妖術を扱うとなると、並のオーガやゴブリン、コボル程度では歯の立つ相手ではなくなり、巨人族さえにも匹敵する戦闘能力を備えることもある。

 妖力以外のオニの得意な技術に、土木がある。彼らは大規模建築に対して生来の勘の良さと技術を見せる。特に橋を造る、城壁を作る、要塞を作るなどは巧みで、多くのどれを操ってダンジョンを構えることも多い。
 彼らは地下迷宮のような構造物も好むが、最も好むのは、彼らの虚栄心を満足させる山城(城塞)である。こうした城塞は、城壁城門をそなえ、本丸、二の丸、三の丸と呼ばれる曲輪(同心円状に配置された防壁)に幾つもの平屋の建物が配置されている。
 中心部には本館が作られ、大型の城塞においてこの本館は高層化し天守などと呼ばれることもある。

linkdotデザイナーズ・ノート&次回予告

 以上、新連載の第3回は「オニたちの社会」でした。データブロックだけでは解りずらいオニ全体の情報をお届けしたのが今回。『モンスター・マニュアル』の記述を拡張するものです。

 伝説上のクリーチャー、「鬼」をD&Dのゲーム世界で使いやすいようにとりまとめオニにしてみました。また、冒険のアイデアになるような記述を充実させ、シナリオフックも仕込んでみたつもりです。今回の連載で、オニをメインの敵役にしたキャンペーンがプレイ可能な状況になると嬉しいですね。

 さて、次回からは名前付きのオニではなく、いわゆる「鬼」。赤鬼や青鬼などの基本となる4種類のオニについてじっくり4回ほどを使ってと解説していきます。冒険の遭遇で出会う可能性が高いオニの主力ですね!
 次回第4回はもっともポピュラーなオニと言える「赤鬼」です。お楽しみに!


カテゴリ:TRPG記事D&D
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この記事へのコメント

1. Posted by librarian   2009年09月03日 10:22
 非常に興味深く拝見しています。最近こういう見ごたえのある記事が商業誌でも珍しくなりました。ぜひこれからもかんばってください!

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