20090826
D&D鬼草紙 第4回「赤鬼」



赤鬼はオニに備わる妖術よりも、その恐るべき筋力を用いて哀れな犠牲者をいたぶることを好む。武器も膂力を最大限に活かすことのできる巨大な棘付きの金棒を用いることがほとんどである。
・遭遇グループ
◆レベル10遭遇(XP2250)
・赤鬼の兵卒(レベル9 暴れ役) 3体
・青鬼の兵卒(レベル8 遊撃役) 3体(第5回に登場予定)
◆レベル14遭遇(XP5500)
・赤鬼大将(レベル14 暴れ役) 2体
・黒鬼大将(レベル12 兵士役) 5体(第6回に登場予定)
赤鬼の兵卒 中型・自然・人型、オニ | レベル9 暴れ役 XP400 |
イニシアチブ+5 感覚:〈知覚〉+6;暗視 hp:118;重傷値:59 AC21;頑健22、反応18、意志21 移動速度:6(突撃時8)、飛行3(飛行時劣悪) | |
[m]金棒(標準;無限回)◆[武器] | |
間合い2;+12対AC;2d6+5ダメージ。 | |
[M]虚を突く噛みつき(マイナー;無限回) | |
戦術的優位が必要;+10対“反応”;1d6+4ダメージ。赤鬼の兵卒は7点の一時的hpを得る。 | |
猛進突撃 | |
赤鬼の兵卒が突撃による近接基礎攻撃をヒットさせたならば、その突撃の目標に隣接するすべての敵に4点のダメージを与える。 | |
属性:悪 言語:共通語、巨人語 技能:〈威圧〉+12、〈看破〉+11 【筋】20(+9)【敏】13(+5)【判】14(+6) 【耐】18(+8)【知】12(+5)【魅】16(+7) | |
装備:ハイド・アーマー、金棒(モール) |
・赤鬼の兵卒の戦術
赤鬼の兵卒は、戦闘開始と同時に目についた敵の集団に対して突撃を行ない、猛進突撃の効果を活かして目標だけでなくその周囲にも被害を与えようと試みる。その後は足を止めて金棒による攻撃を続けるが、戦術的優位が得られたならば、機を逃さすにすかさず虚を突く噛みつきで敵の血肉を食いちぎり、自分の力としてしまう。
赤鬼大将 大型・自然・人型、オニ | レベル14 暴れ役 XP1000 |
イニシアチブ+11 感覚:〈知覚〉+12;暗視 hp:170;重傷値:85 AC26;頑健27、反応23、意志27 移動速度:6(突撃時8)、飛行3(飛行時劣悪) | |
[m]金棒(標準;無限回)◆[武器] | |
間合い3;+17対AC;2d8+6ダメージ。 | |
[M]虚を突く噛みつき(マイナー;無限回) | |
戦術的優位が必要;+10対“反応”;1d8+4ダメージ。赤鬼大将は8点の一時的hpを得る。 | |
[M]怒り任せの突撃(フリー;初めて重傷になった時点;遭遇毎) | |
赤鬼大将は即座に1回の突撃を行なう。 | |
鉄砕棒(標準;再チャージ5、6)◆[武器] | |
+17対AC;3d8+6ダメージ。目標は自分の所持している魔法のアイテムを1つを選ぶ。この遭遇の終了時までその魔法のアイテムの強化ボーナスと特性は無効化され、そのアイテムの持つパワーは使用できなくなる。 | |
猛進突撃 | |
赤鬼大将が突撃による近接基礎攻撃をヒットさせたならば、その突撃の目標に隣接するすべての敵に5点のダメージを与える。 | |
属性:悪 言語:共通語、巨人語 技能:〈威圧〉+15、〈運動〉+18、〈看破〉+17 【筋】23(+13)【敏】19(+11)【判】21(+12) 【耐】20(+12)【知】15(+9)【魅】17(+10) | |
装備:ハイド・アーマー、金棒(モール) |
・赤鬼大将の戦術
赤鬼大将は赤鬼の兵卒と同じく先陣を切って突撃を行ない、戦闘を開始する。その後、重傷になったときに、怒り任せの突撃よって、恐るべき素早さで再びの突撃を行なう。
敵が魔法のアイテムで身を固めていると見るや、鉄砕棒のパワーを使用して、そのアイテムを一時的とはいえ無効化する。
・赤鬼に関する知識
〈自然〉判定に成功したキャラクターは以下の情報を知っていることになる。
難易度15:赤鬼はオニの一族である。オニは多くの人型クリーチャーを奴隷として扱う支配的種族であり、強靱な肉体的戦闘能力と妖術と呼ばれる魔法戦闘能力を併せ持つ。中でも赤鬼は一際大きな身体を持つ凶暴な一族だ。
難易度20:赤鬼は生まれながらの突進型ファイターである。彼らは通常突撃によって戦闘を開始し、隙あらば突撃を行なおうとする。彼らは集団で戦うときも千列の維持などには気を払わない。
難易度30:赤鬼はオニの中でも最もポピュラーな種族であり、対象が自分より劣ると見るや(ほぼ確実にそう判断するのだが)侮辱し軽蔑することにより、油断をしてしまうこともままある。彼らが本当の意味で怒りを露わにするのは大きな傷を負ってからのことだ。

以下のパワーは赤鬼の兵卒、赤鬼大将の持つ猛進突撃の代替パワーとして入れ替えて使用することができる。
獄炎召来(マイナー;遭遇毎)◆[火]、[武器] | |
+6対AC;赤鬼は自分の次回のターンの終了時まで、武器による攻撃において追加で+1d8の[火]ダメージを与える。維持:移動、効果は持続する。 |
手負いの鬼兵 | |
+6対AC;赤鬼は自分に最後に攻撃をヒットさせた敵に対するダメージ・ロールに+5のボーナスを得る。 |


赤鬼はオニの中でも最もポピュラーで使いやすい一種だ。
暴れ役なので、ダメージディーラー兼、肉体派の壁役としてもうってつけで、数を出しても戦場を混乱させる可能性が少ない。
ここに記載された赤鬼の兵卒、および赤鬼大将は標準的なレベルのモンスターとして記載されている。
以下にカスタマイズの指針を示す。
レベルの増減:±3以内(赤鬼の兵卒:6〜12、赤鬼大将11〜17)。調整方法は『DMG』p.174参照。
役割の変更(雑魚化):hpを1に変更すること。攻撃パワーのダメージは平均ダメージと等しい固定ダメージ表記に改めること(たとえば2d6+5ダメージなら、固定12ダメージとなる)。その他雑魚では発動しないパワー、表記は削除する(重傷時に発動、等は意味がないので削除をしよう)
役割の変更(精鋭化1):用途テンプレート「サヴェジ・バーサーカー」を適用する。『DMG』p.177参照。
役割の変更(精鋭化2):『DMG』p.185の方法で各種数値を底上げする。さらに以下のパワーを追加する。
[m]鉄嵐の金棒(標準;無限回)◆[武器] | |
赤鬼は金棒による攻撃を2回行なう。攻撃が両方ともヒットした場合、赤鬼はフリー・アクションとして1回の突撃を行なうことができる。 |
役割の変更(単独化):精鋭化1と精鋭化2を同時に適用する。
マジックアイテムの所持:赤鬼が所持している可能性のあるアイテムは、おもに武器である。『DMG』p.174「装備の追加」。こうした特殊な武器は殆どが略奪品であり、人間から奪った物や、奪ったアイテムの魔力を自分たちの武器に付与した物だ。

D&D鬼草紙、第4回「赤鬼」でした。オニと言われてまず思い浮かぶのは、この赤鬼ではないでしょうか? 『モンスター・マニュアル』に収録されているオニはイラストを見る限り青とも緑ともつかない肌の色をしていますが、それに対して「あれ? オニって普通は赤いもんじゃない?」と思ったのか今回の連載の開始動機のひとつだったり。データの方もあまりひねらずにオーソドックスなイメージで作成してみました。使いやすいものになっていると思いますが、たしかにオーガと間違えられても仕方ない感じかも。
次回第5回は、オニを語る上ではこちらも外せない「青鬼」です。お楽しみに!